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税金の計算問題|特例が効く段階で解き分ける

税・その他 読了 約31分

宅建の税金計算を5段階の手順に分解。特例が課税標準に効くのか税額に効くのかで答えが変わります。端数処理の根拠条文と、不動産取得税・固定資産税・登録免許税・譲渡所得の計算例を条文つきで整理します。

目次

    この記事は、税の計算を手順として組み立てるためのものです。個々の制度の説明は、不動産取得税の軽減固定資産税登録免許税と印紙税譲渡所得にあります。ここでは制度そのものではなく、数字をどの順番で処理するかだけを扱います。

    先に位置づけを書いておきます。宅建試験の「税・その他」は8問ですが、そのうち税は3問です。国税から1問、地方税から1問、そして不動産の価格の評定から1問という構成が続いています。配点の内訳は税・その他の攻略戦略にまとめてあります。3問しかないうえに、税額そのものを答えさせる出題は多くありません。それでも計算の手順を持っておく価値があるのは、正誤問題の多くが「どの段階に効く特例か」を入れ替えて作られるからです。手順を持っていれば、計算せずに肢を切れます。

    この記事の中心はひとつです。同じ「住宅を優遇する」特例でも、課税標準を圧縮するものと、税額から引くものがある。どの段階に効くかが税ごとに違い、そこを取り違えると答えが変わります。以下ではまず5段階の骨格を置き、次に税ごとに、どの段階に何が入るかを埋めていきます。

    税額は5つの段階を通って決まる

    段階を分けておく意味

    どの税でも、計算は同じ骨格をたどります。

    第1段階は評価額です。何を出発点の金額とするかを決めます。第2段階は課税標準です。評価額に特例を当てて圧縮します。第3段階は課税標準の端数処理です。第4段階は税率を掛けて税額を出します。第5段階は税額の端数処理と、税額からの控除・減額です。

    この5段階を紙に書いてから数字を入れる習慣をつけると、特例をどこに入れるかで迷わなくなります。逆に、いきなり計算を始めると、課税標準に効く特例を税額に掛けてしまう、といった事故が起きます。

    特例は3か所のどこかに効く

    特例が効く場所は3つしかありません。

    第一に、課税標準に効くもの。評価額に割合を掛けて圧縮するか、一定額を控除します。不動産取得税の宅地評価土地の2分の1、新築住宅の1,200万円控除、固定資産税の住宅用地の特例がこれです。

    第二に、税率に効くもの。標準税率より低い税率を適用します。不動産取得税の住宅・土地に対する3パーセント、譲渡所得の10年超所有の居住用財産に対する軽減税率がこれです。

    第三に、税額に効くもの。税率を掛けて出した税額から一定額を引くか、税額そのものを割合で減らします。不動産取得税の住宅用土地の減額、固定資産税の新築住宅の減額がこれです。

    同じ税の中でも、土地への優遇と家屋への優遇で効く段階が違うことがあります。固定資産税がその典型で、住宅用地の特例は課税標準に効き、新築住宅の減額は税額に効きます。この差が出題されます。

    求められているのが課税標準か税額かを最初に確認する

    問題文が「課税標準は」と聞いているのか「税額は」と聞いているのかで、答えは当然変わります。計算に入る前に、求めるものを一言で書き出してください。

    選択肢に、課税標準を答えさせる問題に対して税額の数値を混ぜてくる作りのものがあります。計算問題全般の落とし穴は宅建の計算問題まとめで扱っています。

    端数処理の根拠条文は3系統ある

    地方税は地方税法20条の4の2

    地方税法20条の4の2第1項は、地方税の課税標準額を計算する場合において、その額に1,000円未満の端数があるとき、またはその全額が1,000円未満であるときは、その端数金額または全額を切り捨てる、と定めています。ただし書で、政令で定める地方税については適用しないとしています。

    同条3項は、地方税の確定金額に100円未満の端数があるとき、またはその全額が100円未満であるときは、その端数金額または全額を切り捨てる、と定めています。

    不動産取得税と固定資産税は地方税なので、この2つの規定に従います。課税標準は1,000円未満切捨て、税額は100円未満切捨てです。

    国税は国税通則法118条・119条

    国税通則法118条1項は、国税(印紙税および附帯税を除く)の課税標準を計算する場合において、その額に1,000円未満の端数があるとき、またはその全額が1,000円未満であるときは、その端数金額または全額を切り捨てる、と定めています。括弧書きで「その税率の適用上課税標準から控除する金額があるときは、これを控除した金額」とされているので、控除を引いた後の金額で端数処理をします。

    同法119条1項は、国税(自動車重量税、印紙税および附帯税を除く)の確定金額に100円未満の端数があるとき、またはその全額が100円未満であるときは、その端数金額または全額を切り捨てる、と定めています。

    除外されている税に注意してください。118条1項が除いているのは印紙税と附帯税だけです。119条1項が除いているのは自動車重量税、印紙税、附帯税です。登録免許税はどちらの除外にも入っていません。したがって登録免許税にも、課税標準の1,000円未満切捨てと税額の100円未満切捨てが適用されます。

