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建築確認|対象となる規模と検査の流れ

法令上の制限 読了 約62分

建築確認を建築基準法6条の号構成から整理。2025年4月施行の改正で変わった対象規模、行為ごとの切り分け、中間検査と完了検査、使用の制限、用途変更や工作物への準用まで条文で解説します。

目次

    この記事は、建築確認という手続を建築基準法6条以下の条文に沿って整理するものです。建築基準法全体の構造は建築基準法の全体像、数字だけを横断で確認したい場合は建築基準法の数字を参照してください。法令上の制限のなかでの位置づけは法令上の制限の頻出論点で扱っています。

    結論を先に述べます。建築確認の論点は、6条1項が建築物を3つの号に分けているところから出発します。どの号にあたるかで、確認が必要になる行為の範囲、確認済証の交付期限、検査済証を受ける前に使えるかどうかが全部変わります。そして号の内容は2025年4月1日施行の改正で組み替えられており、木造と木造以外を分けていた旧区分はもう存在しません。古い教材のまま覚えていると、木造2階建ての事例で答えを間違えます。

    もうひとつ、条文を読まないと届かない層があります。建築確認は「6条だけの制度」ではありません。審査の基準は施行令9条が列挙する16本の他法令にまたがり、審査の主体は建築主事・建築副主事・指定確認検査機関の3種類に分かれ、確認と並走して構造計算適合性判定という別ルートが走り、確認の効果は用途変更・工作物・建築設備にまで準用で伸びていきます。以下、号の構成から順に、この広がりまで含めて見ていきます。

    建築確認は何を審査する手続か

    審査の対象は「計画」であって建物ではない

    建築基準法6条1項は、建築主が一定の建築物を建築しようとする場合などにおいて、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して確認を受け、確認済証の交付を受けなければならないと定めています。

    審査の対象は「計画」です。すでに建っているものを見るのではなく、これから建てようとする図面と書類を見ます。だから工事に着手する前に受ける必要があります。工事が始まってから、あるいは完成してから受ける手続ではありません。

    この「計画を見る」という性格は、後で出てくる完了検査との対比で意味を持ちます。完了検査は現に建った建築物とその敷地を見ます。確認は紙を見て、検査は物を見る。同じ建築基準関係規定への適合を、着工前と完成後の2回、違う対象について確かめる構造になっています。

    なお、この性格から派生する論点として、建築確認の取消しを求める訴えの利益は工事が完了した時点で失われる、という最高裁昭和59年10月26日判決の判断があります。確認は着工の法的障害を除去する効果しか持たないので、工事が終わってしまえば取り消しても意味がなくなる、という理屈です。確認が「着工前の関門」であることを、訴訟の側から言い直したものと読めます。

    「建築基準関係規定」は建築基準法だけではない

    審査の基準は「建築基準関係規定」です。6条1項のかっこ書きが、これを2階建てで定義しています。1階が「この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定」で、これを建築基準法令の規定と呼びます。2階が「その他建築物の敷地、構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるもの」です。

    この政令が施行令9条で、16号にわたって他法令の条項を名指ししています。具体的には、消防法9条・9条の2・15条・17条、屋外広告物法3条から5条まで、港湾法40条1項、高圧ガス保安法24条、ガス事業法162条、駐車場法20条、水道法16条、下水道法10条1項・3項ほか、宅地造成及び特定盛土等規制法12条1項・16条1項・30条1項・35条1項、流通業務市街地整備法5条1項、液化石油ガス法38条の2、都市計画法29条1項・2項、35条の2第1項、41条2項、42条、43条1項、53条1項ほか、特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法5条、自転車法5条4項、浄化槽法3条の2第1項、特定都市河川浸水被害対策法10条です。

    宅建試験の観点で押さえておきたいのは、この一覧に都市計画法の開発許可(29条)と建築許可(43条1項)、そして盛土規制法の許可(12条1項ほか)が入っていることです。つまり建築主事等は、建築基準法だけを見るのではなく、その土地について開発許可や盛土規制法の許可が要るのに取られていないなら、確認を出せません。開発許可の中身は開発許可、盛土規制法の許可は盛土規制法で扱っています。

