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固定資産税|賦課期日・住宅用地の特例・新築減額

税・その他 読了 約32分

固定資産税を地方税法の条文で整理します。1月1日の賦課期日、住宅用地の特例(6分の1と3分の1)、新築住宅の減額と令和8年度から変わった床面積要件、縦覧と審査の申出まで扱います。

目次

    本記事の役割 — 固定資産税を、地方税法の条文にあたって要件ごとに整理します。取得・保有・譲渡という局面全体の見取り図は不動産にかかる税金の全体像、国税と地方税の横断整理は宅建試験の税金を横断整理にあります。ここは保有段階の中心である固定資産税を、他の記事より一段細かく扱う場所です。
    評価額の水準と評価替えの仕組みは土地の価格4種類、計算問題の解き方は税金の計算問題を攻略を参照してください。

    先に結論を三つ述べます。

    第一に、固定資産税で最初に決まるのは「誰が」であって「いくら」ではありません。賦課期日である1月1日現在の所有者が納税義務者になり、年の途中で売却してもこれは動きません。売買のときに日割りで精算するのは当事者間の合意にすぎず、市町村に対する納税義務者が入れ替わるわけではありません。

    第二に、二つの特例は効く場所が違います。住宅用地の特例は土地について課税標準を圧縮するもの、新築住宅の減額は家屋について税額を半分にするものです。計算のどの段階で効くかが違うため、混ぜると計算も正誤判定も崩れます。

    第三に、新築住宅の減額の床面積要件は、令和8年度から変わっています。従来広く流通してきた「50平方メートル以上280平方メートル以下」は、令和8年度試験の基準日である2026年4月1日時点の条文とは一致しません。この点は独立の節で扱います。

    なお、本記事の条文はすべて2026年4月1日時点で施行されている版によっています。地方税法は 325AC0000000226_20260401_508AC0000000002、地方税法施行令は 325CO0000000245_20260401_508CO0000000083 です。宅建試験は当該年度の4月1日現在施行されている法令から出題されるため、この時点の条文が令和8年度の基準になります。

    誰に課されるかは「所有者」の定義で決まる

    課税主体は市町村

    地方税法5条2項2号は、市町村が普通税として固定資産税を課するものと定めています。「課することができる」ではなく「課するものとする」という書き方で、市町村に課税が義務づけられている税目です。東京都の特別区の区域内については、都が課税します。

    課税の対象は、341条1号が定めるとおり土地、家屋、償却資産の三つです。2号が土地を田・畑・宅地などと定義し、3号が家屋を住家・店舗・工場・倉庫その他の建物、4号が償却資産を土地家屋以外の事業の用に供することができる資産としています。償却資産が入っている点は、不動産取得税や都市計画税との違いになります。

    原則は所有者、例外は質権者と地上権者

    343条1項は「固定資産税は、固定資産の所有者に課する」と定めたうえで、括弧書きで例外を置いています。質権または100年より永い存続期間の定めのある地上権の目的である土地については、その質権者または地上権者に課税されます。

    100年という数字はここにしか出てこないため、そのまま覚えるほかありません。地上権一般ではなく、存続期間が100年より長いものに限られる点が要点です。

    「所有者」とは台帳に登録されている者

    343条2項が、この「所有者」の意味を定めています。土地または家屋については、登記簿または土地補充課税台帳もしくは家屋補充課税台帳に所有者として登記または登録がされている者を指します。

    つまり基準は実体的な所有権の帰属ではなく、台帳への登録です。登記されている土地家屋については登記名義人がそのまま台帳に登録されるので結果は一致しますが、根拠が登録にあることは押さえてください。区分所有に係る家屋については、区分所有者が所有者にあたります。

    同項後段が、ずれが生じる場合を手当てしています。所有者として登記または登録がされている個人が賦課期日前に死亡しているとき、法人が同日前に消滅しているときなどは、同日において当該土地または家屋を現に所有している者が所有者になります。相続登記が済んでいなくても、賦課期日に現に所有している相続人が納税義務者になるということです。相続と不動産の関係は相続した不動産の基礎知識、登記の仕組みは不動産登記法で扱っています。

    所有者が不明なら使用者に課せる

    343条4項と5項は、所有者が分からない場合の規定です。

    4項は、所有者の所在が震災、風水害、火災その他の事由により不明である場合に、市町村がその使用者を所有者とみなして課税台帳に登録し、課税できるとしています。

    5項はより新しい手当てで、相当な努力が払われたと認められるものとして政令で定める方法により探索を行ってもなお所有者の存在が不明である場合に、同じく使用者を所有者とみなして課税できるとしています。4項が「所在が不明」、5項が「存在が不明」で、場面が分かれています。

    いずれの場合も、市町村は登録しようとするときにあらかじめその旨を当該使用者に通知しなければなりません。使用者に不意打ちで課税されるわけではない、という手続保障です。

    この節の要点

    • 課税主体は市町村(特別区の区域内は都)。対象は土地・家屋・償却資産(341条1号)。
    • 原則は所有者。質権者と、存続期間が100年より長い地上権者は例外(343条1項)。
    • 「所有者」は台帳に登記・登録されている者。賦課期日前に死亡していれば現に所有する者(343条2項)。
    • 所在不明・存在不明の場合は使用者を所有者とみなせる。事前通知が必要(343条4項・5項)。