    譲渡所得に対する所得税も国税なので、この2条が適用されます。

    登録免許税法15条・19条は「最低額」の規定である

    ここは誤った説明が流布しているので、条文をそのまま確認してください。

    登録免許税法15条は、見出しが「課税標準の金額の端数計算」でありながら、内容はこうです。別表第一に掲げる登記または登録に係る課税標準の金額を計算する場合において、その全額が千円に満たないときは、これを千円とする

    同法19条は、見出しが「定率課税の場合の最低税額」で、内容はこうです。別表第一に掲げる登記または登録につき同表に掲げる税率を適用して計算した金額が千円に満たない場合には、当該登記または登録に係る登録免許税の額は、千円とする

    どちらも切り捨てる規定ではありません。下限を1,000円に引き上げる規定です。15条は課税標準の下限、19条は税額の下限を定めています。

    つまり登録免許税の端数処理は二層構造です。切り捨ては国税通則法118条1項・119条1項が担い、下限は登録免許税法15条・19条が担います。「登録免許税には固有の切捨て規定がある」という説明は、条文と一致しません。

    3系統をまとめる

    地方税は地方税法20条の4の2で、課税標準1,000円未満切捨て、税額100円未満切捨て。国税は国税通則法118条1項・119条1項で、同じく1,000円未満と100円未満の切捨て。登録免許税はこの国税のルールに加えて、登録免許税法15条・19条による下限1,000円が乗ります。

    いずれも切り捨てであって、四捨五入でも切り上げでもありません。ただし登録免許税の下限は、結果として金額を引き上げます。「常に切り捨てだから金額は下がる方向にしか動かない」と覚えていると、19条を使う肢を落とします。

    不動産取得税の手順

    段階1 出発点は不動産の価格

    地方税法73条の13第1項は、不動産取得税の課税標準は、不動産を取得した時における不動産の価格とする、と定めています。

    その価格をどう決めるかは73条の21第1項が定めており、道府県知事は、固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されている不動産については、当該価格により課税標準となるべき価格を決定するものとされています。したがって実際の出発点は固定資産課税台帳の登録価格です。実際の売買代金ではありません。

    段階2 課税標準に効く特例は2つ

    宅地評価土地については、地方税法附則11条の5第1項が、平成18年1月1日から令和9年3月31日までの間に取得が行われた場合に限り、課税標準を当該土地の価格の2分の1とすると定めています。適用期限のある特例なので、期限そのものが問われることがあります。

    新築住宅については、73条の14第1項が、住宅の建築をした場合における課税標準の算定について、一戸につき1,200万円を価格から控除するとしています。対象となる住宅は政令で定めるものに限られ、地方税法施行令37条の16第1号が、共同住宅等以外の住宅について床面積が40平方メートル以上240平方メートル以下のものとしています。共同住宅等の区画部分についても、施行令37条の17が同じ40平方メートル以上240平方メートル以下と定めています。

    床面積の下限として広く流通している50平方メートルという数字は、2026年4月1日時点の条文と一致しません。改正の経緯は不動産取得税の軽減にまとめてあります。

    免税点は課税標準を出した後に見る

    73条の15の2第1項は、課税標準となるべき額が、土地の取得にあっては16万円、家屋の取得のうち建築に係るものにあっては一戸につき66万円、その他のものにあっては一戸につき34万円に満たない場合は、不動産取得税を課することができないと定めています。

    免税点は「課税標準となるべき額」で判定します。評価額でも税額でもありません。特例を当てた後の課税標準で見る、という順序に注意してください。

    段階3・4 端数処理と税率

    課税標準が出たら、地方税法20条の4の2第1項により1,000円未満を切り捨てます。

    税率は73条の15が標準税率を100分の4と定めています。ただし附則11条の2第1項が、平成18年4月1日から令和9年3月31日までの間に住宅または土地の取得が行われた場合の標準税率を100分の3としています。住宅以外の家屋、たとえば店舗や事務所には、この特例が及びません。4パーセントのままです。

    段階5 住宅用土地の減額は税額から引く

    73条の24第1項は、一定の場合に、当該土地の取得に対して課する不動産取得税について、当該税額から一定額を減額するものと定めています。課税標準ではなく税額から引きます。

    引く額の決め方が条文どおりだと少し込み入っています。条文は、150万円と、次の金額とを比べて大きいほうを取り、それに税率を乗じた額を減額するという構造です。比べる相手の金額は、土地の課税標準となるべき価格を土地の面積の平方メートルで表した数値で除して得た額に、その土地の上に新築した住宅一戸についてその床面積の2倍の面積の平方メートルで表した数値(その数値が200を超える場合は200)を乗じて得た金額です。

    つまり順序は、まず単価を出し、次に床面積の2倍と200の小さいほうを掛け、その結果と150万円を比べて大きいほうを選び、最後に税率を掛ける、となります。税率を掛けるのは最後です。税率を掛けてから比べる書き方の解説を見かけますが、税率が同じである以上は結果が一致するだけで、条文の順序ではありません。