    都市計画法53条1項も入っています。都市計画施設の区域内の建築許可のことで、この制限の構造は都市計画制限で詳しく扱っています。

    建築基準関係規定に入らないもの

    逆に、施行令9条に載っていない法令の規定は建築基準関係規定ではないので、建築確認の審査対象になりません。ここが選択肢の作りどころになります。

    たとえば農地法の許可は施行令9条の一覧にありません。農地を宅地にしてから家を建てる場面では、農地法4条・5条の許可や届出が現実には先に必要ですが、それは建築確認の審査事項としてではなく、別個の手続として必要なだけです。農地法の切り分けは農地法、転用の実務的な順序は農地転用の手続きを参照してください。

    国土利用計画法の届出も入っていません。売買の面積要件で作動する制度で、建築物の敷地・構造・建築設備に関する規定ではないからです。届出の三層構造は国土利用計画法、注視区域・監視区域の事前届出は事前届出で扱っています。

    融資の技術基準も同様です。住宅金融支援機構の証券化支援事業では買取りの対象となる住宅に技術基準が課されますが、これは融資の要件であって建築基準関係規定ではありません。基準を満たさない住宅が違法になるわけではなく、単に融資が受けられないだけです。

    実体規定と手続規定は別の層にある

    ここで区別しておきたいのが、建築確認という手続と、建築基準法が定める実体的な基準との関係です。

    確認が不要な建築物であっても、建築基準法の実体規定は適用されます。構造耐力の基準も、用途制限も、建蔽率も容積率も、確認の要否とは関係なく守らなければなりません。単体規定と集団規定の区別は建築基準法の全体像、用途制限の中身は用途地域13種類と建築制限、建蔽率と容積率の計算は建ぺい率と容積率の計算問題攻略で扱っています。

    確認は、守られているかどうかを事前に行政または指定機関がチェックする仕組みにすぎません。「確認が要らないから建築基準法に従わなくてよい」という理解は誤りです。チェックが入らないぶん、設計者と工事施工者の責任で適合させることが求められている、というだけです。

    この2層の区別は、後で出てくる6条の4の特例でも効いてきます。特例が省略するのは審査であって、実体規定の適用ではありません。

    確認をするのは建築主事だけではない

    確認を行うのは、建築主事のほか、指定確認検査機関です。6条の2第1項が、国土交通大臣または都道府県知事が指定した者の確認を受け、確認済証の交付を受けたときは、当該確認は6条1項の確認と、当該確認済証は同項の確認済証とみなす、と定めています。

    指定は誰がするか。6条の2第2項が、2以上の都道府県の区域で確認の業務を行おうとする者は国土交通大臣が、1つの都道府県の区域で行おうとする者は都道府県知事が指定するとしています。市町村長が指定するという記述は誤りです。

    完了検査(7条の2)と中間検査(7条の4)についても、同じ枠組みで指定確認検査機関が行えます。「建築確認は建築主事でなければ行えない」「完了検査だけは建築主事の専権である」といった記述はいずれも誤りになります。

    建築副主事という受け皿

    もうひとつ、条文上の主体として建築副主事があります。4条7項が、建築主事を置いた市町村または都道府県は、確認等事務の実施体制の確保・充実のため必要があると認めるときは、建築主事のほか、確認等事務のうち建築士法3条1項各号に掲げる建築物(この法律で「大規模建築物」と呼ばれます)に係るもの以外のものをつかさどらせるために、建築副主事を置くことができるとしています。

    6条1項は「建築主事又は建築副主事(以下「建築主事等」という。)」という書き方を採り、建築副主事の確認は大規模建築物以外の建築物に係るものに限る、とかっこ書きで限定しています。つまり大規模建築物の確認は建築主事でなければできず、それより小さいものは建築副主事でもできる、という二段構えです。

    宅建試験で建築副主事そのものが正面から問われる可能性は高くありませんが、条文が「建築主事等」という語で書かれていることは知っておくと、条文を引いたときに面食らわずに済みます。