    賦課期日1月1日が動かすもの

    条文は359条

    359条は「固定資産税の賦課期日は、当該年度の初日の属する年の1月1日とする」と定めています。短い条文ですが、固定資産税で最も問われる一点です。

    年度の初日は4月1日ですから、その属する年の1月1日、つまり年度が始まる3か月前の時点が基準になります。令和8年度の固定資産税であれば、2026年1月1日時点の状態で判定されます。

    年の途中で売っても納税義務者は変わらない

    ここから直接に導かれるのが、年度途中の売買の扱いです。1月2日に不動産を売却しても、その年度の固定資産税を納める義務を負うのは1月1日時点の所有者、すなわち売主です。買主にその年度分の納税義務はありません。

    実務では、引渡日を基準に日割りで精算する取り決めをするのが通例です。しかしこれは売主と買主のあいだの合意にすぎず、市町村に対する納税義務者が買主に移るわけではありません。市町村は売主に対して課税し、売主が納付します。買主が売主に支払うのは、売買代金の調整としての性質を持つ金銭です。

    試験で問われるのは法律上の納税義務者のほうです。「年の途中で売買した場合、買主が所有していた期間に対応する固定資産税は買主が納付する義務を負う」という肢は、実務の慣行を法律上の義務にすり替えたもので誤りになります。売買の流れ全体は不動産売買の流れにまとめています。

    状態の判定も1月1日

    賦課期日は納税義務者を決めるだけでなく、課税上の状態を判定する時点でもあります。土地が住宅用地にあたるか、家屋が存在するかも、1月1日時点で判定されます。

    したがって、住宅を取り壊して更地にした場合、その状態が1月1日に及んでいれば、その年度は住宅用地の特例が適用されません。後述するとおり住宅用地の特例は課税標準を6分の1または3分の1に圧縮するものなので、外れれば土地の税負担は大きく変わります。これは制度の帰結としてそうなる、という話です。

    課税標準と評価替え

    課税標準は台帳登録価格

    349条は、固定資産税の課税標準を固定資産課税台帳に登録された価格としています。341条5号がその「価格」を「適正な時価」と定義しています。

    ここで注意すべきなのは、法律が定めているのは「適正な時価」という文言であって、地価公示価格に対する比率ではないという点です。固定資産税評価額がおおむね公示価格の7割の水準とされるのは運用上の目途であり、法令が比率を定めているわけではありません。「地方税法の規定により公示価格の70パーセントとされている」という肢は誤りになります。四つの価格の関係は土地の価格4種類で詳しく扱っています。

    3年ごとの評価替え

    341条6号が基準年度を定義し、349条1項から3項までが、基準年度の価格を第二年度・第三年度に据え置くことを定めています。3年に一度の評価替えで決めた価格を3年間使うという仕組みです。

    据置きには例外があり、349条2項ただし書は、地目の変換、家屋の改築または損壊その他これらに類する特別の事情がある場合などには、類似する土地家屋の基準年度の価格に比準する価格によるとしています。据え置くのが原則だが、事情が変われば動かせる、という設計です。この点も土地の価格4種類に詳細があります。

    税率は標準税率、ただし1.7%超には手続がある

    350条1項の標準税率

    350条1項は「固定資産税の標準税率は、100分の1.4とする」と定めています。

    標準税率とは、市町村が通常よるべき税率という意味です。したがって市町村は、財政上その他の必要があると認める場合には、条例でこれと異なる税率を定めることができます。1.4パーセントは上限ではありません。「市町村は1.4パーセントを超える税率を定めることができない」という肢は誤りです。

    350条2項という見落とされやすい規定

    ただし、まったく自由というわけでもありません。350条2項は、次の場合に手続を課しています。

    当該市町村の固定資産税の一の納税義務者であって、その所有する固定資産に対して課すべき課税標準の総額が、当該市町村の区域内に所在する固定資産に対して課すべき課税標準の総額の3分の2を超えるものがある場合に、100分の1.7を超える税率で課する旨の条例を制定しようとするときは、当該市町村の議会において当該納税義務者の意見を聴くものとされています。

    一つの大口納税義務者に負担が集中している市町村で、税率を大きく引き上げるときには、その者の言い分を聞かせるという趣旨です。1.7パーセントは制限税率ではありません。超えて課税すること自体は禁じられておらず、意見聴取という手続が加わるだけです。この区別が問われます。

    後述する都市計画税の0.3パーセントが「超えることができない」という制限税率であるのと、条文の書き方がまったく違う点を対比しておいてください。

    免税点

    351条は免税点を定めています。同一の者について、当該市町村の区域内におけるその者の所有に係る資産に対して課する固定資産税の課税標準となるべき額が、土地は30万円、家屋は20万円、償却資産は150万円に満たない場合には、市町村は固定資産税を課することができません。

    三つ押さえてください。第一に、判定は同一市町村内で同一人が所有するものを合計して行い、土地・家屋・償却資産それぞれの区分ごとに別々に判定します。第二に、基準になるのは評価額ではなく課税標準となるべき額です。住宅用地の特例で課税標準が圧縮された後の額で判定されます。第三に、ただし書があり、財政上その他特別の必要がある場合には、条例の定めるところによって、免税点未満でも課税できます。

