宅地建物取引士証たくちたてものとりひきししょう
宅地建物取引士の登録を受けている者が、登録をしている都道府県知事に申請して交付を受ける証明書で、有効期間は5年です(22条の2)。この交付を受けて初めて宅地建物取引士となり、重要事項の説明のときは必ず、それ以外は取引の関係者から請求があったときに提示します。
重要事項の説明の席で、担当者が最初に差し出す顔写真入りのカードが宅地建物取引士証です。氏名、生年月日、住所、登録番号、登録年月日、交付年月日、有効期間の満了する日が記載されています。勤務先は記載されないので、転職しても取引士証を書き換える必要はありません。相手にとっては、目の前の人が本当に資格を持っているかを確かめる手がかりです。そのため法律は、提示する場面と、資格を失ったときや処分を受けたときの手放し方を細かく決めています。

交付には講習の受講が要り、有効期間は5年です
交付を受けようとする者は、登録をしている知事が指定する講習で、交付の申請前6月以内に行われるものを受講しなければなりません(22条の2第2項)。条文に理由は書いていませんが、新しい法令の知識を身につけてから取引士証を持たせるためと考えられます。試験に合格した日から1年以内に交付を受けようとする者と、登録の移転に伴って交付を受けようとする者は、講習を受けなくてかまいません。有効期間は5年で、申請により更新し、更新のときも同じ講習を受けます(22条の3)。講習を指定するのは国土交通大臣ではなく、登録をしている都道府県知事です。
氏名か住所が変わったら、書換え交付を申請します
取引士証に記載された氏名又は住所が変わったときは、変更の登録の申請とあわせて、取引士証の書換え交付を申請しなければなりません(施行規則14条の13)。住所だけが変わった場合は、今の取引士証の裏面に新しい住所を記載する方法で済ませることもできます。勤務先や本籍は取引士証の記載事項ではないので、変わっても書換え交付は要らず、変更の登録だけを申請します。取引士証を亡失、滅失、汚損、破損したときは、交付を受けた知事に再交付を申請できます(施行規則14条の15)。亡失で再交付を受けた後に古い取引士証が見つかったときは、速やかに、見つかったほうを返納します。
重要事項の説明では必ず、ほかは請求があったときに提示します
重要事項の説明をするときは、相手から請求がなくても、取引士証を提示しなければなりません(35条4項)。それ以外の場面では、取引の関係者から請求があったときに提示します(22条の4)。37条書面を交付するときや物件を案内するときは、請求があれば提示し、請求がなければ提示しなくてもかまいません。以前に見せたことがあっても、重要事項の説明をするときは改めて提示します。国土交通省の「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」は、個人情報の保護のため、住所欄に容易にはがせるシールを貼って提示しても差し支えないとし、希望する者には旧姓の併記も認めています。

失効や消除のときは返納し、事務禁止のときは提出します
登録が消除されたとき、又は取引士証が効力を失ったときは、速やかに、交付を受けた知事に取引士証を返納します(22条の2第6項)。事務の禁止の処分を受けたときは、速やかに、交付を受けた知事に提出します(同条7項)。処分をしたのが他県の知事であっても、提出先は交付を受けた知事です。禁止の期間が満了しても自動的には戻らず、提出した者が返還を請求したときに、知事は直ちに返還します(同条8項)。返納や提出をしなかった者、重要事項の説明のときに提示しなかった者は、10万円以下の過料に処せられます(86条)。

宅地建物取引業法 22条の2第6項・7項宅地建物取引士は、第十八条第一項の登録が消除されたとき又は宅地建物取引士証が効力を失つたときは、速やかに、宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に返納しなければならない。/宅地建物取引士は、第六十八条第二項又は第四項の規定による禁止の処分を受けたときは、速やかに、宅地建物取引士証をその交付を受けた都道府県知事に提出しなければならない。
試験ではこう問われる
- 交付・更新には、登録をしている知事が指定する講習を申請前6月以内に受講する。国土交通大臣の指定ではない。合格から1年以内の交付は受講不要で、合格後18月なら受講が要る
- 有効期間は5年。更新の申請を「満了の90日前から30日前まで」にするという定めはない(それは免許の更新)
- 重要事項の説明のときは請求がなくても提示する。以前に請求を受けて提示していても、説明のときに改めて提示する。37条書面の交付のときは、請求があれば提示する
- 有効期間が経過して失効したとき、登録が消除されたときは、速やかに交付を受けた知事に返納する
- 事務の禁止の処分を受けたときは、処分をした知事ではなく、交付を受けた知事に速やかに提出する。怠ると10万円以下の過料
- 氏名・住所の変更は、変更の登録とあわせて書換え交付を申請する。勤務先の名称が変わっても書換え交付は要らない
- 住所欄にシールを貼っての提示、旧姓の併記は認められている。取引士証を亡失した取引士は、再交付を受けるまで重要事項の説明ができない
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