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都市計画の種類と決定権者|誰がどれを定めるか

法令上の制限 読了 約31分

都市計画法15条の列挙から、どの都市計画を都道府県が定め、どれを市町村が定めるかを整理。公聴会・2週間の縦覧・審議会・大臣協議という決定手続も条文で解説します。

目次

    本記事は、都市計画法が定める都市計画の種類を、誰がそれを決めるかという軸で並べ直し、あわせて決定手続(16条から21条)を扱います。都市計画法の骨格そのものは都市計画法の全体像に、面積や期間の数字は都市計画法の数字まとめにありますので、ここでは決定主体と手続に絞ります。

    先に結論を述べます。都市計画の分担を決めているのは15条1項という一本の条文で、その仕組みは「都道府県が定めるものを列挙し、それ以外は市町村」という形の裏返し構造です。列挙されたものだけを覚えれば、残りは自動的に市町村になります。列挙の基準は広域性で、複数の市町村にまたがる判断は都道府県、地域に密着した判断は市町村、という切り分けです。

    そして手続については、関与の場面が住民と行政の二方向に分かれます。住民の側の関与が公聴会(16条)と縦覧・意見書(17条)、行政の側の関与が審議会の議と上位行政庁との協議(18条・19条)です。この二方向を分けて覚えると、手続の順序が崩れません。

    なお本記事は2026年4月1日時点で施行されている条文に基づいています。都市計画法は令和8年法律第23号により2026年5月27日にも改正法が施行されていますが、本則164条に実体的な差分はありません。都市計画法施行令についても2026年4月1日施行の版が基準日版で、本記事が引く10条・15条に変更はありません。

    都市計画の種類を条文で確定する

    6つのグループに分かれる

    決定権者を論じる前に、対象となる「都市計画」の種類を条文で押さえます。都市計画法は種類を1か所にまとめて列挙しておらず、条文ごとに分散して定めています。整理すると次の6つです。

    第1に、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(6条の2)。いわゆる都市計画区域マスタープランです。6条の2第2項は、区域区分の決定の有無と定めるときはその方針を定めるものとするとし、都市計画の目標と主要な都市計画の決定の方針を定めるよう努めるものとするとしています。義務と努力義務が書き分けられています。

    第2に、都市再開発方針等(7条の2)。都市再開発の方針、住宅市街地の開発整備の方針、拠点業務市街地の開発整備の方針、防災街区整備方針の4つで、いずれも他の法律に根拠を持つ方針です。

    第3に、区域区分(7条)。市街化区域と市街化調整区域の線引きです。

    第4に、地域地区(8条1項)。用途地域を筆頭に16号まで列挙されています。

    第5に、都市施設(11条1項)と市街地開発事業(12条1項)、そして市街地開発事業等予定区域(12条の2)。

    第6に、地区計画等(12条の4)。地区計画、防災街区整備地区計画、歴史的風致維持向上地区計画、沿道地区計画、集落地区計画の5つです。

    8条1項の地域地区は16号ある

    地域地区は種類が多く、8条1項が1号から16号まで列挙しています。1号が用途地域(13種類の総称)、2号が特別用途地区、2号の2が特定用途制限地域、2号の3が特例容積率適用地区、2号の4が高層住居誘導地区、3号が高度地区または高度利用地区、4号が特定街区、4号の2が都市再生特別地区等、5号が防火地域または準防火地域、5号の2が特定防災街区整備地区、6号が景観地区、7号が風致地区、8号が駐車場整備地区、9号が臨港地区、10号から16号が歴史的風土特別保存地区、緑地保全地域等、流通業務地区、生産緑地地区、伝統的建造物群保存地区、航空機騒音障害防止地区です。

    「二の二」「二の三」「四の二」「五の二」といった枝番が多いのが8条1項の特徴で、後から制度が追加された履歴が条文に残っています。個々の地域地区の中身は用途地域の建築制限防火地域・準防火地域景観地区と風致地区で扱っています。

    なお、8条2項は準都市計画区域に定められる地域地区を限定列挙しており、1号から2号の2まで、3号のうち高度地区、6号、7号、12号のうち緑地保全地域、15号だけが定められます。高度利用地区は定められません。準都市計画区域の詳細は非線引き区域と準都市計画区域にあります。

    「都市計画」と「区域の指定」は別物である

    決定権者を論じるうえで最初に区別しておきたいのが、都市計画区域や準都市計画区域の指定は、それ自体が「都市計画」ではないという点です。

    5条1項は、都道府県が都市計画区域を指定するものとすると定め、5条5項は「都市計画区域の指定は、国土交通省令で定めるところにより、公告することによつて行なう」としています。公告によって行う指定であって、都市計画の決定ではありません。したがって16条以下の決定手続は適用されません。

    5条3項は、都道府県が都市計画区域を指定しようとするときは、あらかじめ関係市町村および都道府県都市計画審議会の意見を聴くとともに、国土交通大臣に協議し、その同意を得なければならないとしています。そして5条4項は、2以上の都府県の区域にわたる都市計画区域は、国土交通大臣が、あらかじめ関係都府県の意見を聴いて指定するとしています。