    不動産取得税の免税点とは金額がまったく違うので、分けて覚えてください。取得段階の税は不動産取得税の軽減にまとめています。

    住宅用地の特例は課税標準を圧縮する

    二段構えの条文

    349条の3の2は、住宅用地について課税標準を引き下げる特例です。条文が二段構えになっています。

    1項が、住宅用地に対して課する固定資産税の課税標準を、課税標準となるべき価格の3分の1の額とします。これが一般住宅用地の扱いです。

    2項が、住宅用地のうち小規模住宅用地にあたるものについて、課税標準を価格の6分の1の額とします。

    つまり、まず1項で住宅用地全体を3分の1にし、そのうち小規模住宅用地にあたる部分をさらに2項で6分の1にする、という構造です。「200平方メートル以下は6分の1、超える部分は3分の1」という覚え方でも結論は同じですが、条文の順序は逆であることを知っておくと、条文を引いたときに迷いません。

    小規模住宅用地の判定

    2項が二つの号で判定方法を定めています。

    1号は、住宅用地でその面積が200平方メートル以下であるものについて、その住宅用地全体が小規模住宅用地になるとします。

    2号は、面積が200平方メートルを超えるものについての規定です。当該住宅用地の面積を、その上に存する住居の数で除して得た面積が200平方メートル以下であれば当該住宅用地全体が、200平方メートルを超えるのであれば200平方メートルに住居の数を乗じて得た面積に相当する住宅用地が、小規模住宅用地になります。

    ここが「住宅1戸あたり200平方メートル」と説明される部分です。戸建てなら住居の数は1なので単純に200平方メートルで切れますが、共同住宅では住居の数を掛けた面積まで小規模住宅用地になります。敷地2,000平方メートルに20戸の共同住宅が建っていれば、200平方メートルに20を乗じた4,000平方メートルまでが小規模住宅用地の枠なので、敷地全体が6分の1の対象になります。区分所有建物の基本は区分所有法を参照してください。

    なお、住居の数の認定その他2項の適用に関し必要な事項は、3項により総務省令に委ねられています。

    住宅用地には床面積10倍の上限がある

    1項が「専ら人の居住の用に供する家屋又はその一部を人の居住の用に供する家屋で政令で定めるものの敷地の用に供されている土地で政令で定めるもの」と書いているとおり、住宅用地の範囲そのものが政令に委ねられています。ここで、住宅用地として扱われる範囲は家屋の床面積の10倍までとされています。

    広い土地に小さな家を建てても、その土地全部が特例の対象になるわけではありません。床面積の10倍を超える部分は住宅用地ではないものとして扱われます。

    勧告を受けた空家等は除外される

    349条の3の2第1項の括弧書きに、見落とされやすい除外が置かれています。次の二つの敷地は、住宅用地から除かれます

    一つは、空家等対策の推進に関する特別措置法13条2項の規定により所有者等に対し勧告がされた同条1項の管理不全空家等の敷地の用に供されている土地です。

    もう一つは、同法22条2項の規定により所有者等に対し勧告がされた同法2条2項の特定空家等の敷地の用に供されている土地です。

    重要なのは、指定されただけでは足りず「勧告がされた」ことが要件になっている点です。特定空家等または管理不全空家等に該当するというだけで直ちに特例が外れるのではなく、勧告という行政の行為があってはじめて除外されます。この段階の区別が問われます。

    家屋が建っていても特例が外れる場合があるということ、そしてその引き金が勧告であることを、条文の位置とあわせて押さえてください。

    この節の要点

    • 1項が住宅用地全体を3分の1、2項が小規模住宅用地を6分の1(349条の3の2)。
    • 小規模住宅用地は200平方メートル以下。超える場合は住居の数で除して判定し、200平方メートルに住居の数を乗じた面積までが枠。
    • 住宅用地の範囲は家屋の床面積の10倍まで。
    • 勧告がされた管理不全空家等・特定空家等の敷地は住宅用地から除外される。

    新築住宅の減額は税額を半分にする

    住宅用地の特例とは効く場所が違う

    新築住宅の減額措置は、地方税法の附則に置かれた期限つきの措置です。住宅用地の特例が本則に置かれた課税標準の特例であるのに対し、こちらは家屋について税額そのものを2分の1にするものです。

    この違いは計算の順序に表れます。住宅用地の特例は課税標準を6分の1にしてから税率を乗じるのに対し、新築住宅の減額は課税標準に税率を乗じて税額を出したあと、その税額から2分の1に相当する額を減額します。「新築住宅は課税標準が2分の1になる」という肢は、効く場所を取り違えているため誤りです。計算の組み立ては税金の計算問題を攻略にまとめています。

    一般の新築住宅は3年度分

    附則15条の6第1項は、令和4年4月1日から令和13年3月31日までの間に新築された住宅で政令で定めるものについて、当該住宅に対して新たに固定資産税が課されることとなった年度から3年度分の固定資産税に限り、税額の2分の1に相当する額を減額するものとしています。

    「新築後3年間」ではなく「新たに固定資産税が課されることとなった年度から3年度分」という数え方である点に注意してください。賦課期日が1月1日である以上、新築の時期によって初年度がいつになるかが決まります。