    もうひとつ落とせない仕掛けがあります。附則11条の5第2項が、宅地評価土地の2分の1の特例の適用がある土地について73条の24を適用する場合には、これらの規定中「価格」とあるのは「価格の2分の1に相当する額」とする、と読替えを定めています。単価を出すときに使うのは、もとの価格ではなく2分の1にした後の額です。

    適用場面は73条の24第1項各号が定めており、土地を取得した日から2年以内にその土地の上に特例適用住宅が新築された場合などです。要件の細部は不動産取得税の軽減を参照してください。

    不動産取得税の計算例

    例1 新築住宅の家屋を取得した場合

    床面積120平方メートルの新築住宅を取得し、その家屋の固定資産課税台帳登録価格が1,850万円だったとします。

    第1段階の価格は1,850万円です。第2段階で、床面積120平方メートルは40平方メートル以上240平方メートル以下の範囲に入るので、73条の14第1項により1,200万円を控除します。1,850万円から1,200万円を引いて650万円が課税標準です。

    免税点は家屋の建築で66万円ですから、650万円はこれを超えています。第3段階の端数処理では、650万円に1,000円未満の端数がないのでそのままです。

    第4段階で税率を掛けます。住宅なので附則11条の2第1項により3パーセントです。650万円の3パーセントは19万5,000円。第5段階で100円未満の端数を見ますが、ありません。

    税額は19万5,000円です。

    ここで、控除を引く前に税率を掛けてしまうと1,850万円の3パーセントで55万5,000円となり、まったく違う答えになります。1,200万円は課税標準に効く控除であって、税額から引くものではありません。

    例2 店舗として使う建物を取得した場合

    同じ登録価格1,850万円でも、取得したのが店舗用の建物であれば結論が変わります。

    73条の14第1項の1,200万円控除は住宅の建築に対するものなので、店舗には適用されません。課税標準は1,850万円のままです。

    税率も変わります。附則11条の2第1項の3パーセントは「住宅又は土地の取得」に限られるので、住宅でない家屋には及びません。73条の15の標準税率100分の4が適用されます。

    1,850万円の4パーセントは74万円。税額は74万円です。

    住宅かどうかで、課税標準の段階と税率の段階の両方が動きます。特例が2か所に効いていることを意識してください。

    例3 宅地を取得し、その上に住宅を新築した場合

    登録価格4,000万円、面積400平方メートルの宅地を取得し、その土地の上に床面積80平方メートルの住宅を新築したとします。取得は令和8年中で、73条の24第1項1号の要件を満たすものとします。

    第1段階の価格は4,000万円です。第2段階で、宅地評価土地なので附則11条の5第1項により2分の1にします。課税標準は2,000万円です。免税点16万円は当然超えています。第3段階の端数はありません。

    第4段階で、土地なので税率は3パーセントです。2,000万円の3パーセントは60万円。ここまでが減額前の税額です。

    第5段階で73条の24第1項の減額を計算します。まず単価を出しますが、附則11条の5第2項の読替えにより、使うのは2分の1にした後の2,000万円です。2,000万円を400平方メートルで割ると、1平方メートルあたり5万円。

    次に面積を出します。住宅の床面積80平方メートルの2倍は160平方メートルで、200を超えないので160をそのまま使います。5万円に160を掛けて800万円。

    800万円と150万円を比べると800万円のほうが大きいので、800万円を採ります。これに税率3パーセントを掛けて24万円。これが減額される額です。

    60万円から24万円を引いて36万円。100円未満の端数はありません。税額は36万円です。

    例4 土地が狭く、減額でゼロになる場合

    同じ条件でも、土地が狭いと結果が変わります。登録価格3,000万円、面積150平方メートルの宅地に、床面積100平方メートルの住宅を新築した場合を考えます。

    課税標準は3,000万円の2分の1で1,500万円。税額は3パーセントで45万円です。

    減額額は、1,500万円を150平方メートルで割って1平方メートルあたり10万円。床面積100平方メートルの2倍は200平方メートルで、200を超えないので200を使います。10万円に200を掛けて2,000万円。150万円と比べて2,000万円が大きいので、これに3パーセントを掛けて60万円。

    45万円から60万円を引くとマイナスになりますが、税額がマイナスになることはありません。税額は0円です。

    住宅用土地の減額は、土地の面積が住宅の床面積の2倍以下であればほぼ確実に税額を消します。例3のように、土地が住宅の床面積の2倍よりずっと広い場合にだけ、税額が残ります。この感覚を持っておくと、計算する前に見当がつきます。

    固定資産税の手順

    段階2 住宅用地の特例は課税標準に効く

    地方税法349条の3の2第1項は、住宅用地に対して課する固定資産税の課税標準を、当該住宅用地に係る課税標準となるべき価格の3分の1の額とすると定めています。

    同条2項は、小規模住宅用地について6分の1とします。小規模住宅用地の範囲は同項各号が定めており、1号が、住宅用地でその面積が200平方メートル以下であるものはその全部、2号が、200平方メートルを超えるものについては、面積を住居の数で除して得た面積が200平方メートル以下ならその全部、200平方メートルを超えるなら200平方メートルに住居の数を乗じて得た面積に相当する部分、としています。