    準都市計画区域については5条の2で、都道府県が指定することができるとされ、2項であらかじめ関係市町村および都道府県都市計画審議会の意見を聴くことが求められています。都市計画区域と違い、国土交通大臣の協議・同意は要件になっていません。3項により、指定は公告によって行います。

    区域の指定は都道府県(広域なら大臣)、区域の中身を決める都市計画は都道府県または市町村。この二段の構造をまず頭に置いてください。

    15条1項が列挙する7つ

    条文は「列挙以外は市町村」と書いている

    都市計画の決定権者を定めるのが15条1項です。

    次に掲げる都市計画は都道府県が、その他の都市計画は市町村が定める。
    ――都市計画法15条1項

    書き方が裏返しになっています。都道府県が定めるものを7つ列挙し、それ以外はすべて市町村、という構造です。したがって覚えるべきは7つだけで、市町村が定めるものを列挙して覚える必要はありません。「これは列挙に入っているか」という一点で判定します。

    列挙されている7つ

    1号は、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針に関する都市計画。都市計画区域マスタープランです。都市計画区域全体の方針なので都道府県です。

    2号は、区域区分に関する都市計画。線引きは都市圏全体をどう配分するかの判断なので都道府県です。市街化調整区域の性格は市街化調整区域で扱っています。

    3号は、都市再開発方針等に関する都市計画。

    4号は、8条1項4号の2、9号から13号まで、16号に掲げる地域地区に関する都市計画。都市再生特別地区、臨港地区、歴史的風土特別保存地区、緑地保全地域等、流通業務地区、航空機騒音障害防止地区といった、他の法律に根拠を持ち広域性の高いものです。ただし括弧書きで細かく絞り込まれており、たとえば臨港地区は国際戦略港湾・国際拠点港湾・重要港湾に係るものに限られます。

    5号は、1の市町村の区域を超える広域の見地から決定すべき地域地区または都市施設・根幹的都市施設として政令で定めるものに関する都市計画。

    6号は、市街地開発事業に関する都市計画。ただし括弧書きで、土地区画整理事業・市街地再開発事業・住宅街区整備事業・防災街区整備事業については、政令で定める大規模なものであって、国の機関または都道府県が施行すると見込まれるものに限るとされています。

    7号は、市街地開発事業等予定区域に関する都市計画。こちらも一部が広域性で絞られています。

    6号の「大規模」は政令が決めている

    6号の括弧書きにある「政令で定める大規模なもの」は、都市計画法施行令10条が定めています。土地区画整理事業は施行区域の面積が50ヘクタールを超えるもの、市街地再開発事業は3ヘクタールを超えるもの、住宅街区整備事業は20ヘクタールを超えるもの、防災街区整備事業は3ヘクタールを超えるものです。

    したがって、たとえば施行区域30ヘクタールの土地区画整理事業は50ヘクタールを超えないので、都道府県ではなく市町村が定めます。市街地開発事業だから都道府県、と単純化はできません。規模と施行者の見込みという2つの条件が「であって」で結ばれています。土地区画整理事業の仕組みは土地区画整理事業にまとめています。

    列挙にないものは市町村が定める

    列挙されていない代表格が2つあります。

    第1に、用途地域を含む多くの地域地区。8条1項1号の用途地域は、15条1項4号の列挙(4号の2、9号から13号まで、16号)に入っていません。したがって用途地域は市町村が定めます。特別用途地区、特定用途制限地域、高度地区、高度利用地区、特定街区、防火地域・準防火地域、景観地区、風致地区、生産緑地地区なども同様です。

    第2に、地区計画等。12条の4の地区計画等は15条1項のどの号にも挙がっていないので、市町村が定めます。地区計画は街区という最も小さな単位を扱う制度なので、市町村が定めるのが制度の趣旨に合います。地区計画の内容は地区計画で詳しく扱っています。

    「用途地域は市町村、区域区分は都道府県」という対比が、この論点で最も問われる形です。どちらも土地利用の基本にかかわる都市計画ですが、区域区分は都市圏全体の骨格、用途地域はその中の配置なので、担い手が分かれます。

    分担の原理は広域性である

    7つの列挙を眺めると、共通するのは1つの市町村では判断しきれない広がりを持つかどうかです。5号は「1の市町村の区域を超える広域の見地から決定すべき」と条文が明文で基準を書いており、他の号もこの発想の具体化と読めます。

    この原理を持っておくと、列挙を厳密に覚えていなくても見当がつきます。都市圏全体の方針か、複数市町村にまたがる施設か、国が関与する大規模事業か。そのいずれかなら都道府県、そうでなければ市町村です。

    15条2項から4項が定める調整

    広域性の要件が変わったときのみなし規定

    15条2項は、市町村の合併その他の理由により、1項5号に該当する都市計画が該当しないこととなったとき、または該当しない都市計画が該当することとなったときは、当該都市計画はそれぞれ市町村または都道府県が決定したものとみなすと定めています。

    市町村が合併して1つになれば、それまで2つの市町村にまたがっていた都市施設が1つの市町村の中に収まります。そのたびに決定をやり直すのは無駄なので、決定主体が入れ替わったものとみなす、という技術的な規定です。

