所在不明による免許取消ししょざいふめいによるめんきょとりけし
免許権者が、その免許を受けた宅地建物取引業者の事務所の所在地や業者の所在を確知できないときに、官報又は都道府県の公報でその事実を公告し、公告の日から30日を経過しても業者から申出がなければ、免許を取り消すことができる処分です(67条1項)。つまり、連絡のつかなくなった業者の免許を、申出を待つ期間を置いたうえで整理する仕組みです。
県の担当者が業者に送った書類が、宛先不明で戻ってきた。事務所を訪ねると空き店舗で、代表者にも連絡がつかない。こうした業者を放っておくと免許だけが残り、名簿を見た人が実在しない業者を信用してしまいます。67条1項は、免許権者が事務所の所在地や業者の所在(法人なら役員の所在)を確知できないとき、その事実を官報又は都道府県の公報で公告し、公告の日から30日を経過しても業者から申出がなければ、免許を取り消すことができると定めています。確知できないとは、調べても居場所が分からないという意味です。

取り消せるのは、免許を与えた免許権者だけです
67条1項は、国土交通大臣又は都道府県知事が「その免許を受けた」業者について取り消せると定めています。乙県知事の免許を受けた業者なら、公告をして取り消すのは乙県知事で、国土交通大臣や業務を行っていた他県の知事ではありません。公告は官報又はその都道府県の公報で行い、期間は公告の日から30日です。

必ず取り消す処分ではなく、取り消すことができる処分です
66条1項が欠格事由に当たった業者などの免許を「取り消さなければならない」と定めるのに対し、67条1項は「取り消すことができる」と定めています。公告の後に業者から申出があれば、事情を確かめて取り消さないこともでき、免許権者の判断に任されています。この取消しは5条1項2号が挙げる66条1項8号・9号の取消しではないので、取り消された業者がその後5年間免許を受けられなくなる欠格事由には当たりません。
公告で申出の機会を与えるので、聴聞は行いません
免許の取消しのような不利益処分の前には、行政手続法により聴聞を行うのが原則です。67条2項は、この取消しには行政手続法第3章の規定を適用しないと定めていて、聴聞を経ずに取り消せます。条文に理由は書いていませんが、居場所の分からない相手には聴聞の通知が届かないので、公告と30日の申出の期間がその代わりになると考えられます。66条の取消しのように処分の後に公告する決まり(70条1項)もなく、公告は処分の前に所在を尋ねるために行います。
宅地建物取引業法 67条1項国土交通大臣又は都道府県知事は、その免許を受けた宅地建物取引業者の事務所の所在地を確知できないとき、又はその免許を受けた宅地建物取引業者の所在(法人である場合においては、その役員の所在をいう。)を確知できないときは、官報又は当該都道府県の公報でその事実を公告し、その公告の日から三十日を経過しても当該宅地建物取引業者から申出がないときは、当該宅地建物取引業者の免許を取り消すことができる。
試験ではこう問われる
- 公告の日から30日を経過しても申出がないときに取り消すことができる。「2週間」は誤り
- 取り消せるのは免許を与えた免許権者だけ。乙県知事免許の業者の所在地を確知できなくても、国土交通大臣がその免許を取り消すことはできない
- 公告は官報又は当該都道府県の公報で行う。法人の業者なら、所在を確知できないかどうかは役員の所在で見る
- 66条の免許取消処分や業務停止処分をしたときは、処分の後に公告しなければならない(70条1項)。67条の取消しは、処分の前に所在不明の事実を公告して申出を待つ
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