    確認が必要になる建築物:6条1項の三つの号

    第1号 別表第一(い)欄の特殊建築物で200平方メートル超

    第1号は、別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200平方メートルを超えるものです。

    別表第一(い)欄は6つの項に分かれています。(一)項が劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場。(二)項が病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎。(三)項が学校、体育館。(四)項が百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場。(五)項が倉庫。(六)項が自動車車庫、自動車修理工場です。

    各項には「その他これらに類するもので政令で定めるもの」が付いており、施行令115条の3が中身を書いています。(二)項に類するものとして児童福祉施設等、(三)項に類するものとして博物館、美術館、図書館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場、スポーツの練習場、(四)項に類するものとして公衆浴場、待合、料理店、飲食店、物品販売業を営む店舗(床面積10平方メートル以内のものを除く)、(六)項に類するものとして映画スタジオ、テレビスタジオです。

    判定するのは延べ面積ではなく、その用途に供する部分の床面積の合計です。1階が事務所、2階が診療所という建物なら、診療所部分の床面積の合計で判定します。延べ面積が250平方メートルでも、診療所部分が180平方メートルなら1号には当たりません。

    別表第一(い)欄に載っていない特殊建築物がある

    ここが第1号の最大の落とし穴です。2条2号は特殊建築物を定義していて、そこには学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物が並んでいます。

    一方、6条1項1号が参照しているのは2条2号ではなく、別表第一(い)欄です。両者は一致しません。工場、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場は、2条2号では特殊建築物ですが、別表第一(い)欄にも施行令115条の3にも載っていません。

    したがって、工場を建てる場合、それが2条2号の特殊建築物であっても、6条1項1号には該当しません。第2号(階数2以上または延べ面積200平方メートル超)か第3号で判定することになります。「特殊建築物で用途部分200平方メートル超だから1号」という短絡は、この不一致で崩れます。

    事務所は、そもそもどちらの定義にも入りません。事務所は特殊建築物ではないので、いくら大きくても1号にはならず、2号か3号で判定します。

    第2号 階数2以上または延べ面積200平方メートル超

    第2号は、前号に掲げる建築物を除くほか、二以上の階数を有し、または延べ面積が200平方メートルを超える建築物です。

    要件が「または」でつながれている点を落とさないことです。階数が2以上であればそれだけで該当し、延べ面積が200平方メートル以下でも関係ありません。逆に平屋であっても、延べ面積が200平方メートルを超えれば該当します。

    そして構造を問いません。木造でも鉄骨造でも鉄筋コンクリート造でも、同じ基準で判定します。この点が2025年4月1日施行の改正の核心で、次の節で扱います。

    数えるのは「延べ面積」です。1号の「その用途に供する部分の床面積の合計」とは別の数え方なので、複合用途の建物では両方を計算する必要があります。

    第3号 都市計画区域等の内にある建築物

    第3号は、前二号に掲げる建築物を除くほか、次の区域内における建築物です。条文は3つの区域を並べています。

    ひとつ目が都市計画区域と準都市計画区域です。ただし、いずれも都道府県知事が都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域は除かれます。つまり都市計画区域の中であっても、知事が審議会の意見を聴いて指定した区域では、3号による確認が不要になります。区域の考え方は都市計画法の全体像を参照してください。

    ふたつ目が景観法74条1項の準景観地区です。ここも市町村長が指定する区域は除かれます。

    みっつ目が、都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて、その区域の全部または一部について指定する区域です。都市計画区域の外であっても、知事が指定すれば確認が必要になります。

    3号は「場所で決まる」号です。用途も規模も問わず、区域の中にあるというだけで確認の対象になります。逆に言えば、都市計画区域等の外にある小規模な建築物は、どの号にも当たらないので確認が不要です。

    号は上から順に判定する

    3つの号は排他的に書かれています。2号が「前号に掲げる建築物を除くほか」、3号が「前二号に掲げる建築物を除くほか」としているためです。

    したがって判定は上から順に行います。まず別表第一(い)欄の特殊建築物で用途部分200平方メートル超かを見る。該当すれば1号で確定します。該当しなければ、階数2以上か延べ面積200平方メートル超かを見る。どちらかに当たれば2号です。どちらにも当たらなければ、都市計画区域等の内にあるかを見て、あれば3号になります。

