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法令上の制限の頻出論点|3層に分けて攻める

法令上の制限 読了 約43分

法令上の制限の8問を、趣旨から導ける論点・数字を覚える論点・許可権者を問う論点の3層に仕分け、層ごとに違う勉強の仕方と各論への道筋を示します。

目次

    この記事は、法令上の制限の論点を性質ごとに仕分けて、それぞれに違う勉強の仕方を割り当てるためのハブです。各法令で具体的に何が問われるかは法令上の制限の得点戦略、手続の横断整理は法令上の制限の横断整理、数字の記憶法は法令上の制限の暗記術がそれぞれ担当します。ここでは論点の仕分けと、個別記事への道筋に集中します。

    結論を先に述べます。法令上の制限は暗記科目と呼ばれますが、実際に問われている論点は性質の違う3つの層に分かれています。制度の趣旨から導ける論点、数字を覚えるしかない論点、そして制度の主体を問う論点です。この3層を混ぜて「全部暗記」と構えると、本来は条文を一度読めば足りるものまで記憶の対象に入れてしまいます。層を分けて、導ける論点は導き、覚えるべき数字だけを覚え、主体は一覧で持つ。この配分が8問を取りに行く現実的な設計になります。

    なお、この記事の条文はすべて令和8年度試験の基準日である2026年4月1日時点の内容です。基準日の考え方と、令和8年度に実際に動いた改正の範囲は令和8年度の法改正まとめで扱っています。

    法令上の制限の8問はどこに置かれているか

    出題位置は固定されている

    宅建試験AIブートラボの過去問データで2016年度から2025年度までを確認すると、法令上の制限は10年度すべてで問15から問22までの8問です。位置が動いていません。

    直近の年度の並びは、問15と問16が都市計画法、問17と問18が建築基準法、問19が宅地造成及び特定盛土等規制法、問20が土地区画整理法、問21が農地法、問22が国土利用計画法です。都市計画法と建築基準法で4問を占め、残りの4法令が1問ずつという構成になっています。

    年度によって配置が入れ替わることはありますが、扱われる法令の顔ぶれはほぼ固定です。だからこそ、どの法令にどれだけ時間を割くかを最初に決められます。何問を取りに行くかという目標設定と、8問の内訳の詳しい分析は法令上の制限の得点戦略で扱っています。合格点そのものの動き方は合格点の推移と令和8年度の見通しを参照してください。

    主要6法と、その他の法令

    出題の中心にあるのは6つです。都市計画法、建築基準法、国土利用計画法、農地法、宅地造成及び特定盛土等規制法、土地区画整理法。

    これに加えて、その他の法令として、道路法、河川法、海岸法、港湾法、文化財保護法、自然公園法、森林法、生産緑地法などが、1問の一部や選択肢の1つとして顔を出します。これらは単独で1問になることは少なく、後で見るとおり許可権者を問う形で登場するのが典型です。個別の整理はその他の法令上の制限、景観法や品確法まで含めた周辺は許可権者と景観法・品確法で扱っています。

    論点は3つの層に分かれる

    第1層は制度の趣旨から導ける

    覚えていなくても、その制度が何のためにあるかを知っていれば正誤を判断できる論点があります。

    たとえば市街化調整区域の開発許可に面積要件がないのはなぜか。都市計画法7条3項が市街化調整区域を「市街化を抑制すべき区域」と定義しているからです。市街化を抑えたい区域で、小規模だから自由にしてよいという理屈は成り立ちません。だから面積による例外がありません。この一行を理解していれば、「市街化調整区域では1,000平方メートル未満の開発行為に許可は不要」という選択肢を、数字を覚えていなくても切れます。

    第1層の論点は、暗記の対象ではなく理解の対象です。ここに暗記の労力を投じるのは無駄で、逆に理解を飛ばして丸暗記すると、少し形を変えられただけで対応できなくなります。第1層の強みは、条文の文言を言い換えられても結論が動かないことにあります。数字の記憶は言い換えに弱く、趣旨の理解は言い換えに強い。この非対称が、層を分ける実益です。

    第2層は数字を覚えるしかない

    一方で、趣旨から導けない論点もあります。開発許可が必要になる面積が1,000平方メートルなのか2,000平方メートルなのか、建築確認が必要になる規模が200平方メートル超なのか500平方メートル超なのかは、政令が決めた線引きであって、理屈からは出てきません。

    第2層は純粋に記憶の問題です。ただし数が限られているので、対象を絞り込めば負担は思ったほど大きくありません。数字を横断で並べて覚える方法は法令上の制限の暗記術に集めています。

    第3層は制度の主体を問う

    3つ目が、誰の許可を受けるのか、誰に届け出るのかという主体の論点です。

    これは第1層でも第2層でもない、独立した層です。趣旨からある程度導けますが完全ではなく、数字のような単純な記憶とも違います。原則は都道府県知事で、そこから外れる例外を一覧で持つ、という覚え方になります。そして例外が得点に直結します。

    層ごとに勉強の仕方を変える

    3層を分けると、やるべきことが変わります。

    第1層は、条文の目的規定や定義規定を読んで、なぜその制度があるのかを一度理解する。理解できたら反復は要りません。理解が定着したかどうかは、条文を見ずに「なぜそうなるのか」を口に出して説明できるかで測れます。説明が止まる箇所が、理解できていない箇所です。

    第2層は、数字だけを抜き出して横断で並べ、短い間隔で繰り返す。理解しようとすると時間の無駄になります。政令が定めた線引きに納得のいく理由を探しても、出てきません。

    第3層は、法令名と主体を対で並べた一覧を作り、法令名を見たら主体が出てくる状態にする。ここは連想の訓練です。意味を考えるより、対を反射で出せるかが問われます。

    同じ「法令上の制限を勉強する」でも、この3つは作業として別物です。混ぜると、覚えなくてよいものを覚えようとして時間を失います。

    第1層|区域の性格から導ける論点

    市街化区域と市街化調整区域は定義が結論を決めている

    都市計画法7条2項は市街化区域を「すでに市街地を形成している区域及びおおむね十年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」とし、同条3項は市街化調整区域を「市街化を抑制すべき区域」と定めています。条文はこれだけです。区域区分そのものの制度は市街化区域と市街化調整区域、線引きがされていない区域の扱いは非線引き区域と準都市計画区域で扱っています。

    この2つの定義から、都市計画法だけでなく農地法や建築基準法の帰結まで導けます。以下で見るとおり、区域の性格は法令をまたいで同じ方向に働きます。逆に言えば、この2行を理解しないまま各法令を個別に暗記すると、同じことを4回覚えることになります。

    開発許可に面積の入口があるかないか

    都市計画法29条1項1号は、規模による適用除外の対象を「市街化区域、区域区分が定められていない都市計画区域又は準都市計画区域内において行う開発行為」と限定しています。条文の列挙に市街化調整区域が入っていません。

    市街化区域は市街化を進める区域なので、小規模な開発まで許可にかからせる必要がなく、政令が定める規模未満は許可が不要になります。市街化調整区域は市街化を抑制する区域なので、規模による例外を置きません。ここで重要なのは、市街化調整区域に「面積要件がゼロ」なのではなく、「面積という入口自体が条文に存在しない」ことです。前者だと1平方メートルでも許可が要るという数字の話になりますが、後者は条文の建て付けの話で、数字を覚える必要がありません。許可の要否そのものは開発許可、面積の詳細は開発許可の面積要件で扱っています。

