罰金刑で欠格となる罪ばっきんけいでけっかくとなるつみ
罰金の刑でも、刑の執行を終わるなどした日から5年間、免許や登録を受けられなくなる罪で、宅建業法と暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の違反、刑法の傷害・現場助勢・暴行・凶器準備集合・脅迫・背任の罪、暴力行為等処罰に関する法律の罪に限られます(5条1項6号、18条1項7号)。つまり、罰金で済んだ罪のうち、法律が名指しした罪だけが欠格になります。
罰金は拘禁刑より軽い刑で、刑務所に入らず、お金を納めて終わります。拘禁刑ならどんな罪でも欠格になりますが、罰金の場合は、5条1項6号が名指しした罪で処せられたときだけ欠格になります。宅建業法の違反で罰金を受けた個人の業者や、脅迫罪で罰金を受けた取締役がいる会社は、刑の執行を終わってから5年間、免許を受けられません。所得税法違反や道路交通法違反、器物損壊の罪による罰金では、欠格になりません。

欠格になるのは、宅建業法の違反と、暴力や背任の罪です
6号が挙げるのは、宅建業法の違反、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の違反、刑法の傷害(204条)、現場助勢(206条)、暴行(208条)、凶器準備集合(208条の2)、脅迫(222条)、背任(247条)の罪、それに暴力行為等処罰に関する法律の罪です。条文に理由は書いていませんが、業者として守るべき法律に背いたこと、人に暴力をふるったり脅したりしたこと、任された他人の財産を害したことは、罰金で済む程度でも取引の相手を危うくするためと考えられます。詐欺罪や横領罪は法定刑に罰金がなく、処せられれば拘禁刑になるので、5号の拘禁刑の欠格に当たります(刑法246条・252条)。
罰金より軽い拘留や科料、行政上の過料は欠格になりません
刑の重さの順は、死刑、拘禁刑、罰金、拘留、科料です(刑法9条・10条)。6号が欠格にするのは罰金の刑に限られるので、侮辱罪で拘留や科料に処せられても欠格になりません。宅建業法にも、取引士証を返納しないときなどの10万円以下の過料がありますが(86条)、過料は刑罰ではないので、これも欠格事由に当たりません。
専任の取引士の罰金は、役員でなければ法人を欠格にしません
法人の免許で審査されるのは、法人そのものと、その役員と政令で定める使用人です(5条1項12号)。専任の宅地建物取引士は、この中に入っていません。そのため、専任の取引士が罰金の刑を受けても、その人が役員や支店の代表者を兼ねていない限り、法人の免許には響きません。ただし、6号と同じ罪による罰金なら、取引士本人の登録は欠格事由に当たり、消除されます(18条1項7号、68条の2第1項1号)。

宅地建物取引業法 5条1項6号この法律若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律…の規定…に違反したことにより、又は刑法…第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律…の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
試験ではこう問われる
- 罰金で欠格になるのは、宅建業法違反、傷害・現場助勢・暴行・凶器準備集合・脅迫・背任の罪など。個人の業者が宅建業法違反で罰金の刑に処せられれば、免許は取り消される
- 非常勤の取締役が脅迫罪で罰金の刑に処せられれば、法人の免許は取り消される
- 取締役が所得税法違反で罰金の刑に処せられても、法人の免許は取り消されない
- 役員に宅建業法違反で罰金の刑に処せられた者がいる法人は、刑の執行が終わって5年を経過するまで免許を受けられない
- 専任の宅地建物取引士が器物損壊の罪で罰金の刑に処せられても、法人の欠格事由にならない。器物損壊は名指しされた罪でなく、専任の取引士は役員等でなければ審査の対象でもない
- 立入検査を拒んだ業者は50万円以下の罰金に処せられることがある
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