前面道路ぜんめんどうろ
建築物の敷地が接している道路のことで、二つ以上あるときは幅員が最大のものをいいます。つまり敷地の出入口になる道で、その幅が12m未満なら容積率の上限もこの幅で決まります。
幅4mの路地の奥に10階建てのビルが建ったら、朝の出勤時間に人と車が路地にあふれ、火事のときは避難も消火も行き詰まります。敷地に載せる床の総量は、その敷地が接している道路の太さに見合っていなければなりません。だから容積率は都市計画で定めた数値だけでなく、敷地が接する道路(前面道路)の幅員でも頭打ちになります。幅4mの道に面した第一種低層住居専用地域の土地なら、都市計画の数値が10分の20でも、4×10分の4=10分の16までしか建てられません。

12m未満なら、幅員に地域ごとの数値を掛けた値も上限です
前面道路の幅員が12m未満のとき、幅員のメートル数に、低層住居専用地域と田園住居地域は10分の4、中高層住居専用地域と第一種・第二種住居地域と準住居地域も10分の4、その他の地域は10分の6を掛けた値が上限になります。特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域では、中高層住居専用地域・住居地域・準住居地域は10分の6、その他の地域は10分の4か10分の8に変わります(低層住居専用地域と田園住居地域は10分の4のままです)。都市計画の数値と比べて小さいほうが実際の限度で、幅員が12m以上なら都市計画の数値だけが効きます。住宅地は静かな道を保ちたいので掛ける数が小さく、商業地は太い道を前提に大きな床を許すという並びです。道路の太さが受け止めるのは床の総量なので、地面の覆い方を決める建蔽率にはこの制限がありません。
15m以上の特定道路が70m以内なら、幅員を割り増せます
敷地が接する前面道路の幅員が6m以上12m未満で、その道路が幅員15m以上の道路(特定道路)につながっており、特定道路から敷地までの距離が70m以内なら、前面道路の幅員に政令で定める数値を加えて計算できます(52条9項)。加える数値は、(12-前面道路の幅員)×(70-特定道路からの距離)÷70で、幅員8mの道で特定道路から35mなら2mを加えて10mとみなします(令135条の18)。すぐ近くに太い道があれば、人も車もそちらへ抜けられるので、狭い道の負担が実際には軽いからです。

壁面線まで下がれば、道路の境界線を壁面線とみなせます
掛ける数値が10分の4の建物で、前面道路の境界線から後退した位置に壁面線の指定があり、建物がその線を越えないときは、道路の境界線が壁面線にあるものとみなして容積率を計算できます(52条12項)。建物を道から下げた分だけ、道が実際に広く使えるからです。ただし容積率は幅員のメートル数に10分の6を掛けた値が上限で、道路と壁面線の間の部分は敷地面積に入れません(52条13項)。

建築基準法 52条2項前面道路(前面道路が二以上あるときは、その幅員の最大のもの。以下この項及び第十二項において同じ。)の幅員が十二メートル未満である建築物の容積率は、当該前面道路の幅員のメートルの数値に、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める数値を乗じたもの以下でなければならない。
試験ではこう問われる
- 前面道路の幅員が12m未満なら、幅員のメートル数に10分の4(住居系の地域)または10分の6(その他の地域)を掛けた数値も限度になる。都市計画で定めた数値と比べて小さいほうによる
- 幅員が12m以上なら、前面道路の幅員による容積率の制限は適用されない
- 前面道路が二つ以上あるときは、幅員の最大のものを使う(52条2項)。「幅員の最小の数値を用いて算定する」は誤り
- 前面道路の幅員で決まるのは容積率だけ。同じ計算を建蔽率に当てた肢は誤り
- 前面道路の境界線から後退して壁面線の指定がある場合、特定行政庁が許可した建築物は、前面道路の境界線が壁面線にあるものとみなして計算する(52条11項)
- 幅員15m以上の道路(特定道路)に、幅員6m以上12m未満の前面道路が70m以内でつながるときは、前面道路の幅員に一定の数値を加えて計算できる(52条9項)
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