    農林漁業用建築物の例外が市街化区域にない理由

    同じ29条1項の2号を見ると、逆向きの限定がかかっています。農業・林業・漁業の用に供する政令で定める建築物や、これらの業務を営む者の居住の用に供する建築物のための開発行為を許可不要とする例外は、「市街化調整区域、区域区分が定められていない都市計画区域又は準都市計画区域内において行う開発行為」に限られており、市街化区域が入っていません。

    1号とは列挙が反転しています。市街化区域は市街化を図る区域なので、農林漁業を保護するために開発許可の網を外す必要が薄い。逆に市街化調整区域は開発を抑制する区域ですが、そこで営まれている農林漁業まで止めてしまっては土地の実際の使われ方と矛盾します。だから抑制側の区域にだけ例外が置かれています。

    この対比は、1号と2号の列挙を並べて読むだけで見えます。「市街化区域では農家の住宅であっても、規模が1,000平方メートル以上なら開発許可が必要」という結論は、暗記ではなく条文の列挙から出てきます。許可が不要になる場合の全体像は開発許可が不要な場合で扱っています。

    用途地域を定めるか定めないか

    都市計画法13条1項7号の後段は、地域地区の定め方について「市街化区域については、少なくとも用途地域を定めるものとし、市街化調整区域については、原則として用途地域を定めないものとする」としています。

    これも区域の性格から出ています。市街化を図る区域では、どこに何を建てるかを先に決めておかないと無秩序になるので、用途地域を必ず定める。市街化を抑制する区域では、そもそも積極的に建てさせない前提なので、用途を割り振る意味が薄い。だから原則として定めません。

    「市街化調整区域には用途地域を定めることができない」という選択肢は、この「原則として」を落としているので誤りです。定めないのが原則であって、禁止ではありません。用途地域そのものの中身は用途地域13種類、覚え方は用途地域の覚え方で扱っています。

    市街化区域内の農地が届出で足りる理由

    農地法4条1項は転用に、5条1項は転用目的の権利移動に、それぞれ都道府県知事等の許可を要求しています。しかし4条1項7号と5条1項6号は、市街化区域内にある農地について、政令で定めるところによりあらかじめ農業委員会に届け出れば許可を要しないという特例を置いています。

    理由は同じところから出ています。市街化区域は市街化を図る区域なので、そこにある農地はいずれ宅地等に転換される前提です。転用を個別に審査して抑える必要がありません。だから許可ではなく届出で足ります。

    そして3条の権利移動にはこの特例がありません。3条が守ろうとしているのは、農地法1条が掲げる「農地を効率的に利用する耕作者による地域との調和に配慮した農地についての権利の取得を促進」することであって、市街化の進み方とは関係がないからです。農地を農地のまま動かす限り、その土地が市街化区域にあるかどうかは、耕作者としての適格性の判断に影響しません。「市街化区域だから3条も届出でよい」という誤りは、この違いを押さえていれば防げます。農地法の全体像は農地転用の基礎、条ごとの切り分けは農地法の3条・4条・5条と許可権者で扱っています。

    農地法の効果の違いも趣旨から出る

    もう一段深いところに、違反したときの効果の違いがあります。

    農地法3条6項は「第一項の許可を受けないでした行為は、その効力を生じない」と定めています。5条3項がこの規定を準用しているので、5条の許可を受けない権利移動も無効です。一方、4条にはこの効力否定の規定がありません。

    理由は、4条が規律しているのが行為であって法律行為ではないからです。3条と5条は権利の設定・移転という法律行為を対象にしているので、効力を否定するという手段が使えます。4条は自分の農地を自分で転用する行為なので、否定すべき法律行為が存在しません。そのかわり51条1項が原状回復その他の是正措置を命じる仕組みを置き、64条が3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金という罰則を用意しています。

    「農地法4条の許可を受けずに転用した場合、その転用行為は無効となる」という選択肢は、この構造を知っていれば切れます。無効になりようがない対象だからです。

    第1層|制度の目的から導ける論点

    集団規定が区域を限って適用される理由

    建築基準法の規定は、単体規定と集団規定に分かれます。単体規定は全国どこでも適用され、集団規定は原則として都市計画区域および準都市計画区域の内でのみ適用されます。根拠は41条の2で、「この章(第八節を除く。)の規定は、都市計画区域及び準都市計画区域内に限り、適用する」と書かれています。ここでいう「この章」が第3章、すなわち集団規定です。

    なぜ区域を限るのか。単体規定が守ろうとしているのは、その建築物を使う人の安全と衛生です。構造の耐力、防火、採光、換気。これらは建物が建つ場所と関係なく必要になります。山中に一軒だけ建てる家でも、構造が弱ければ住む人が危険です。だから区域を限りません。

    集団規定が守ろうとしているのは、建築物どうしの関係です。接道義務、用途制限、建蔽率、容積率、高さ制限、防火地域の制限。いずれも隣の建物や道路との関係を規律しています。建物が密集していない区域では、この調整の必要が薄くなります。だから都市計画区域および準都市計画区域に限って適用されます。全体像は建築基準法の全体像で扱っています。

    「区域外なら制限がない」の射程を条文で確かめる

    第1層の論点は、導いた結論の射程まで条文で確かめておくと強くなります。集団規定の区域限定にも例外があります。

    41条の2が除外している「第八節」には68条の9が入っています。この条は、建築基準法6条1項3号に基づいて都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて指定する区域について、地方公共団体が条例で、建築物と道路との関係、容積率、高さその他の制限を定めることができるとしています。準景観地区についても市町村が条例で高さや壁面の位置の制限を定められます。

    つまり「都市計画区域外の建築物には容積率の制限がかからない」は、集団規定が直接適用されないという意味では正しいものの、条例による制限まで含めると常に正しいとは言えません。試験では原則の側が問われるので原則で答えて構いませんが、条文上どこまでが原則の射程かを一度見ておくと、「条例で定めることができる」という言い回しが出てきたときに反応できます。

    建築確認についても同じ構造があります。6条1項3号は、都市計画区域・準都市計画区域・準景観地区の内に加えて、「都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内における建築物」を確認の対象にしています。区域外だから確認が要らない、と機械的に処理できるわけではありません。確認の手続は建築確認、開発許可との関係は開発許可と建築確認の違いで扱っています。接道義務の内容は接道義務、幅員4メートルの考え方はセットバックにあります。

    建蔽率の緩和が防火と角地に付く理由

    建築基準法53条3項が建蔽率に10分の1の加算を認めるのは、2つの類型です。1号が、防火地域内にある耐火建築物等、または準防火地域内にある耐火建築物等もしくは準耐火建築物等。2号が、街区の角にある敷地またはこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するものの内にある建築物。両方に該当すれば10分の2の加算になります。

    建蔽率は、敷地に空地を確保して延焼を防ぎ、日照や通風を保つための制限です。建物自体が燃えにくければ空地で延焼を防ぐ必要が薄れ、角地なら道路そのものが空地の役割を果たします。制限の目的が別の手段で達成されているから緩める、という構造です。