    市町村の都市計画は都道府県のものに適合しなければならない

    15条3項は、市町村が定める都市計画は、議会の議決を経て定められた当該市町村の建設に関する基本構想に即し、かつ、都道府県が定めた都市計画に適合したものでなければならないと定めています。

    「即し」と「適合し」が使い分けられています。基本構想には即すればよく、都道府県の都市計画には適合しなければならない、という強弱の差です。

    抵触したときは都道府県が優先する

    15条4項は、市町村が定めた都市計画が都道府県が定めた都市計画と抵触するときは、その限りにおいて、都道府県が定めた都市計画が優先すると定めています。

    「その限りにおいて」という限定に注意してください。市町村の都市計画が全体として無効になるのではなく、抵触する部分についてのみ都道府県のものが優先します。「市町村の都市計画は無効となる」という肢は言い過ぎです。

    市町村から都道府県への申出

    15条の2第1項は、市町村は必要があると認めるときは、都道府県に対し、都道府県が定める都市計画の案の内容となるべき事項を申し出ることができるとしています。2項は、都道府県が案を作成しようとするときは、関係市町村に資料の提出その他必要な協力を求めることができるとしています。

    決定権が都道府県にあっても、市町村が意見を出す回路が条文上用意されているという点で、後述する提案制度と同じ発想の規定です。

    指定都市と国土交通大臣の特例

    指定都市は都道府県の分を自ら定める

    87条の2第1項は、指定都市の区域においては、15条1項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる都市計画は指定都市が定めるとしています。

    つまり、政令指定都市の中では、区域区分も都市計画区域マスタープランも、本来なら都道府県が定めるはずのものを指定都市自身が定めます。指定都市は都道府県に匹敵する行政能力を持つという前提です。

    もっとも例外があり、1号の都市計画区域マスタープランについては1つの指定都市の区域の内外にわたり指定されている都市計画区域に係るものを除き、5号については1つの指定都市の区域を超えて特に広域の見地から決定すべき都市施設として政令で定めるものを除く、とされています。指定都市の外にまではみ出す話は、やはり都道府県が担います。

    87条の2第4項は、指定都市が18条3項の都市計画(国の利害に重大な関係がある政令で定めるもの)を定めようとする場合について、19条3項の「都道府県知事に協議しなければ」を「国土交通大臣に協議し、その同意を得なければ」と読み替えると定めています。6項により、この協議の前にあらかじめ都道府県知事の意見を聴き、協議書にその意見を添えなければなりません。

    2以上の都府県にわたる区域では大臣が定める

    22条1項は、2以上の都府県の区域にわたる都市計画区域に係る都市計画は、国土交通大臣及び市町村が定めるとしています。

    見落とされやすいのは、この場合の主体が「国土交通大臣及び市町村」であって、都道府県が登場しない点です。15条以下の「都道府県」を「国土交通大臣」と読み替える、という形で条文が処理されています。そして22条2項は、国土交通大臣は都府県が作成する案に基づいて都市計画を定めるものとするとしています。案は都府県が作り、決定は大臣が行う、という分担です。

    5条4項が2以上の都府県にわたる都市計画区域の指定を大臣に委ねているのと平仄が合っています。区域の指定も、その中の都市計画も、都府県をまたぐものは大臣と覚えてください。

    決定手続(1)住民の関与

    公聴会は「必要があると認めるとき」

    16条1項は次のとおりです。

    都道府県又は市町村は、次項の規定による場合を除くほか、都市計画の案を作成しようとする場合において必要があると認めるときは、公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。
    ――都市計画法16条1項

    「必要があると認めるとき」という条件が付いています。公聴会の開催は常に義務ではありません。ここは繰り返し問われる引っかけどころで、「都市計画を決定するには必ず公聴会を開催しなければならない」という肢は誤りです。

    また、条文が求めているのは「公聴会の開催等……必要な措置」であって、公聴会そのものに限られません。説明会やアンケートなど、住民の意見を反映させる措置であれば足ります。

    地区計画等の案だけは条件が違う

    16条1項の冒頭に「次項の規定による場合を除くほか」という除外があります。その2項が次のとおりです。

    都市計画に定める地区計画等の案は、意見の提出方法その他の政令で定める事項について条例で定めるところにより、その案に係る区域内の土地の所有者その他政令で定める利害関係を有する者の意見を求めて作成するものとする
    ――都市計画法16条2項

    地区計画等の案については、「必要があると認めるとき」という条件が付いていません。区域内の土地所有者等の意見を求めて作成することが、条件なしに求められています。街区単位の計画は個々の土地に直接効いてくるので、関係者の関与を必須にしている、という趣旨です。

    3項は、市町村がこの条例において、住民または利害関係人から地区計画等に関する都市計画の決定・変更や案の内容となるべき事項を申し出る方法を定めることができるとしています。

