宅建業法の適用除外たっけんぎょうほうのてきようじょがい
宅地建物取引業法の規定を特定の者に適用しないとする定めで、国と地方公共団体には法律の全部が適用されず(78条1項)、信託会社には免許に関する規定などが適用されません(77条1項)。つまり、免許を受けずに宅地建物取引業を営める者は、法律が名指しした者に限られるということです。
市が定住を促すために持っている土地を、家を建てたい人へ分譲する。こうした分譲は宅地建物取引業に当たる形をしていますが、売主の市は免許を受けていません。宅地建物取引業法78条1項が、国と地方公共団体にはこの法律を適用しないと定めているからです。信託業法の免許を受けた信託会社は、宅地建物取引業の免許を受けずに、国土交通大臣への届出で営めます。除外されるのは条文が名指しした者だけで、市の土地の売却を媒介する不動産会社や、組合員の土地を売る農業協同組合には、普通どおり免許が要ります。

国と地方公共団体には、法律そのものが適用されません
78条1項は、この法律の規定は国及び地方公共団体には適用しないと定めています。免許だけでなく、重要事項説明や自ら売主の制限まで含めて、法律の全部が外れます。条文に理由は書いていませんが、国や地方公共団体は公の主体として別の仕組みで統制されていて、業者として監督する必要がないためと考えられます。外れるのは国や地方公共団体自身の取引で、その相手方や間に入る者には、普通どおり法律が適用されます。
信託会社は、免許の代わりに国土交通大臣へ届け出ます
信託業法の免許を受けた信託会社には、免許に関する3条から7条まで、免許の取消しに関する66条と67条1項などの規定が適用されません(77条1項)。そのかわり、宅地建物取引業を営もうとするときは、その旨を国土交通大臣に届け出なければならず(同条3項)、信託会社は国土交通大臣の免許を受けた宅地建物取引業者とみなされます(同条2項)。外れるのは免許の入口と出口の規定だけで、重要事項説明、37条書面、自ら売主の制限などの業務の規定はそのまま掛かります。信託業務を兼営する銀行などの金融機関も、施行令9条により同じように届出で営みます。

除外は名指しされた者だけで、媒介する会社は含まれません
適用除外は、条文が挙げた者に限られます。農業協同組合は、組合員のために宅地の売却を代理する場合でも、除外する規定がないので、業として行うなら免許が要ります。地方公共団体が売主となる取引でも、媒介や代理をする会社は国でも地方公共団体でもないので、その会社には免許が要ります。免許が要るかどうかは、取引の種類ではなく、その取引に関わる者ごとに判断します。
宅地建物取引業法 78条1項この法律の規定は、国及び地方公共団体には、適用しない。
試験ではこう問われる
- 国・地方公共団体には宅建業法が適用されず、免許なしに宅地建物取引業を営める(78条1項)
- 地方公共団体が所有する土地の売却を媒介する会社には免許が要る。「免許は必要ない」は誤り。免許の要否は取引に関わる者ごとに判断する
- 農業協同組合が組合員の所有する宅地の売却を代理する場合も、業として行うなら免許が要る。農業協同組合を除外する規定はない
- 信託業法3条の免許を受けた信託会社は、宅地建物取引業の免許を受けず、国土交通大臣に届け出て営む。「国土交通大臣の免許を受けなければならない」は誤り
- 届出をした信託会社や信託業務を兼営する金融機関も、免許以外の規定は適用され、新築住宅を売るときは住宅瑕疵担保履行法の資力確保措置の義務も負う
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