    一戸建てで住居の数が1であれば、200平方メートルまでが6分の1、それを超える部分が3分の1、という切り分けになります。

    段階4・5 税率と新築住宅の減額

    税率は350条1項が標準税率を100分の1.4と定めています。

    新築住宅の減額は附則15条の6にあります。同条1項は、令和4年4月1日から令和13年3月31日までの間に新築された住宅で政令で定めるものについて、新たに固定資産税が課されることとなった年度から3年度分に限り、当該住宅に係る固定資産税額の2分の1に相当する額を固定資産税額から減額すると定めています。

    同条2項は、令和6年4月1日から令和13年3月31日までの間に新築された中高層耐火建築物である住宅について、5年度分としています。中高層耐火建築物は、建築基準法上の一定の耐火建築物等で地上階数3以上のものと定義されています。

    この減額は税額に効きます。課税標準を2分の1にするのではありません。条文が「固定資産税額の二分の一に相当する額を……固定資産税額から減額する」と書いているとおりです。

    床面積の要件は地方税法施行令附則12条にあり、同条1項8号の基準住居部分は、床面積が40平方メートル(サービス付き高齢者向け住宅である貸家は30平方メートル、特定都市再生緊急整備地域で特別区の区域内にあり貸家以外の用に供されるものは50平方メートル)以上240平方メートル以下と定められています。

    もうひとつ、減額の対象になる面積の上限が120平方メートルである点が計算に直結します。要件を判定する面積と、減額の対象になる面積は別のものです。詳細は固定資産税にまとめてあります。

    固定資産税の計算例

    例5 住宅用地250平方メートル

    一戸建て住宅の敷地で、面積250平方メートル、土地の固定資産課税台帳登録価格が2,400万円だとします。税率は標準税率の1.4パーセントとします。

    住居の数は1なので、200平方メートルまでが小規模住宅用地、残りの50平方メートルが一般住宅用地です。

    価格を面積の比で分けます。小規模部分は2,400万円の250分の200で1,920万円。一般部分は2,400万円の250分の50で480万円。

    それぞれに割合を掛けます。小規模部分は1,920万円の6分の1で320万円。一般部分は480万円の3分の1で160万円。合計して480万円が課税標準です。1,000円未満の端数はありません。

    480万円の1.4パーセントは6万7,200円。100円未満の端数はありません。税額は6万7,200円です。

    もし特例を忘れて2,400万円にそのまま1.4パーセントを掛けると33万6,000円になります。5倍の差が出ます。

    例6 新築住宅の家屋150平方メートル

    新築の一戸建て住宅で、床面積150平方メートル、家屋の固定資産課税台帳登録価格が1,500万円、新築後2年目、中高層耐火建築物ではないとします。税率は1.4パーセントとします。

    まず要件を確認します。床面積150平方メートルは40平方メートル以上240平方メートル以下の範囲に入ります。新築後2年目なので、附則15条の6第1項の3年度分の期間内です。

    家屋には課税標準の特例がありません。住宅用地の特例は土地に対するものです。したがって課税標準は1,500万円のままです。

    1,500万円の1.4パーセントは21万円。これが減額前の税額です。

    ここから減額を計算します。減額の対象になるのは120平方メートル相当分までなので、税額21万円のうち150分の120にあたる部分が対象です。21万円に150分の120を掛けて16万8,000円。この2分の1が減額される額で、8万4,000円です。

    21万円から8万4,000円を引いて12万6,000円。税額は12万6,000円です。

    床面積150平方メートルは要件の範囲(40から240)に入っているのに、減額されるのは120平方メートル相当分だけです。この2つの面積を混ぜると答えが合いません。

    土地と家屋で効く段階が違う

    例5と例6を並べると、固定資産税の構造がはっきりします。土地への優遇である住宅用地の特例は課税標準を6分の1または3分の1に圧縮します。家屋への優遇である新築住宅の減額は、算出した税額を2分の1にします。

    「住宅なら6分の1」と大づかみに覚えていると、家屋の計算で課税標準を6分の1にしてしまいます。土地は課税標準、家屋は税額、と分けて持ってください。

    登録免許税の手順

    課税標準は登記の時の不動産の価額

    登録免許税法10条1項は、別表第一第一号などに掲げる不動産の登記の場合における課税標準たる不動産の価額は、当該登記の時における不動産の価額による、と定めています。同項後段は、その不動産の上に所有権以外の権利その他処分の制限が存するときは、それらがないものとした場合の価額によるとしています。抵当権が付いていても、付いていないものとして評価するという意味です。

    そのうえで、同法附則7条が「不動産登記に係る不動産価額の特例」として、別表第一第一号に掲げる不動産の登記の場合における10条1項の課税標準たる不動産の価額は、当分の間、当該登記の申請の日の属する年の前年12月31日現在または当該申請の日の属する年の1月1日現在において固定資産課税台帳に登録された当該不動産の価格を基礎として政令で定める価額によることができる、と定めています。

    実務でも試験でも、固定資産課税台帳の登録価格が出発点になるのは、この附則7条によります。本則ではなく附則にある点、そして「当分の間」「よることができる」という書き方である点は、条文を読まないと分かりません。

