高度地区こうどちく
用途地域内において、市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区です。つまり、建物の高さだけを都市計画で決める地区で、容積率や建蔽率には触れません。
静かな住宅街に、ある日とつぜん高いマンションが建てば、日当たりも眺めも変わってしまいます。反対に駅前に低い建物ばかりが残れば、せっかく便利な土地を生かせません。そこで用途地域の上に重ねて「この地区では建物は何メートルまで」「この地区では何メートル以上」と高さの上限や下限を決めておくのが高度地区です。決めるのは高さだけで、建物の広さや床面積の割合(建蔽率・容積率)は扱いません。

環境の維持には最高限度、土地利用の増進には最低限度を定めます
条文は目的を二つ書いています。日当たりや街並みを守る「市街地の環境の維持」のためには、これ以上高くしてはいけないという最高限度が働きます。便利な土地をもっと使わせる「土地利用の増進」のためには、これより低く建ててはいけないという最低限度が働きます。どちらか一方だけでもよく、両方を定めることもできます。同じ市の中でも、住宅街には最高限度、駅前には最低限度と、地区ごとに使い分けます。

用途地域の中にだけ、重ねて定めます
用途地域は「住宅の街か、商店の街か」という使いみちを決めるもので、高さは第一種低層住居専用地域などの一部でしか決まりません。高度地区はその上に重ねて高さを決める仕組みなので、下に用途地域がある場所にしか置けません。13種類の用途地域のどれでもよく、田園住居地域も含まれます。低層住居専用地域や田園住居地域には建築基準法55条の10メートルまたは12メートルの限度がもともとありますが、それとは別に高度地区を重ねることもできます。
準都市計画区域にも定められますが、そこでは最高限度だけです
準都市計画区域は、都市計画区域の外で乱開発を防ぐために指定する区域で、市街化を進める場所ではありません。ここに置ける地域地区は8条2項に限られていて、高度地区は入っていますが、高度利用地区は入っていません。しかも8条3項2号トのかっこ書きにより、準都市計画区域では高さの最高限度だけを定めます。「もっと高く建てて土地を使いなさい」という最低限度は開発を促す道具なので、開発を抑える区域にはなじまないからです。高度地区を定めるのは、都市計画区域でも準都市計画区域でも市町村です。

都市計画法 9条18項高度地区は、用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区とする。
試験ではこう問われる
- 定めるのは高さの最高限度又は最低限度。「建蔽率を定める」「容積率を定める」とした肢は誤り
- 「用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区」と条文どおりの肢は正しい側
- 容積率の最高限度及び最低限度、建蔽率の最高限度、建築面積の最低限度、壁面の位置の制限を高度地区の説明に入れた肢は誤り。それは高度利用地区
- 用途地域内ならどの用途地域でもよい。「田園住居地域内には定められない」は誤り
- 準都市計画区域にも定められる。ただし高さの最高限度だけ。高度利用地区は準都市計画区域に定められない
- 定めるのは市町村
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