宅地建物取引士の登録の欠格事由たくちたてものとりひきしのとうろくのけっかくじゆう
宅地建物取引士資格試験に合格し、実務の経験などの要件を満たしていても、宅地建物取引士の登録を受けることができない事由で、18条1項ただし書の各号が定めます。つまり、取引士として取引に立ち会わせるには不安のある人を登録の入口で断る基準で、多くは免許の欠格事由と共通しています。
試験に合格し、2年の実務の経験もある。それでも、破産して復権を得ていない人や、拘禁刑の執行を終えて5年たっていない人は、取引士の登録を受けられません。18条1項ただし書は、こうした登録を受けられない者を1号から12号まで並べています。免許の欠格事由(5条1項)と重なるものが多く、業者にも取引士にも、同じ取引の場で同じような信用が求められているためと考えられます。登録を受けた後にこれらに当たることになったときは、届け出て、登録を消除されます。

免許と共通する事由は、破産・刑罰・暴力団・悪質な取消しです
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、拘禁刑以上の刑や宅建業法違反・傷害・脅迫などの罪の罰金刑から5年を経過しない者、暴力団員等は、免許と同じく登録も受けられません(18条1項2号・6号〜8号)。不正の手段による免許取得などを理由に免許を取り消された者と、取り消された法人の聴聞の公示の日前60日以内の役員であった者も、取消しの日から5年間は受けられません(同項3号)。心身の故障により事務を適正に行うことができない者も欠格で(同項12号)、省令は精神の機能の障害により必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者と定めていて、成年被後見人や被保佐人であることだけで一律に断る仕組みではありません(施行規則14条の2)。
未成年者と、登録の消除に関わる事由は登録に特有です
1号は、宅地建物取引業に係る営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者を挙げています。法定代理人から宅地建物取引業の営業の許可を受けた未成年者は、成年者と同一の行為能力を有するので、登録を受けられます。免許では未成年者本人ではなく法定代理人が欠格事由に当たるかを見ますが(5条1項11号)、登録では未成年者本人が対象です。9号と10号は、不正の手段による登録などで登録の消除の処分を受けた者と、その処分の聴聞の公示後に相当の理由なく自分から消除を申請した者を、5年間締め出します。

事務禁止の期間中に登録を消しても、満了までは戻れません
11号は、事務の禁止の処分を受け、その禁止の期間中に本人の申請で登録が消除され、まだその期間が満了しない者を挙げています。処分を受けた人が自分で登録を消し、すぐに他の都道府県で登録し直して処分を逃れることを防ぐ規定と考えられます。ここは5年ではなく、禁止の期間が満了すれば、また登録を受けられます。
登録の後に当たったら、30日以内に届け出て消除されます
登録を受けている者が1号から8号までの事由に当たることになったときは本人が、12号の心身の故障に当たることになったときは本人、法定代理人又は同居の親族が、その日から30日以内に登録をしている知事に届け出ます(21条2号・3号)。届出があれば、知事は登録を消除しなければなりません(22条2号)。届出がなくても、知事は欠格事由に当たることになった取引士の登録を消除します(68条の2第1項1号)。

宅地建物取引業法 18条1項(抜粋)試験に合格した者で、…当該試験を行つた都道府県知事の登録を受けることができる。ただし、次の各号のいずれかに該当する者については、この限りでない。一 宅地建物取引業に係る営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者 二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者 … 十一 第六十八条第二項又は第四項の規定による禁止の処分を受け、その禁止の期間中に第二十二条第一号の規定によりその登録が消除され、まだその期間が満了しない者
試験ではこう問われる
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有する未成年者は登録を受けられる。「成年に達するまではいかなる場合にも受けられない」は誤り
- 事務の禁止の期間中に本人の申請で登録が消除された者は、他県で改めて合格しても、禁止の期間が満了するまで登録を受けられない
- 業務停止処分違反で免許を取り消された法人の政令で定める使用人であった者は、登録の欠格事由に当たらない
- 心身の故障に当たることになったときは、本人・法定代理人・同居の親族が30日以内に届け出る。「3月以内」は誤り
- 拘禁刑以上の刑に処せられたときは、本人が刑に処せられた日から30日以内に届け出る
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