容積率ようせきりつ
建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合で、52条がその上限を定めます。つまり、各階の床面積を全部足した広さを、敷地の何倍まで建ててよいかという数字です。
100㎡の敷地で容積率が10分の20なら、床は全部の階を合わせて200㎡までしか造れません。建蔽率が10分の5なら1階が50㎡なので、4階建てまでという計算になります。床が増えるほどそこに住む人や働く人が増え、道路も下水も駅も混みます。だから街の受け皿の大きさに合わせて、敷地ごとに床の総量の上限を決めておくのが容積率です。土地にどれだけの床を載せられるかを決めるので、地価をいちばん左右する数字でもあります。

上限は用途地域の数値と、道路の幅員による数値の小さいほうです
用途地域ごとに法律が候補を並べ、低層住居専用地域と田園住居地域は10分の5から10分の20、中高層住居専用地域から準工業地域までは10分の10から10分の50、商業地域は10分の20から10分の130、工業系の地域は10分の10から10分の40の中から都市計画で定めます。用途地域の指定のない区域は10分の5から10分の40の中から、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て定めます。それとは別に、敷地が接する前面道路の幅員が12m未満なら、幅員のメートル数に住居系の地域は10分の4、その他の地域は10分の6を掛けた値も上限になり、二つのうち小さいほうが実際の限度です。床が増えて出入りする人と車を受け止めるのは道路なので、道の太さでも頭打ちにする仕組みです。
延べ面積には数えない部分があります
エレベーターの昇降路、共同住宅や老人ホームなどの共用の廊下と階段、給湯設備などを置く一定の機械室は、床面積を延べ面積に数えません。地階で天井が地盤面から1m以下にある住宅や老人ホームなどの部分は、住宅などの床面積の合計の3分の1までは数えません。政令では、自動車車庫などは各階の床面積の合計の5分の1、備蓄倉庫と蓄電池を置く部分は50分の1、自家発電設備と貯水槽と宅配ボックスを置く部分は100分の1までを数えないと定めています。人が住み働く床ではない通路や設備の分まで上限に食い込ませると、住宅の供給や防災の備えが進まなくなるからです。

特定行政庁の許可で、限度を超えられる場合があります
機械室などの床面積の割合が著しく大きい建物、敷地の周囲に広い公園や広場、道路などの空地を持つ建物、省エネ改修で外壁の工事が構造上やむを得ない建物は、特定行政庁が交通上、安全上、防火上、衛生上支障がないと認めて許可すれば、その許可の範囲で上限を超えられます。この許可には建築審査会の同意が要ります(52条15項)。周りに広い空地があれば、床が増えても道路や日当たりへの負担が小さいからです。

敷地が二つの地域にまたがるときは、面積で加重平均します
敷地が容積率の異なる二つの地域や地区にまたがるときは、各地域の上限にその地域に入っている部分の面積の割合を掛けて足し合わせます。床の総量は数字なので按分できるからで、用途制限のように過半の地域で決めることはしません(91条は52条を除いています)。この章の規定は都市計画区域と準都市計画区域の内でだけ適用されます(41条の2)。
建築基準法 52条1項建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(以下「容積率」という。)は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める数値以下でなければならない。
試験ではこう問われる
- 用途地域ごとの候補から都市計画で定める。用途地域の指定のない区域は、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て定める
- 前面道路の幅員が12m未満なら、幅員のメートル数に10分の4(住居系の地域)または10分の6(その他の地域)を掛けた数値と比べ、小さいほうが限度。幅員が12m以上なら、前面道路の幅員による制限は適用されない
- 前面道路が二つ以上あるときは、幅員の最大のものを使う(52条2項)。「最小の数値を用いて算定する」は誤り
- 延べ面積に算入しないのは、エレベーターの昇降路、共同住宅・老人ホーム等の共用の廊下と階段(52条6項)。地階にある住宅・老人ホーム等の部分は、その用途の床面積の合計の3分の1まで算入しない
- 機械室などの割合が著しく大きい建築物、敷地の周囲に広い空地を有する建築物、エネルギー消費性能の向上のため必要な外壁の工事などを行う建築物は、特定行政庁の許可の範囲内で限度を超えられる(52条14項)。許可には建築審査会の同意が要り、「許可を受けることなく超えることができる」は誤り
- 前面道路の境界線から後退して壁面線の指定がある場合、特定行政庁が許可した建築物は、前面道路の境界線が壁面線にあるものとみなして容積率の規定を適用する(52条11項)
- 敷地が容積率の異なる二つの地域にわたるときは、それぞれの部分の面積の割合で加重平均する。「過半の属する地域の数値による」は誤り
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