復権ふっけん
破産者が、破産によって受けていた資格の制限を解かれることで、免責許可の決定が確定したときなどに当然に復権するほか、債務の全部について責任を免れたときは申立てにより裁判所が復権の決定をします(破産法255条・256条)。つまり、破産者で復権を得ない者は免許も登録も受けられませんが、復権を得れば5年を待たずに直ちに受けられます。
会社の経営に失敗して自己破産した人も、そのまま一生、不動産の仕事ができなくなるわけではありません。破産手続開始の決定を受けると、宅建業法では「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」として、免許も登録も受けられなくなります(5条1項1号、18条1項2号)。多くの場合、借金の支払義務を免れる免責許可の決定が確定すると、それだけで復権します(破産法255条1項1号)。復権を得れば、その日から5年を待たずに、直ちに免許を受けられます。

復権は、免責の確定などで当然に得られます
免責許可の決定が確定したときなどは、手続をしなくても当然に復権します(破産法255条1項)。債務を全部弁済するなどして責任を免れたときは、本人の申立てにより、裁判所が復権の決定をします(同法256条1項)。復権の効果は人の資格に関する法令の定めによるとされ(同法255条2項)、宅建業法は「復権を得ない者」だけを欠格にしています。
復権を得れば、5年を待たずに直ちに受けられます
5条1項の多くの事由は「5年を経過しない者」という形ですが、1号の破産だけは「復権を得ない者」とだけ書かれ、期間が付いていません。そのため、復権を得た時点で欠格事由から外れ、復権の日から5年を待つ必要はありません。条文に理由は書いていませんが、破産は罪を犯したことではなく経済的な行き詰まりなので、立ち直った人をそれ以上締め出さないためと考えられます。
業者が破産したら、破産管財人が30日以内に届け出ます
宅地建物取引業者について破産手続開始の決定があったときは、その破産管財人が、その日から30日以内に免許権者に届け出ます(11条1項3号)。届け出るのは代表役員ではなく破産管財人で、免許は届出があった時に効力を失います(11条2項)。破産手続開始の決定の日にさかのぼって失効するのではありません。宅地建物取引士が破産したときは、本人が30日以内に登録をしている知事に届け出ます(21条2号)。

破産法 255条1項(抜粋)破産者は、次に掲げる事由のいずれかに該当する場合には、復権する。次条第一項の復権の決定が確定したときも、同様とする。一 免責許可の決定が確定したとき。…
試験ではこう問われる
- 破産手続開始の決定を受けても、復権を得れば直ちに免許を受けられる。「復権を得た場合においても受けられない」は誤り
- 取締役が破産しても、復権を得れば法人は直ちに免許を受けられる。「復権を得た日から5年を経過しなければ受けられない」は誤り
- 業者について破産手続開始の決定があったときは、破産管財人が30日以内に免許権者に届け出る。代表役員が届け出るのではない
- 破産による免許の失効は届出があった時。破産手続開始の決定の日をもって失効するのではない
- 宅地建物取引士の登録も、破産して復権を得ない者は受けられない。登録を受けている取引士が破産したら、本人が30日以内に届け出る
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