開発許可が不要な場合|三つの系統に分けて判断する
開発許可が不要になる場合を、開発行為に当たらない・面積要件に満たない・適用除外に当たる、の三系統に分けて条文根拠つきで解説。施行令20条・21条・22条の列挙まで読み込みます。
目次
本記事は「開発許可が要らないのはどういう場合か」だけを扱います。開発許可制度そのものの通し、すなわち許可の手続、審査基準、工事完了公告の前後の建築制限などは宅建の開発許可制度にまとめてあるので、制度の流れを確認したい場合はそちらから読んでください。区域ごとの面積の数値そのものを覚え込みたい場合は開発許可が必要な面積要件が専用の記事です。
開発許可の要否は、法令上の制限のなかでもとくに問われる回数の多い論点ですが、多くの受験生が「許可が不要になるパターンの暗記」として処理しようとして混乱します。混乱の原因は、性質の違う三つのものを一列に並べて覚えているところにあります。許可が不要になる理由には系統があり、第一に、そもそも開発行為に当たらないので許可の対象外である場合。第二に、開発行為には当たるが、区域ごとに定められた規模に満たないので許可がいらない場合。第三に、開発行為に当たり規模も超えているが、行為の目的や主体から適用除外とされている場合。この三つは根拠条文も判断のしかたも違います。系統を分けて理解すると、肢に書かれている事情がどの系統の話なのかが見え、答えが安定します。以下、三系統を順に見ていきます。
「許可不要」には三つの入口がある
三系統の見取り図
都市計画法29条1項は、都市計画区域または準都市計画区域内において開発行為をしようとする者は、あらかじめ国土交通省令で定めるところにより都道府県知事の許可を受けなければならないと定めたうえで、ただし書で1号から11号までに許可を要しない場合を並べています。許可権者は、地方自治法上の指定都市または中核市(条文はこれを「指定都市等」と呼びます)の区域内では当該指定都市等の長になります。同条2項は、都市計画区域および準都市計画区域外の区域について、別に規模の基準を設けています。
この条文の構造を、判断の入口という観点から並べ替えると次の三つになります。
第一の入口は、都市計画法4条12項が定める開発行為の定義に当たるかどうかです。定義に当たらなければ、そもそも29条の規制が働きません。許可が不要なのではなく、許可制度の外にいる、という状態です。
第二の入口は、29条1項1号と同条2項が定める規模の基準です。開発行為には当たるが、区域ごとに政令で定められた規模に満たないので許可を要しない、という扱いです。
第三の入口は、29条1項2号から11号までの適用除外です。規模がどれだけ大きくても、掲げられた目的や事業に該当すれば許可を要しません。
条文の並びと三系統の対応
条文の並び方をそのまま三系統に対応させておくと、記憶と条文が一致します。29条1項ただし書の11個の号のうち、1号だけが第二の系統に属し、残りの2号から11号までがすべて第三の系統に属します。そして第一の系統は29条にはいっさい書かれておらず、4条11項・12項という定義規定と、それを受けた施行令1条の側にあります。
つまり、29条1項ただし書を上から読んでいくと、最初の1個が面積の話で、あとの10個が面積と無関係の話です。この非対称は、条文の構造そのものが「面積は例外の一つにすぎない」と語っていることを意味します。受験生の頭のなかでは面積が主役になりがちですが、条文上は10対1で面積以外のほうが多いのです。
なぜ系統を分けるのか
系統を分けずに「許可不要のパターン」として一列に覚えると、二つの事故が起きます。ひとつは、面積の基準を適用除外の場面に持ち込んでしまう事故です。たとえば農林漁業を営む者の住宅のための開発行為は面積を問わず許可不要ですが、これを「面積が小さければ不要」と混ぜて覚えていると、大規模な場合に迷います。
もうひとつは逆で、適用除外の考え方を面積の場面に持ち込む事故です。市街化調整区域には規模による許可不要の入口がないのに、他の区域の面積基準を当てはめてしまうというものです。この二つは、いずれも系統の混線から生じます。
さらに三つ目として、第一の系統と第二の系統を混同する事故があります。1ヘクタール未満の野球場のための造成が許可不要なのは、面積基準を下回るからではなく、そもそも特定工作物に当たらず開発行為ですらないからです。結論が同じでも理由が違うので、理由を取り違えたまま覚えると、区域を変えた肢で崩れます。市街化調整区域内の8,000平方メートルの野球場用地の造成は、面積の入口が閉じている区域であるにもかかわらず、開発行為でないという理由で許可不要になります。
判断の順序を固定する
肢を読むときは、次の順で確認してください。まず、その行為が開発行為に当たるか。当たらなければそこで終わりです。次に、区域を確認し、規模が基準に満たないか。満たなければそこで終わりです。最後に、目的や事業が適用除外に該当するか。
この順序には理由があります。第一の入口で切れるものを面積で考え始めると、面積の記載がない肢で判断が止まってしまうからです。定義から入るのが常に最短になります。都市計画法全体の構造は都市計画法の全体像を参照してください。
第一の系統 そもそも開発行為に当たらない
開発行為の定義には三つの要素がある
都市計画法4条12項は、開発行為を「主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更」と定義しています。この定義は三つの要素に分解できます。
第一に、目的が建築物の建築または特定工作物の建設であること。第二に、それが「主として」その目的であること。第三に、行われるのが土地の区画形質の変更であること。三つのうちひとつでも欠ければ開発行為ではなく、29条の許可は問題になりません。
出題では、この三要素のどれかを欠く事案が示され、それでも許可が必要かのように書かれます。定義を三要素に分けて覚えていれば、欠けている要素を指摘して切れます。
なお4条10項は、この定義に出てくる「建築物」と「建築」を建築基準法2条1号・13号の定義に送っています。したがって開発許可の場面で建築物かどうかを考えるときの基準は、建築基準法の建築物の定義そのものです。土地に定着する工作物のうち屋根と柱または壁を有するもの、という建築基準法側の定義がそのまま効いてくるので、建築物性の判断は建築基準法の全体像の側の知識と地続きになります。
「区画」の変更と「形質」の変更
区画形質の変更という言葉は、実際には「区画の変更」と「形質の変更」の二つを束ねたものです。前者は、道路を新設したり既存の道路を廃止したりして、土地の物理的な区画割りを変える行為を指します。後者はさらに「形の変更」と「質の変更」に分かれ、形の変更とは切土や盛土によって土地の高低や傾斜を変えること、質の変更とは農地や山林といった宅地以外の土地を宅地に変えることを指します。
この三分割を持っておくと、肢の読み方が変わります。「造成工事は行わないが、農地を宅地として利用する」という事案は、形の変更はないけれども質の変更があるので、区画形質の変更に当たり得ます。逆に「既存の宅地に建物を建てるだけ」という事案は、区画も形も質も動いていないので当たりません。ひとくくりに「造成があるかどうか」で判断していると、質の変更の型を落とします。
造成を伴わない建築
これに当たらない例としてもっとも重要なのが、造成工事を伴わない建築です。既存の宅地の上に、土地に手を加えずに建物を建てるだけであれば、区画形質の変更がないので開発行為ではありません。建築物を建てるという行為そのものは、開発許可の対象ではないという点が出発点になります。
開発許可は土地に対する許可であって、建物に対する許可ではありません。この性質は、開発許可と建築確認を並べたときにいちばんはっきりします。二つの制度の役割分担は開発許可と建築確認で正面から扱っています。
分筆・合筆は区画形質の変更ではない
単に土地を分筆して所有権の単位を分けるだけの行為も、土地の物理的な区画を変えていないので、区画形質の変更には当たらないと扱われます。登記上の区画と物理的な区画は別だという理解です。合筆も同じで、登記記録上の筆が一つにまとまっても、土地の上に何かが起きたわけではありません。
ここは29条ではなく4条12項の解釈の問題なので、条文に「分筆は除く」とは書いてありません。書いていないからこそ、区画形質の変更という文言が物理的な変更を指しているという理解を、自分の側で持っておく必要があります。分筆と開発行為を結びつける肢が出たら、4条12項の文言に戻ってください。
建築物・特定工作物のためでない場合
目的の側から外れる例も重要です。青空駐車場や資材置場をつくるための造成は、建築物の建築や特定工作物の建設を目的としていないので、開発行為に当たりません。大規模な造成であっても、目的が建築物等でなければ29条の許可は不要です。