    ひとつの建築物が1号と2号の両方に該当する、という事態は条文上起こりません。この排他性は、後で見る「大規模の修繕に確認が要るか」「検査済証の前に使えるか」の判定でそのまま効きます。

    2025年4月1日施行の改正で号が組み替わった

    旧4号建築物という区分は存在しない

    改正前の6条1項は4つの号で構成されていました。1号が特殊建築物200平方メートル超、2号が木造で3階以上または延べ面積500平方メートル超・高さ13メートル超・軒の高さ9メートル超のいずれか、3号が木造以外で2階以上または延べ面積200平方メートル超、4号がそれ以外で都市計画区域等内のもの、という並びです。

    改正により、木造と木造以外を分けていた旧2号と旧3号が統合され、現行の2号「二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超える建築物」になりました。旧4号は繰り上がって現行の3号です。

    したがって現行法には「4号建築物」という区分が存在しません。木造について3階以上や500平方メートル超という基準も、高さ13メートル・軒の高さ9メートルという基準もありません。これらの数値を現行の要件として書いている教材や解説は、改正前のものです。

    木造2階建てが2号に移った

    影響がもっとも大きいのは木造2階建てです。旧区分では木造2階建てで延べ面積500平方メートル以下なら旧4号にとどまりましたが、現行では階数が2以上なので2号に該当します。一般的な木造2階建て住宅の多くが、この改正で扱いの変わった範囲に入っています。

    移動先が2号であることの効果は3つあります。大規模の修繕・大規模の模様替にも確認が必要になること。確認済証の交付期限が7日から35日に伸びること。そして新築の場合、検査済証の交付を受けるまで使用できなくなることです。いずれも後の節で詳しく見ます。

    令和8年度の基準日から見た位置づけ

    宅建試験は当該年度の4月1日現在施行の法令から出題されます。令和8年度(2026年10月18日実施)の基準日は2026年4月1日です。

    この基準日で見ると、6条1項の三号構成はすでに1年前から施行されている確定した現行法です。「改正されたばかりだから出ないだろう」という判断は成り立ちません。むしろ、市販の教材と受験生の記憶が旧区分に引きずられている期間なので、作問側から見れば差がつく論点です。

    なお、建築基準法には2026年5月27日施行の改正(令和8年法律第23号、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律)がありますが、これは基準日より後の施行であり、令和8年度の出題範囲に入りません。加えて、この改正で建築基準法の本則291条に変更はないことを条単位で確認済みです。令和8年度に関係する改正の全体像は令和8年度の法改正まとめを参照してください。

    どの行為に確認が要るか

    柱書が号によって行為を書き分けている

    6条1項の柱書は、行為を号ごとに書き分けています。

    第1号もしくは第2号に掲げる建築物を建築しようとする場合。これらの建築物の大規模の修繕もしくは大規模の模様替をしようとする場合。または第3号に掲げる建築物を建築しようとする場合。この3つが確認の対象です。

    読み取るべきは、大規模の修繕と大規模の模様替が「これらの建築物」、すなわち1号と2号の建築物についてしか出てこないことです。3号の建築物については「建築しようとする場合」だけが書かれています。

    つまり3号建築物の大規模の修繕や大規模の模様替には、確認が要りません。1号・2号建築物であれば要ります。旧法で4号建築物について同じ扱いがされていたのが、号の繰り上がりに伴って3号に移っただけの構造です。

    「建築」は新築・増築・改築・移転の四つ

    条文の「建築」は、新築、増築、改築、移転の4つを指します。2条13号が建築を「建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転すること」と定義しているためです。

    したがって、1号から3号までのいずれかに該当する建築物について、新築だけでなく改築や移転をする場合にも確認が必要になります。「確認が必要なのは新築の場合だけ」という記述は誤りです。

