役員(法人の欠格)やくいん
業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役や顧問など名称を問わず、これらと同等以上の支配力を有すると認められる者を含みます(5条1項2号)。法人は、役員や政令で定める使用人のうち一人でも欠格事由に当たる者がいれば免許を受けられず、免許を受けた後なら取り消されます(同項12号、66条1項3号)。
会社が免許を申請すると、行政は会社そのものだけでなく、その会社を動かしている人たちを一人ずつ審査します。会社は人を通じて動くので、経営を担う人の信用がそのまま会社の信用になるからです。審査されるのは役員と政令で定める使用人で、政令で定める使用人とは、宅地建物取引業を行う支店などの事務所の代表者のことです(施行令2条の2)。役員には、取締役のほか、肩書が相談役や顧問でも、取締役と同じくらい会社を支配している人が含まれます。

非常勤でも、肩書が顧問でも役員に当たります
5条1項2号の括弧書きは、役員を「業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者」とし、相談役や顧問など、いかなる名称でも、同等以上の支配力を有すると認められる者を含めています。見るのは肩書ではなく、会社を動かす力があるかどうかです。条文は常勤か非常勤かを分けていないので、非常勤の取締役も役員に当たると解されています。そのため、月に一度の取締役会に出るだけの非常勤取締役が脅迫罪で罰金の刑を受けても、法人は欠格になります。役員の氏名は免許申請書の記載事項で、非常勤の取締役が就任したときも30日以内に変更を届け出ます(4条1項2号、9条)。
政令で定める使用人は、支店などの事務所の代表者です
政令で定める使用人は、業者の使用人で、宅地建物取引業に関し事務所の代表者であるものをいいます(施行令2条の2)。本店以外の支店の支店長のように、役員ではないが事務所を任されている人です。個人の業者でも、政令で定める使用人が欠格事由に当たれば免許を受けられません(5条1項13号)。専任の宅地建物取引士は、役員や事務所の代表者を兼ねていない限り審査の対象ではなく、罰金の刑を受けても法人の免許には響きません。

聴聞の公示前60日以内の役員に、政令で定める使用人は入りません
不正の手段による免許取得などで免許を取り消された法人について、5条1項2号は、聴聞の期日と場所の公示の日前60日以内に役員であった者も、取消しの日から5年間は欠格とします。ここで巻き込まれるのは役員だけで、政令で定める使用人であった者は含まれません。宅地建物取引士の登録の欠格事由(18条1項3号)も同じ書き方なので、取り消された法人の支店長だった人は、そのことだけでは登録を拒まれません。

宅地建物取引業法 5条1項12号国土交通大臣又は都道府県知事は、第三条第一項の免許を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合…においては、免許をしてはならない。…十二 法人でその役員又は政令で定める使用人のうちに第一号から第十号までのいずれかに該当する者のあるもの
試験ではこう問われる
- 非常勤の役員が詐欺罪で拘禁刑に処せられ、刑の執行を終えて5年を経過していなければ、法人は免許を受けられない
- 非常勤の取締役が脅迫罪で罰金の刑に処せられれば、法人の免許は取り消される
- 政令で定める使用人(支店の代表者)が道路交通法違反で拘禁刑に処せられれば、法人の免許は取り消される
- 専任の宅地建物取引士は、役員や政令で定める使用人でなければ審査の対象でない。罰金の刑を受けても法人の欠格事由にならない
- 業務停止処分違反で免許を取り消された法人の政令で定める使用人であった者は、登録の欠格事由に当たらない。公示の日前60日以内の役員だけが対象
- 非常勤の取締役が就任したときも、役員の変更として30日以内に免許権者に届け出る
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