ここは「規模が大きければ許可が必要だろう」という直感が働きやすいところなので、目的要件を意識的に確認してください。逆に、駐車場をつくると見せかけて、そこに建築物を建てる計画がある場合には、目的の実質で判断されます。定義に「主として」という限定が置かれているのは、複数の目的が混在する場合に主たる目的で判断するという趣旨で、名目だけを取り出して逃げ道にすることを許さないための文言でもあります。
なお、目的要件を欠くために開発許可が不要でも、盛土や切土そのものは別の法律の規制対象になり得ます。土地の造成という物理的行為に着目する規制は盛土規制法の側にあり、都市計画法の側で切れても向こうで捕まることがあります。
第一種特定工作物は「名指し+政令」でできている
特定工作物は都市計画法4条11項に定めがあります。同項は、第一種特定工作物を「コンクリートプラントその他周辺の地域の環境の悪化をもたらすおそれがある工作物で政令で定めるもの」と書き、第二種特定工作物を「ゴルフコースその他大規模な工作物で政令で定めるもの」と書いています。
読み方の勘どころは、政令が受けているのが条文のどの部分かという点にあります。都市計画法施行令1条1項は、柱書で「法第四条第十一項の周辺の地域の環境の悪化をもたらすおそれがある工作物で政令で定めるもの」を受けると明示したうえで、1号にアスファルトプラント、2号にクラッシャープラント、3号に危険物の貯蔵または処理に供する工作物を掲げています。政令が中身を埋めているのは「その他」以下の部分であって、法律の本文が名指ししているコンクリートプラントは、政令を経由せずに第一種特定工作物に当たります。政令の列挙に載っていないから外れる、と読んではいけません。
3号の危険物は建築基準法施行令116条1項の表に掲げる危険物を指し、石油パイプライン事業法の事業用施設や港湾法の保管施設、電気事業やガス事業の用に供する工作物などが括弧書きで除かれています。試験対策としては、コンクリートプラント、アスファルトプラント、クラッシャープラント、危険物の貯蔵・処理施設という四つを持っておけば足ります。名指しと政令の足し算という構造は、次に見る第二種特定工作物のゴルフコースでそのまま繰り返されるので、ここで型として覚えてください。
第二種特定工作物とゴルフコースの特別扱い
施行令1条2項は、第二種特定工作物として「その規模が一ヘクタール以上のもの」という限定を柱書に置いたうえで、1号に野球場、庭球場、陸上競技場、遊園地、動物園その他の運動・レジャー施設である工作物を、2号に墓園を掲げています。1ヘクタールという規模の要件は柱書にあるので、1号にも2号にもかかります。墓園も1ヘクタール以上でなければ第二種特定工作物ではありません。
これに対しゴルフコースは、法4条11項の本文が名指ししているため、政令の1ヘクタール要件を経由しません。規模がどれだけ小さくても第二種特定工作物に当たります。第一種のコンクリートプラントとまったく同じ読み方で、法律が名指しした例と、政令が受けた「その他」とを区別するという一点に尽きます。この非対称が出題の中心です。
したがって、1ヘクタールに満たない野球場のための造成は、特定工作物のための行為ではないので、そもそも開発行為ではないという結論になります。「面積が小さいから許可不要」ではなく「開発行為ですらない」という点が、この系統らしい理由づけです。逆に、9,000平方メートルのゴルフコースであれば、面積にかかわらず開発行為に当たり、そのうえで第二の系統と第三の系統を検討することになります。
第二種特定工作物から外れるもの
施行令1条2項1号には、括弧書きで四つの除外が置かれています。学校教育法1条に規定する学校(大学を除く)または幼保連携型認定こども園の施設に該当するもの、港湾法の港湾環境整備施設に該当するもの、都市公園法2条1項の都市公園に該当するもの、自然公園法の公園事業等により建設される施設に該当するものです。
これは、運動・レジャー施設に見えるものでも、学校の運動場や都市公園の施設として設けられるものは第二種特定工作物としては扱わない、という趣旨です。小学校の校庭を1ヘクタール以上つくっても、それだけでは第二種特定工作物にはなりません。学校用地の造成が開発行為になるかどうかは、校舎という建築物の建築を目的とするかどうかで決まります。
この系統の落とし穴
開発行為に当たらないからといって、何の規制も受けないわけではありません。市街化調整区域では、都市計画法43条1項により、開発許可を受けた開発区域以外の区域で建築物を新築するには、原則として都道府県知事の許可が必要です。造成を伴わない建築であっても、市街化調整区域であればこの建築許可の問題が残ります。
「開発許可が不要である」という結論と「何の許可も要らない」という結論は別物です。この点は後の章でもう一度扱います。市街化調整区域の性格については市街化調整区域を参照してください。
第二の系統 規模が基準に満たない
29条1項1号と29条2項の書き分け
規模による許可不要は、条文上二か所に分かれています。
ひとつは都市計画法29条1項1号で、市街化区域、区域区分が定められていない都市計画区域、準都市計画区域内において行う開発行為で、その規模がそれぞれの区域の区分に応じて政令で定める規模未満のものについて許可を要しないとしています。政令で定める規模は同法施行令19条にあり、市街化区域は1,000平方メートル、区域区分が定められていない都市計画区域と準都市計画区域は3,000平方メートルです。
もうひとつは同条2項で、都市計画区域および準都市計画区域外の区域内において、「それにより一定の市街地を形成すると見込まれる規模として政令で定める規模以上」の開発行為をしようとする者は許可を受けなければならない、という形で規定しています。この規模は施行令22条の2により1ヘクタールです。
書き方の向きが違う点に注意してください。1項1号は「規模未満のものは許可不要」という除外の形、2項は「規模以上のものは許可が必要」という原則の形です。結論は同じですが、条文の建て付けが違うので、区域外の話を1項の例外として理解していると、条文を問う出題で迷います。2項の「一定の市街地を形成すると見込まれる規模」という文言も、この規制が何を捕まえようとしているのかを示しており、区域外の1ヘクタールという数字の意味を説明しています。
市街化調整区域には規模の入口がない
29条1項1号の対象に市街化調整区域が入っていない、という一点が、この論点でもっとも重要です。市街化調整区域では、規模がどれだけ小さくても、規模を理由に許可が不要になることはありません。100平方メートルの開発行為であっても、規模の観点からは許可が必要です。
理由は市街化調整区域の性格にあります。市街化を抑制すべき区域なので、小規模だから放っておいてよいという発想がそもそも取られていません。市街化区域が「一定規模までは市街化の妨げにならないから見逃す」という考え方であるのに対し、調整区域は市街化そのものを抑える区域なので、規模による緩和になじまないわけです。
この非対称は、繰り返し狙われます。「市街化調整区域において500平方メートルの開発行為を行う場合、開発許可は不要である」という肢は誤りです。ただし、後述する適用除外に該当すれば、市街化調整区域でも許可は不要になります。規模の入口がないだけで、第三の入口は開いています。
第二の入口の敷居は固定値ではない
29条1項1号が「政令で定める規模」と書いて受けている施行令19条1項は、単一の数値ではなく四つの欄を持つ表です。第一欄が区域、第二欄が原則の規模、第三欄が条例で別に定めることができる場合の要件、第四欄が条例で定められる規模の範囲になっています。同条2項には、三大都市圏の一定区域について第二欄を読み替える規定も置かれています。
この構造から出てくる帰結が一つあります。第二の入口の敷居は、法律と政令の原則だけを見ても確定しないということです。同じ市街化区域でも、条例が定められている区域か、19条2項の読替えが働く区域かによって、許可が不要になる上限が変わります。肢に区域と面積しか書かれていなければ原則の数値で判断し、条例や読替えへの言及があればそちらを優先する、という読み方になります。
これに対し、第一の系統と第三の系統には、区域ごとに敷居が動くという仕組みがありません。開発行為の定義も29条1項2号以下の適用除外も、条例で範囲を広げたり狭めたりできる作りにはなっていないからです。「条例で決まる部分があるのは第二の系統だけ」と押さえておくと、条例を持ち出す肢が第二の系統の話なのかどうかを即座に振り分けられます。
第二欄・第四欄の具体的な数値、条例で引き下げられる限界、条例を定める主体といった面積要件そのものの詳細は開発許可が必要な面積要件に譲ります。本記事では、規模が「許可不要になる三つの入口のうちのひとつにすぎない」という位置づけを押さえてください。都市計画法まわりの数値をまとめて確認するなら都市計画法の数字も使えます。