    ここで注意したいのが、1号のかっこ書きです。防火地域については「第一項第二号から第四号までの規定により建蔽率の限度が十分の八とされている地域を除く」とされています。除かれた場合は53条6項1号に移り、こちらは加算ではなく建蔽率の規定自体を適用しないという扱いになります。8割に1割を足すという処理ではなく、制限が外れて10割まで建てられるという処理です。加算と適用除外は条文の作りが違うので、計算問題で取り違えると答えが変わります。緩和の詳細は建蔽率と容積率の基礎で扱っています。

    仮換地の指定で使用収益だけが移る理由

    土地区画整理事業で仮換地が指定されると、従前の宅地について使用収益ができなくなり、仮換地を使用収益できるようになります。しかし所有権は従前の宅地に残ったままです。

    換地処分の公告があるまでは、最終的な権利の割り振りが確定していないからです。工事を進めるために土地の使い方だけを先に動かし、権利の帰属は最後にまとめて動かす。この二段構えが、使用収益と処分が分かれる理由です。

    同じ発想は76条にも現れています。建築行為等の制限が続く期間は、事業計画の認可等の公告があった日後から「第百三条第四項の公告がある日まで」、すなわち換地処分の公告までです。工事の期間中だけ土地をいじらせない、という趣旨がそのまま期間の定めになっています。仮換地の効力と換地処分は土地区画整理法で扱っています。

    開発許可の効力が公告で切り替わる理由

    開発許可を受けた土地には、工事完了公告の前と後で別々の制限がかかります。37条は、公告があるまでの間は原則として建築物を建築し特定工作物を建設してはならないと定めます。42条は、公告があった後は予定建築物等以外の建築物を新築してはならないと定めます。

    同じ土地に対する制限なのに、内容が違います。公告前は工事が済んでいないので、造成の途中に建物が建つと安全が確保できません。だから建てること自体を止めます。公告後は造成が完了しているので、建てること自体は問題ありません。止めたいのは、許可の前提となった土地利用の計画が事後的に崩れることです。だから予定建築物等に限るという形の制限になります。

    「制限がかかる期間」と「制限の中身」を別々に暗記するとどちらも定着しませんが、公告という一点を境に守るべきものが安全から計画に切り替わる、と理解すれば一つの話になります。

    造成宅地防災区域が工事規制区域を除く理由

    宅地造成及び特定盛土等規制法45条1項は、造成宅地防災区域の指定対象を「一団の造成宅地(これに附帯する道路その他の土地を含み、宅地造成等工事規制区域内の土地を除く。)の区域」としています。かっこ書きで工事規制区域内の土地が外されています。

    理由は、二つの区域が働く場面が違うからです。宅地造成等工事規制区域は、これから行われる工事を許可にかからせる区域です。造成宅地防災区域は、すでに造成が終わっている宅地について、災害のおそれが大きいものに擁壁の設置等の措置を求める区域です。工事規制区域内であれば、工事の段階で許可と検査の網がかかっているので、重ねて指定する必要がありません。

    だから「造成宅地防災区域は宅地造成等工事規制区域内にも指定できる」という選択肢は誤りになります。数字ではなく条文のかっこ書きから出る結論です。二つの区域の関係と、特定盛土等規制区域まで含めた3区域の整理は造成宅地防災区域と特定盛土等規制区域、法律全体の枠組みは盛土規制法で扱っています。

    事後届出が権利取得者の義務である理由

    国土利用計画法23条1項は、土地売買等の契約を締結した場合に、「土地に関する権利の移転又は設定を受けることとなる者」に届出義務を課しています。売主ではなく買主です。

    国土利用計画法が見ようとしているのは、取引後にその土地がどう使われるかです。23条1項5号は届出事項として「土地売買等の契約による土地に関する権利の移転又は設定後における土地の利用目的」を挙げています。利用目的を決めるのは土地を手放す側ではなく、取得する側です。だから届出義務者が権利取得者になります。

    同じ趣旨から、事後届出でもっとも問われる帰結が出ます。24条1項が都道府県知事に認めているのは、「その届出に係る土地の利用目的について必要な変更をすべきこと」を勧告することだけで、対価の額は勧告の対象に入っていません。対価の額は23条1項6号で届出事項にはなっているので、届け出させる範囲と是正させる範囲がずれています。契約はすでに締結された後なので、価格を動かしても取引は元に戻らず、これから先に動かせるのは使い方だけだからです。これに対して契約の前に出させる事前届出では、27条の5第1項1号が予定対価の額を勧告事由に挙げています。契約の前か後かという一点が、勧告の射程を分けています。

    同じ23条の2項2号を読むと、規制区域・注視区域・監視区域に所在する土地については事後届出の規定が適用されないことも書かれています。これらの区域には別に事前の手続が用意されているので、事後届出と重ねる必要がないからです。事後届出の細目は国土利用計画法、注視区域と監視区域の事前届出は国土利用計画法の事前届出で扱っています。

    第2層|数字を覚えるしかない論点

    この節は数字の一覧ではありません。面積・期間・境界語を横断で並べた一覧は法令上の制限の暗記術が、法令別の一覧は都市計画法の数字と建築基準法の数字が持っています。ここで扱うのは、目の前の数字をそもそも第2層に入れてよいのかという判定です。判定を誤ると、覚えなくてよいものを覚えるか、覚えるしかないものを導けると誤解するかのどちらかになります。

    政令に委任されている数値は第2層と考えてよい

    第一の目安は、その数値を法律の条文が直接書いているか、政令に委任しているかです。

    都市計画法29条1項1号は「その規模が、それぞれの区域の区分に応じて政令で定める規模未満であるもの」としか書いていません。市街化区域の1,000平方メートルも、区域区分が定められていない都市計画区域および準都市計画区域の3,000平方メートルも、条例による300平方メートルまでの引下げも、三大都市圏の500平方メートルへの読替えも、すべて施行令19条1項の表と同条2項にあります。29条2項の「政令で定める規模以上」も同じで、1ヘクタールという数値は施行令22条の2にあります。

    盛土規制法も同じ構造です。2条2号・3号が「政令で定める土地の形質の変更」とだけ書き、盛土で高さ1メートル超の崖、切土で2メートル超の崖、同時にする場合で2メートル超の崖、崖を生じない盛土で高さ2メートル超、面積500平方メートル超という5類型は施行令3条にあります。この5類型は宅地造成と特定盛土等の両方の定義を受けているだけで、区域ごとに許可が要るのか届出で足りるのかは別の条文が決めます。区域と規模の対応は盛土規制法と造成宅地防災区域と特定盛土等規制区域で扱っています。

    法律が政令に委任しているということは、その数値が法律の趣旨から一義的には決まらないと立法者自身が認めているということです。だから理由を探しても出てきません。政令委任は、第2層である強い目印になります。

    法律に直接書かれた数値も第2層になる

    ただし逆は成り立ちません。法律の条文に直接書かれていても、趣旨から導けなければ第2層です。

    国土利用計画法23条2項1号は、2,000平方メートル・5,000平方メートル・1万平方メートルという数値を法律の条文に直接書いています。建築基準法6条1項1号・2号の200平方メートル、6条2項の10平方メートル、6条4項の35日と7日、7条2項の4日と7条4項の7日も、すべて法律の条文にあります。しかし、なぜ200平方メートルなのか、なぜ35日なのかを説明する趣旨は、条文のどこにも書かれていません。

