都市再生特別地区としさいせいとくべつちく
都市再生緊急整備地域の中で、都市の再生に貢献し、土地の合理的かつ健全な高度利用を図る特別の用途、容積、高さ、配列等の建築物の建築を誘導するために、都市計画に定める地区です。つまり、用途地域の一般の制限を外して、その地区の都市計画に書いた数値と用途で建てさせる地区です。
東京駅前や大阪駅前の超高層ビルは、用途地域の容積率や斜線制限のままでは建ちません。国が政令で指定した都市再生緊急整備地域の中に、都道府県が都市計画で都市再生特別地区を定め、誘導すべき用途、容積率の最高限度と最低限度、建蔽率の最高限度、建築面積の最低限度、高さの最高限度、壁面の位置の制限をその地区のために書きます。地区の中では、用途地域の数値ではなく、この都市計画の数値が直接の基準になります。建築基準法60条の2が、地区内の建物にどの規定を適用し、どの規定を適用しないかを定めています。

容積率、建蔽率、建築面積、高さは都市計画の内容に合わせます
都市再生特別地区内の建築物の容積率と建蔽率、建築面積、高さは、都市再生特別地区に関する都市計画において定められた内容に適合しなければなりません(60条の2第1項)。壁や柱も、都市計画で定めた壁面の位置の制限に反して建てられません(同2項)。都市計画で定めた容積率の最高限度は、52条1項各号の数値とみなして容積率の規定が適用されます(同4項)。用途地域の数値は街の面全体に一律にかける決まりですが、この地区は一件ごとに計画を練って決めるので、その計画の数値をそのまま基準にします。
誘導すべき用途の建築物には、用途地域の用途制限を適用しません
都市再生特別地区に関する都市計画において定められた誘導すべき用途に供する建築物については、48条から49条の2までの規定を適用しません(60条の2第3項)。都市計画で業務施設や国際会議場を誘導すべき用途と定めれば、用途地域が住居系であってもそれらを建てられます。都市の再生に必要な用途をその場所に呼び込むことが、この地区を定める狙いそのものだからです。
斜線制限と高度地区は適用されず、日影は区域外の扱いです
地区内の建築物には、56条の斜線制限、57条の4の特例容積率適用地区内の高さの限度、58条の高度地区、60条の3第2項の特定用途誘導地区の高さの限度を適用しません(60条の2第5項)。高さは都市計画で最高限度を直接定めるので、道路や隣地からの斜線で抑える必要がないからです。日影規制については、地区内の建築物を対象区域の外にある建築物とみなして56条の2を適用します(同6項)。地区の中では規制を受けませんが、区域の外から周りの土地に日影を落とす建物としての扱いは残ります。

建築基準法 60条の2第1項都市再生特別地区内においては、建築物の容積率及び建蔽率、建築物の建築面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、それぞれの建築面積)並びに建築物の高さは、都市再生特別地区に関する都市計画において定められた内容に適合するものでなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。
試験ではこう問われる
- 建築物の容積率、建蔽率、建築面積、高さは、都市再生特別地区に関する都市計画で定められた内容に適合しなければならない(60条の2第1項)
- 地区内の建築物には、56条(斜線制限)、58条(高度地区)などの規定を適用しない(60条の2第5項)。「高さは56条の高さの制限に関する規定に適合させる必要がある」は誤り
- 都市計画で定めた誘導すべき用途に供する建築物には、用途地域の用途制限(48条から49条の2まで)を適用しない(60条の2第3項)
- 日影規制は、地区内の建築物を対象区域外にある建築物とみなして適用する(60条の2第6項)
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