規模はどの土地について測るか
規模は、開発区域の面積で判断します。開発区域とは、都市計画法4条13項が「開発行為をする土地の区域」と定義しているとおり、開発行為が現実に行われる範囲のことです。所有している土地の全体ではなく、実際に区画形質の変更を行う範囲が基準になります。定義がこう書かれている以上、同一の計画のもとで一体的に行われる行為を、あえて別の申請に分割して基準未満に見せかける処理は、開発区域の切り出し方の問題として否定されることになります。
開発区域が二以上の区域にわたるとき
29条3項は、開発区域が市街化区域、区域区分が定められていない都市計画区域、準都市計画区域、都市計画区域および準都市計画区域外の区域のうち二以上の区域にわたる場合について、1項1号と2項の適用を政令に委ねています。受けているのが施行令22条の3で、合計面積が1ヘクタール未満であること、市街化区域内の部分が1,000平方メートル(読替えが適用される場合は500平方メートル)未満であること、といった要件をすべて満たす場合にかぎり1項1号が適用される、という組み立てになっています。
宅建試験でここまで細かく問われることは多くありませんが、「面積は区域ごとに別々に数えればよい」という誤った理解を持っていると足をすくわれます。またがる場合の扱いは、面積の数え方の問題として開発許可が必要な面積要件の側で詳しく扱っています。
第三の系統 規模にかかわらず適用除外となる
都市計画法29条1項2号から11号までは、規模を問わず許可を要しない場合を列挙しています。ここが「面積にかかわらず不要」の本体です。
2号 農林漁業に関するもの
29条1項2号は、市街化調整区域、区域区分が定められていない都市計画区域、準都市計画区域内において行う開発行為で、農業、林業もしくは漁業の用に供する政令で定める建築物、またはこれらの業務を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的で行うものについて、許可を要しないとしています。
この号でもっとも重要なのは、対象となる区域に市街化区域が含まれていないことです。市街化区域では、農林漁業用の建築物であっても、農林漁業を営む者の住宅であっても、この適用除外は使えません。市街化区域はおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域であり、農林漁業の保護のために市街化を止める区域ではないからです。市街化区域で農業用倉庫を建てるための開発行為であれば、規模が1,000平方メートル以上であれば許可が必要になります。
なお、都市計画区域および準都市計画区域外の区域については、29条2項1号が同じ内容の除外を独立に置いています。1項2号が及ぶのではなく、2項のただし書に同趣旨の号が別に立っているという構造です。結果として、この適用除外が使えないのは市街化区域だけだ、という整理になります。
農林漁業用建築物は施行令20条の五つの号で決まる
政令で定める建築物の範囲は施行令20条にあります。この条は法29条1項2号と2項1号の両方を受けており、五つの号でできています。
1号は、畜舎、蚕室、温室、育種苗施設、家畜人工授精施設、孵卵育雛施設、搾乳施設、集乳施設その他これらに類する農産物、林産物または水産物の生産または集荷の用に供する建築物です。2号は、堆肥舎、サイロ、種苗貯蔵施設、農機具等収納施設その他これらに類する農業、林業または漁業の生産資材の貯蔵または保管の用に供する建築物です。3号は家畜診療の用に供する建築物、4号は用排水機、取水施設等の農用地の保全もしくは利用上必要な施設の管理の用に供する建築物または索道の用に供する建築物です。
そして5号が、前各号に掲げるもののほか、建築面積が90平方メートル以内の建築物、と定めています。この5号があるため、農林漁業を営む者が建てる小規模な建築物は、用途が1号から4号に当てはまらなくても、建築面積90平方メートル以内であれば対象に入ります。ここは「農林漁業用建築物の範囲」を生産・集荷と貯蔵・保管の二つだけで覚えていると見落とす部分です。
加工施設が外れる理由
1号と2号の文言を並べると、対象が生産・集荷と貯蔵・保管であって、加工が入っていないことが分かります。農産物を加工する施設を建てるための開発行為は、5号の90平方メートル以内という枠に収まらないかぎり、この適用除外を受けられません。
理由は、加工が農業そのものではなく製造業に近い性格を持つからです。同じ農地の上に建つ施設でも、収穫物をそのまま貯蔵する倉庫と、収穫物を原料として製品をつくる工場とでは、周辺への影響も土地利用の性格も異なります。「農業を営む者が農産物の加工場を建てる」という事案は、農林漁業に関係があるように見えて対象外になるため、出題の素材として使われます。農地そのものの規制は農地法で別に扱っており、実際の場面では農地転用の許可も併せて必要になります。手続の順序や届出との関係は農地転用の手続きを参照してください。
4号から8号 事業の施行として行うもの
29条1項4号から8号までは、一定の事業の施行として行う開発行為を掲げています。4号が都市計画事業の施行として行うもの、5号が土地区画整理事業の施行として行うもの、6号が市街地再開発事業の施行として行うもの、7号が住宅街区整備事業の施行として行うもの、8号が防災街区整備事業の施行として行うものです。
4号の都市計画事業については、言葉の定義を確認しておく価値があります。法4条15項は都市計画事業を「この法律で定めるところにより第五十九条の規定による認可又は承認を受けて行なわれる都市計画施設の整備に関する事業及び市街地開発事業」と定義しています。59条は、都市計画事業を原則として市町村が都道府県知事の認可を受けて施行するものとし、都道府県は国土交通大臣の認可を受けて、国の機関は国土交通大臣の承認を受けて、それ以外の者は一定の場合に都道府県知事の認可を受けて施行できると定めています。つまり4号にいう都市計画事業とは、都市計画に定められただけの事業ではなく、認可または承認という手続を現に経た事業のことです。都市計画施設の区域内であることと、都市計画事業の施行であることは別の段階なので、「都市計画施設の区域内で行う開発行為だから4号に当たる」という運びの肢は、認可・承認の段階を飛ばしている点で疑ってかかることになります。
これらに共通しているのは、事業そのものが法律に基づく計画的な手続を経ており、その中で土地利用の適正さが担保されているという点です。改めて開発許可でチェックする必要がないので除外されている、と理解すれば、列挙を丸暗記しなくても方向が分かります。土地区画整理事業の仕組みは土地区画整理法に、誰が施行できるのかという論点は土地区画整理法の施行者にまとめてあります。
この5個の号には、後で効いてくる共通の性質があります。いずれの事業も都市計画区域の内側を前提とした事業だという点です。たとえば土地区画整理法2条1項は、土地区画整理事業を「都市計画区域内の土地について」行われる事業と定義しています。市街地再開発事業、住宅街区整備事業、防災街区整備事業も同様に、市街地の整備を目的とする事業として都市計画と結びついています。都市計画区域の外でこれらの事業が施行されることはないので、区域外を扱う29条2項のただし書には5号から8号までが引かれていません。後述する区域外の整理は、この事情から出てきます。
9号 公有水面埋立地における開発行為
29条1項9号は、公有水面埋立法2条1項の免許を受けた埋立地であって、まだ同法22条2項の告示がないものにおいて行う開発行為を掲げています。埋立ての手続の中で土地利用が審査されるため、重ねて開発許可を求めない、という趣旨です。
「まだ告示がないもの」という限定が付いている点が特徴です。22条2項の告示は竣功認可の告示で、これがあると埋立地は正式に陸地となり、通常の土地と同じ扱いに移ります。したがって告示の後は9号が使えず、開発行為をするなら原則どおり許可が必要になります。なお、この告示のあった埋立地については、33条7項が、免許の条件に開発許可の基準に相当する定めがあるときはその定めを基準とする、という調整規定を置いています。告示の前後で規律が切り替わる構造だと理解しておくと、9号の限定の意味がつかめます。
10号 非常災害の応急措置
29条1項10号は、非常災害のため必要な応急措置として行う開発行為を掲げています。区域を問わず、規模を問わず許可が不要です。緊急の必要がある場面で許可の手続を求めるのは適当でないという、分かりやすい趣旨の規定です。
似た規定は建築基準法にもあり、応急仮設建築物などについて特例が置かれています。「非常災害」という言葉が出てきたら、原則として手続が緩められると考えて構いません。この号は43条1項2号にも同じ形で置かれているので、開発許可と建築許可の両方で非常災害が働くという対応関係も押さえておいてください。