    判定の基準は「どこに書いてあるか」ではなく「導けるか」です。政令委任は目印として使えますが、目印がないことは第1層である証明にはなりません。

    数字が書いてあっても、肢の全体が第2層とは限らない

    この判定でもっとも実益があるのは、一つの選択肢のなかで層が分かれる場合です。

    都市計画法29条2項の1ヘクタールという数値は第2層です。しかし、1項が「規模未満なら許可不要」と書き、2項が「規模以上なら許可が必要」と書くという向きの逆転は第1層です。都市計画区域および準都市計画区域の内は開発を規制するのが原則なので、小さいものを例外として外す。区域の外は原則として規制がないので、大きいものだけを例外として捕まえる。原則と例外が逆だから、条文の書き方も逆になります。数値を忘れていても、区域外については「規模以上で許可が必要」と書いてある側が条文どおりだと言えます。

    建築基準法6条2項も同じです。10平方メートルという数値は第2層ですが、この免除が「防火地域及び準防火地域外」に限られていることは第1層です。防火地域と準防火地域は延焼を防ぐために置かれた地域なので、小規模な増築であっても審査の外に出すわけにいきません。だから面積による免除を置きません。数値を思い出せなくても、防火地域または準防火地域の内なら面積の大小を問わず確認が要る、という結論は出せます。

    前節で見た53条3項の建蔽率の加算も同じ形でした。10分の1・10分の2という数値は第2層、加算の対象が防火と角地であることは第1層です。

    つまり、数字が見えた瞬間に肢の全体を保留するのは損です。数値の部分だけを保留し、条件の部分は第1層として処理する。この切り分けができると、数字を覚えていなくても切れる肢が増えます。

    数値には二つの付属情報が必ず付く

    第2層の数値は、単体で覚えても選択肢を切る役には立ちません。付属するのは、どの区域についての数値かということと、境界をどちら側に含むかということの二つです。

    区域のほうは、法令ごとに区域の切り方が違うので取り違えが起きます。開発許可の1,000平方メートルは市街化区域についての数値であって、市街化調整区域には前節で見たとおり面積という入口そのものがありません。国土利用計画法23条2項1号は、イが都市計画法7条1項の市街化区域、ロが同法4条2項の都市計画区域からイを除いたもの、ハが「イ及びロに規定する区域以外の区域」という切り方をしています。都市計画法側の区分とは並びが違うので、同じ区域の名前でも、どの法令の話かによって当たる数値が変わります。区域と数値の対応そのものは法令上の制限の暗記術に一覧があります。

    境界のほうは、条文が規制する側から書いているか除外する側から書いているかで、ちょうどの値がどちらに転ぶかが決まります。都市計画法29条1項1号と国土利用計画法23条2項1号は「未満」を除外する形なので、ちょうどの値は手続が要る側に落ちます。建築基準法6条1項1号と盛土規制法施行令3条5号は「を超える」を対象とする形なので、ちょうどの値は対象外です。境界語が実際にどれだけ操作されているかの実測は引っかけ表現のパターンにあります。

    覚え直しが必要になる数値がある

    第2層には、覚えた内容が古くなるという弱点もあります。

    建築確認がその例です。かつて6条1項は、木造について階数3以上、延べ面積500平方メートル超、高さ13メートル超、軒の高さ9メートル超という基準を置き、木造以外とは別の号で扱っていました。現在の1号は別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物でその用途に供する部分の床面積の合計が200平方メートルを超えるもの、2号は1号に掲げるものを除き2以上の階数を有しまたは延べ面積が200平方メートルを超える建築物で、木造と非木造の区別がありません。3号は前2号以外で、都市計画区域・準都市計画区域・準景観地区の内、または都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて指定する区域内の建築物です。

    第1層であれば古い理解でも大枠は生き残りますが、第2層は数値が置き換わった時点で丸ごと使えなくなります。数値を覚え込む前に、手元の教材や過去問の解説が改正前のものでないかを確認する必要があります。どの法令のどこが動いたかは令和8年度の法改正まとめにまとめています。

    第3層|制度の主体を問う論点

    原則は都道府県知事、ただし読替えが入る

    法令上の制限で登場する許可の多くは、都道府県知事が権者です。開発許可(都市計画法29条)、都市計画施設等の区域内の建築の許可(同法53条)、農地の転用の許可(農地法4条・5条)、盛土規制法12条の工事の許可、森林法の林地開発許可。まずこの原則を土台に置きます。

    ただし条文はいずれもかっこ書きで読替えを用意しています。都市計画法29条1項は、地方自治法252条の19第1項の指定都市または252条の22第1項の中核市の区域内にあっては当該指定都市等の長とします。農地法4条1項は、農林水産大臣が指定する市町村(指定市町村)の区域内にあっては指定市町村の長とし、これをまとめて「都道府県知事等」と呼びます。

    読替えの範囲が法令ごとに違う点が出題の材料になります。都市計画法は指定都市と中核市、農地法は農林水産大臣が指定した市町村です。「都道府県知事」とだけ書かれた選択肢が誤りになるとは限らず、「知事等」「市長」のどちらが正しいかは条文のかっこ書きで決まります。手続の主体を軸にした横断整理は法令上の制限の横断整理で扱っています。

    農地法3条は農業委員会

    農地法でもっとも問われるのが、条ごとに権者が違うことです。3条1項の権利移動は農業委員会の許可、4条1項の転用と5条1項の転用目的の権利移動は都道府県知事等の許可です。

    3条だけが農業委員会である理由は、判断の内容にあります。3条が審査するのは、その人が農地を適切に耕作できるかという地域の実情に関わる事柄です。地域の農業事情を把握している農業委員会が判断する仕組みになっています。これに対し4条・5条は農地を農地でなくす場面なので、土地利用全体の観点から知事等が判断します。

    もっとも4条・5条でも農業委員会が完全に外れるわけではありません。4条2項は、許可の申請書を農業委員会を経由して都道府県知事等に提出することを求め、3項は農業委員会が意見を付して送付するとしています。5条3項がこれを準用します。窓口は農業委員会、決定は知事等、という二段構えです。「経由」と「許可」を混ぜた選択肢が作りやすい箇所です。

    土地区画整理法76条の許可権者

    もっとも取り違えやすいのがここです。土地区画整理法76条1項は、施行地区内で土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更、建築物その他の工作物の新築・改築・増築、政令で定める移動の容易でない物件の設置または堆積をしようとする者に、許可を受けることを求めています。

    許可権者は、国土交通大臣が施行する事業では国土交通大臣、その他の者が施行する事業では都道府県知事です。ただしかっこ書きがあり、「市の区域内において個人施行者、組合若しくは区画整理会社が施行し、又は市が第三条第四項の規定により施行する土地区画整理事業」については当該市の長になります。

    ここで市長になる施行者は4つです。個人施行者、組合、区画整理会社、そして市自身。都市再生機構や地方住宅供給公社などのいわゆる機構等はこの列挙に入っていないので、市の区域内であっても許可権者は都道府県知事のままです。また、この読替えが働くのは「市の区域内」に限られるので、町村の区域内であれば組合施行であっても都道府県知事が許可権者になります。