    16条は1項と2項で条件の付き方が違う。この差が問われます。

    市町村マスタープランも条件が付いていない

    もう1つ条件の付かない場面があります。18条の2第2項です。

    市町村は、基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。
    ――都市計画法18条の2第2項

    18条の2の「基本方針」とは、市町村の都市計画に関する基本的な方針、いわゆる市町村マスタープランのことです。こちらも「必要があると認めるとき」がありません。

    同条1項は、市町村は議会の議決を経て定められた基本構想ならびに都市計画区域の整備、開発及び保全の方針に即し、基本方針を定めるものとするとしています。3項は、定めたときは遅滞なくこれを公表するとともに、都道府県知事に通知しなければならないとしています。協議ではなく通知です。4項は、市町村が定める都市計画は基本方針に即したものでなければならないとしています。

    なお87条の2第3項により、指定都市(その区域の内外にわたり都市計画区域が指定されているものを除く)については、18条の2第1項の「ものとする」が「ことができる」と読み替えられます。

    公告と2週間の縦覧は義務

    17条1項は次のとおりです。

    都道府県又は市町村は、都市計画を決定しようとするときは、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公告し、当該都市計画の案を、当該都市計画を決定しようとする理由を記載した書面を添えて、当該公告の日から二週間公衆の縦覧に供しなければならない。
    ――都市計画法17条1項

    16条1項と違い、こちらは無条件の義務です。「しなければならない」と書かれています。

    押さえるべき要素は4つです。第1に、あらかじめその旨を公告すること。第2に、都市計画の案を縦覧に供すること。第3に、決定しようとする理由を記載した書面を添えること。第4に、公告の日から2週間であること。理由書の添付が条文に書かれている点は見落とされがちです。

    期間の起算点は公告の日です。案を作成した日でも、審議会に付議した日でもありません。数字の横断整理は都市計画法の数字まとめにあります。

    意見書は「住民及び利害関係人」が出せる

    17条2項は、公告があったときは、関係市町村の住民及び利害関係人は、縦覧期間満了の日までに、縦覧に供された都市計画の案について意見書を提出することができると定めています。

    2点あります。第1に、提出できるのは住民に限られません。「住民及び利害関係人」なので、区域外に住んでいても利害関係があれば提出できます。第2に、提出期限は縦覧期間満了の日までです。縦覧が終わった後に出すことはできません。

    提出先は、都道府県の作成に係るものは都道府県、市町村の作成に係るものは市町村です。案を作った側に出す、という素直な仕組みです。

    17条には3項から5項もある

    見落とされやすいのが17条の後半です。案の性質によって、意見書とは別に同意や意見聴取が必要になる場合があります。

    3項は、特定街区に関する都市計画の案について、政令で定める利害関係を有する者の同意を得なければならないとしています。意見を聴くのではなく同意です。特定街区は容積率や高さの限度を街区単位で個別に定める制度なので、関係権利者の合意を前提にしています。

    4項は、遊休土地転換利用促進地区に関する都市計画の案について、区域内の土地に関する所有権または地上権その他の政令で定める権利を有する者の意見を聴かなければならないとしています。こちらは意見聴取です。

    5項は、都市計画事業の施行予定者を定める都市計画の案について、当該施行予定者の同意を得なければならないとしています。ただし12条の3第2項の規定の適用がある事項については、この限りでないとされています。

    同意が要るのが特定街区と施行予定者、意見聴取が要るのが遊休土地転換利用促進地区。この使い分けが条文に書き分けられています。

    条例で手続を上乗せできる

    17条の2は、前二条(16条・17条)の規定は、都道府県または市町村が、住民または利害関係人に係る都市計画の決定の手続に関する事項について、前二条の規定に反しない範囲で条例で必要な規定を定めることを妨げないとしています。

    法律が定めた手続は最低限であり、地方公共団体が上乗せすることは妨げられません。「縦覧期間は2週間でなければならない」ではなく「2週間以上でなければならない」と読むのが正確です。

    決定手続(2)行政の関与

    都道府県が定める場合

    18条1項は、都道府県は、関係市町村の意見を聴き、かつ、都道府県都市計画審議会の議を経て、都市計画を決定するものとすると定めています。

    2つの手順が「かつ」で結ばれています。関係市町村の意見聴取と、都道府県都市計画審議会の議。どちらか一方では足りません。

    2項は、案を都道府県都市計画審議会に付議しようとするときは、17条2項により提出された意見書の要旨を審議会に提出しなければならないとしています。住民から出た意見書が審議会に届く回路が条文で保障されています。意見書を受け取って終わりではない、という点が要点です。

    大臣に対しては協議と同意の両方が要る

    18条3項は次のとおりです。

    都道府県は、国の利害に重大な関係がある政令で定める都市計画の決定をしようとするときは、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣に協議し、その同意を得なければならない
    ――都市計画法18条3項

    協議に加えて同意が要ります。「現在は協議のみで同意は不要」という説明は誤りです。条文が「その同意を得なければならない」と明記しています。

    4項は、国土交通大臣は国の利害との調整を図る観点から協議を行うものとする、と協議の視点を限定しています。大臣が都市計画の内容を全面的に審査するのではなく、国の利害との調整という観点に絞られている、という趣旨です。

    なお、5条3項の都市計画区域の指定についても、国土交通大臣への協議と同意が必要です。指定も、国の利害に重大な関係がある都市計画の決定も、大臣に対しては協議+同意。この2か所を対で覚えてください。