11号 通常の管理行為・軽易な行為
29条1項11号は、通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるものを掲げています。施行令22条に具体的な内容があり、六つの号が並んでいます。
1号は仮設建築物の建築、または土木事業その他の事業に一時的に使用するための第一種特定工作物の建設の用に供する目的で行う開発行為です。2号は車庫、物置その他これらに類する附属建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為です。3号は建築物の増築または特定工作物の増設で、増築に係る床面積の合計または増設に係る築造面積が10平方メートル以内であるものです。4号は法29条1項2号もしくは3号に規定する建築物以外の建築物の改築で用途の変更を伴わないもの、または特定工作物の改築です。5号は、4号に当たらない改築のうち、改築に係る床面積の合計が10平方メートル以内であるものです。
この号は「軽易」という評価的な言葉が入っているため範囲が曖昧に見えますが、実際には政令で列挙されています。試験では、仮設建築物と附属建築物という二つの典型と、10平方メートルという増改築の枠を押さえておけば足ります。
11号には面積の基準が紛れ込んでいる
施行令22条の6号は、この論点のなかでも特殊な位置にあります。主として開発区域の周辺の市街化調整区域内に居住している者の日常生活のため必要な物品の販売、加工、修理等の業務を営む店舗、事業場その他これらの業務の用に供する建築物で、延べ面積が50平方メートル以内のもの(業務用部分の延べ面積が全体の50パーセント以上のものに限る)の新築の用に供する目的で、周辺の市街化調整区域内に居住している者が自ら業務を営むために行う開発行為で、その規模が100平方メートル以内であるもの、というのが6号です。
ここには、延べ面積50平方メートル以内という建物側の要件と、開発規模100平方メートル以内という土地側の要件が両方入っています。第三の系統は原則として面積と無関係だと説明してきましたが、この6号だけは面積の要件を内側に抱えています。ただし、これは「規模による許可不要」(第二の系統)とは違い、軽易な行為に当たるかどうかを判断するための要素として面積が使われている、という位置づけです。
条件が細かいのは、市街化調整区域の住民の生活を維持するための小さな店舗を、市街化を進めない範囲で認めるという趣旨だからです。同じ発想の規定は43条の側にもあり、施行令35条3号が、延べ面積50平方メートル以内という同じ枠で建築許可を不要としています。市街化調整区域における立地の可否を正面から扱う34条各号との関係は市街化調整区域で整理しています。
公益上必要な建築物をもう一段深く読む
3号は「例示+政令」の二段構え
29条1項3号は、駅舎その他の鉄道の施設、図書館、公民館、変電所その他これらに類する公益上必要な建築物のうち、開発区域およびその周辺の地域における適正かつ合理的な土地利用および環境の保全を図るうえで支障がないものとして政令で定める建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為について、許可を要しないとしています。
条文に例示されている駅舎、図書館、公民館、変電所は、そのまま覚えてください。この号は区域を限定していないので、市街化区域でも市街化調整区域でも、規模を問わず許可が不要になります。前の2号が区域を限定しているのと対照的なので、二つを並べて違いを確認しておくと混同を防げます。
そのうえで押さえておきたいのが、実際の範囲を決めているのは条文の例示ではなく政令だという点です。3号は「政令で定める建築物」と書いており、その政令が施行令21条です。「公益上必要」という言葉から一般的な公益性を想像して当てはめると、答えがずれます。
施行令21条は31号立ての事業法規リスト
施行令21条は1号から31号までの長い列挙です。中身を見ると、そのほとんどが個別の事業法規に位置づけられた施設を指しています。1号は道路法の道路または道路運送法の一般自動車道・専用自動車道を構成する建築物、2号は河川法が適用または準用される河川を構成する建築物、3号は都市公園法2条2項の公園施設である建築物、4号は鉄道事業法の鉄道事業もしくは一般の需要に応ずる索道事業の用に供する施設である建築物または軌道法による軌道の用に供する施設である建築物、といった具合です。
29条1項3号が例示する「駅舎その他の鉄道の施設」は4号に、「変電所」は14号(電気事業法の電気事業の用に供する電気工作物を設置する施設である建築物、およびガス事業法のガス工作物を設置する施設である建築物)に、それぞれ対応しています。
そのほか、7号が港湾施設・漁港施設、8号が海岸保全施設、9号が公共の用に供する飛行場の施設、10号が気象・海象・地象・洪水等の観測または通報の用に供する施設、11号が日本郵便株式会社の郵便業務用施設、12号が認定電気通信事業の用に供する施設、13号が基幹放送の用に供する放送設備、15号が水道・工業用水道・下水道の施設、20号が火葬場、21号がと畜場・化製場・死亡獣畜取扱場、22号が公衆便所・し尿処理施設・ごみ処理施設・浄化槽、23号が中央卸売市場・地方卸売市場および地方公共団体が設置する市場、24号が自然公園法の公園事業による建築物、25号が住宅地区改良事業により建築される建築物です。
この並びを一つずつ暗記する必要はありません。読み取るべきは、公益上必要な建築物とは「個別の法律によって公共的なインフラとして位置づけられている施設」だという性格です。この性格をつかんでおけば、リストに載っていない施設について「公益性がありそうだから許可不要だろう」と推測しないで済みます。
図書館と博物館、公民館
29条1項3号が例示する図書館は、施行令21条17号に対応しています。17号は、図書館法2条1項に規定する図書館の用に供する施設である建築物、または博物館法2条1項に規定する博物館の用に供する施設である建築物、と定めています。つまり図書館だけでなく博物館も対象です。条文の例示に博物館が出てこないので落としやすい部分です。
公民館は18号で、社会教育法20条に規定する公民館の用に供する施設である建築物と書かれています。図書館法、博物館法、社会教育法という三つの法律の定義に送っている点に注意してください。同じ「図書館」という名前を掲げていても、図書館法上の図書館に当たらない施設であれば、17号には乗りません。
26号は国等が設置する建築物の受け皿
施行令21条26号は、国、都道府県等、市町村、または市町村がその組織に加わっている一部事務組合もしくは広域連合が設置する研究所、試験所その他の直接その事務または事業の用に供する建築物で、イからホまでに掲げる建築物以外のもの、と定めています。ここでいう「都道府県等」は法34条の2第1項の定義に送られています。
つまり26号は、1号から25号までの個別の事業法規リストで拾いきれない公的施設を、設置主体に着目してまとめて拾う受け皿です。国や自治体が事務・事業のために直接使う建築物であれば、原則として公益上必要な建築物になります。研究所や試験所は例示にすぎません。
学校・社会福祉施設・医療施設が外れている理由
この論点でもっとも問われるのが、公益上必要な建築物の範囲です。かつては学校、社会福祉施設、医療施設も、開発許可を要しない公益上必要な建築物として扱われていました。しかし2006年5月31日に公布された「都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律」により、これらは対象から外され、2007年11月30日の施行以後は開発許可が必要になっています。郊外への公共公益施設の立地が市街化を進めてしまうことへの対応として行われた改正です。なお大学・専修学校・各種学校はこの改正の前から対象外だったので、改正によって新たに許可が要るようになったのは、大学等以外の学校と、社会福祉施設・医療施設・庁舎等ということになります。
現在の条文で確認すると、外れ方は二重になっています。第一に、施行令21条の1号から25号までのどこにも、学校・社会福祉施設・医療施設は掲げられていません。したがって民間が設置するこれらの施設は、そもそもリストに載っていないという理由で3号の適用を受けません。第二に、設置主体で拾う26号についても、イからハまでで明文の除外が置かれています。