    移転が含まれている点は見落とされがちです。同じ建物を敷地内で曳家する場合でも、それは建築であり、確認の対象になりえます。

    大規模の修繕・大規模の模様替とは何か

    大規模の修繕は、建築物の主要構造部の一種以上について行う過半の修繕をいいます(2条14号)。大規模の模様替は、同じく主要構造部の一種以上について行う過半の模様替です(同条15号)。

    主要構造部は、壁、柱、床、はり、屋根、階段をいいます(2条5号)。ただし、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、付け柱、揚げ床、最下階の床、回り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する部分は除かれます。

    要件は2つの掛け算です。ひとつは対象が主要構造部であること。もうひとつは、その一種以上について過半に手を入れることです。「一種以上」なので、壁だけ、あるいは屋根だけでも足ります。逆に、壁の3分の1を張り替える程度では過半に達しないので該当しません。最下階の床を全面的に張り替えても、最下階の床は主要構造部から除かれているので該当しません。

    なお、主要構造部は「構造耐力上主要な部分」(施行令1条3号)とは別の概念です。前者は防火の観点から、後者は構造の観点から切り出された部分で、範囲がずれます。大規模の修繕・模様替の判定に使うのは主要構造部のほうです。

    計画変更の確認

    6条1項には後段があります。当該確認を受けた建築物の計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く)をして、1号もしくは2号の建築物を建築しようとする場合、これらの建築物の大規模の修繕もしくは大規模の模様替をしようとする場合、または3号の建築物を建築しようとする場合も、同様とする、というものです。

    一度確認を受けたら工事が終わるまで自由に設計を変えられる、というわけではありません。軽微な変更を除き、計画を変更するなら改めて確認を受ける必要があります。これを計画変更確認と呼びます。

    「確認済証の交付を受けた後は、計画を変更しても改めて確認を受ける必要はない」という記述は誤りです。

    増築の扱いと、10平方メートルの適用除外

    増築後の規模で号を判定する

    増築については、6条1項の柱書にかっこ書きが置かれています。増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第1号または第2号に規定する規模のものとなる場合を含む、というものです。

    判定の基準時が増築後である点が要点です。増築前は延べ面積180平方メートルの平屋で、どの号にも当たらなかった建築物であっても、増築によって延べ面積が200平方メートルを超えれば2号に該当し、確認が必要になります。都市計画区域の外にある建築物でも同じです。

    「もともと確認が不要な建物だから、増築にも確認は要らない」という判断は誤りです。増築後の姿で号を判定します。

    平屋に2階を載せる増築も同じ理屈です。増築後に階数が2以上になれば、面積の増加がわずかでも2号に該当します。

    6条2項の二つの要件

    もっとも、すべての増築に確認が要るわけではありません。6条2項は、防火地域および準防火地域外において建築物を増築し、改築し、または移転しようとする場合で、その増築、改築または移転に係る部分の床面積の合計が10平方メートル以内であるときは、前項の規定は適用しないとしています。

    要件が2つあります。防火地域および準防火地域の外であること。そして部分の床面積の合計が10平方メートル以内であることです。両方を満たさなければ除外されません。

    裏返すと、防火地域または準防火地域の内であれば、面積の大小を問わず確認が必要です。1平方メートルの増築でも要ります。防火地域の内は小さな増築でも延焼の危険に関わるため、面積による適用除外を認めていません。防火地域と準防火地域の規制内容は防火地域と準防火地域で扱っています。

    条文が「防火地域及び準防火地域外」と書いていることも読み落とさないでください。「防火地域外」ではありません。準防火地域の内にある場合も除外されません。

    新築には及ばない

    この適用除外は増築、改築、移転についてのものです。新築には適用されません。

    10平方メートルの物置を新築する場合、都市計画区域内であれば3号に該当して確認が必要になります。既存の建物に10平方メートルの物置を建て増すのであれば増築なので、防火地域・準防火地域外なら不要です。同じ大きさの同じ物置でも、独立して建てるか既存建物に付け加えるかで結論が変わります。