    市町村が定める場合

    19条1項は、市町村は、市町村都市計画審議会(当該市町村に市町村都市計画審議会が置かれていないときは、当該市町村の存する都道府県の都道府県都市計画審議会)の議を経て、都市計画を決定するものとすると定めています。

    市町村都市計画審議会が置かれていない場合の受け皿が条文に書かれています。その場合は都道府県都市計画審議会の議を経ます。「市町村都市計画審議会がなければ手続を省略できる」という肢は誤りです。

    2項は、18条2項と同じく、意見書の要旨を審議会に提出しなければならないとしています。

    知事に対しては協議だけでよい

    19条3項は、市町村が都市計画区域または準都市計画区域について都市計画を決定しようとするときは、あらかじめ都道府県知事に協議しなければならないと定めています。

    同意は要件になっていません。18条3項が大臣に対して「協議し、その同意を得なければならない」としているのと対照的です。かつては知事の同意も必要でしたが、現行法は協議までです。

    大臣に対しては協議と同意、知事に対しては協議のみ。この非対称が最も問われる箇所です。前述の「国土交通大臣の同意は不要」という誤った説明は、この知事に対する扱いと混線したものと考えられます。

    4項は、都道府県知事は、1つの市町村の区域を超える広域の見地からの調整を図る観点、または都道府県が定め若しくは定めようとする都市計画との適合を図る観点から協議を行うものとする、と協議の視点を限定しています。5項は、知事が協議に当たり必要と認めるときは関係市町村に資料の提出等の協力を求めることができるとしています。

    告示の日から効力が生じる

    20条1項は、都市計画を決定したときはその旨を告示し、かつ、都道府県にあっては関係市町村長に、市町村にあっては都道府県知事に、14条1項に規定する図書の写しを送付しなければならないとしています。

    2項は、都道府県知事および市町村長は、その図書または写しを事務所に備え置いて一般の閲覧に供する方法その他の適切な方法により公衆の縦覧に供しなければならないとしています。17条1項の縦覧が決定前の案の縦覧であるのに対し、こちらは決定後の図書の縦覧です。縦覧が2回登場する点に注意してください。決定後の縦覧には期間の定めがありません。

    3項は次のとおりです。

    都市計画は、第一項の規定による告示があつた日から、その効力を生ずる。
    ――都市計画法20条3項

    効力発生は告示の日です。決定した日でも、図書を送付した日でも、縦覧を始めた日でもありません。

    変更の手続は準用による

    21条1項は、都市計画区域や準都市計画区域が変更されたとき、基礎調査の結果として変更の必要が明らかとなったとき、その他都市計画を変更する必要が生じたときは、遅滞なく当該都市計画を変更しなければならないとしています。

    2項は、17条から18条まで、および19条・20条の規定を都市計画の変更について準用するとしたうえで、17条、18条2項・3項、19条2項・3項については政令で定める軽易な変更を除くとしています。軽微な変更にまで縦覧や大臣協議を要求するのは過剰だ、という調整です。

    提案制度

    誰が提案できるか

    21条の2第1項は、都市計画区域または準都市計画区域のうち、一体として整備・開発・保全すべき土地の区域としてふさわしい政令で定める規模以上の一団の土地の区域について、その土地の所有権または建物の所有を目的とする対抗要件を備えた地上権もしくは賃借権を有する者が、一人で、又は数人共同して、都道府県または市町村に対し、都市計画の決定または変更を提案することができると定めています。

    「一人で」でも提案できるという点は条文に明記されています。ただし後述の同意要件があるので、区域内に他の権利者がいれば実際にはその同意が必要になります。

    対象から除かれているのは、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針と都市再開発方針等です。方針レベルの都市計画は提案の対象外という整理です。

    2項は、まちづくりの推進を図る活動を目的とする特定非営利活動法人、一般社団法人・一般財団法人その他の営利を目的としない法人、独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社などにも提案権を認めています。3項は都市緑化支援機構について定めています。

    提案には、当該提案に係る都市計画の素案を添えなければなりません(1項後段)。

    0.5ヘクタールと3分の2

    規模の要件は都市計画法施行令15条が定めています。

    法第二十一条の二第一項の政令で定める規模は、〇・五ヘクタールとする。
    ――都市計画法施行令15条本文

    0.5ヘクタールです。ただし同条ただし書により、特に必要があると認められるときは、都道府県または市町村が条例で、区域または都市計画の種類を限り、0.1ヘクタール以上0.5ヘクタール未満の範囲内で別に定めることができます。条例で引き下げられる、という余地が条文上あります。

    同意の要件は21条の2第4項2号にあります。素案の対象となる土地の区域内の土地所有者等の3分の2以上の同意を得ていることが必要で、括弧書きにより、同意した者が所有する土地の地積と同意した者が有する借地権の目的となっている土地の地積の合計が、区域内の総地積と借地権の目的となっている土地の総地積との合計の3分の2以上となる場合に限る、とされています。

    人数の3分の2と地積の3分の2の両方が要ります。片方だけでは足りません。なお、国または地方公共団体が所有し公共施設の用に供されている土地は、この計算から除かれます。