26号イは、学校教育法1条に規定する学校、同法124条に規定する専修学校、同法134条1項に規定する各種学校の用に供する施設である建築物です。ロは、児童福祉法による家庭的保育事業、小規模保育事業、事業所内保育事業もしくは乳児等通園支援事業、社会福祉法による社会福祉事業、または更生保護事業法による更生保護事業の用に供する施設である建築物です。ハは、医療法1条の5第1項に規定する病院、同条2項に規定する診療所もしくは医療法2条1項に規定する助産所の用に供する施設、または同法2条の2第2項に規定するオンライン診療受診施設である建築物です。
学校教育法1条の学校には、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学、高等専門学校が含まれます。したがって大学であっても、専修学校であっても、この除外に含まれます。「大学は公益性が高いから許可不要」という推測は成り立ちません。同様に、診療所も病院と並んで除かれているため、規模の大小や名称にかかわらず、医療施設のための開発行為には許可が必要です。
図書館と公民館は許可不要、学校と病院は許可必要。この対比が、公益上必要な建築物の出題の中心です。どちらも公共的な施設に見えるだけに、条文の列挙と政令の除外を根拠に区別する必要があります。
庁舎と宿舎も外れている
26号の除外はイからハまでで終わりません。ニは、多数の者の利用に供する庁舎(主として当該開発区域の周辺の地域において居住している者の利用に供するものを除く)で国土交通省令で定めるものを除外し、ホは、宿舎(職務上常駐を必要とする職員のためのものその他これに準ずるものとして国土交通省令で定めるものを除く)を除外しています。
国や自治体が設置する建築物であっても、多数の者が利用する大規模な庁舎や、職員のための宿舎は、公益上必要な建築物として扱われません。庁舎の建設が郊外の市街化を誘発するという問題意識は、学校・病院を外したのと同じ発想に立っています。括弧書きで、地元住民の利用に供する庁舎や、常駐が必要な職員のための宿舎が除外の対象から外されている点も、趣旨から素直に読めます。
職業能力開発施設という例外
学校が一律に外れていると覚えていると、施行令21条19号でつまずくことがあります。19号は、国、都道府県および市町村ならびに独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が設置する職業能力開発促進法15条の7第3項に規定する公共職業能力開発施設、ならびに国および同機構が設置する同法27条1項に規定する職業能力開発総合大学校である建築物を、公益上必要な建築物として掲げています。
職業能力開発総合大学校は名前に「大学校」と入っていますが、学校教育法1条の学校ではありません。19号がわざわざ独立の号を立てているのは、これらが学校教育法の体系ではなく職業能力開発促進法の体系に属する施設だからです。26号イの除外が「学校教育法1条」「同法124条」「同法134条1項」と条番号で限定されている理由も、ここから見えます。除外されているのは学校教育法上の学校であって、教育的な施設一般ではありません。
区域ごとに、使える入口を並べ直す
三系統を理解したら、今度は区域の側から、どの入口が使えるかを整理します。この視点で見直しておくと、区域を指定した肢に強くなります。
市街化区域
規模の入口が使えます。1,000平方メートル未満であれば許可は不要です。適用除外の入口も、公益上必要な建築物、各種事業の施行、公有水面埋立地、非常災害の応急措置、通常の管理行為については使えます。
使えないのは農林漁業に関する適用除外です。市街化区域だけがここから外れているので、「市街化区域で農林漁業用建築物」という組み合わせが出てきたら、規模だけで判断することになります。
市街化調整区域
規模の入口が使えません。ここが最大の特徴です。適用除外の入口は、農林漁業に関するものを含めてすべて使えます。市街化調整区域で許可が不要になるのは、開発行為に当たらない場合か、適用除外に該当する場合のどちらかだけ、という整理になります。
さらに、開発許可が不要であっても43条の建築許可が別に必要になる場合があるため、調整区域の事案では二段階で確認する必要があります。
区域区分が定められていない都市計画区域と準都市計画区域
規模の入口は3,000平方メートル未満で使えます。適用除外の入口はすべて使えます。この二つの区域は、開発許可に関するかぎり同じ扱いなので、まとめて覚えて構いません。もっとも、両者は開発許可以外の場面では性格が違い、準都市計画区域には定められる都市計画の種類に限定があります。二区域の共通点と相違点は非線引き区域と準都市計画区域で正面から扱っています。
都市計画区域および準都市計画区域外
規模の入口は1ヘクタール未満で使えますが、条文上は29条2項という別の規定によります。都市計画区域の外であっても開発許可の制度がまったく及ばないわけではない、という点が出題されます。「都市計画区域外では開発許可は不要である」という言い切りは誤りです。
区域外に及ばない除外がある
29条2項のただし書は、1項をそのまま準用しているわけではありません。2項1号が農林漁業に関する除外を独自に置き、2項2号が「前項第三号、第四号及び第九号から第十一号までに掲げる開発行為」を引いています。
引かれているのは3号(公益上必要な建築物)、4号(都市計画事業の施行)、9号(公有水面埋立地)、10号(非常災害の応急措置)、11号(通常の管理行為・軽易な行為)です。引かれていないのは5号から8号まで、すなわち土地区画整理事業、市街地再開発事業、住宅街区整備事業、防災街区整備事業の施行として行う開発行為です。
理由は前に述べたとおりで、これらの事業はいずれも都市計画区域の内側を前提にしており、区域外で施行されることが想定されていないからです。除外を落としたのではなく、そもそも起こり得ない場面だから引く必要がない、という構造です。「区域外にも1項の除外がすべて及ぶ」と単純化して覚えていると、号数を問う肢で足を取られます。
「許可不要」と紛らわしいもの
国や都道府県等が行う開発行為は協議で足りる
29条1項各号にも2項各号にも当たらないのに、許可を受けずに開発行為ができる場面があります。都市計画法34条の2が定める開発許可の特例です。
同条1項は、国または都道府県等が行う都市計画区域もしくは準都市計画区域内における開発行為(29条1項各号に掲げる開発行為を除く)、または都市計画区域および準都市計画区域外の区域内における開発行為(29条2項の政令で定める規模未満の開発行為および同項各号に掲げる開発行為を除く)について、当該国の機関または都道府県等と都道府県知事との協議が成立することをもって、開発許可があったものとみなす、と定めています。
ここでいう「都道府県等」は、都道府県、指定都市等、事務処理市町村、およびこれらがその組織に加わっている一部事務組合、広域連合、港務局です。この定義は施行令21条26号でも参照されており、公益上必要な建築物の受け皿号と協議の特例とが同じ主体の範囲で組み立てられていることが分かります。
同条2項は、32条を協議を行おうとする国の機関または都道府県等について、41条を都道府県知事が協議を成立させる場合について、47条を協議が成立したときについて、それぞれ準用しています。準用されている三つの中身を見ると、協議みなしがどこまで許可と同じなのかがはっきりします。32条は、開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議してその同意を得ること、および開発行為により設置される公共施設を管理することとなる者と協議することを求める規定です。41条は、用途地域の定められていない土地の区域について、知事が建蔽率・建築物の高さ・壁面の位置その他の制限を定めることができるという規定です。47条は、許可に係る土地について開発登録簿に登録し、公衆の閲覧に供するという規定です。同意の取り付けも、制限の上乗せも、登録簿への記載も、協議の場合にそのまま行われます。手続の名前が許可から協議に変わるだけで、規律の中身はほぼ同じだと理解してください。
協議みなしと許可不要の違いはどこに出るか
この特例は「許可が不要になる」規定ではありません。協議が成立したときに「開発許可があったものとみなす」規定です。したがって、開発許可を受けた場合と同じ効果が生じます。開発登録簿に登録され、37条の建築制限や42条の用途制限といった、許可を受けた開発区域についての規律がそのまま働きます。
出題では「国が行う開発行為については、開発許可を受ける必要がない」という形で問われます。協議という手続を経る必要があり、しかも協議の成立が許可とみなされる以上、規制の外に出るわけではありません。「不要」と「みなし」を区別してください。逆に、国が行う開発行為であっても29条1項各号に当たるもの、たとえば非常災害の応急措置として行うものについては、34条の2の括弧書きで除かれているため、協議も必要ありません。