    15条の建築工事届とは別の話

    10平方メートルという数字は15条にも出てきます。ただし内容が違うので、混ぜないよう注意が必要です。

    15条1項は、建築主が建築物を建築しようとする場合、または建築物の除却の工事を施工する者が建築物を除却しようとする場合には、建築主事等を経由してその旨を都道府県知事に届け出なければならないとしています。ただし、当該建築物または当該工事に係る部分の床面積の合計が10平方メートル以内である場合は不要です。

    6条2項との違いは3つあります。第一に、届出であって確認ではありません。第二に、防火地域・準防火地域という区域要件がありません。10平方メートル以内かどうかだけで決まります。第三に、行為に除却が含まれています。除却は建築ではないので確認の対象になりませんが、統計を取るために届出は要る、という整理です。

    宛先も違います。確認の申請は建築主事等または指定確認検査機関に出しますが、15条の届出は建築主事等を経由して都道府県知事に出します。届出先の取り違えは、法令上の制限全体で共通の出題パターンです。許可権者・届出先の横断整理は法令上の制限の横断整理に集めています。

    国等が建築主のとき:確認ではなく通知

    18条が手続を丸ごと差し替える

    建築主が国、都道府県、または建築主事を置く市町村である場合には、確認の申請ではなく計画の通知という手続がとられます。

    18条1項が、これらの建築物および建築物の敷地については、6条から7条の6まで、9条から9条の3まで、10条および90条の2の規定は適用しないと宣言し、そのうえで2項以下に代替の手続を置いています。確認だけでなく、中間検査も完了検査も使用制限も、違反建築物への是正措置も、まとめて差し替えられています。

    18条2項は、6条1項の規定によって建築し、または大規模の修繕もしくは大規模の模様替をしようとする建築物の建築主が国等である場合、当該国の機関の長等は、工事に着手する前にその計画を建築主事等に通知しなければならないとしています。ただし書も置かれていて、防火地域および準防火地域外で10平方メートル以内の増築・改築・移転をする場合は通知が不要です。6条2項と同じ線引きが、そのまま通知の側にも引かれています。

    通知でも確認済証が出る

    18条3項は、建築主事等は通知を受けた場合、6条4項に定める期間内に審査し、建築基準関係規定に適合することを認めたときは、通知をした国の機関の長等に対して確認済証を交付しなければならないとしています。

    名称が「確認済証」である点を押さえてください。手続の入口は申請ではなく通知ですが、出口は確認済証です。そして18条17項が、通知に係る建築物の工事は確認済証の交付を受けた後でなければすることができないとしています。着工が止まる効果も同じです。

    「国が建築主であれば建築基準法の審査を受けなくてよい」「国の建築物には確認済証が交付されない」という理解はいずれも誤りです。行政機関が自分自身に申請して処分を受けるという形が不自然なので通知という枠にしているだけで、審査を受けて確認済証をもらうまで着工できないという実質は変わりません。

    完了検査も同じ形に置き換わります。18条20項が、国の機関の長等は工事を完了した場合、その旨を工事が完了した日から4日以内に到達するように建築主事等に通知しなければならないとし、21項が、通知を受けた日から7日以内に検査しなければならないとしています。4日と7日という数字は民間の場合と同じで、申請が通知に変わっているだけです。

    18条4項により、国等が指定確認検査機関に通知することもできます。この場合、指定確認検査機関が審査して確認済証を交付します。

    「建築主事を置く市町村」に限られる

    18条の対象は、国、都道府県、そして建築主事を置く市町村です。すべての市町村ではありません。

    建築主事を置いていない市町村が建築主になる場合、18条は適用されず、通常どおり6条1項の確認申請をすることになります。「地方公共団体が建築主であれば常に通知でよい」という記述は誤りです。

    仮設建築物はどこまで外れるか

    85条1項 応急仮設建築物

    85条1項は、非常災害があった場合において、非常災害区域等(非常災害が発生した区域またはこれに隣接する区域で特定行政庁が指定するもの)内においては、災害により破損した建築物の応急の修繕、または次のいずれかに該当する応急仮設建築物の建築でその災害が発生した日から1月以内にその工事に着手するものについては、建築基準法令の規定は適用しないとしています。ただし、防火地域内に建築する場合は除かれます。