    つまり組合が施行者であっても、許可を出すのは組合ではありません。施行者と許可権者は別だという点が、この条文の要です。ただし76条2項は、許可をしようとするときは施行者の意見を聴かなければならないとしています。施行者は決定権者ではなく意見を述べる立場に置かれている、という整理になります。「組合施行の土地区画整理事業では組合の許可を受ける」という形の記述は誤りです。施行者の種類ごとの手続の差は土地区画整理事業の施行者で扱っています。

    その他の法令は名称に主体が入っている

    その他の法令の許可権者は、法令名を見れば見当がつく作りになっています。

    河川法26条1項は、河川区域内の土地において工作物を新築し、改築し、または除却しようとする者に河川管理者の許可を求めています。道路法は道路管理者、海岸法は海岸管理者、港湾法は港湾管理者の長。法令名に含まれる語がそのまま管理者の名前になっています。「都道府県知事」と書かれていたら誤りを疑う、という反応を作っておくと処理が速くなります。

    なお河川法9条1項は一級河川の管理を国土交通大臣が行うとしており、二級河川は都道府県知事が管理します。実質的には大臣や知事が権者になる場面があるわけですが、26条1項が名宛人としているのはあくまで河川管理者です。選択肢が「河川管理者」と書けば正しく、「都道府県知事」と限定すれば誤りになる、という切り方をします。

    名称から導けない3つ

    これとは別系統なのが、文化財保護法、自然公園法、生産緑地法です。

    文化財保護法125条1項は、史跡名勝天然記念物に関しその現状を変更し、またはその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは文化庁長官の許可を受けなければならないとしています。都道府県教育委員会ではありません。

    自然公園法20条3項は、特別地域内における工作物の新築・改築・増築、木竹の伐採、土石の採取などについて、「国立公園にあつては環境大臣の、国定公園にあつては都道府県知事の許可」を受けなければならないとしています。公園の種類で主体が分かれる形です。

    生産緑地法8条1項は、生産緑地地区内における建築物その他の工作物の新築・改築・増築、宅地の造成、土石の採取その他の土地の形質の変更、水面の埋立てまたは干拓について、市町村長の許可を求めています。都道府県知事ではありません。

    これらは名称から導けないので、第3層のなかでも純粋に覚える部分になります。一覧はその他の法令上の制限に集めています。

    届出先は許可権者とずれることがある

    主体の論点は許可だけではありません。国土利用計画法の事後届出は、都道府県知事に対して行いますが、提出は市町村長を経由します。農地法の市街化区域内の特例は、4条・5条の許可が知事等であるのに対し、届出先は農業委員会です。

    許可権者と届出先が一致しない場面があるということ自体が、出題の材料になります。宅建業法側にも、届出先と免許権者がずれる制度として案内所等の届出があります。免許権者と所在地の知事の両方に届け出るという構造は案内所等の届出と標識で扱っています。制度をまたいで「誰に出すか」を問う形は、科目を越えて共通する出題の型です。

    層の判定を誤るとどうなるか

    第1層を第2層として扱う

    もっともよくある誤りが、趣旨から導ける論点を数字として覚えようとすることです。

    市街化調整区域の開発許可について、「面積要件なし」と暗記カードに書いたとします。これは一見すると正しい知識ですが、覚え方としては第2層の扱いです。すると「市街化調整区域内で行う農業を営む者の居住の用に供する建築物のための開発行為」が出てきたときに、面積の話しか持っていないので判断が止まります。29条1項2号という別の入口があることは、面積要件の暗記カードには書かれていないからです。

    区域の性格から導く形で持っていれば、抑制側の区域には面積の入口がないかわりに農林漁業の例外が置かれている、という2つの帰結が同じ理解から出てきます。カードを2枚に増やすのではなく、理解を1つ持つほうが安定します。

    第2層を第1層として扱う

    逆の誤りもあります。政令が決めた線引きに意味を求めて、時間を溶かす形です。

    なぜ市街化区域は1,000平方メートルで、非線引き区域は3,000平方メートルなのか。市街化の程度が違うから、という説明はできますが、では1,000と3,000の比が3倍である理由は説明できません。ここに納得を求めても、記憶は強くなりません。第2層と判定したら、意味づけはあきらめて反復に回します。

    判定の目安は、その数字を条文が直接書いているか、政令に委任しているかです。政令に委任されている数字は、政策的な線引きである可能性が高く、第2層に入ります。開発許可の1,000・3,000・10,000も、盛土規制法の1メートル・2メートル・500平方メートルも、いずれも政令が定めています。逆に国土利用計画法の2,000・5,000・10,000は法律の条文に直接書かれていますが、これも数字である以上は第2層です。

    第3層を第1層として扱う

    主体の論点は、趣旨からある程度は導けます。地域の農業事情を知っているのは農業委員会だ、河川を管理しているのは河川管理者だ、という説明は成り立ちます。

    しかし完全には導けません。史跡名勝天然記念物の現状変更が文化庁長官の許可であることは、趣旨から演繹できる範囲を超えています。文化財だから教育委員会だろう、という推論はもっともらしく、そして誤りです。導けるものと導けないものを混ぜて「全部導ける」と思うと、導けないところで確信をもって間違えます。

    第3層は、導ける部分は導きつつ、導けない例外を名前で覚える。この二重化が必要です。

    手順の論点を知識として扱う

    4つ目の誤りが、次の節で扱う計算問題を知識の問題として処理しようとすることです。

    建蔽率の加算が10分の1であること、前面道路が12メートル未満なら幅員に一定の数値を乗じることは、いずれも知識として書き出せます。しかし書き出せることと、制限時間内に条件を落とさず順番どおり適用できることは別です。解説を読んで納得した時点で「わかった」と判定してしまうと、本番で条件を1つ飛ばします。

    手順の論点は、正解できたかどうかではなく、同じ手順で解けたかどうかで到達を測ります。前回と違う順番で解いて偶然合っていたなら、まだ手順が固まっていません。第1層から第3層は「知っているか」で測れますが、手順の論点だけは「毎回同じ動きができるか」で測る必要があります。

    3層に収まらない論点|手順で扱う

    建蔽率と容積率の計算は第4の性質を持つ

    3層の分類に収まらない論点があります。建蔽率と容積率の計算問題です。

    これは理解の対象でも、記憶の対象でも、連想の対象でもありません。決まった手順を順番どおりに実行できるかが問われる、作業の論点です。ピアノの運指に近く、知っているだけでは手が動かず、繰り返して身体に入れる必要があります。

    手順のどこでつまずくかは決まっている

    計算そのものは四則演算です。つまずくのは、条件の適用順序と、条件の見落としです。

    容積率では、都市計画で定められた数値と、前面道路の幅員から導かれる数値の小さいほうを採る必要があります。建築基準法52条2項は、前面道路(2以上あるときは幅員の最大のもの)の幅員が12メートル未満である建築物の容積率について、幅員のメートルの数値に一定の数値を乗じたもの以下でなければならないとしています。乗じる数値は、低層住居専用地域・田園住居地域が10分の4(1号)、中高層住居専用地域と住居系の地域が10分の4で特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内では10分の6(2号)、その他の建築物が10分の6で同じく指定区域内では10分の4または10分の8のうち特定行政庁が定めるもの(3号)です。3号にもかっこ書きが付いている点は落としやすく、しかも指定によって数値が上にも下にも動きます。この比較を飛ばすと、指定容積率をそのまま使ってしまいます。