条文の適用順序としては、まず29条で許可の要否を判断し、許可が必要という結論が出た場合に、主体が国等であれば34条の2に移る、という流れになります。三系統の判断がすべて否定されたあとに初めて出てくる規定だ、と位置づけておくと混乱しません。こうした「不要と紛らわしい表現」の型は引っかけ表現のパターンにも整理があります。
43条にも同じ構造がある
43条3項も、国または都道府県等が行う同条1項本文の建築物の新築等について、協議が成立することをもって許可があったものとみなすと定めています。開発許可と建築許可の両方に同じ協議みなしの仕組みが用意されている、という対応関係で覚えると忘れにくくなります。
許可が不要でも終わらない場合
開発許可が不要という結論が出ても、そこで手続が終わるとは限りません。ここを問う出題があるので、三系統とは別に押さえておきます。
市街化調整区域の建築許可
都市計画法43条1項は、何人も、市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内においては、都道府県知事の許可を受けなければ、29条1項2号もしくは3号に規定する建築物以外の建築物を新築し、または第一種特定工作物を新設してはならず、また、建築物を改築し、もしくはその用途を変更して同項2号もしくは3号に規定する建築物以外の建築物としてはならない、と定めています。造成を伴わない建築は開発行為に当たらず開発許可は不要ですが、この建築許可は必要になり得ます。
条文の書き方に注意してください。農林漁業用建築物(29条1項2号)と公益上必要な建築物(同項3号)は、ただし書の例外としてではなく、本文の対象からあらかじめ外されています。「29条1項2号もしくは3号に規定する建築物以外の建築物」を新築してはならない、と書かれているので、2号・3号の建築物はそもそも規制の対象ではありません。
そのうえで43条1項のただし書が五つの例外を置いており、都市計画事業、非常災害の応急措置、仮設建築物、通常の管理行為・軽易な行為という顔ぶれは、29条1項の適用除外とほぼ重なります。本記事の関心にとって重要なのは4号です。4号は「29条1項9号に掲げる開発行為その他の政令で定める開発行為が行われた土地の区域内」で行う建築等を除外しており、これを受ける施行令34条が、29条1項4号から9号までに掲げる開発行為と、旧住宅地造成事業に関する法律4条の認可を受けた住宅地造成事業の施行として行う開発行為を挙げています。
ここから、開発許可の要否と建築許可の要否がどう連動するかが読み取れます。開発許可を経ていない土地であっても、どの入口で開発許可が要らなかったかによって43条の扱いが分かれるのです。都市計画事業・土地区画整理事業等(29条1項4号から8号まで)や公有水面埋立地(9号)で開発行為が行われた土地であれば、施行令34条により建築許可も要りません。これに対し、11号の軽易な行為として開発許可が不要だった土地や、そもそも造成がなく開発行為ですらなかった土地は、この列挙に入っていないため、43条の許可が残ります。「開発許可が不要だったのだから建築許可も不要だろう」という推測は成り立ちません。43条1項ただし書の各号の細かい読み方と、同条2項が33条・34条の例に準じて政令で定めるとしている許可基準は市街化調整区域の側で扱っています。
建築確認は別の手続
開発許可と建築確認は、根拠法も目的も別の手続です。開発許可が不要であっても、建築基準法に基づく建築確認が必要な場合があります。逆に、開発許可を受けていても、それによって建築確認が免除されるわけではありません。二つの関係は開発許可と建築確認で整理してあるほか、建築確認そのものの要否は建築確認にまとめてあります。
他の法令による規制
土地に手を加える行為は、都市計画法以外の法令でも規制されます。農地を宅地にするのであれば農地法の許可が必要ですし、宅地造成等工事規制区域や特定盛土等規制区域の中であれば盛土規制法の許可が必要になることがあります。造成宅地防災区域や特定盛土等規制区域といった区域の指定の側から見た整理は造成宅地防災区域と特定盛土等規制区域にあります。
一定面積以上の土地について権利の移転等の契約をした場合には、国土利用計画法の事後届出も必要になります。届出制の全体像は国土利用計画法に、注視区域・監視区域で働く事前届出は国土利用計画法の事前届出にまとめてあります。開発許可が不要という結論は、都市計画法の話にすぎません。法令上の制限を横断して確認する視点は法令上の制限の横断整理を参照してください。
法令の基準日と、この記事の条文
宅建試験は、当該年度の4月1日現在施行されている法令から出題されます。令和8年度(2026年10月18日実施)であれば、2026年4月1日時点の条文が基準です。
この記事が扱う範囲について、基準日時点の条文を確認した結果は次のとおりです。都市計画法本体は、その後に令和8年法律第23号による改正の施行がありますが、本則の条文に変更はなく、開発許可に関する29条・34条の2・43条はいずれも従前どおりです。都市計画法施行令については、令和8年政令第66号が2026年4月1日に施行されており、これが基準日版になります。この改正で動いたのは21条だけで、26号ハに医療法2条の2第2項のオンライン診療受診施設が加わりました。26号ロの乳児等通園支援事業は、その前の令和7年政令第205号(2025年7月1日施行)で加わったもので、こちらも基準日には施行済みです。上に引用した26号の条文は、いずれの追加も反映したものです。
開発許可の面積要件を定める施行令19条、農林漁業用建築物を定める20条、軽易な行為を定める22条、区域外の規模を定める22条の2は、いずれも改正を受けていません。市街化区域1,000平方メートル、区域区分が定められていない都市計画区域および準都市計画区域3,000平方メートル、条例による300平方メートルまでの引下げ、三大都市圏の一定区域500平方メートル、区域外1ヘクタールという数値はすべて従前どおりです。令和8年度に向けて確認しておくべき改正の全体像は令和8年度試験に影響する法改正まとめに整理があります。
試験での出題ポイント
市街化調整区域に面積の基準を持ち込ませる型
もっとも多い崩し方です。「市街化調整区域内において、800平方メートルの開発行為を行う場合、開発許可を受ける必要はない」という形で出されます。市街化調整区域には規模による許可不要の入口がないので、誤りです。
肢に市街化調整区域と面積の数値が同時に出てきたら、面積は判断材料にならないと考えてください。判断に使えるのは、開発行為に当たるかと、適用除外に当たるかの二つだけです。
市街化区域に農林漁業の除外を持ち込ませる型
「市街化区域内において、農業を営む者がその居住の用に供する建築物を建築する目的で行う1,500平方メートルの開発行為については、開発許可を受ける必要はない」という形です。誤りです。29条1項2号の対象区域に市街化区域は含まれていません。規模が1,000平方メートル以上である以上、許可が必要になります。
逆に、市街化調整区域で同じ事案であれば、規模を問わず許可は不要です。区域が入れ替わるだけで結論が反転するので、区域の記載に必ず印をつけてください。
農林漁業用建築物の範囲をずらす型
「市街化調整区域内において、農業を営む者が、収穫した農産物を加工するための工場を建築する目的で行う開発行為については、開発許可を受ける必要はない」という肢が作られます。施行令20条1号・2号が対象としているのは生産・集荷と貯蔵・保管であって加工ではないので、原則として誤りです。同じ型で、農家が営む農家レストランや農産物直売所を持ち出す肢も考えられます。
もっとも、5号に建築面積90平方メートル以内の建築物という受け皿があるため、面積の記載があればそちらも確認する必要があります。「加工は入らない」で終わらせず、5号の存在まで含めて条文を読んでおいてください。
公益上必要な建築物の範囲をずらす型
「病院を建築する目的で行う開発行為は、公益上必要な建築物に当たるので許可を要しない」「大学の校舎を建築する目的で行う開発行為は許可を要しない」といった肢が作られます。いずれも誤りです。学校、社会福祉施設、医療施設は施行令21条のリストに掲げられておらず、26号のイからハまででも明文により除かれています。
逆方向として、「図書館を建築する目的で行う開発行為であっても、市街化調整区域内であれば許可が必要である」という肢も作れます。これも誤りで、29条1項3号は区域を限定していません。同じ発想で、博物館や火葬場、卸売市場を素材にした肢も作れます。名前の印象ではなく施行令21条の列挙に載っているかどうかで判断する、という姿勢を固めておいてください。
目的要件を落とす型
「資材置場とするために行う3,000平方メートルの土地の造成については、開発許可が必要である」という形で、目的要件を無視させる肢が出ます。建築物の建築や特定工作物の建設を目的としていないので、開発行為に当たらず許可は不要です。面積の数値に引っ張られないことがポイントになります。
