不正手段による免許取得等の取消しふせいしゅだんによるめんきょしゅとくとうのとりけし
不正の手段で免許を受けた、業務停止処分に当たる行為をして情状が特に重い、業務停止処分に違反した、のいずれかを理由とする免許の取消しで(66条1項8号・9号)、取り消された者は取消しの日から5年間、免許を受けられません(5条1項2号)。つまり、免許の取消しのうち悪質なものにだけ、5年の締め出しが付きます。
免許を取り消される理由には、1年以上事業を休んだ、欠格事由に当たった、などいろいろなものがあります。そのうち、うそをついて免許を取った、業務停止に当たる違反がとりわけ悪質だった、業務停止の命令に従わず営業した、という三つの理由で取り消された者だけが、取消しの日から5年間、新しい免許を受けられません(5条1項2号)。法人なら、取消しに先立つ聴聞の公示の日前60日以内に役員だった者も、5年間同じ扱いになります。処分を察して先に廃業してしまう、という逃げ道もふさがれています。

5年の欠格が付くのは、悪質な三つの理由の取消しだけです
66条1項は免許を取り消さなければならない場合を九つ挙げますが、5条1項2号が5年の欠格に結びつけているのは8号と9号だけです。8号は不正の手段により免許を受けたとき、9号は業務停止処分の事由に当たり情状が特に重いとき又は業務停止処分に違反したときです。事業を1年以上休止したことによる取消しなどには、この5年の制限は付きません。不正の手段による取消しでも、5年を経過すれば、ほかに欠格事由がない限り、また免許を受けられます。
法人なら、聴聞の公示の前60日以内の役員も受けられません
免許の取消しの前には聴聞が開かれ、その期日と場所が公示され、審理は公開で行われます(69条2項、16条の15第3項・5項)。取り消された者が法人のときは、この公示の日前60日以内に役員であった者も、取消しの日から5年間は免許を受けられません(5条1項2号括弧書き)。処分が近いと知って辞任した役員も、60日以内なら逃れられません。巻き込まれるのは役員で、政令で定める使用人であった者は含まれません。

公示の後に駆け込みで廃業しても、5年間受けられません
聴聞の期日と場所が公示されてから処分が決まるまでの間に解散や廃業の届出をした者は、解散や廃業について相当の理由がない限り、届出の日から5年間は免許を受けられません(5条1項3号)。取消しを受ける前に自分から廃業して、5年の欠格を逃れることを防ぐ規定です。この場合も、届出をした法人の公示の日前60日以内に役員であった者は、届出の日から5年間受けられません(同項4号)。

宅地建物取引業法 5条1項2号第六十六条第一項第八号又は第九号に該当することにより免許を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者(当該免許を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所の公示の日前六十日以内に当該法人の役員(…)であつた者で当該取消しの日から五年を経過しないものを含む。)
試験ではこう問われる
- 不正の手段による免許取得で取り消されても、取消しの日から5年を経過し、ほかに欠格事由がなければ再び免許を受けられる
- 法人が取り消されたときは、聴聞の公示の日前60日以内の役員も取消しの日から5年間欠格。政令で定める使用人であった者は含まれない
- 聴聞の公示の後に相当の理由なく廃業を届け出た法人の、公示の日前60日以内に役員であった者は、届出の日から5年間免許を受けられない
- 66条による免許の取消しの聴聞は公開で行う。「公開することが相当と認められる場合を除き公開されない」は誤り
- 不正の手段で取引士証の交付を受けたときは、登録を消除しなければならない。「情状が特に重いときは消除することができる」は誤り
- 不正の手段で登録を受けた取引士は登録を消除されるが、試験の合格の決定を取り消さなければならないわけではない
用語で読んだ論点を、解説つきの肢別演習で確かめられます。無料プランは月300肢まで。