    対象は2つです。国、地方公共団体または日本赤十字社が災害救助のために建築するもの。そして被災者が自ら使用するために建築するもので延べ面積が30平方メートル以内のものです。

    要件が細かく積まれていることに注意してください。区域が非常災害区域等の内であること、着工が災害発生日から1月以内であること、主体または規模が2つの号のどちらかに当たること、そして防火地域内でないこと。ここまで満たして初めて建築基準法令の規定が丸ごと外れます。適用が外れるのは確認や検査だけではなく、単体規定も集団規定も含む建築基準法令の規定全部です。

    85条2項 工事現場の事務所など

    85条2項は、災害があった場合に建築する停車場、官公署その他これらに類する公益上必要な用途に供する応急仮設建築物、または工事を施工するために現場に設ける事務所、下小屋、材料置場その他これらに類する仮設建築物について、適用しない規定を列挙しています。

    列挙の先頭が「第6条から第7条の6まで」です。確認、中間検査、完了検査、使用制限がまとめて外れます。15条の届出も、18条の通知も外れます。そして末尾に「並びに第3章の規定」とあり、第3章は都市計画区域等内の建築物の敷地・構造・建築設備、つまり集団規定です。用途地域による用途制限も、建蔽率も容積率も、道路斜線も外れます。工事現場のプレハブ事務所が第一種低層住居専用地域の中に建っていても違法にならないのは、この規定によるものです。用途制限の原則は用途地域13種類と建築制限、高さの制限は高さ制限と斜線制限を参照してください。

    ただし例外があります。同項ただし書が、防火地域または準防火地域内にある延べ面積50平方メートルを超えるものについては62条の規定の適用があるとしています。62条は屋根の規定です。仮設であっても、防火地域・準防火地域の中で一定の大きさを超えるなら、屋根の構造だけは守れ、という趣旨です。

    存続期間と特定行政庁の許可

    仮設建築物がいつまでも建っていては困るので、期間の制限が置かれています。

    85条3項は、1項・2項の応急仮設建築物を建築した者は、その建築工事を完了した後3月を超えて当該建築物を存続させようとする場合には、その超えることとなる日前に特定行政庁の許可を受けなければならないとしています。同条4項が、特定行政庁は安全上、防火上および衛生上支障がないと認めるときは、2年以内の期間を限って許可することができるとしています。5項により、さらに1年を超えない範囲内で延長することもできます。

    これとは別に、6項が仮設興行場、博覧会建築物、仮設店舗その他これらに類する仮設建築物について、特定行政庁が1年以内の期間を定めて建築を許可することができるとしています。

    8項が、5項の期間延長と7項の許可については、あらかじめ建築審査会の同意を得なければならないとしています。6項の許可には建築審査会の同意が要件になっていません。「仮設建築物の許可には常に建築審査会の同意が必要」とする記述は誤りです。

    確認の特例と、いわゆる4号特例の縮小

    6条の4が定める審査省略

    6条の4第1項は、一定の建築物について、6条1項の「建築基準関係規定」を「建築基準法令の規定のうち政令で定める規定を除く」と読み替える、という形で審査の省略を定めています。条文の作りが読替えである点が特徴で、確認そのものを不要にする規定ではありません。

    対象は3つです。第1号が68条の10第1項の認定を受けた型式に適合する建築材料を用いる建築物、第2号が認定型式に適合する建築物の部分を有する建築物、そして第3号が6条1項3号に掲げる建築物で建築士の設計に係るものです。

    宅建試験との関係で意味があるのは第3号です。3号建築物で建築士が設計したものについては、一定の規定の審査が省略されます。建築士が設計しているのだから、そこは信頼して手続を軽くする、という趣旨で、6条の4第2項も「建築士の技術水準、建築物の敷地、構造及び用途その他の事情を勘案して」省略の範囲を定めるよう政令に指示しています。