都市計画区域外を「規制の外」と扱わせる型
「都市計画区域外においては、開発許可を受ける必要はない」という言い切りは誤りです。29条2項により、1ヘクタール以上の開発行為には許可が必要です。区域外という言葉から規制の対象外を連想させる型なので、条文が別に立っていることを思い出してください。
この型の応用として、区域外に及ぶ除外の範囲をずらす肢もあります。「都市計画区域外において土地区画整理事業の施行として行う開発行為は、規模を問わず許可を要しない」という形です。29条2項2号が引いているのは1項3号・4号・9号から11号までであり、5号は引かれていません。もっとも土地区画整理事業は都市計画区域内でしか施行できないため、この肢は前提そのものが成り立ちません。
特定工作物の規模を落とす型
「ゴルフコースの建設を目的とする開発行為は、1ヘクタール以上でなければ開発行為に当たらない」という肢は誤りです。ゴルフコースは法4条11項の本文が名指ししているため、規模を問わず第二種特定工作物に当たります。逆に、野球場や庭球場、遊園地、動物園、墓園については施行令1条2項の柱書に1ヘクタール以上という要件があるので、規模の記載を確認する必要があります。法令上の制限で優先すべき論点は法令上の制限の頻出論点に整理してあります。
国等の開発行為を「許可不要」と言わせる型
「国が行う開発行為については、都道府県知事との協議が成立すれば、開発許可を受けることを要しない」という肢は、表現を見て判断する必要があります。34条の2は協議の成立を「開発許可があったものとみなす」と定めているので、「許可があったものとみなされる」という書き方であれば正しく、「許可を受ける必要がない」「開発許可の適用を受けない」という書き方であれば、みなしの効果を落としている点で疑ってかかることになります。
覚え方・整理の仕方
三系統を三つの質問に変える
覚えるべきは一覧ではなく、三つの質問です。第一に「これは開発行為か」。第二に「規模の入口は使えるか」。第三に「適用除外に当たるか」。肢を読んだら、この三つを順に自分に問います。
質問の形にしておく利点は、答えられない質問が特定できることです。第一の質問で詰まるなら定義の三要素が曖昧、第二で詰まるなら区域と規模の対応が曖昧、第三で詰まるなら29条1項各号の列挙が曖昧、というように、復習すべき箇所がその場で分かります。
区域は「入口が閉じているところ」だけ覚える
区域ごとの整理は、使える入口を全部覚えるのではなく、閉じている入口だけを覚えます。閉じているのは二か所だけです。市街化調整区域では規模の入口が閉じている。市街化区域では農林漁業の入口が閉じている。この二つを覚えれば、残りはすべて開いていると考えて構いません。
否定形で覚えるほうが項目数が少なく、しかも試験で問われるのはたいてい閉じているほうです。区域外について5号から8号までが引かれていないことも、この「閉じているところ」の三つ目として足しておくと、条文を問う出題まで届きます。
公益上必要な建築物は「例示と除外」で覚える
29条1項3号は、条文が挙げている例示と、政令が除いているものを対にして覚えます。例示は駅舎、図書館、公民館、変電所。除かれているのは学校、社会福祉施設、医療施設、そして庁舎と宿舎。四つと五つなので、合計九つを覚えるだけで、この論点の出題はほぼ処理できます。
除外された三つ、すなわち学校・社会福祉施設・医療施設には、2007年11月30日の施行という共通の背景があります。郊外への公共公益施設の立地を抑えるという政策的な理由で外された、という経緯を一行添えておくと、忘れても再構成できます。庁舎と宿舎も同じ発想から外されていると理解しておけば、五つを一つの理由でまとめられます。
数値は三つの系統のうち一系統にしかないと意識する
開発許可の論点には1,000、3,000、そして1ヘクタールという数値が出てきますが、これらはすべて第二の系統にしか登場しません。第一の系統と第三の系統には、原則として面積の基準がありません。
例外は三つです。第一の系統では、特定工作物の1ヘクタール(施行令1条2項)。これは許可の要否ではなく開発行為に当たるかどうかの基準です。第三の系統では、施行令20条5号の建築面積90平方メートル以内と、施行令22条3号・5号の10平方メートル、同条6号の延べ面積50平方メートル以内・開発規模100平方メートル以内。これらは適用除外の内側で使われている面積です。
数値がどの系統の道具かを意識しておくと、数値の出てくる場所を間違えなくなります。法令上の制限全体の暗記の組み立ては法令上の制限の暗記法を参照してください。法令上の制限が何問出るかという配点の側から優先順位を決めたい場合は法令上の制限は何問出るが参考になります。
事案で三つの質問を回す
三系統の使い方は、事案に当てはめてはじめて身につきます。以下の事案について、開発行為に当たるか、規模の入口が使えるか、適用除外に当たるか、を順に自分で確認してから答えを開いてください。
事案1
市街化区域内において、900平方メートルの土地に住宅を建築する目的で造成を行う。
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許可は不要です。造成を伴い、住宅という建築物のための行為なので開発行為に当たりますが、市街化区域の基準である1,000平方メートルに満たないため、都市計画法29条1項1号により許可を要しません。第二の系統で処理する典型例です。ただし、その土地が首都圏の既成市街地や近郊整備地帯などに位置し、施行令19条2項の読替えによって500平方メートルが基準になる場合や、条例で300平方メートルまで引き下げられている場合には結論が変わります。事案2
準都市計画区域内において、4,000平方メートルの土地に、農業を営む者がその居住の用に供する住宅を建築する目的で造成を行う。
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許可は不要です。規模は3,000平方メートル以上なので第二の系統では処理できませんが、準都市計画区域は都市計画法29条1項2号の対象区域に含まれており、農業を営む者の居住用建築物のための開発行為は規模を問わず許可を要しません。第三の系統で処理します。区域が市街化区域であれば結論が反転する点に注意してください。事案3
市街化調整区域内の既存の宅地において、造成工事を行わずに住宅を新築する。
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開発許可は不要ですが、これで終わりではありません。土地の区画形質の変更がないので開発行為に当たらず、29条の許可は問題になりません。しかし市街化調整区域なので、都市計画法43条1項により、原則として都道府県知事の建築許可が必要です。「開発許可が不要」と「何の許可も要らない」を区別する型の事案です。事案4
都市計画区域および準都市計画区域外の区域内において、12,000平方メートルの土地に変電所を建築する目的で造成を行う。
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許可は不要です。規模は1ヘクタール以上なので29条2項の本文からは許可が必要になりそうですが、同項2号が1項3号を引いています。変電所は施行令21条14号の電気工作物を設置する施設であり、1項3号の公益上必要な建築物に当たるので、規模を問わず許可を要しません。区域外にも3号の除外が及ぶことを確認する事案です。事案5
区域区分が定められていない都市計画区域内において、8,000平方メートルの土地にゴルフコースを建設する目的で造成を行う。
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許可が必要です。ゴルフコースは法4条11項の本文が名指ししているため、規模を問わず第二種特定工作物に当たり、そのための区画形質の変更は開発行為に当たります。区域区分が定められていない都市計画区域の基準は3,000平方メートルなので、8,000平方メートルであれば規模の入口も使えず、適用除外にも当たりません。三つの質問がすべて否定される例です。事案6
市街化区域内において、5,000平方メートルの土地について、土地区画整理事業の施行として開発行為を行う。
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許可は不要です。規模は1,000平方メートル以上ですが、土地区画整理事業の施行として行う開発行為は都市計画法29条1項5号により除外されています。事業の手続の中で土地利用の適正さが担保されているため、重ねて開発許可を求めない、という趣旨です。事案7
