特例容積率適用地区とくれいようせきりつてきようちく
用途地域内の適正な配置及び規模の公共施設を備えた土地の区域で、建築基準法の容積率の限度からみて未利用となっている建築物の容積の活用を促進し、土地の高度利用を図るために定める地区です。つまり、道路や公園がそろった街で、使い切っていない容積を敷地の間で融通できるようにする地区です。
東京駅の赤れんがの駅舎は、建て替えずに低いまま残されました。駅前の商業地なので容積率は高く、駅舎の敷地には使い切っていない容積がたくさん余っています。その余りを周りの敷地に移して高いビルを建てられるようにしたのが、特例容積率適用地区です。道路や公園が整った区域で、未利用の容積を敷地の間で融通し、土地の高度利用を図る地区で、用途地域の上に重ねる地域地区の一つです。都市計画として定めるのは市町村で、実際に容積を移す手続は建築基準法の側にあります。

定められる用途地域は、中高層住居専用から工業までの9つです
定められるのは、第一種・第二種中高層住居専用地域、第一種・第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域の9つです。外れるのは第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域、工業専用地域の4つです。低層住居専用地域と田園住居地域は低い街並みを守る地域なので、容積を一か所に寄せて高いビルを建てる仕組みとは相いれません。工業専用地域は工場のための地域で、業務や住宅の高度利用を促す場ではありません。用途地域内に定める地区なので、用途地域の無い区域にも定められません。

準都市計画区域には定められません
準都市計画区域に定められる地域地区は、用途地域、特別用途地区、特定用途制限地域、高度地区(高さの最高限度だけ)、景観地区、風致地区、緑地保全地域、伝統的建造物群保存地区に限られています。準都市計画区域は無秩序な開発を抑えるための区域なので、土地の高度利用を促す特例容積率適用地区と高層住居誘導地区はこの中に入っていません。
都市計画で定めるのは高さの最高限度だけです
この地区について都市計画に定める事項は、種類・位置・区域のほか、市街地の環境を確保するために必要な場合に限って定める建築物の高さの最高限度だけです。容積率の数値そのものは用途地域の都市計画で決まっているので、地区の都市計画では動かしません。実際に容積を移すのは、二つ以上の敷地の所有者などが特定行政庁に申請し、敷地面積に容積率を掛けた合計が増えない範囲で、特定行政庁がそれぞれの敷地の特例容積率の限度を指定する建築基準法の手続です。同じ「容積率」の語が出ても、容積率の最高限度と最低限度を都市計画で定めるのは高度利用地区で、特例容積率適用地区ではありません。

都市計画法 9条16項特例容積率適用地区は、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域又は工業地域内の適正な配置及び規模の公共施設を備えた土地の区域において、建築基準法第五十二条第一項から第九項までの規定による建築物の容積率の限度からみて未利用となつている建築物の容積の活用を促進して土地の高度利用を図るため定める地区とする。
試験ではこう問われる
- 定められる用途地域は第一種中高層住居専用地域から工業地域までの9つ(9条16項)。第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域、工業専用地域には定めない
- 定義のキーワードは「適正な配置及び規模の公共施設を備えた土地の区域」と「未利用となっている建築物の容積の活用を促進して土地の高度利用を図る」。高度利用地区や高層住居誘導地区の定義と入れ替えた記述に注意
- 準都市計画区域には定められない(8条2項)
- 都市計画で定めるのは建築物の高さの最高限度(市街地の環境を確保するために必要な場合に限る)。容積率の最高限度・最低限度を定めるのは高度利用地区
- 容積の移し替えは建築基準法57条の2で、土地の所有者等の申請により特定行政庁が特例容積率の限度を指定する
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