    税率は別表第一で登記の原因ごとに決まる

    登録免許税法9条は、課税標準および税率は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、登記等の区分に応じ、別表第一の課税標準欄に掲げる金額または数量および同表の税率欄に掲げる割合または金額による、と定めています。

    別表第一の第一号のうち、計算で使う主なものを挙げます。所有権の保存の登記は不動産の価額の1000分の4。所有権の移転の登記のうち、相続または法人の合併による移転は1000分の4、共有物の分割による移転は1000分の4、その他の原因による移転は1000分の20です。売買はこの「その他の原因」に入ります。抵当権の設定の登記は、債権金額を課税標準として1000分の4です。

    住宅用家屋についての軽減措置は租税特別措置法にあり、適用期限も要件もそちらで定められています。本記事の計算例では手順を見やすくするため本則の税率を使います。軽減措置の内容は登録免許税と印紙税を参照してください。

    端数と下限が二重に効く

    課税標準が出たら国税通則法118条1項により1,000円未満を切り捨てます。ただし切り捨てた結果が1,000円未満、つまり課税標準の全額が1,000円に満たないときは、登録免許税法15条により1,000円とします。

    税率を掛けたら国税通則法119条1項により100円未満を切り捨てます。ただし税率を適用して計算した金額が1,000円に満たないときは、登録免許税法19条により1,000円とします。

    切り捨てる規定と、下限を置く規定が別々にあるという構造を押さえてください。

    登録免許税の計算例

    例7 売買による所有権移転登記

    固定資産課税台帳の登録価格が3,012万3,456円の土地を売買で取得し、所有権移転登記をするとします。

    課税標準は登録価格を基礎とするので3,012万3,456円。国税通則法118条1項により1,000円未満を切り捨てて3,012万3,000円です。

    税率は別表第一第一号(二)ハの1000分の20。3,012万3,000円に1000分の20を掛けて60万2,460円。

    国税通則法119条1項により100円未満を切り捨てて60万2,400円です。

    切捨てが2回入ります。課税標準の段階で456円が落ち、税額の段階で60円が落ちます。どちらか一方だけを処理して答えを出すと、選択肢とずれます。

    例8 下限が働く場合

    課税標準が3万円の不動産について、所有権の保存の登記をするとします。税率は別表第一第一号(一)の1000分の4です。

    課税標準3万円は1,000円未満の端数がないのでそのまま。1,000円以上なので15条の下限も働きません。

    3万円に1000分の4を掛けると120円です。ここで119条1項の100円未満切捨てを当てると100円になりそうですが、その前に19条を見ます。税率を適用して計算した金額が1,000円に満たないので、税額は1,000円です。

    計算した結果より税額が増えます。19条は最低税額の規定なので、切り捨てとは逆の方向に働きます。

    譲渡所得の手順

    課税譲渡所得金額を出す

    譲渡所得は、収入金額から取得費と譲渡費用を引き、さらに特別控除額を引いて求めます。分離課税なので、他の所得と合算しません。租税特別措置法31条1項が、長期譲渡所得について、所得税法22条・89条の規定にかかわらず他の所得と区分して課税すると定めています。

    長期か短期かは「その年1月1日」で決まる

    31条1項は、その有する土地等または建物等で「その年一月一日において所有期間が五年を超えるもの」の譲渡について適用されます。32条1項は、同じく「その年一月一日において……所有期間が五年以下であるもの」です。

    所有期間の定義は31条2項にあり、取得をした日の翌日から引き続き所有していた期間として政令で定める期間とされています。

    取得日から譲渡日までの実際の期間ではありません。譲渡した年の1月1日という固定した基準日で切ります。この基準日のずれが、計算問題でも正誤問題でも使われます。

    税率

    長期譲渡所得は、31条1項により所得税が課税長期譲渡所得金額の100分の15です。住民税は地方税法附則34条が定めており、道府県民税は課税長期譲渡所得金額の100分の2(指定都市の区域内に住所を有する場合は100分の1)で、市町村民税と合わせて5パーセントになります。合計20パーセントです。

    短期譲渡所得は、32条1項により所得税が100分の30。住民税は地方税法附則35条が定めており、道府県民税は100分の3.6(指定都市は100分の1.8)で、市町村民税と合わせて9パーセントです。合計39パーセントです。

    住民税の道府県民税と市町村民税の内訳は指定都市かどうかで変わりますが、合計は変わりません。試験では合計で押さえて構いません。

    3,000万円特別控除と軽減税率

    租税特別措置法35条1項は、居住用財産を譲渡した場合に該当することとなった場合について、31条1項の「長期譲渡所得の金額」を「長期譲渡所得の金額から三千万円……を控除した金額」と読み替えると定めています。同項2号が32条1項についても同じ読替えをしているので、短期でも3,000万円控除は使えます。

    31条の3第1項は、その年1月1日において所有期間が10年を超える居住用財産の譲渡について、所得税の額を次のとおりとしています。課税長期譲渡所得金額が6,000万円以下である場合は、その100分の10。6,000万円を超える場合は、600万円と、6,000万円を超える部分の100分の15との合計額です。