市街化調整区域内において、7,000平方メートルの土地に、1ヘクタールに満たない規模の野球場を建設する目的で造成を行う。
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許可は不要です。野球場が第二種特定工作物になるのは施行令1条2項の柱書により1ヘクタール以上の場合にかぎられるので、7,000平方メートルの野球場は特定工作物ではありません。建築物の建築も目的としていないため、そもそも開発行為に当たらず、29条の許可は問題になりません。市街化調整区域には規模の入口がないという知識だけで判断すると、誤って許可が必要と答えてしまう型です。第一の系統で切れる事案だと見抜けるかが分かれ目になります。事案8
市街化調整区域内において、都道府県が20,000平方メートルの土地に県立高等学校の校舎を建築する目的で造成を行う。
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開発許可を受ける必要はありませんが、都道府県知事との協議が必要です。まず高等学校は学校教育法1条の学校なので、施行令21条26号イにより公益上必要な建築物から除かれ、29条1項3号は使えません。市街化調整区域なので規模の入口もなく、他の号にも当たりません。ここまでで「開発許可が必要」という結論が出ます。そのうえで主体が都道府県なので、34条の2第1項により、都道府県知事との協議が成立することをもって開発許可があったものとみなされます。同じ都道府県が設置する建築物でも、施行令21条26号の本体に当たる試験所や研究所であれば29条1項3号の適用除外が働き、34条の2第1項の括弧書きにより協議すら不要になります。「許可を受けずに開発行為ができる」という結論が同じでも、適用除外なのか協議みなしなのかで、開発登録簿への登録や37条・42条の適用の有無が変わります。理解度チェッククイズ
Q1. 市街化調整区域内において、600平方メートルの土地について住宅を建築する目的で行う開発行為は、規模が小さいため開発許可を受ける必要はない。(○か×か)
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×:都市計画法29条1項1号が規模による除外の対象としているのは、市街化区域、区域区分が定められていない都市計画区域、準都市計画区域であり、市街化調整区域は含まれていません。市街化調整区域では規模がどれだけ小さくても、規模を理由に許可が不要になることはありません。許可が不要になるのは、開発行為に当たらない場合か、29条1項2号以下の適用除外に該当する場合だけです。Q2. 市街化区域内において、農業を営む者がその居住の用に供する住宅を建築する目的で行う2,000平方メートルの開発行為については、開発許可を受ける必要がない。(○か×か)
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×:農林漁業に関する適用除外(都市計画法29条1項2号)の対象区域は、市街化調整区域、区域区分が定められていない都市計画区域、準都市計画区域であり、市街化区域は含まれていません。市街化区域では、2,000平方メートルは1,000平方メートル以上なので、規模の入口も使えず、許可が必要です。区域を市街化調整区域に置き換えれば、規模を問わず許可不要になります。Q3. 病院を建築する目的で行う開発行為は、公益上必要な建築物のための開発行為として、区域を問わず開発許可を受ける必要がない。(○か×か)
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×:医療法1条の5第1項の病院、同条2項の診療所、同法2条1項の助産所の用に供する施設は、都市計画法施行令21条のどの号にも公益上必要な建築物として掲げられておらず、国等が設置する建築物を拾う26号についても、ハで明文により除かれています。学校教育法1条の学校、専修学校、各種学校、社会福祉事業の用に供する施設も同様です。これらは2006年に公布された改正法により、2007年11月30日の施行以後、開発許可が必要となりました。許可不要とされているのは、駅舎その他の鉄道施設、図書館、博物館、公民館、変電所などです。Q4. 資材置場として使用する目的で3,000平方メートルの土地の造成を行う場合、区域区分が定められていない都市計画区域内であれば開発許可が必要である。(○か×か)
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×:開発行為とは、主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更をいいます(都市計画法4条12項)。資材置場のための造成は、建築物の建築も特定工作物の建設も目的としていないため、そもそも開発行為に当たらず、規模にかかわらず開発許可は問題になりません。面積の数値に引っ張られないことがポイントです。ただし、造成そのものが盛土規制法など他の法令の規制を受けることはあります。Q5. 都市計画区域および準都市計画区域外の区域内であれば、規模にかかわらず開発許可を受ける必要はない。(○か×か)
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×:都市計画法29条2項および施行令22条の2により、都市計画区域および準都市計画区域外の区域内で行う開発行為であっても、規模が1ヘクタール以上であれば都道府県知事の許可が必要です。区域外だから制度が及ばない、という理解は誤りです。なお同項1号により農林漁業に関する除外が、同項2号により1項3号・4号・9号から11号までの除外が、それぞれ区域外にも及びます。Q6. 国が市街化調整区域内で行う開発行為については、都道府県知事との協議が成立したときは、開発許可があったものとみなされる。(○か×か)
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○:都市計画法34条の2第1項は、国または都道府県等が行う都市計画区域もしくは準都市計画区域内における開発行為(29条1項各号に掲げるものを除く)について、当該国の機関または都道府県等と都道府県知事との協議が成立することをもって開発許可があったものとみなす、と定めています。「許可が不要になる」のではなく「許可があったものとみなす」規定である点が重要で、開発登録簿への登録や工事完了公告前後の建築制限は、許可を受けた場合と同じように働きます。まとめ
開発許可が不要になる理由は三つの系統に分かれます。第一に、都市計画法4条12項の開発行為の定義に当たらない場合。目的が建築物や特定工作物でない、あるいは区画形質の変更がない場合がこれに当たり、規模は関係ありません。第二に、29条1項1号および同条2項の規模の基準に満たない場合。市街化区域1,000平方メートル、区域区分が定められていない都市計画区域と準都市計画区域3,000平方メートル、都市計画区域および準都市計画区域外1ヘクタールが基準で、市街化調整区域にはこの入口がありません。第三に、29条1項2号から11号までの適用除外に当たる場合。ここは規模を問いません。
条文の並びで言えば、29条1項ただし書の11個の号のうち1号だけが第二の系統で、2号から11号までの10個が第三の系統です。面積は例外の一つにすぎないという条文の姿を、そのまま頭に入れておいてください。
閉じている入口は三か所です。市街化調整区域では規模の入口が閉じ、市街化区域では農林漁業の入口が閉じ、都市計画区域および準都市計画区域外では5号から8号までの事業関係の入口が閉じています。三つ目は、これらの事業が都市計画区域内でしか施行されないことの裏返しです。
公益上必要な建築物については、条文が例示する駅舎、図書館、公民館、変電所が許可不要である一方、学校、社会福祉施設、医療施設は施行令21条のリストに掲げられておらず、国等が設置する場合を拾う26号でもイからハまでで明文により除かれ、許可が必要です。同号のニ・ホは庁舎と宿舎も除いています。2006年公布・2007年11月30日施行の改正によるもので、公共的な施設であれば当然に不要という発想が通用しない点が要注意です。
そして、開発許可が不要であっても、市街化調整区域の建築許可や建築確認、他法令の許可が残ることがあります。国や都道府県等が行う開発行為は、許可が不要になるのではなく、34条の2の協議によって許可があったものとみなされるという別の仕組みに乗ります。制度全体の流れは宅建の開発許可制度で確認してください。
宅建試験AIブートラボのアプリでは、開発許可の要否を区域と目的の組み合わせごとに肢別で演習でき、間違えた系統だけを繰り返し確認できます。
都市計画法・建築基準法・農地法は数字の暗記が中心です。繰り返しの肢別トレーニングが一番効きます。