    建蔽率では、前述のとおり53条3項の加算と53条6項の適用除外を取り違えると答えが変わります。加算は数値に10分の1または10分の2を足す処理、適用除外はそもそも制限がかからない処理です。

    敷地が2以上の用途地域にわたる場合は、それぞれの地域の割合を面積で按分して計算します。建蔽率は53条2項、容積率は52条7項がこの処理を定めています。53条2項は「当該各地域又は区域内の建築物の建蔽率の限度にその敷地の当該地域又は区域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計以下」という書き方で、加重平均を条文の言葉で表現したものです。計算の手順は建蔽率・容積率の計算、計算問題全般の落とし穴は宅建の計算問題で扱っています。

    手順の論点は計算だけではない

    面積の数え方も同じ性質を持ちます。国土利用計画法の一団の土地の判定、開発許可における開発区域の切り分け、敷地が防火地域の内外にわたる場合の53条7項・8項のみなし規定。いずれも知識ではなく、条件を順番に当てはめる作業です。

    建築基準法65条もこの型です。建築物が防火地域または準防火地域と、これらの地域として指定されていない区域にわたる場合は、その全部について防火地域または準防火地域内の建築物に関する規定を適用します。防火地域と準防火地域にわたる場合は、その全部について防火地域内の規定を適用します。いずれも防火壁で区画されている場合の例外が付きます。厳しいほうに寄せる、という一言で覚えるのではなく、どちらの項が働く場面かを毎回判定する手順にしておくと取りこぼしません。防火地域の制限そのものは防火地域と準防火地域で扱っています。

    手順は書き出して固定する

    作業の論点は、頭のなかで処理しようとすると順序が飛びます。用紙の余白に、敷地面積、用途地域、指定建蔽率、指定容積率、前面道路の幅員、防火地域か、角地か、という項目を毎回同じ順で書き出す型を決めておきます。

    型が固定されていれば、条件を1つ落としても書き出しの段階で気づけます。計算問題は、解法を覚える科目ではなく、型を反復する科目です。

    4肢を層に仕分けて解く

    最初の一読で層のラベルを貼る

    本番で使う形にすると、3層の分類は解答手順になります。1問4肢を読むとき、各肢に層のラベルを貼りながら進みます。

    数字が書いてある肢は第2層の候補、役所の名前が書いてある肢は第3層の候補、区域の名前や制度の目的が書いてある肢は第1層の候補です。ラベルを貼ると、どの肢が自分の得意な層に属しているかが見えます。

    第3層の肢から処理する

    処理の順序は、第3層、第1層、第2層の順が効率的です。

    第3層の肢は、主体が合っているかどうかだけで切れることがあります。中身を読み込む必要がなく、判断が速い。「河川法に基づく許可を都道府県知事から受ける」と書いてあれば、後段の内容を読まずに誤りと判定できます。

    第1層の肢は、趣旨に照らして方向が合っているかを見ます。抑制すべき区域で規制が緩む方向、農地を守る法律で農地の保護が薄まる方向の記述は、原則として誤りを疑います。ここも比較的速く処理できます。

    第2層の肢は最後です。数字が思い出せなければ保留し、他の3肢の判定で答えが確定するかを先に確かめます。4肢のうち3肢が確実に誤りと判定できれば、残る1肢の数字を思い出せなくても正解にたどり着きます。

    「正しいものはどれか」と「誤っているものはどれか」で戦術が変わる

    誤っているものを1つ選ぶ問題で速いのは、第3層の肢です。主体の誤りは、条文の名宛人にあたる1語を入れ替えるだけで成立し、肢の残りの部分は条文どおりのまま置けます。逆に言えば、後段がどれだけ正確に書かれていても主体が違えば誤りなので、後段を読む前に判定が終わります。第3層の肢を先に処理する手順は、この形式と相性がよくなります。

    正しいものを1つ選ぶ問題では、逆に3肢を切る作業になります。ここでは第1層の肢が武器になります。趣旨に反する方向の記述を3つ見つければ、残った1肢の数字を検算する必要すらありません。

    8問にかける時間を層で配分する

    法令上の制限の8問で時間を食うのは、第2層の数字を思い出そうとする場面と、計算問題です。第1層と第3層の肢は判定が速いので、ここで時間を稼ぎます。

    数字が思い出せないときに粘る時間の上限を、自分で決めておきます。第2層の数字は覚えているか覚えていないかのどちらかで、その場で考えて導ける性質のものではありません。だから粘っても状態は変わりません。保留して次の肢に進み、他の3肢の判定だけで答えが確定するかを先に見るほうが合理的です。科目全体の時間配分は科目別攻略法で扱っています。

    6法令を層の配合で見る

    都市計画法は3層がすべて混ざる

    法令ごとに、3層の配合が違います。配合を知っておくと、その法令に対する構えが決まります。

    都市計画法は3層がすべて混ざる法令です。区域区分と都市計画の内容は第1層、開発許可の面積は第2層、開発許可と53条の許可の権者は第3層。2問出るうえに範囲も広いので、層を意識せずに読むともっとも混乱しやすい法令になります。全体像は都市計画法の全体像、地域地区の種類と決定権者は都市計画の種類、地区計画は地区計画、区域内の建築制限は都市計画制限で扱っています。

    建築基準法は第2層と手順の論点に偏る

    建築基準法は、第1層が単体規定と集団規定の区別にほぼ集約され、残りは第2層の数字と、計算という手順の論点に偏ります。用途制限、建蔽率、容積率、高さ制限、日影規制、防火地域の制限。いずれも数値と適用範囲の話です。

    そのため、建築基準法だけは「理解してから覚える」という順序が効きにくくなります。理解すべき部分が少ないので、早い段階で数字の反復に入って構いません。高さ制限は高さ制限と斜線制限で扱っています。

    農地法は第1層と第3層が中心

    農地法は、条ごとの守備範囲の違いという第1層と、条ごとの許可権者という第3層で大半が構成されます。数字はほとんどありません。4条4項が、農業委員会が知事等に意見を述べるにあたりあらかじめ都道府県機構の意見を聴かなければならない場合を「同一の事業の目的に供するため三十アールを超える農地」に係る申請に限っている、という程度です。3条の3の権利取得の届出にいたっては期限が「遅滞なく」で、数値がそもそも書かれていません。第2層の負担がもっとも軽い法令です。

    出題の幅も狭く、3条・4条・5条の切り分け、市街化区域の特例、許可を欠いた場合の効果という3点にほぼ収まります。投じた時間が得点に直結しやすい領域です。

    国土利用計画法は第2層と第3層

    国土利用計画法は、面積と期間という第2層、届出義務者と届出先という第3層で構成されます。第1層に当たるのは、なぜ権利取得者が届け出るのかという一点くらいです。

    そのかわり数字の量は多くありません。事後届出の2,000・5,000・10,000平方メートルと2週間、事前届出の6週間。この程度です。事前届出の仕組みは国土利用計画法の事前届出で扱っています。

    盛土規制法と土地区画整理法

    盛土規制法は、区域の種類という第1層と、規模という第2層の組合せです。3つの区域がそれぞれ何のために置かれているかを押さえると、規模の数字が位置づけられます。

    土地区画整理法は、仮換地と換地処分という第1層が中心で、そこに76条の許可権者という第3層が乗ります。数字はほとんど出ません。施行者の種類によって手続が分岐する点は第3層の応用にあたります。