    住民税は地方税法附則34条の3が対応しており、6,000万円以下の部分は道府県民税100分の1.6と市町村民税100分の2.4で合計4パーセント、6,000万円を超える部分は合計5パーセントになります。

    したがって6,000万円以下の部分は所得税10パーセントと住民税4パーセントで14パーセント、超える部分は15パーセントと5パーセントで20パーセントです。適用要件と他の特例との併用可否は譲渡所得にまとめてあります。

    端数処理

    譲渡所得に対する所得税は国税なので、国税通則法118条1項により課税標準の1,000円未満を切り捨て、119条1項により税額の100円未満を切り捨てます。118条1項の括弧書きにより、特別控除を引いた後の金額で1,000円未満の端数を見ます。

    譲渡所得の計算例

    例9 長期譲渡(居住用でない土地)

    12年前に3,000万円で取得した土地を5,000万円で譲渡したとします。取得時の仲介手数料が100万円、譲渡時の仲介手数料が160万円でした。

    取得費は3,000万円に100万円を加えて3,100万円。譲渡費用は160万円。

    譲渡所得は5,000万円から3,100万円と160万円を引いて1,740万円です。

    譲渡した年の1月1日において所有期間は5年を超えているので長期譲渡所得。31条1項により所得税は1,740万円の15パーセントで261万円、住民税は5パーセントで87万円。

    合計348万円です。

    例10 10年超所有の居住用財産

    15年前に2,000万円で取得した自宅を8,000万円で譲渡し、譲渡費用が200万円だったとします。35条1項と31条の3第1項の要件をいずれも満たすものとします。

    譲渡所得は8,000万円から2,000万円と200万円を引いて5,800万円。

    まず35条1項の3,000万円控除を引きます。5,800万円から3,000万円を引いて2,800万円。これが課税長期譲渡所得金額です。

    次に31条の3第1項を当てます。2,800万円は6,000万円以下なので、所得税は100分の10で280万円。住民税は4パーセントで112万円。

    合計392万円です。

    控除と軽減税率を当てる順序に注意してください。3,000万円を引いてから税率を掛けます。税率を掛けてから3,000万円を引くと、まったく違う数字になります。特別控除は課税標準に効き、軽減税率は税率に効くという段階の違いが、ここでも結論を分けます。

    印紙税に「計算」はない

    印紙税は階級定額税率です。記載金額の区分ごとに税額が固定されており、課税標準に税率を掛ける形をとりません。したがって計算の手順という意味では、この記事が扱う対象になりません。

    印紙税で問われるのは、そもそもその文書が課税文書か、課税文書ならどの号か、そして記載金額をいくらと見るか、という判定です。国税通則法118条1項・119条1項が印紙税を除外しているのも、税額が計算ではなく表の参照で決まるからです。

    記載金額の決め方と号の判定は印紙税の課税文書に、登録免許税との対比は登録免許税と印紙税にまとめてあります。

    特例が効く段階で並べ直す

    課税標準に効くもの

    不動産取得税の宅地評価土地の2分の1(附則11条の5第1項)、新築住宅の1,200万円控除(73条の14第1項)。固定資産税の住宅用地の特例、小規模住宅用地の6分の1と一般住宅用地の3分の1(349条の3の2)。譲渡所得の3,000万円特別控除(措置法35条1項)。

    これらはいずれも、税率を掛ける前の金額を動かします。

    税率に効くもの

    不動産取得税の住宅・土地に対する100分の3(附則11条の2第1項)。譲渡所得の10年超所有の居住用財産に対する軽減税率(措置法31条の3第1項)。登録免許税の住宅用家屋の軽減措置。

    これらは掛ける率そのものを下げます。

    税額に効くもの

    不動産取得税の住宅用土地の減額(73条の24)。固定資産税の新築住宅の減額(附則15条の6)。

    これらは税率を掛けて出した後の金額を動かします。

    段階が分かれば計算の順序が決まる

    3つの分類ができていれば、計算の順序は自動的に決まります。課税標準に効くものを先に全部当て、端数を処理し、税率に効くものを反映した率を掛け、端数を処理し、最後に税額に効くものを引く。この順序を崩す余地はありません。

    不動産取得税は、この3つすべてが揃っている唯一の税です。宅地の2分の1が課税標準、住宅・土地の3パーセントが税率、住宅用土地の減額が税額。だから不動産取得税を1つ完全に解けるようにしておくと、他の税は部分集合として処理できます。

    試験での出題ポイント

    段階を入れ替える

    もっとも多い形です。「固定資産税の新築住宅に対する軽減措置は、課税標準を2分の1とするものである」は誤りです。附則15条の6第1項は税額の2分の1を税額から減額するとしています。

    「不動産取得税の新築住宅に係る1,200万円は、税額から控除される」も誤りです。73条の14第1項は「価格から控除する」としており、課税標準の段階です。

    割合を隣の税から借りてくる

    不動産取得税の宅地評価土地は2分の1、固定資産税の小規模住宅用地は6分の1、一般住宅用地は3分の1。この3つを入れ替えた肢が作られます。2分の1は不動産取得税、6分の1と3分の1は固定資産税、と紐づけてください。