    適用期限が令和13年3月31日である点も条文に書かれています。附則に置かれた期限つきの措置であり、これまで繰り返し延長されてきた経緯があります。

    中高層耐火建築物は5年度分

    附則15条の6第2項は、令和6年4月1日から令和13年3月31日までの間に新築された中高層耐火建築物である住宅について、5年度分に延長しています。1項と適用開始日が違う点にも留意してください。

    中高層耐火建築物の定義は同項の括弧書きにあります。建築基準法2条9号の2イに規定する特定主要構造部を耐火構造とした建築物または同条9号の3イもしくはロのいずれかに該当する建築物で、地上階数3以上を有するものです。

    「3階建て以上の耐火建築物または準耐火建築物」と説明されることが多い部分ですが、条文は建築基準法の定義を引いています。地上階数3以上という要件が入っている点が要点です。

    認定長期優良住宅は5年度分と7年度分

    附則15条の7第1項は、長期優良住宅の普及の促進に関する法律の施行の日から令和13年3月31日までの間に新築された認定長期優良住宅について、5年度分の減額を定めています。同条2項が、認定長期優良住宅のうち中高層耐火建築物であるものについて7年度分としています。

    一般の住宅が3年度分・5年度分であるのに対し、認定長期優良住宅は5年度分・7年度分。それぞれ2年度分ずつ長いという関係で覚えると崩れません。

    認定長期優良住宅だけは申告が要る

    見落とされやすいのが附則15条の7第3項です。同条1項・2項の規定は、認定長期優良住宅の所有者から、当該住宅が新築された日から、新たに固定資産税が課されることとなる年度の初日の属する年の1月31日までの間に、総務省令で定める書類を添付して、これらの規定の適用があるべき旨の申告書の提出がされた場合に限り適用されます。

    つまり認定長期優良住宅の減額は、申告がなければ適用されません。これに対し、附則15条の6の一般の新築住宅の減額には、条文上このような申告要件が置かれていません。

    同条4項は区分所有に係る住宅について管理者等からの書類提出による代替を認め、5項は期間経過後の提出でもやむを得ない理由があると認めるときは適用できるとしています。救済の余地はありますが、原則は1月31日までの申告です。

    この節の要点

    • 減額されるのは税額の2分の1。課税標準の特例ではない(附則15条の6)。
    • 一般の住宅は3年度分、中高層耐火建築物は5年度分。認定長期優良住宅はそれぞれ5年度分・7年度分。
    • 中高層耐火建築物は地上階数3以上。
    • 認定長期優良住宅は1月31日までの申告が適用要件(附則15条の7第3項)。一般の新築住宅にはこの要件がない。
    • 適用期限は令和13年3月31日。

    床面積要件は令和8年度から変わっている

    従来広く流通してきた数字

    新築住宅の減額の床面積要件として、市販の教材やインターネット上の解説の多くが「50平方メートル以上280平方メートル以下(貸家は40平方メートル以上)」と記載しています。

    この数字は、令和8年度試験の基準日である2026年4月1日時点の条文とは一致しません。

    2026年4月1日時点の条文

    床面積の要件は、地方税法施行令附則12条にあります。同条3項1号は、附則15条の6第1項・2項および15条の7第1項・2項に規定する住宅で政令で定めるもののうち、区分所有に係る住宅以外の住宅を、次のように定めています。

    床面積が40平方メートル(当該住宅が特定都市再生緊急整備地域(特別区の区域内にあるものに限る)の区域内にある場合には、50平方メートル)以上240平方メートル以下である住宅。

    共同住宅等については「基準住居部分を有する住宅」とされ、その基準住居部分の定義が同条1項8号にあります。人の居住の用に供するために独立的に区画された家屋の一の部分で、その床面積が40平方メートルサービス付き高齢者向け住宅である貸家の用に供されるものである場合には30平方メートル、特定都市再生緊急整備地域(特別区の区域内にあるものに限る)の区域内にあり、かつ貸家の用以外の用に供されるものである場合には50平方メートル)以上240平方メートル以下であるもの。

    区分所有に係る住宅については同条1項9号の「基準部分」が同じ構造で定められています。

    何が変わったか

    要点は二つです。

    第一に、下限が50平方メートルから40平方メートルに下がりました。従来は原則50平方メートルで貸家だけが40平方メートルという建て付けでしたが、現在は原則が40平方メートルです。逆に、50平方メートルという数字は特定都市再生緊急整備地域(特別区の区域内に限る)という限られた場合にだけ残っています。原則と例外が入れ替わったと理解すると整理できます。

    第二に、上限が280平方メートルから240平方メートルに下がりました。

    サービス付き高齢者向け住宅である貸家について下限が30平方メートルとなる点は、従来から置かれている扱いです。

    減額対象面積の120平方メートルは変わっていない

    一方で、減額の対象となる面積の上限は120平方メートルのままです。施行令附則12条4項は、減額の対象となる額の算定方法を定めており、その中で「基準部分(その床面積が120平方メートル以下のものに限る)」という限定を置いています。

    したがって、床面積150平方メートルの住宅であれば、要件(40平方メートル以上240平方メートル以下)は満たすものの、減額の対象になるのは120平方メートル相当分までで、残りの30平方メートル相当分には減額が及びません。

