天空率てんくうりつ
ある位置を中心とする想定半球に建築物を投影したとき、空の面積のうち建築物に隠れずに残る部分の割合です。つまり、斜線制限どおりに建てた建築物と同じ以上に空が見えるなら、その斜線制限を適用しない(56条7項)という代わりの基準です。
道路に面したビルの上のほうが階段のように削られているのを見たことがあるでしょう。あれは道路や隣の敷地の日当たりと風通しを守る斜線制限に合わせて、斜めの線の内側に建物を収めた形です。ただ、斜線制限の目的は建物の形を決めることではなく、向かいや隣から見える空を確保することにあります。そこで、道路の反対側や隣地側の決まった位置に立って空を見上げ、斜線どおりの建物と同じ以上に空が残るなら、建物の形は自由でよいことにしました。この「見える空の割合」が天空率で、道路斜線・隣地斜線・北側斜線のそれぞれで使えます。

斜線制限が守るのは建物の形ではなく、相手側から見える空です
56条7項は、斜線制限で高さが制限された場合にその位置で確保される採光、通風等と同程度以上の採光、通風等が確保される建築物には、その斜線制限を適用しないと定めています。政令の基準(施行令135条の6〜135条の8)は、計画する建築物の天空率が、同じ敷地に斜線制限どおりに建てたと想定する建築物(適合建築物)の天空率以上であることです。道路斜線では、道路の境界線からの後退距離も適合建築物以上であることが求められます。斜線の形を守らなくても、相手側の空が同じだけ残るなら目的は果たされている、という考え方です。
測る位置は相手側にあり、道路なら反対側の境界線上です
56条7項の各号が、天空率を測る位置を斜線の種類ごとに定めています。道路斜線は前面道路の反対側の境界線上、隣地斜線は隣地境界線から16メートルまたは12.4メートルだけ外側の線上、北側斜線は隣地境界線から真北へ4メートルまたは8メートルだけ外側の線上で、いずれも政令で定める位置です。守りたいのは道路や隣地にいる相手の空なので、測る位置も相手の側に置かれています。

建築基準法 56条7項次の各号のいずれかに掲げる規定によりその高さが制限された場合にそれぞれ当該各号に定める位置において確保される採光、通風等と同程度以上の採光、通風等が当該位置において確保されるものとして政令で定める基準に適合する建築物については、それぞれ当該各号に掲げる規定は、適用しない。
試験ではこう問われる
- 計画する建築物の天空率が、斜線制限に適合する建築物の天空率以上であれば、その斜線制限を適用しない(56条7項)。「未満であれば適用されない」は誤り
- 対象は道路斜線・隣地斜線・北側斜線の三つ。日影規制、絶対高さ制限、高度地区には使えない
- 天空率は、見上げた空のうち建築物に隠れずに残る割合。建築物が大きいほど小さくなる
- 測る位置は守られる相手の側にある。道路斜線なら前面道路の反対側の境界線上
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