    免税点の判定基準をずらす

    「不動産取得税の免税点は、取得した不動産の価格で判定する」は不正確です。73条の15の2第1項は「課税標準となるべき額」としており、特例を当てた後の課税標準で見ます。

    端数処理の根拠と方向

    「登録免許税の課税標準の1,000円未満切捨ては、登録免許税法15条による」は誤りです。15条は課税標準の全額が1,000円に満たないときに1,000円とする最低額の規定で、切捨ては国税通則法118条1項によります。

    「登録免許税額を計算した結果が1,000円に満たない場合、100円未満を切り捨てた額が税額となる」も誤りです。19条により1,000円になります。

    「端数処理はすべて切捨てなので、計算結果より税額が増えることはない」も誤りです。登録免許税の15条・19条は下限を引き上げます。

    所有期間の基準日

    「譲渡所得の長期・短期は、取得日から譲渡日までの期間で判定する」は誤りです。措置法31条1項・32条1項は「その年一月一日において」としています。

    3,000万円控除の適用範囲

    「3,000万円特別控除は、所有期間が5年を超える場合に限り適用される」は誤りです。措置法35条1項は1号で31条1項を、2号で32条1項を読み替えており、短期でも適用されます。

    減額の計算順序

    不動産取得税の住宅用土地の減額について、床面積の2倍が200を超える場合に200で頭打ちになる点、宅地評価土地の特例がある場合に単価の計算で2分の1後の額を使う点(附則11条の5第2項)が狙われます。

    適用期限

    宅地評価土地の2分の1と住宅・土地に対する3パーセントは、いずれも令和9年3月31日までの特例です。固定資産税の新築住宅の減額は、令和13年3月31日までに新築されたものが対象です。期限そのものを問う肢が作られることがあります。

    覚え方・整理の仕方

    5段階を紙に書いてから数字を入れる

    評価額、課税標準、課税標準の端数、税率、税額の端数と減額。この5つを縦に書いてから数字を埋めます。書く手間は10秒ですが、段階の取り違えはこれでほぼ消えます。

    「土地は課税標準、家屋は税額」

    固定資産税の優遇はこの一言で分かれます。住宅用地の特例は課税標準、新築住宅の減額は税額。不動産取得税は逆で、家屋の1,200万円が課税標準、土地の減額が税額です。

    固定資産税と不動産取得税で、土地と家屋の役割が入れ替わっている。この対称性で覚えると、両方を同時に思い出せます。

    数字は税と紐づけて唱える

    2分の1は不動産取得税の宅地。6分の1と3分の1は固定資産税の住宅用地。1,200万円は不動産取得税の新築住宅。150万円は不動産取得税の住宅用土地の減額の下限。120平方メートルは固定資産税の減額対象面積の上限。40から240は両方の床面積要件。

    数字だけを並べて覚えると混ざります。必ず税の名前とセットにしてください。

    端数は「1,000と100」、下限は「登録免許税だけ」

    課税標準は1,000円未満切捨て、税額は100円未満切捨て。これは地方税でも国税でも同じです。違うのは根拠条文が地方税法20条の4の2か国税通則法118条・119条かという点だけです。

    そのうえで、下限1,000円が乗るのは登録免許税だけ。15条が課税標準、19条が税額。「登録免許税には下限がある」と1つだけ例外として覚えれば足ります。

    減額でゼロになるかを先に見積もる

    不動産取得税の住宅用土地の減額は、土地の面積が住宅の床面積の2倍以下であれば、ほぼ税額を消します。計算に入る前に面積を比べておくと、答えの見当がついて検算になります。

    どこまで深追いするか

    税は3問です。計算の手順を持っておくことは有益ですが、税額を1円まで合わせる訓練に時間をかける必要はありません。段階の区別、割合の数字、端数処理の方向。この3つを確実にすれば、計算問題としても正誤問題としても対応できます。時間配分の考え方は税・その他の攻略戦略にあります。

    なお、宅建試験で計算といえば最も出るのは報酬額の計算ですが、あれは税ではありません。手順は報酬額計算のパターン別攻略にまとめてあります。

    理解度チェッククイズ

    Q1. 固定資産税の新築住宅に対する減額措置は、課税標準を2分の1にするものである。○か×か。

    答えを見る ×。地方税法附則15条の6第1項は「当該住宅に係る固定資産税額……の二分の一に相当する額を当該住宅に係る固定資産税額から減額する」と定めており、**税額**の2分の1を減額するものです。課税標準を圧縮するのは同じ固定資産税でも土地に対する住宅用地の特例(349条の3の2)で、小規模住宅用地が6分の1、一般住宅用地が3分の1です。土地は課税標準、家屋は税額、と分けて覚えてください。なお減額の期間は同条1項が3年度分、2項の中高層耐火建築物である住宅が5年度分です。