    その他の法令は第3層だけ

    その他の法令は、ほぼ第3層だけで構成されます。区域の名前と許可権者の対応、そして許可なのか届出なのかという2点です。

    裏を返せば、対応さえ持っていれば内容を知らなくても選択肢を切れます。学習コストがもっとも低く、得点への効き方がもっとも直接的な部分です。

    試験での出題ポイント

    第1層の論点は数字を混ぜて崩される

    趣旨から導ける論点は、そのままでは易しいので、第2層の数字を混ぜて作られます。

    たとえば市街化調整区域について、面積要件があるかのような選択肢を作る。市街化区域内の農地について、3条まで届出で足りるとする。いずれも趣旨を理解していれば数字を知らなくても切れますが、数字が書いてあると数字の記憶を探しに行ってしまい、判断が止まります。

    数字が出てきたときに、まずその論点が第1層なのか第2層なのかを見分ける。第1層なら数字は飾りです。

    正しい層に目を向けさせて、別の層で誤らせる

    1つの肢のなかに第1層と第2層を同居させ、正しく書かれているほうに視線を集める形があります。

    「市街化調整区域内において行う開発行為で、その規模が1,000平方メートル未満のものについては、開発許可を受ける必要がない」という肢がその型です。1,000平方メートルという数値は、施行令19条1項の表が市街化区域について定めている値そのもので、数値としては実在します。数値の記憶を確認しに行くと、正しいという感触だけが返ってきます。

    しかし切る根拠は数値の側にありません。29条1項1号の列挙に市街化調整区域が入っていない、という条文の建て付けだけで決まります。数値が正しいことと、その数値がその区域に当たることは別の話です。数字が見えたら、まずその数字がどの区域についての数字かを確認する。境界の語をどう操作されるかも含め、表現の側からの整理は引っかけ表現のパターンにあります。

    主体をそれらしい役所に置き換える

    第3層では、正しい主体をもっともらしい別の役所に置き換えます。農地法3条を都道府県知事にする。土地区画整理法76条を組合にする。河川法を都道府県知事にする。文化財保護法を都道府県教育委員会にする。生産緑地法を都道府県知事にする。

    いずれも一見すると自然に読めるので、法令名と主体の対応を連想として持っていないと気づけません。逆に対応を持っていれば、内容を読まなくても主体だけで切れる選択肢があります。

    かっこ書きの限定を落とす

    条文のかっこ書きを落とした形も定番です。造成宅地防災区域について「宅地造成等工事規制区域内の土地を除く」を落とす。土地区画整理法76条について「市の区域内において」を落として、町村でも市長が許可すると読ませる。建蔽率の加算について「建蔽率の限度が10分の8とされている地域を除く」を落とす。

    かっこ書きは条文を読むときに飛ばしがちですが、出題はそこを見ています。条文を引くときに、かっこ書きだけを別に読み直す習慣をつけておくと拾えます。

    改正が入った箇所は狙われる

    旧制度の知識のままだと正しく読めてしまう選択肢は、作問側から見て使いやすい素材です。建築確認の規模区分から木造と非木造の区別が消えたこと、53条3項の加算の対象が「耐火建築物等」「準耐火建築物等」という書き方になり準防火地域内の準耐火建築物等まで含むようになったこと、防火地域と準防火地域の建築物の規定が61条にまとめられ62条が屋根の規定になったこと、宅地造成等規制法が宅地造成及び特定盛土等規制法に改組されたこと。いずれも近年の改正で条文の側が動いた箇所です。

    一方で、令和8年度の基準日である2026年4月1日の時点では、法令上の制限の主要6法の法律本体に新たな実体改正は入っていません。都市計画法・建築基準法・土地区画整理法には基準日より後に施行される改正がありますが、本則の条文は動いていません。都市計画法施行令には2026年4月1日施行の改正がありますが、開発許可の規模を定める19条と22条の2は変わっていません。どの法令のどこが動き、どこが動いていないかは令和8年度の法改正まとめで条文単位の確認結果を示しています。

    覚え方・整理の仕方

    論点に出会ったら層を判定する

    新しい論点を学ぶとき、最初に「これはどの層か」を判定する習慣をつけます。

    その制度が何のためにあるかで説明できるなら第1層。政令が決めた線引きなら第2層。誰が出すかの話なら第3層。判定してから、それぞれに合った覚え方を選びます。

    この一手が入るだけで、覚えなくてよいものを覚える無駄がなくなります。法令上の制限を重く感じる原因の多くは、第1層を第2層として扱っていることにあります。

    第1層は「区域の性格」に還元する

    都市計画法の論点の多くは、区域の性格に還元できます。市街化区域は進める区域、市街化調整区域は抑える区域。この2語で、開発許可の面積要件の有無も、農林漁業用建築物の例外の有無も、用途地域を定めるかどうかも、農地転用の特例の有無も説明がつきます。

    4つの帰結が1つの理解から出てくるので、覚える単位が4分の1になります。条文の定義規定を1回読んでおけば、以降は導けます。7条2項と3項は、暗記ではなく理解の対象です。

    第2層は条件を切り離してから覚える

    数字を覚えるカードを作る前に、その論点から条件の部分を切り離します。切り離した条件は第1層に回し、カードに残すのは数値と、その数値が当たる区域と、境界の語だけにします。

    たとえば建築基準法6条2項なら、カードに書くのは「防火地域・準防火地域外/床面積の合計10平方メートル以内/確認不要」です。「防火地域の内なら面積を問わず確認が要る」という部分は、延焼を防ぐ地域だからという理由とともに第1層に置き、カードには書きません。理由のあるものを数字カードに混ぜると、カードの枚数が増えるだけでなく、理由の側を思い出す回路が育たなくなります。

    数値そのものを法令をまたいで並べ直す作業は、この記事ではなく法令上の制限の暗記術の担当です。面積・期間・境界語の三本立てで整理されているので、カードの中身はそちらから取ってきて構いません。

    第3層は「原則知事、例外を名前で」

    主体は、原則を都道府県知事に固定し、そこから外れるものだけを名前で覚えます。

    • 農地法3条は農業委員会
    • 土地区画整理法76条は都道府県知事、市の区域内で個人施行者・組合・区画整理会社・市が施行するものは市長
    • 道路法、河川法、海岸法、港湾法は法令名と同じ管理者
    • 文化財保護法は文化庁長官
    • 自然公園法は国立公園が環境大臣、国定公園が都道府県知事
    • 生産緑地法は市町村長

    外れるものだけを並べれば、この程度の分量です。全部を覚えようとするより負担が軽くなります。加えて、都市計画法の指定都市等、農地法の指定市町村という読替えを2つ持っておけば、市長が出てくる場面で慌てずに済みます。

    着手の順序は第1層、第3層、第2層

    3層のうち最初に着手するのは第1層です。区域の性格と制度の目的を先に入れておくと、後から出てくる数値が「何のための線引きか」という位置づけを持って入ってきます。数値から先に入れると、位置づけのない数列を持つことになり、似た数値どうしが干渉します。

