宅地建物取引業の免許たくちたてものとりひきぎょうのめんきょ
宅地建物取引業を営もうとする者が受けなければならない国土交通大臣又は都道府県知事の許しで、有効期間は5年です(3条)。つまり、事務所が二つ以上の都道府県にあれば大臣、一つの都道府県の中だけなら知事から受け、5年ごとに更新します。
不動産会社の店先には「国土交通大臣(3)第1234号」や「東京都知事(1)第56789号」と書いた標識が掲げてあります。これが免許証番号で、誰から免許を受けたかが分かり、かっこの中の数字は更新の回数に1を足した数です。宅地建物取引業は高額の財産を扱う仕事なので、法律は、行政が申請者を審査して免許を与えた者にだけ営業を認めています。免許は会社や個人事業主ごとに一つで、支店ごとに取るものではありません。免許を受けない者は、宅地建物取引業を営むことも、営む旨の表示や広告をすることもできません(12条)。

大臣か知事かは、事務所のある都道府県の数で決まります
二以上の都道府県の区域内に事務所を設置するなら国土交通大臣、一の都道府県の区域内にだけ設置するならその都道府県知事の免許を受けます(3条1項)。見るのは事務所の場所だけで、事務所の数や、扱う物件の場所、会社の規模は関係がありません。東京都内に支店を10か所置いても都知事免許のままで、知事免許の業者も全国の物件を扱えます。国土交通大臣の免許の申請は国土交通大臣に対して行い、以前あった都道府県知事を経由する仕組みは現行法にありません。
有効期間は5年で、満了の90日前から30日前に更新を申請します
免許の有効期間は5年で、引き続き営むには更新を受けます(3条2項・3項)。更新の申請は、有効期間満了の日の90日前から30日前までの間にします(施行規則3条)。期間内に申請したのに満了の日までに処分がされないときは、従前の免許は、処分がされるまでの間、なお効力を有します(3条4項)。審査が遅れても業者が営業できなくなることはなく、更新された免許の有効期間は、従前の免許の満了の日の翌日から数えます(3条5項)。業務停止の処分を受けている期間中でも、更新を受けられないとする規定はありません。

免許には条件を付けることができます
国土交通大臣又は都道府県知事は、免許に条件を付け、これを変更することができます(3条の2第1項)。更新のときにも付けることができ、過去5年間に取引の実績がない業者に「取引の状況に関する報告書を提出すること」という条件を付けるのがその例です。条件は、宅地建物取引業の適正な運営と取引の公正を確保するため必要な最小限度のものに限られます(同条2項)。条件に違反した業者の免許は、取り消すことができます(66条2項)。
免許のない者が営むことも、名義を貸すことも禁じられます
免許を受けない者は宅地建物取引業を営んではならず、営む旨の表示や、営む目的での広告もできません(12条)。免許を申請しただけの段階はまだ免許を受けていないので、広告を出して顧客を募ることもできません。宅地建物取引業者の側も、自己の名義で他人に宅地建物取引業を営ませることや、営む旨の表示・広告をさせることを禁じられています(13条)。免許は審査を受けたその者に与えられたものなので、名義を借りる相手が別の宅地建物取引業者であっても、名義貸しになります。無免許で営んだ者と、名義を貸して営ませた者には、3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又はその両方が科されます(79条)。
宅地建物取引業法 3条1項宅地建物取引業を営もうとする者は、二以上の都道府県の区域内に事務所(本店、支店その他の政令で定めるものをいう。以下同じ。)を設置してその事業を営もうとする場合にあつては国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあつては当該事務所の所在地を管轄する都道府県知事の免許を受けなければならない。
試験ではこう問われる
- 二以上の都道府県に事務所を設置するなら国土交通大臣免許、一の都道府県内だけなら知事免許。県内に事務所を増やしても知事免許のままで、知事免許でも他県の物件を扱える
- 有効期間は5年。更新の申請をして満了日までに処分がないときは、従前の免許は処分がされるまで効力を有し、その間も営業できる(3条4項)。業務停止の期間中でも更新は受けられる
- 免許には更新の際にも条件を付けることができ、条件に違反したときは免許を取り消すことができる(3条の2、66条2項)
- 免許の申請中に、宅地建物取引業を営む旨の広告をして顧客を募ることはできない(12条2項)
- 自己の名義で他人に宅地建物取引業を営ませること、営む旨の表示・広告をさせることは、相手が業者でも、書面で指示していても違反(13条)
- 業者が代理・媒介として関与していても、免許のない者が営めば無免許事業。業者の従業者が勤務先とは別に自分のために営む場合も無免許事業
- 免許を受けてから1年以内に事業を開始しないときは、免許を取り消さなければならない(66条1項6号)。有効期間が満了しただけなら、免許証を返納する義務はない
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