    要件を判定する面積(40から240)と、減額の対象になる面積(120まで)は別のものです。この二つを混ぜると計算問題で必ず誤ります。

    数字が変わったことをどう扱うか

    宅建試験は、その年度の4月1日現在施行されている法令から出題されます。したがって令和8年度試験では、2026年4月1日時点の条文である40平方メートル以上240平方メートル以下が基準になります。

    ここで実務的に重要なのは、古い数字のほうが圧倒的に多く流通しているという事実です。教材の対応年度が古い場合はもちろん、対応年度が合っていても改正の反映が漏れている可能性があります。数字が問われる論点では、条文を自分で確認する価値があります。e-Gov法令検索では施行日を指定して条文を表示できるので、4月1日時点でどうだったかを自分で確かめられます。教材の対応年度の判定方法は宅建テキストの選び方にまとめています。

    なお、この改正によって固定資産税の上限240平方メートルと、不動産取得税の新築住宅の特例の上限240平方メートルが一致しました。従来は固定資産税280平方メートル・不動産取得税240平方メートルという違いを対比で覚える整理がされてきましたが、現在この対比は成り立ちません。両者の違いは面積ではなく、不動産取得税が課税標準から1,200万円を控除する課税標準の特例であるのに対し、固定資産税は税額の2分の1減額である、という効き方の差にあります。不動産取得税側は不動産取得税の軽減を参照してください。

    都市計画税との対比

    課税対象が市街化区域に限られる

    702条1項は、市町村が、都市計画法に基づいて行う都市計画事業または土地区画整理法に基づいて行う土地区画整理事業に要する費用に充てるため、都市計画区域のうち市街化区域内に所在する土地および家屋に対し、その価格を課税標準として所有者に都市計画税を課することができると定めています。

    固定資産税との違いが三点あります。第一に、目的税であり、使途が都市計画事業等に限定されています。第二に、課税対象が原則として市街化区域内の土地および家屋に限られ、償却資産は含まれません。第三に、「課するものとする」ではなく「課することができる」という書き方で、課税するかどうかが市町村の判断に委ねられています。

    区域区分に関する都市計画が定められていない都市計画区域については、当該都市計画区域の全部または一部の区域で条例で定める区域が対象になります。また同項後段により、市街化調整区域内の土地家屋に課さないことが均衡を著しく失すると認められる特別の事情がある場合には、市街化調整区域のうち条例で定める区域も対象にできます。区域区分そのものは都市計画法の全体像、市街化調整区域の性格は市街化調整区域の規制で扱っています。

    0.3パーセントは制限税率

    702条の4は「都市計画税の税率は、100分の0.3を超えることができない」と定めています。

    固定資産税の350条1項が「標準税率は100分の1.4とする」であるのに対し、こちらは「超えることができない」です。条文の書き方がそのまま制度の違いを表しています。固定資産税は標準税率で上限の定めがなく、都市計画税は制限税率で上限がある。用語を入れ替えた肢が作られるため、「固定資産税は標準税率1.4パーセント、都市計画税は制限税率0.3パーセント」とセットで記憶してください。

    住宅用地の特例は割合が倍

    702条の3が、都市計画税についての住宅用地の特例を定めています。349条の3の2第1項の適用を受ける土地、すなわち一般住宅用地については課税標準を価格の3分の2、同条2項の適用を受ける小規模住宅用地については3分の1とします。

    固定資産税が6分の1と3分の1であるのに対し、都市計画税は3分の1と3分の2。都市計画税の割合は固定資産税のちょうど2倍です。6分の1の2倍が3分の1、3分の1の2倍が3分の2。四つの数字を個別に覚えるのではなく、この関係で持つと混同しません。

    軽減幅が小さいのは、税率自体が0.3パーセントと低く、負担調整の必要が固定資産税ほど大きくないためだと理解しておけば十分です。

    なお、新築住宅の減額は都市計画税にはありません。附則15条の6・15条の7はいずれも固定資産税についての規定です。

    賦課徴収は固定資産税と一体

    702条の8第1項は、都市計画税の賦課徴収は固定資産税の賦課徴収の例によるものとし、特別の事情がある場合を除くほか固定資産税の賦課徴収とあわせて行うものとしています。実務上、一枚の納税通知書で両方が賦課されるのはこのためです。

    賦課期日と納税義務者も固定資産税と同じです。702条2項が、「所有者」を固定資産税について所有者とされまたはみなされる者と定義しています。

    閲覧・縦覧・審査の申出

    閲覧と縦覧は別の制度

    名前が似ているため混同されますが、条文も趣旨も違います。

    閲覧は382条の2です。市町村長は、納税義務者その他の政令で定める者の求めに応じ、固定資産課税台帳のうちこれらの者に係る固定資産に関する事項が記載されている部分またはその写しを閲覧に供しなければなりません。自分に関係する資産について、いつでも見られる制度です。

    「その他の政令で定める者」には、借地人・借家人が含まれます。自分が借りている土地・建物の課税台帳の記載を確認できるということです。所有者でなくても閲覧権を持つ者がいる点は押さえてください。

    縦覧は416条です。市町村長は、固定資産税の納税者が、その納付すべき当該年度の固定資産税に係る土地または家屋について課税台帳に登録された価格と、当該市町村内の他の土地または家屋の価格とを比較することができるよう、土地価格等縦覧帳簿または家屋価格等縦覧帳簿を縦覧に供しなければなりません。他人の資産の価格と見比べるための制度です。

