宅地建物取引業保証協会たくちたてものとりひきぎょうほしょうきょうかい
宅地建物取引業者だけを社員とする一般社団法人で、国土交通大臣の指定を受けて、苦情の解決、研修、弁済業務を行う団体です(64条の2、64条の3)。つまり、業者が集まってお金を出し合い、客への弁済をまとめて引き受ける仕組みの運営者です。
営業保証金は本店だけでも1,000万円で、小さな会社には重い負担です。そこで、業者が団体をつくって少しずつお金を出し合い、団体がまとめて供託して、どの社員の客にも弁済できるようにしたのが保証協会の仕組みです。社員になった業者は、営業保証金を供託しなくてよくなり、代わりに弁済業務保証金分担金を協会に納めます。協会は、弁済のほかに、社員の取引についての苦情の相談に乗り、宅地建物取引士などへの研修も行います。加入するかどうかは業者の任意です。

苦情の解決、研修、弁済業務の三つは、必ず行う業務です
協会が必ず行わなければならない業務は、社員の取り扱った取引に関する苦情の解決、宅地建物取引士その他の業務に従事する者に対する研修、弁済業務の三つです(64条の3第1項)。このほかに、社員が受け取った預り金などの返還債務を連帯して保証する一般保証業務、手付金等保管事業、研修の費用の助成を行うことができます(同条2項)。国土交通大臣の承認を受ければ、宅地建物取引業の健全な発達を図るため必要な業務も行えます(同条3項)。手付金等保管事業は、工事が完了した物件の売買で受け取る手付金等を預かる保全措置で、工事の完了前の売買には使えません(41条、41条の2)。
苦情の申出があれば、協会は社員に説明や資料を求めます
客から社員の取引について苦情の解決の申出があったとき、協会は相談に応じて必要な助言をし、事情を調査し、その社員に苦情の内容を通知して迅速な処理を求めます(64条の5第1項)。解決に必要があれば、社員に文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めることができます(同条2項)。社員は、正当な理由がなければこれを拒めません(同条3項)。協会は、申出とその解決の結果を社員に周知させます(同条4項)。

加入できる協会は一つだけで、出入りは免許権者に報告されます
一の保証協会の社員である者は、他の保証協会の社員になることができません(64条の4第1項)。協会は、新たに社員が加入したとき、又は社員がその地位を失ったときは、直ちに、その社員が免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に報告します(同条2項)。報告するのは協会で、業者ではありません。社員になった業者は、営業保証金を供託する必要がなくなり、すでに供託していた営業保証金は公告をせずに取り戻せます(64条の13、64条の14)。
社員になる前の取引で生じた債権も、弁済の対象です
弁済を受けられるのは、社員と宅地建物取引業に関し取引をした者で、業者が社員となる前に取引をした者も含まれます(64条の3第1項3号、64条の8第1項)。その分、協会は加入前の取引による弁済まで背負うことになります。そこで協会は、社員となる前の取引による弁済で弁済業務の円滑な運営に支障を生ずるおそれがあると認めるときは、その社員に担保の提供を求めることができます(64条の4第3項)。取引をした者が宅地建物取引業者であるときは、営業保証金と同じく、弁済を受けられません。
宅地建物取引業法 64条の3第1項宅地建物取引業保証協会は、次に掲げる業務をこの章に定めるところにより適正かつ確実に実施しなければならない。一 宅地建物取引業者の相手方等からの社員の取り扱つた宅地建物取引業に係る取引に関する苦情の解決 二 宅地建物取引士その他宅地建物取引業の業務に従事し、又は従事しようとする者(以下「宅地建物取引士等」という。)に対する研修 三 社員と宅地建物取引業に関し取引をした者(社員とその者が社員となる前に宅地建物取引業に関し取引をした者を含み、宅地建物取引業者に該当する者を除く。)の有するその取引により生じた債権に関し弁済をする業務(以下「弁済業務」という。)
試験ではこう問われる
- 加入は任意だが、一の保証協会の社員は、重ねて他の保証協会の社員になることができない
- 協会は、社員の加入や地位の喪失があったときは、直ちに、その社員の免許権者に報告する。還付充当金の未納で地位を失った場合も同じ
- 苦情の解決のため協会から説明や資料の提出を求められた社員は、正当な理由がなければ拒めない。協会は文書又は口頭による説明を求めることができる
- 社員となる前の取引により生じた債権も弁済の対象。協会は、弁済業務の円滑な運営に支障を生ずるおそれがあるときは、社員に担保の提供を求めることができる
- 取引をした者が宅地建物取引業者であるときは、弁済業務保証金から弁済を受けられない
- 手付金等保管事業は、工事の完了前の売買で受領する手付金等を対象にできない
- 社員になって、供託していた営業保証金を取り戻すときは、還付請求権者に対する公告は要らない
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