建蔽率けんぺいりつ
建築物の建築面積の敷地面積に対する割合で、53条がその上限を定めます。つまり、敷地のうち建物で覆ってよい面積の割合で、残りは庭や通路などの空地として残します。
同じ100㎡の敷地でも、建蔽率が10分の6なら、建物を真上から見た面積は60㎡までで、残りの40㎡は庭や通路として空けておかなければなりません。隣の家とのすき間が火事の燃え広がりを止め、光と風を通す役目を果たします。この「敷地のうち建物で覆ってよい割合」が建蔽率で、用途地域ごとに法律が数値の候補を並べ、その中から都市計画で一つを選びます。容積率が上に積める床の総量を決めるのに対し、建蔽率は地面をどれだけ覆えるかを決めます。

数値は用途地域ごとの候補から、都市計画で一つを選びます
住居専用地域と田園住居地域、工業専用地域は10分の3から10分の6、第一種・第二種住居地域と準住居地域、準工業地域は10分の5・6・8、近隣商業地域は10分の6か8、商業地域は10分の8だけ、工業地域は10分の5か6の中から、都市計画で定めます。用途地域の指定のない区域は10分の3から10分の7の中から、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て定めます。住宅地ほどすき間を多く残し、商業地ほど建物を密に建てることを許すという並びです。前面道路の幅員による制限は容積率だけにあり、建蔽率にはありません。
燃えにくい建物と角地には、10分の1ずつの緩和があります
防火地域内の耐火建築物等と、準防火地域内の耐火建築物等または準耐火建築物等は、上限に10分の1を加えます。街区の角にある敷地などで特定行政庁が指定するものの建物も10分の1を加え、両方に当たれば10分の2を加えます。燃え広がりにくい建物なら延焼を止めるすき間が少なくてすみ、角地は二方向が道路に開けていて光も風も通るからです。上限が10分の8の地域で防火地域内の耐火建築物等なら、建蔽率の制限そのものが外れます(53条6項)。敷地が防火地域の内外にまたがる場合は、建物の全部が耐火建築物等なら敷地の全部を防火地域内とみなします。

敷地が二つの地域にまたがるときは、面積で加重平均します
敷地が建蔽率の異なる二つの地域にまたがるときは、各地域の上限に、その地域に入っている部分の面積の割合を掛けて足し合わせます。第二種住居地域(10分の5)が80㎡、近隣商業地域(10分の8)が20㎡なら、10分の5×0.8+10分の8×0.2=100分の56が敷地全体の上限です。建物の面積は数字なので按分できるからで、用途制限のように過半の地域で決めることはしません(91条は52条・53条を除いています)。この章の規定は都市計画区域と準都市計画区域の内でだけ適用されます(41条の2)。

建築基準法 53条1項建築物の建築面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、その建築面積の合計)の敷地面積に対する割合(以下「建蔽率」という。)は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める数値を超えてはならない。
試験ではこう問われる
- 防火地域内の耐火建築物等、準防火地域内の耐火建築物等・準耐火建築物等は10分の1を加える。特定行政庁が指定する角地も10分の1で、両方に当たれば10分の2(53条3項)。限度10分の6の地域なら10分の8になる。防火地域内の準耐火建築物は加算の対象にならず、「防火地域内にある準耐火建築物は10分の1を加える」は誤り
- 限度が10分の8の地域内で、かつ防火地域内にある耐火建築物等には、建蔽率の制限を適用しない(53条6項1号)。特定行政庁の許可は要らない
- 巡査派出所・公衆便所・公共用歩廊と、公園・広場・道路・川などの内にある建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したものにも適用しない(53条6項2号・3号)
- 用途地域の指定のない区域の限度は、法で定めた数値のうちから、特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て定める(53条1項6号)
- 商業地域の限度は10分の8だけ。ほかの用途地域は、法が挙げる数値のうちから都市計画で定める
- 敷地が建蔽率の異なる地域にまたがるときは、それぞれの地域の限度に、その地域にある敷地の面積の割合を掛けて合計する(53条2項)
- 前面道路の幅員による制限は容積率だけ。総合設計の許可(59条の2)で超えられるのも容積率と各部分の高さで、建蔽率は含まない
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