    縦覧の期間

    416条1項が定める縦覧期間は、毎年4月1日から、4月20日または当該年度の最初の納期限の日のいずれか遅い日以後の日までの間です。

    「4月20日まで」ではなく「4月20日または最初の納期限の日のいずれか遅い日以後の日まで」という書き方である点に注意してください。納期限が4月20日より後であれば、そちらが基準になります。ただし書により、災害その他特別の事情がある場合には、4月2日以後の日から、当該日から20日を経過した日または最初の納期限の日のいずれか遅い日以後の日までを縦覧期間とすることができます。

    3項により、市町村長は縦覧の場所および期間をあらかじめ公示しなければなりません。

    閲覧に期間の限定がないのに対し、縦覧は期間が限られている。この違いが問われます。

    審査の申出は固定資産評価審査委員会へ

    432条1項は、固定資産税の納税者が、課税台帳に登録された価格について不服がある場合に、固定資産評価審査委員会に対し、文書をもって審査の申出をすることができると定めています。

    期間は、411条2項の規定による公示の日から、納税通知書の交付を受けた日後3か月を経過する日までです。「納税通知書を受け取った日から3か月」という言い方でおおむね足りますが、条文は公示の日を始期に置いている点が正確です。

    対象が価格に限られる点も重要です。税額そのものや課税標準の特例の適用の当否は、審査の申出ではなく審査請求の対象になります。

    二つの不服申立てが交錯しないようにする仕組み

    432条3項が、この切り分けを明文で定めています。固定資産税の賦課についての審査請求においては、1項の規定により審査を申し出ることができる事項についての不服を、当該固定資産税の賦課についての不服の理由とすることができないとされています。

    価格に不服があるなら固定資産評価審査委員会への審査の申出、賦課そのものに不服があるなら審査請求。この二つのルートを混ぜられないようにしているわけです。「価格が高すぎる」という主張を賦課処分の審査請求で持ち出すことはできない、ということになります。

    この節の要点

    • 閲覧(382条の2)は自分に関係する資産、期間の限定なし。借地人・借家人も対象。
    • 縦覧(416条)は他人の資産との比較のため、4月1日から4月20日または最初の納期限の日のいずれか遅い日以後の日まで。対象は納税者。
    • 審査の申出(432条)は固定資産評価審査委員会へ、文書で、納税通知書の交付を受けた日後3か月を経過する日まで。対象は価格
    • 価格についての不服は、賦課の審査請求の理由にできない(432条3項)。

    試験での出題ポイント

    賦課期日を取得日にすり替える

    最頻出の型です。「固定資産の取得日現在の所有者」「所有していた期間に応じて按分」といった書き方はすべて誤りで、359条が定めるのは1月1日という一点です。日割り精算という実務の慣行を、法律上の納税義務の分担であるかのように書く肢にも同じ注意が要ります。

    課税標準の特例と税額の減額を入れ替える

    住宅用地の特例は課税標準を6分の1・3分の1にするもの、新築住宅の減額は税額を2分の1にするもの。「新築住宅は課税標準が2分の1になる」「住宅用地は税額が6分の1になる」はいずれも効く場所が違います。土地の話か家屋の話かでも切り分けられます。

    標準税率と制限税率を入れ替える

    固定資産税は標準税率1.4パーセントで上限の定めがなく、都市計画税は制限税率0.3パーセントで超えられない。「市町村は1.4パーセントを超える税率を定めることができない」は誤りです。あわせて、350条2項の1.7パーセントは制限税率ではなく議会での意見聴取が必要になる境界であることも確認しておいてください。

    200平方メートルの数え方をずらす

    小規模住宅用地は「住宅用地全体で200平方メートル」ではなく、住居の数で除して判定します(349条の3の2第2項2号)。共同住宅では200平方メートルに住居の数を乗じた面積までが枠になります。「敷地面積が200平方メートルを超える場合、超える部分は常に一般住宅用地となる」という肢は、住居の数が複数の場合に成り立ちません。

    床面積の数字を古いまま出す

    新築住宅の減額の床面積要件は、2026年4月1日時点で40平方メートル以上240平方メートル以下です。「50平方メートル以上280平方メートル以下」は改正前の数字です。あわせて、要件の面積(40から240)と減額対象の面積(120まで)を混ぜる肢にも注意してください。

    空家等の扱いで「勧告」を落とす

    住宅用地から除外されるのは、勧告がされた管理不全空家等・特定空家等の敷地です(349条の3の2第1項括弧書き)。「特定空家等に該当すれば直ちに住宅用地の特例が適用されない」という肢は、勧告という要件を落としています。

    閲覧と縦覧を入れ替える

    期間が限られているのは縦覧のほうです。対象も、閲覧が自分に関係する資産、縦覧が他人の資産との比較。「納税義務者は、いつでも他の土地の価格を記載した縦覧帳簿を縦覧できる」という肢は、期間の限定を落としています。

    審査の申出の相手方と対象をずらす

    相手方は市町村長ではなく固定資産評価審査委員会、対象は税額ではなく価格、期間は納税通知書の交付を受けた日後3か月を経過する日まで。この三つのどれかがずらされます。