    次が第3層です。分量が限られているうえに、1つの肢が主体だけで切れることがあるので、投じた時間が最も早く得点に変わります。原則を都道府県知事に固定し、農地法3条の農業委員会、土地区画整理法76条の市長になる4類型、名称に管理者が入る道路法・河川法・海岸法・港湾法、名称から導けない文化財保護法・自然公園法・生産緑地法を並べれば足ります。

    第2層は最後まで残ります。理解でも連想でもないので、間隔を空けた反復以外に定着させる方法がありません。裏を返せば、第1層と第3層を先に固めておけば、直前期の時間を第2層の反復だけに使えます。語呂合わせをどこまで使うかの見極めは宅建の語呂合わせで扱っています。

    迷ったら「誰を守る制度か」に戻る

    正誤に迷ったときは、その制度が誰の何を守るために置かれているかに戻ります。開発許可は無秩序な市街化を防ぐため。建築確認は建築物の安全を確保するため。農地法は農地を守り耕作者の地位を安定させるため。国土利用計画法は土地の投機的取引を抑え適正な利用を図るため。盛土規制法は盛土等による崖崩れや土砂の流出という災害を防ぐため。

    制度の目的を思い出すと、その場面で規制を緩める方向が正しいのか、厳しくする方向が正しいのかの見当がつきます。第1層の論点であれば、これだけで結論に届くことがあります。

    理解度チェッククイズ

    Q1. 市街化調整区域内において行う開発行為であっても、その規模が1,000平方メートル未満であれば、開発許可を受ける必要はない。

    答えを見る 誤り。都市計画法29条1項1号が規模による適用除外を置いているのは、市街化区域、区域区分が定められていない都市計画区域および準都市計画区域です。市街化調整区域は列挙に含まれていません。都市計画法7条3項が市街化調整区域を「市街化を抑制すべき区域」と定めている以上、規模が小さいことを理由に許可を不要とする理屈が成り立たないためです。面積にかかわらず原則として許可が必要になります。なお、同項2号の農林漁業用建築物等のための開発行為という別の入口は市街化調整区域にも用意されており、こちらは規模を問いません。

    Q2. 市街化区域内にある農地について、耕作の目的で所有権を移転する場合は、あらかじめ農業委員会に届け出れば農地法3条の許可を受ける必要はない。

    答えを見る 誤り。市街化区域内の農地について届出で足りる特例が置かれているのは、4条1項7号の転用と5条1項6号の転用目的の権利移動です。3条の権利移動、すなわち農地を農地のまま移転する場合には特例がなく、市街化区域内であっても農業委員会の許可が必要です。3条が守ろうとしているのは農地の効率的な利用と耕作者の地位の安定であり、市街化の進み方とは関係がないためです。なお3条1項の許可を受けないでした行為は、3条6項により効力を生じません。

    Q3. 組合が施行する土地区画整理事業の施行地区内において建築物の新築を行おうとする者は、当該組合の許可を受けなければならない。

    答えを見る 誤り。土地区画整理法76条1項の許可権者は、国土交通大臣が施行する事業では国土交通大臣、その他の者が施行する事業では都道府県知事です。ただし市の区域内において個人施行者、組合もしくは区画整理会社が施行し、または市が3条4項の規定により施行する事業については、当該市の長が許可権者になります。組合が施行者であっても、許可を出すのは組合ではありません。もっとも76条2項は、許可をしようとするときは施行者の意見を聴かなければならないとしており、施行者は意見を述べる立場に置かれています。施行者と許可権者が別であることが、この条文の要点です。

    Q4. 建築基準法6条1項により建築確認が必要となるのは、木造の建築物については階数が3以上または延べ面積が500平方メートルを超えるものである。

    答えを見る 誤り。改正前は木造について階数3以上、延べ面積500平方メートル超などの基準が置かれ、木造以外とは別の号で扱われていましたが、現在は木造と非木造の区別がなくなっています。6条1項2号は、1号の特殊建築物を除き、2以上の階数を有し、または延べ面積が200平方メートルを超える建築物としています。古い教材や過去問の解説には旧区分が残っているので注意が必要です。

    Q5. 河川法に基づく河川区域内の土地において工作物を新築しようとする場合、都道府県知事の許可を受けなければならない。

    答えを見る 誤り。河川法26条1項が求めているのは河川管理者の許可です。河川管理者は、9条1項により一級河川が国土交通大臣、二級河川が都道府県知事となりますが、条文上の名宛人はあくまで河川管理者であり、選択肢が「都道府県知事」と限定していれば誤りになります。道路法は道路管理者、海岸法は海岸管理者、港湾法は港湾管理者の長というように、法令名に含まれる語がそのまま主体になる型を押さえておきます。

    Q6. 造成宅地防災区域は、宅地造成等工事規制区域内の土地についても指定することができる。

    答えを見る 誤り。宅地造成及び特定盛土等規制法45条1項は、指定の対象を「一団の造成宅地(これに附帯する道路その他の土地を含み、宅地造成等工事規制区域内の土地を除く。)の区域」としており、かっこ書きで工事規制区域内の土地を除外しています。工事規制区域は、これから行われる工事を許可にかからせる区域であり、工事の段階で規制の網がかかっているため、すでに造成が終わった宅地を対象とする造成宅地防災区域を重ねて指定する必要がないからです。なお同条2項は、災害の防止のため必要な措置が講じられて指定の事由がなくなったときに指定を解除するものとしています。

    まとめ

    法令上の制限を3層に分けて整理します。

    出題は問15から問22までの8問で、都市計画法と建築基準法で4問、国土利用計画法、農地法、盛土規制法、土地区画整理法が1問ずつという構成です。この枠が動かないので、時間配分を先に決められます。

    第1層は制度の趣旨から導ける論点です。市街化調整区域に面積の入口がないこと、農林漁業用建築物の例外が市街化区域にないこと、市街化区域には少なくとも用途地域を定め市街化調整区域には原則として定めないこと、市街化区域内の農地の転用が届出で足りること、仮換地で使用収益だけが移ること、開発許可の制限が工事完了公告を境に切り替わること、建蔽率の緩和が防火と角地に付くこと。いずれも条文の定義や制度の目的から説明でき、暗記の対象ではありません。

    第2層は数字を覚えるしかない論点です。開発許可の1,000・3,000・10,000平方メートルと条例による300までの引下げ、建築確認の200平方メートルと増改築の10平方メートル、国土法の2,000・5,000・10,000平方メートルと2週間、盛土規制法の1メートル・2メートル・500平方メートル。数字は必ず「以上」か「超」かとセットで持ちます。

    第3層は制度の主体を問う論点です。原則は都道府県知事で、農地法3条の農業委員会、土地区画整理法76条の都道府県知事または市長、道路法・河川法・海岸法・港湾法の各管理者、文化財保護法の文化庁長官、自然公園法の環境大臣または都道府県知事、生産緑地法の市町村長が例外にあたります。都市計画法の指定都市等、農地法の指定市町村という読替えも合わせて持ちます。

    そして3層に収まらない計算と面積の数え方は、作業の論点として手順を固定します。

    宅建試験AIブートラボの肢別トレーニングでは、法令上の制限の問15から問22にあたる肢を法令別・単元別に演習できます。論点に出会ったらどの層かを判定しながら進めてください。

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    都市計画法・建築基準法・農地法は数字の暗記が中心です。繰り返しの肢別トレーニングが一番効きます。

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