    同項1号は、素案の内容が13条その他の法令に基づく都市計画に関する基準に適合するものであることも要件としています。

    提案された後どうなるか

    21条の3は、計画提案が行われたときは、遅滞なく、計画提案を踏まえた都市計画の決定または変更をする必要があるかどうかを判断し、必要があると認めるときはその案を作成しなければならないと定めています。提案があれば必ず都市計画が決まるわけではありません。判断する義務があるだけです。

    21条の4は、素案の内容の全部を実現するものを除き、審議会に案を付議しようとするときは、案に併せて計画提案に係る素案を提出しなければならないとしています。提案どおりでない案を審議会にかけるときは、元の提案も見せる、という仕組みです。

    21条の5第1項は、決定または変更をする必要がないと判断したときは、遅滞なくその旨および理由を提案者に通知しなければならないとしています。2項は、その通知をしようとするときは、あらかじめ都市計画審議会に素案を提出して意見を聴かなければならないとしています。

    却下する場合にも審議会の意見を聴くという点が、この制度の実効性を支えています。行政の一存で握りつぶせない設計です。

    他の行政機関との調整

    23条の協議・意見聴取

    23条は、都市計画の内容によって他の行政機関との調整を要求しています。1項は、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針や区域区分に関する都市計画について、農林水産大臣への協議を求めています。市街化区域に定められることとなる土地に農用地区域等が含まれるときに限る、という限定が区域区分についてはただし書で付いています。

    2項は、国土交通大臣がこれらの都市計画を定めまたは同意しようとするときは、あらかじめ経済産業大臣及び環境大臣の意見を聴かなければならないとしています。3項は、厚生労働大臣が必要と認めるときは、方針・区域区分・用途地域に関する都市計画について国土交通大臣に意見を述べることができるとしています。

    4項は、臨港地区に関する都市計画は、港湾管理者が申し出た案に基づいて定めるとしています。5項・6項は都市施設について、7項は地区整備計画における建築の限界について、それぞれ協議を求めています。

    これらは試験で細かく問われる箇所ではありませんが、都市計画が土地利用の各分野と衝突しうるため、条文が調整の回路を張り巡らせていることは知っておくとよいでしょう。

    24条の指示

    24条1項は、国土交通大臣は、国の利害に重大な関係がある事項に関し必要があると認めるときは、都道府県に対し、または都道府県知事を通じて市町村に対し、期限を定めて都市計画区域の指定または都市計画の決定・変更のため必要な措置をとるべきことを指示できるとしています。この場合、都道府県または市町村は正当な理由がない限り指示に従わなければなりません。

    4項は、期限までに正当な理由なく措置がとられないときは、社会資本整備審議会の確認を得たうえで、大臣が自ら当該措置をとることができるとしています。6項は、都道府県が市町村に対して期限を定めて必要な措置を求めることができるとしています。

    試験での出題ポイント

    用途地域と区域区分の主体を入れ替える

    最頻出です。「用途地域は都道府県が定める」は誤りで、15条1項4号の列挙に8条1項1号は入っていないので市町村が定めます。「区域区分は市町村が定める」も誤りで、15条1項2号に明記されています。

    用途地域が市町村、区域区分が都道府県。この1組を確実にしてください。

    地区計画の主体を都道府県にする

    「地区計画は都道府県が定める」は誤りです。地区計画等は15条1項のどの号にも挙がっていないので市町村が定めます。街区単位の計画だから市町村、という趣旨とセットで覚えます。

    公聴会を義務にする

    「都市計画を決定しようとするときは、必ず公聴会を開催しなければならない」は誤りです。16条1項は「必要があると認めるとき」に「公聴会の開催等……必要な措置を講ずるものとする」としています。

    ただし、地区計画等の案(16条2項)と市町村マスタープラン(18条の2第2項)には「必要があると認めるとき」がありません。「地区計画等の案についても、必要があると認めるときに限り利害関係者の意見を求めれば足りる」という肢は誤りになります。

    縦覧期間の数字と起算点をずらす

    「縦覧期間は1か月である」「30日である」はいずれも誤りで、17条1項は2週間です。「案を作成した日から2週間」も誤りで、起算点は公告の日です。

    また「意見書は縦覧期間の経過後1週間以内に提出できる」も誤りです。17条2項は縦覧期間満了の日までとしています。

    意見書の提出資格を住民に限る

    「意見書を提出できるのは関係市町村の住民に限られる」は誤りです。17条2項は「関係市町村の住民及び利害関係人」としています。

    大臣の同意を不要とする

    「都道府県が国の利害に重大な関係がある都市計画を定めようとするときは、国土交通大臣に協議すれば足り、同意を得る必要はない」は誤りです。18条3項は「協議し、その同意を得なければならない」と定めています。

    逆に「市町村が都市計画を定めようとするときは、都道府県知事の同意を得なければならない」も誤りです。19条3項は協議までしか求めていません。大臣は協議+同意、知事は協議のみ。

    効力発生時期をずらす

    「都市計画は、決定した日から効力を生ずる」「縦覧を開始した日から効力を生ずる」はいずれも誤りです。20条3項は告示があった日からとしています。

    提案制度の数字を動かす

    「提案には区域内の土地所有者等の過半数の同意が必要である」は誤りで、3分の2以上です。「人数の3分の2以上の同意があれば足りる」も誤りで、地積についても3分の2以上が必要です。