    償却資産を落とす、あるいは足す

    固定資産税の対象には償却資産が含まれ(341条1号)、免税点も150万円が定められています(351条)。一方、都市計画税の対象は土地および家屋で、償却資産は含まれません(702条1項)。どちらの税の話かで結論が変わります。

    覚え方・整理の仕方

    「誰が・いつ・いくら」の順で条文を並べる

    固定資産税の条文は、誰が納めるか(343条)、いつの時点で判定するか(359条)、いくらか(349条、350条、351条)、という順に並べると頭に入ります。特例はそのあとに乗る話です。この順序で覚えておくと、事案問題でどこから手をつけるかが決まります。

    二つの特例を「土地か家屋か」で分ける

    住宅用地の特例は土地の話で課税標準に効く。新築住宅の減額は家屋の話で税額に効く。この二軸で分ければ、どちらの話かを見失いません。選択肢に「土地」と書いてあれば課税標準、「家屋」と書いてあれば税額、と機械的に切り替えられます。

    割合は「固定資産税を2倍すると都市計画税」

    住宅用地の特例の四つの数字は、固定資産税が6分の1と3分の1、都市計画税が3分の1と3分の2。都市計画税は固定資産税をちょうど2倍にした割合です。四つ覚えるのではなく、二つ覚えて2倍する。

    期間は「3・5」と「5・7」

    新築住宅の減額期間は、一般が3年度分と5年度分、認定長期優良住宅が5年度分と7年度分。認定長期優良住宅はそれぞれ2年度分長いという関係で持ちます。5年度分が両方に出てくる(一般の中高層耐火建築物と、認定長期優良住宅の一般)ので、ここだけ注意します。

    面積は「40から240、減額は120まで」

    床面積要件の下限40・上限240と、減額対象の上限120。120は240のちょうど半分なので、240を覚えれば120も出ます。例外の数字は、サービス付き高齢者向け住宅である貸家が30、特定都市再生緊急整備地域(特別区の区域内に限る)が50。この二つだけを例外として別に置きます。

    税率は条文の語尾で覚える

    「標準税率は100分の1.4とする」(350条1項)と「100分の0.3を超えることができない」(702条の4)。語尾が違うことがそのまま制度の違いです。数字だけでなく語尾ごと覚えると、標準税率と制限税率を入れ替えた肢に反応できます。

    免税点は「土地・家屋・償却資産=30・20・150」

    三つの数字を資産の順に並べて覚えます。判定は同一市町村内で同一人の所有分を区分ごとに合計し、課税標準となるべき額で行います。評価額ではない点を添えておきます。

    手続の数字は相手方とセットにする

    縦覧は4月1日から・市町村長が指定する場所・納税者が対象。審査の申出は3か月・固定資産評価審査委員会・文書・価格が対象。数字だけを取り出すと、相手方や対象をずらされたときに気づけません。

    理解度チェッククイズ

    次の記述の正誤を判定してください。

    問1. 令和8年1月20日に土地を売却した場合、令和8年度の固定資産税は、売主と買主が所有していた期間に応じて按分して納付する義務を負う。

    答えを見る 答えは誤りです。地方税法359条は、固定資産税の賦課期日を当該年度の初日の属する年の1月1日と定めています。令和8年度であれば2026年1月1日時点の所有者、すなわち売主が納税義務者であり、年の途中で売却しても納税義務者は変わりません。買主にその年度分の納税義務はありません。実務では引渡日を基準に日割りで精算する取り決めをするのが通例ですが、これは売主と買主のあいだの合意にすぎず、市町村に対する納税義務者が入れ替わるわけではありません。

    問2. 新築住宅に対する固定資産税の減額措置は、居住部分の床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下の住宅について適用される。

    答えを見る 答えは誤りです。これは改正前の数字です。2026年4月1日時点で施行されている地方税法施行令附則12条3項1号は、区分所有に係る住宅以外の住宅について、床面積が**40平方メートル**(当該住宅が特定都市再生緊急整備地域(特別区の区域内にあるものに限る)の区域内にある場合には50平方メートル)**以上240平方メートル以下**である住宅と定めています。共同住宅等の基準住居部分については同条1項8号が同じ数字を定め、サービス付き高齢者向け住宅である貸家の用に供されるものについては下限を30平方メートルとしています。下限が50から40に下がり、上限が280から240に下がった点を押さえてください。なお、減額の対象となる面積が120平方メートル以下の部分に限られる点は変わっていません(同条4項)。

    問3. 住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例により、住宅1戸につき200平方メートル以下の部分は課税標準が価格の6分の1となり、これを超える部分は3分の1となる。

    答えを見る 答えは正しい記述です。地方税法349条の3の2第1項が住宅用地の課税標準を価格の3分の1とし、同条2項が小規模住宅用地について6分の1としています。小規模住宅用地の判定は同項2号により、住宅用地の面積を住居の数で除して得た面積が200平方メートル以下かどうかで行い、超える場合は200平方メートルに住居の数を乗じて得た面積に相当する部分が小規模住宅用地になります。なお、住宅用地として扱われる範囲は家屋の床面積の10倍までに限られ、また空家等対策の推進に関する特別措置法にもとづく勧告がされた管理不全空家等・特定空家等の敷地は住宅用地から除外されます。

