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免許の欠格事由めんきょのけっかくじゆう

宅建業法 免許・宅建士・保証金 過去問で11肢

国土交通大臣又は都道府県知事が免許をしてはならないと定められた事由で、申請者やその役員などが一定の刑に処せられて5年を経過しない場合などをいいます(5条1項)。つまり、宅地建物取引業を任せるには不安のある人を、入口で断るための基準です。

免許の申請を受けた行政は、申請者が信用できる相手かどうかを、5条1項に並んだ事由に当てはめて審査します。一つでも当たれば、免許をしてはなりません。破産して復権を得ていない人、重い刑を受けて間もない人、悪質な違反で免許を取り消されて間もない人、暴力団員などが並んでいます。多くの事由は「5年を経過しない者」という形で、5年たてばまた免許を受けられます。会社が申請するときは、会社そのものだけでなく、役員と政令で定める使用人も一人ずつ審査されます。

免許の前に、申請者と役員たちを欠格事由に当てはめて審査する。
免許の前に、申請者と役員たちを欠格事由に当てはめて審査する。

拘禁刑以上はどの罪でも、罰金は決まった罪だけが当たります

拘禁刑以上の刑に処せられた者は、罪の種類を問わず、刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年間、免許を受けられません(5条1項5号)。道路交通法違反でも業務上過失致死傷でも同じです。罰金の刑で欠格になるのは、宅地建物取引業法違反、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律違反と、傷害、現場助勢、暴行、凶器準備集合、脅迫、背任の罪、暴力行為等処罰に関する法律の罪に限られます(同項6号)。条文に理由は書いていませんが、業務の規律や暴力、他人の財産の扱いに関わる罪は、軽い刑でも業務の適正に直結するためと考えられます。所得税法違反や器物損壊の罰金、拘留や科料は欠格事由に当たりません。

執行猶予は満了すれば直ちに、復権も得れば直ちに受けられます

刑の全部の執行猶予が付いた場合、猶予期間中は欠格事由に当たります。猶予を取り消されずに期間が満了すると、刑の言渡しそのものが効力を失うので(刑法27条)、5年を待たずに直ちに免許を受けられます。破産手続開始の決定を受けた者も、復権を得れば直ちに受けられ、復権から5年を待つ必要はありません(5条1項1号)。刑に「処せられ」たとは判決が確定したことをいうので、控訴や上告をして裁判が続いている間は、まだ欠格事由に当たりません。

執行猶予が満了すれば刑の言渡しが効力を失うから、5年を待たずに申請できる。
執行猶予が満了すれば刑の言渡しが効力を失うから、5年を待たずに申請できる。

悪質な理由で免許を取り消された者は、5年間受けられません

免許の取消しのうち欠格事由になるのは、不正の手段で免許を受けた、業務停止処分に当たる行為をして情状が特に重い、業務停止処分に違反した、の三つを理由とするものだけです(5条1項2号、66条1項8号・9号)。取り消された者が法人のときは、取消しに係る聴聞の期日と場所の公示の日前60日以内にその法人の役員であった者も、取消しの日から5年間、免許を受けられません。処分を逃れるために、聴聞の公示の後、処分が決まる前に相当の理由なく廃業や解散の届出をした者も、届出の日から5年間は同じ扱いです(同項3号・4号)。ここでいう役員には、取締役のほか、相談役や顧問など名称を問わず同等以上の支配力を持つ者が含まれますが、政令で定める使用人は含まれません。

役員や政令で定める使用人が当たれば、法人も受けられません

法人は、役員又は政令で定める使用人のうちに欠格事由に当たる者がいると、免許を受けられません(5条1項12号)。役員は常勤か非常勤かを問いません。個人の業者も、政令で定める使用人が当たれば同じです(同項13号)。営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者は、法定代理人が欠格事由に当たると免許を受けられません(同項11号)。専任の宅地建物取引士は、役員や政令で定める使用人を兼ねていない限り、ここでの審査の対象ではありません。免許を受けた後にこれらの者が欠格事由に当たることになったときは、免許は取り消されます(66条1項)。

役員が欠格事由に当たれば、会社も免許を受けられない。
役員が欠格事由に当たれば、会社も免許を受けられない。
宅地建物取引業法 5条1項(抜粋)

国土交通大臣又は都道府県知事は、第三条第一項の免許を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合…においては、免許をしてはならない。一 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者 … 五 拘禁刑以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者 … 十二 法人でその役員又は政令で定める使用人のうちに第一号から第十号までのいずれかに該当する者のあるもの

試験ではこう問われる

  1. 拘禁刑以上の刑は罪名を問わず、執行を終えた日から5年間は欠格。役員や政令で定める使用人が道路交通法違反や詐欺罪で拘禁刑に処せられた場合も、法人が欠格になる
  2. 罰金で欠格になるのは、宅地建物取引業法違反、傷害・現場助勢・暴行・脅迫・背任の罪など。所得税法違反や器物損壊の罰金、侮辱罪の拘留は当たらない
  3. 執行猶予の期間が満了すれば、満了の日から5年を待たずに免許を受けられる。猶予の期間中は受けられない
  4. 破産手続開始の決定を受けても、復権を得れば直ちに免許を受けられる。控訴して裁判が係属中の者も、刑に処せられた者に当たらない
  5. 不正の手段による免許取得などで取り消された法人の、聴聞の公示の日前60日以内の役員は5年間欠格。公示後に相当の理由なく廃業を届け出た法人の、公示の日前60日以内の役員も、届出の日から5年間欠格
  6. 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者は、法定代理人が欠格事由に当たれば免許を受けられない。専任の宅地建物取引士が罰金刑を受けていても、役員等でなければ法人の欠格事由にならない
  7. 免許の申請前5年以内に宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をした者は、刑に処せられていなくても免許を受けられない(5条1項8号)
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