    規模については「1ヘクタール以上」「1,000平方メートル以上」といった数字に差し替えられます。施行令15条は0.5ヘクタールです。

    審議会の受け皿を落とす

    「市町村都市計画審議会が置かれていない市町村は、審議会の議を経ることなく都市計画を決定できる」は誤りです。19条1項の括弧書きが、その場合は都道府県都市計画審議会の議を経ると定めています。

    覚え方・整理の仕方

    15条1項は「列挙されたら都道府県」と読む

    条文が裏返しの書き方をしているので、覚え方もそれに合わせます。7つの列挙に入っていれば都道府県、入っていなければ市町村。市町村の側を列挙して覚えようとすると量が増えて破綻します。

    7つを丸暗記するのが難しければ、「方針・線引き・広域・大規模」の4語で見当をつけます。都市計画区域マスタープランと都市再開発方針等が「方針」、区域区分が「線引き」、4号・5号・7号が「広域」、6号が「大規模」。この4語に当てはまらなければ市町村です。

    用途地域と地区計画は市町村と刻む

    例外的に強く記憶しておきたいのが、土地利用規制の中心である用途地域と、最も細かい地区計画が、どちらも市町村だという点です。「重要な制度だから都道府県だろう」という直感が働きやすいので、意識して上書きしてください。

    そのうえで、「区域区分だけが都道府県」と対で持つと、土地利用系の主体判定はほぼ処理できます。

    手続は「住民→行政→告示」の三段で唱える

    住民の関与が公聴会等(16条)と公告・2週間の縦覧・意見書(17条)。行政の関与が関係市町村の意見と審議会の議、そして上位行政庁との協議(18条・19条)。最後に告示と効力発生(20条)。この三段の順序で唱えれば、手続の並びが崩れません。

    そして各段で「無条件の義務か、条件付きか」を確認します。16条1項は条件付き、16条2項と18条の2第2項と17条1項は無条件。この区別が引っかけの中心です。

    協議と同意は相手で決まる

    上に行くほど強いと覚えます。市町村が知事に対しては協議のみ。都道府県が大臣に対しては協議+同意。指定都市が大臣に対しても協議+同意(87条の2第4項)。都市計画区域の指定について都道府県が大臣に対しても協議+同意(5条3項)。

    「知事には協議、大臣には協議と同意」という一文で足ります。

    数字は「2週間・0.5ヘクタール・3分の2」の3つ

    決定手続で覚える数字は3つだけです。縦覧2週間、提案の規模0.5ヘクタール、提案の同意3分の2。このうち3分の2は人数と地積の両方だ、という但し書きまでをセットにします。

    これに15条1項6号の政令の数字(土地区画整理50ヘクタール超、市街地再開発3ヘクタール超)を足せば、この分野の数字は尽きます。法令上の制限全体の数字は法令上の制限の暗記事項で横断的に確認できます。

    縦覧が2回あることを意識する

    17条1項の縦覧(決定前・案・2週間)と、20条2項の縦覧(決定後・図書・期間の定めなし)です。「決まる前に案を2週間、決まった後に図書をずっと」と対で覚えると、期間の数字をどちらに紐づけるか迷いません。

    理解度チェッククイズ

    Q1. 用途地域に関する都市計画は都道府県が定め、区域区分に関する都市計画は市町村が定める。(○か×か)

    答えを見る×:**両方とも逆です。**15条1項は「次に掲げる都市計画は都道府県が、その他の都市計画は市町村が定める」として7つを列挙しており、2号に区域区分が挙がっています。したがって**区域区分は都道府県**です。一方、用途地域は8条1項1号の地域地区ですが、15条1項4号が挙げるのは8条1項4号の2、9号から13号まで、16号であり、1号は含まれていません。列挙にない以上「その他の都市計画」なので**用途地域は市町村**が定めます。地区計画等も列挙にないので市町村です。

    Q2. 都市計画を決定しようとする場合、都道府県または市町村は、必ず公聴会を開催しなければならない。(○か×か)

    答えを見る×:16条1項は「都市計画の案を作成しようとする場合において**必要があると認めるとき**は、公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする」と定めています。条件が付いており、常に義務ではありません。また求められているのは「公聴会の開催等……必要な措置」であって、公聴会そのものに限られません。ただし、**地区計画等の案(16条2項)と市町村マスタープラン(18条の2第2項)にはこの条件が付いていない**点は区別してください。

    Q3. 都市計画の案は、公告の日から2週間公衆の縦覧に供しなければならず、関係市町村の住民および利害関係人は、縦覧期間満了の日までに意見書を提出することができる。(○か×か)

    答えを見る○:17条1項が「その旨を公告し、当該都市計画の案を、当該都市計画を決定しようとする理由を記載した書面を添えて、当該公告の日から**二週間**公衆の縦覧に供しなければならない」と定め、2項が「関係市町村の**住民及び利害関係人**は、同項の縦覧期間満了の日までに……意見書を提出することができる」と定めています。起算点が公告の日であること、提出できるのが住民だけでなく利害関係人も含むこと、期限が縦覧期間満了の日であることの3点が要素です。なお、決定しようとする理由を記載した書面を添える点も条文上の要件です。