    問4. 固定資産税の標準税率は100分の1.4であり、市町村がこれを超える税率を定めることはできない。

    答えを見る 答えは誤りです。地方税法350条1項が定める100分の1.4は**標準税率**であって制限税率ではありません。標準税率は市町村が通常よるべき税率という意味であり、市町村は条例でこれと異なる税率を定めることができます。ただし同条2項により、当該市町村の固定資産税の一の納税義務者に係る課税標準の総額が区域内の課税標準の総額の3分の2を超える場合において、100分の1.7を超える税率で課する旨の条例を制定しようとするときは、議会において当該納税義務者の意見を聴くものとされています。これは手続要件であって上限ではありません。上限が定められているのは都市計画税のほうで、地方税法702条の4が100分の0.3を超えることができないとしています。

    問5. 固定資産課税台帳に登録された価格に不服がある固定資産税の納税者は、市町村長に対し、納税通知書の交付を受けた日後3か月を経過する日までに審査の申出をすることができる。

    答えを見る 答えは誤りです。相手方が違います。地方税法432条1項は、審査の申出の相手方を**固定資産評価審査委員会**と定めています。市町村長ではありません。期間が納税通知書の交付を受けた日後3か月を経過する日までである点と、文書によることは正しい記述です。また対象は登録された**価格**に限られ、税額そのものへの不服は審査請求の対象になります。同条3項は、固定資産税の賦課についての審査請求において、審査の申出ができる事項についての不服を賦課についての不服の理由とすることができないと定めており、二つのルートが交錯しないようになっています。

    問6. 都市計画税は、都市計画区域のうち市街化区域内に所在する土地、家屋および償却資産に対して課される。

    答えを見る 答えは誤りです。償却資産は含まれません。地方税法702条1項は、都市計画税の課税対象を市街化区域内に所在する**土地及び家屋**としています。償却資産が課税対象に含まれるのは固定資産税のほうです(341条1号、351条の免税点150万円)。なお都市計画税は、都市計画事業または土地区画整理事業に要する費用に充てるための目的税であり、条文も「課することができる」という書き方で、課税するかどうかは市町村の判断に委ねられています。区域区分に関する都市計画が定められていない都市計画区域では条例で定める区域が対象となり、市街化調整区域についても均衡を著しく失する特別の事情がある場合には条例で定める区域を対象にできます。

    まとめ

    • 納税義務者は賦課期日である1月1日現在の所有者です(地方税法359条、343条1項)。ここでいう所有者とは、登記簿または補充課税台帳に所有者として登記・登録されている者を指し、賦課期日前に死亡している場合は現に所有している者になります(343条2項)。所有者の所在または存在が不明な場合には、事前通知のうえ使用者を所有者とみなして課税できます(同条4項・5項)。質権者と、存続期間が100年より長い地上権者は例外です。

    • 二つの特例は効く場所が違います。住宅用地の特例は土地について課税標準を圧縮するもので、一般住宅用地が価格の3分の1、小規模住宅用地が6分の1です(349条の3の2)。小規模住宅用地は住居の数で除して200平方メートル以下かどうかで判定し、住宅用地の範囲自体が家屋の床面積の10倍までに限られます。勧告がされた管理不全空家等・特定空家等の敷地は除外されます。これに対し新築住宅の減額は家屋について税額の2分の1を減額するもので、一般が3年度分、中高層耐火建築物が5年度分、認定長期優良住宅がそれぞれ5年度分・7年度分です(附則15条の6、15条の7)。認定長期優良住宅だけは1月31日までの申告が適用要件になります。

    • 床面積要件は令和8年度から40平方メートル以上240平方メートル以下です(施行令附則12条3項1号、1項8号)。従来広く流通してきた「50平方メートル以上280平方メートル以下」は改正前の数字です。下限は原則40平方メートルで、サービス付き高齢者向け住宅である貸家が30平方メートル、特定都市再生緊急整備地域(特別区の区域内に限る)が50平方メートル。減額の対象になる面積が120平方メートル以下の部分に限られる点は変わっていません。要件を判定する面積と減額対象の面積は別物です。

    • 税率は条文の語尾で区別します。固定資産税は「標準税率は100分の1.4とする」(350条1項)で上限の定めがなく、都市計画税は「100分の0.3を超えることができない」(702条の4)という制限税率です。350条2項の100分の1.7は上限ではなく、大口納税義務者がある場合に議会での意見聴取を要する境界にすぎません。免税点は土地30万円、家屋20万円、償却資産150万円で、課税標準となるべき額により判定します(351条)。

    • 閲覧・縦覧・審査の申出は制度が別です。閲覧(382条の2)は自分に関係する資産について期間の限定なく、借地人・借家人も対象になります。縦覧(416条)は他人の資産と価格を比較するための制度で、4月1日から4月20日または当該年度の最初の納期限の日のいずれか遅い日以後の日までという期間の限定があります。価格に不服があるときは、文書により固定資産評価審査委員会へ、納税通知書の交付を受けた日後3か月を経過する日までに審査の申出をします(432条)。

    宅建試験AIブートラボのアプリでは、固定資産税の肢を課税主体・賦課期日・特例・手続の別に絞って演習でき、数字を取り違えた箇所だけを繰り返せます。

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