    Q2. 登録免許税の課税標準に1,000円未満の端数があるときにこれを切り捨てる根拠は、登録免許税法15条である。○か×か。

    答えを見る ×。切捨ての根拠は**国税通則法118条1項**です。同項は「国税(印紙税及び附帯税を除く。)の課税標準」の1,000円未満切捨てを定めており、登録免許税は除外されていません。登録免許税法15条は「その全額が千円に満たないときは、これを千円とする」という**最低額**の規定です。同様に、税額の100円未満切捨ては国税通則法119条1項によるもので、登録免許税法19条は「千円に満たない場合には……千円とする」という最低税額の規定です。切捨てと下限は別の条文が担っています。

    Q3. 不動産取得税の免税点は、取得した不動産の固定資産課税台帳登録価格が土地16万円、家屋の建築66万円に満たない場合に適用される。○か×か。

    答えを見る ×。地方税法73条の15の2第1項が定めているのは「不動産取得税の**課税標準となるべき額**が」これらの額に満たない場合です。登録価格そのものではなく、特例を当てた後の課税標準で判定します。たとえば宅地評価土地であれば附則11条の5第1項により価格の2分の1が課税標準になるので、登録価格30万円の土地は課税標準15万円となり、16万円未満として免税点に該当します。金額そのものは土地16万円、家屋の建築が一戸につき66万円、その他が一戸につき34万円で正しいので、誤っているのは判定の基礎です。

    Q4. 居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除は、その年1月1日において所有期間が5年を超える場合に限り適用される。○か×か。

    答えを見る ×。租税特別措置法35条1項は、1号で31条1項(長期譲渡所得)の読替えを、2号で32条1項(短期譲渡所得)の読替えを、それぞれ定めています。**短期でも3,000万円控除は適用されます。**所有期間の要件があるのは31条の3第1項の軽減税率のほうで、こちらは「その年一月一日において……所有期間が十年を超えるもの」に限られ、課税長期譲渡所得金額6,000万円以下の部分の所得税が100分の10になります。控除は所有期間不問、軽減税率は10年超、と分けて覚えてください。

    Q5. 固定資産課税台帳の登録価格3,000万円、面積150平方メートルの宅地を取得し、その土地の上に床面積100平方メートルの住宅を新築して住宅用土地の減額の要件を満たす場合、土地に係る不動産取得税額は45万円である。○か×か。

    答えを見る ×。0円です。まず附則11条の5第1項により課税標準は3,000万円の2分の1で1,500万円、附則11条の2第1項により税率は3パーセントなので、減額前の税額は45万円。ここまでは肢のとおりです。しかし73条の24第1項の減額が残っています。附則11条の5第2項の読替えにより2分の1後の1,500万円を150平方メートルで割って1平方メートルあたり10万円、床面積100平方メートルの2倍は200平方メートルで200を超えないので200を掛けて2,000万円。150万円と比べて大きいほうを採り、税率3パーセントを掛けて60万円が減額額です。45万円から60万円は引ききれないので税額は0円になります。**税額から引く減額を忘れると45万円で止まります。**

    まとめ

    税の計算は5段階です。評価額を決め、特例で課税標準を作り、1,000円未満を切り捨て、税率を掛け、100円未満を切り捨てたうえで税額から減額を引く。この順序は税が変わっても動きません。

    変わるのは、それぞれの特例がどの段階に効くかです。課税標準に効くのが、不動産取得税の宅地評価土地の2分の1と新築住宅の1,200万円控除、固定資産税の住宅用地の6分の1・3分の1、譲渡所得の3,000万円特別控除。税率に効くのが、不動産取得税の住宅・土地に対する3パーセントと、譲渡所得の10年超所有の居住用財産に対する軽減税率。税額に効くのが、不動産取得税の住宅用土地の減額と、固定資産税の新築住宅の減額です。

    固定資産税と不動産取得税では、土地と家屋の役割が入れ替わっています。固定資産税は土地が課税標準、家屋が税額。不動産取得税は家屋が課税標準、土地が税額。この対称性で両方を思い出せます。

    端数処理は、地方税が地方税法20条の4の2、国税が国税通則法118条1項・119条1項で、いずれも課税標準1,000円未満・税額100円未満の切捨てです。これに加えて登録免許税だけ、登録免許税法15条・19条による下限1,000円が乗ります。15条と19条は切捨ての規定ではなく最低額の規定なので、結果として税額が上がる方向に働くことがあります。

    適用期限にも注意してください。不動産取得税の宅地評価土地の2分の1(附則11条の5第1項)と住宅・土地に対する3パーセント(附則11条の2第1項)は令和9年3月31日まで、固定資産税の新築住宅の減額(附則15条の6)は令和13年3月31日までに新築されたものが対象です。税の全体像は不動産の税金の全体像税金の横断整理で確認できます。

    宅建試験AIブートラボのアプリでは、税の特例をどの段階に当てるかを肢別に演習できます。段階の区別は読んで覚えるより、条件を変えた肢を繰り返し判定するほうが確実に身につきます。

    読んだ内容を、税・その他の肢で確かめる

    税と価格の評定は毎年ほぼ同じ形で出ます。出題パターンを肢別で押さえれば取りこぼしません。

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