    Q4. 都道府県が国の利害に重大な関係がある政令で定める都市計画を決定しようとするときは、あらかじめ国土交通大臣に協議すれば足り、その同意を得る必要はない。(○か×か)

    答えを見る×:18条3項は「あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣に協議し、**その同意を得なければならない**」と定めています。協議に加えて同意が必要です。これに対し、市町村が都市計画を決定しようとする場合の19条3項は「あらかじめ、都道府県知事に**協議しなければならない**」までで、知事の同意は要件になっていません。**大臣に対しては協議と同意、知事に対しては協議のみ**という非対称が、この論点の中心です。なお5条3項により、都市計画区域の指定についても都道府県は大臣の同意を要します。

    Q5. 都市計画は、都市計画審議会の議を経て決定された日から、その効力を生ずる。(○か×か)

    答えを見る×:20条3項は「都市計画は、第一項の規定による**告示があつた日**から、その効力を生ずる」と定めています。決定した日でも、審議会の議を経た日でも、図書を送付した日でもありません。20条1項は決定したときに告示し、あわせて都道府県は関係市町村長に、市町村は都道府県知事に図書の写しを送付しなければならないとし、2項はその図書等を公衆の縦覧に供しなければならないとしています。**縦覧は決定前(17条1項・案・2週間)と決定後(20条2項・図書)の2回登場する**点にも注意してください。

    Q6. 市町村都市計画審議会が置かれていない市町村は、都市計画を決定するにあたり審議会の議を経る必要がない。(○か×か)

    答えを見る×:19条1項は「市町村都市計画審議会(当該市町村に市町村都市計画審議会が置かれていないときは、**当該市町村の存する都道府県の都道府県都市計画審議会**)の議を経て、都市計画を決定するものとする」と定めています。括弧書きで受け皿が用意されており、審議会が置かれていない場合は都道府県都市計画審議会の議を経ます。手続を省略できるわけではありません。なお19条2項により、審議会に付議しようとするときは17条2項により提出された意見書の要旨を審議会に提出しなければなりません。

    Q7. 都市計画の決定または変更の提案は、対象となる区域内の土地所有者等の3分の2以上の同意を得て行う必要があるが、この3分の2は同意した者の人数で判断され、地積は考慮されない。(○か×か)

    答えを見る×:21条の2第4項2号は「土地所有者等の**三分の二以上の同意**(同意した者が所有するその区域内の土地の地積と同意した者が有する借地権の目的となつているその区域内の土地の地積の合計が、その区域内の土地の総地積と借地権の目的となつている土地の総地積との合計の**三分の二以上**となる場合に限る。)を得ていること」と定めています。**人数と地積の両方について3分の2以上**が必要で、片方だけでは足りません。なお規模の要件は都市計画法施行令15条が0.5ヘクタールと定めており、条例により0.1ヘクタール以上0.5ヘクタール未満の範囲で引き下げることができます。

    まとめ

    都市計画の決定権者を決めているのは15条1項の一本です。都道府県が定めるものを7つ列挙し、それ以外はすべて市町村という裏返しの構造なので、列挙に入っているかどうかだけを判定します。列挙されているのは、都市計画区域の整備・開発及び保全の方針、区域区分、都市再開発方針等、広域性の高い一部の地域地区、広域の見地から決定すべき地域地区・都市施設、大規模かつ国または都道府県が施行すると見込まれる市街地開発事業、市街地開発事業等予定区域の7つです。用途地域も地区計画も列挙にないので市町村が定めます。

    指定都市の区域では87条の2により指定都市自身が15条1項各号の都市計画を定め、2以上の都府県にわたる都市計画区域では22条により国土交通大臣と市町村が定めます。都市計画区域の指定そのものは都市計画ではなく、5条により都道府県が公告して行い、2以上の都府県にわたるものは大臣が指定します。

    手続は住民の関与と行政の関与の二方向です。住民側が16条の公聴会等(必要があると認めるとき)と17条の公告・2週間の縦覧・意見書(無条件の義務)行政側が18条・19条の審議会の議と協議、そして20条の告示で効力が生じます。地区計画等の案(16条2項)と市町村マスタープラン(18条の2第2項)だけは「必要があると認めるとき」という条件が付いていません。協議の相手方については、大臣に対しては協議と同意、知事に対しては協議のみという差が繰り返し問われます。

    数字は縦覧の2週間、提案制度の0.5ヘクタールと3分の2の3つで足ります。

    区域ごとの規制の中身に進むなら、市街化調整区域非線引き区域と準都市計画区域地区計画の順が効率的です。都市計画制限と開発許可については都市計画法の全体像宅建の開発許可制度を参照してください。

    条文を確認したら、宅建試験AIブートラボのアプリで法令上の制限の過去問演習に進み、決定権者と手続の肢を実際に切ってみてください。

    読んだ内容を、法令上の制限の肢で確かめる

    都市計画法・建築基準法・農地法は数字の暗記が中心です。繰り返しの肢別トレーニングが一番効きます。

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