    令10条が省略の範囲を書き分けている

    省略される規定の中身は施行令10条にあります。ここで3号建築物がさらに2つに分けられている点は、条文を引かないと見えません。

    令10条3号が「6条の4第1項3号に掲げる建築物のうち防火地域及び準防火地域以外の区域内における一戸建ての住宅」(住宅以外の用途に供する部分の床面積の合計が延べ面積の2分の1以上のもの、または50平方メートルを超えるものを除く)で、こちらは省略される規定の範囲が広く取られています。令10条4号が「前号の一戸建ての住宅以外の建築物」で、こちらは省略の範囲がやや狭くなります。

    いずれにせよ、確認申請そのものは必要で、省略されるのは審査項目の一部です。

    縮小されたのは対象の範囲

    改正前、この特例の対象は旧4号建築物で建築士の設計に係るものでした。旧4号には木造2階建てで延べ面積500平方メートル以下のものが含まれていたため、一般的な木造住宅の多くが審査省略の対象になっていました。これが「4号特例」と呼ばれていたものです。

    改正後の特例の対象は6条1項3号建築物です。3号は「前二号に掲げる建築物を除くほか」と書かれているので、階数が2以上のものも延べ面積200平方メートル超のものも入りません。結果として、木造2階建て住宅は特例の対象から外れました。

    6条の4の条文そのものはほとんど変わっていません。参照している号の中身が変わったことで対象が縮小した、という構造です。構造安全性の確認が課題とされたことを受けて、審査を省略する範囲を絞る方向に動いています。

    なお、特例は審査の一部を省略するものであって、確認そのものを不要にするものではありません。「特例の対象だから建築確認が要らない」という理解は誤りです。

    検査にも特例がある(7条の5)

    7条の5は、6条の4第1項1号・2号の建築物の建築等、または同項3号の建築物の建築の工事について、完了検査・中間検査の条文中の「建築基準関係規定」を、6条の4第1項の読替え後のものに置き換えるとしています。審査で省略された規定は、検査でも見ない、という対応関係です。

    ただし3号建築物については、かっこ書きで条件が付いています。「国土交通省令で定めるところにより建築士である工事監理者によって設計図書のとおりに実施されたことが確認されたものに限る」というものです。設計を建築士に任せ、かつ工事監理も建築士が行って設計図書どおりであることを確認した場合に限って、検査の特例が働きます。

    構造計算適合性判定という別ルート

    6条の3が置く二本目の審査

    一定の規模・構造の建築物については、建築確認とは別に、都道府県知事の構造計算適合性判定を受ける必要があります。

    6条の3第1項は、建築主は、申請に係る建築物の計画が20条1項2号または3号に定める基準のうち一定の構造計算に関する部分(特定構造計算基準)等に適合するかどうかの確認審査を要するものであるときは、構造計算適合性判定の申請書を提出して都道府県知事の構造計算適合性判定を受けなければならないとしています。

    これは確認の一部ではなく、並走する別の手続です。申請先も建築主事等ではなく都道府県知事です。ただし、高度の専門的知識を有する要件を備えた建築主事等や確認検査員が確認審査を行う場合など、一定の場合には不要になります。

    6条の3第2項は、都道府県知事は、同じ都道府県に置かれた建築主事等がその計画の確認をするときは、その建築主事等を構造計算適合性判定の事務に従事させてはならないとしています。審査する人と判定する人を分ける趣旨です。

    14日と35日

    6条の3第4項は、都道府県知事は申請書を受理した日から14日以内に、構造計算適合性判定の結果を記載した通知書を申請者に交付しなければならないとしています。

    同条5項が、一定の場合において14日以内に通知書を交付できない合理的な理由があるときは、35日の範囲内で期間を延長できるとしています。この場合、その旨・延長する期間・理由を記載した通知書を、14日の期間内に申請者に交付しなければなりません。

    6項は、申請書の記載によっては適合するかどうかを決定できない正当な理由があるときの通知書について定めています。

    適合判定通知書がなければ確認できない

    6条の3第7項は、建築主は、交付を受けた通知書が適合判定通知書であるときは、確認をする建築主事等または指定確認検査機関に、当該適合判定通知書またはその写しを提出しなければならないとしています。

    そして6条5項が、建築主事等は、申請に係る計画が構造計算適合性判定を要するものであるときは、建築主から適合判定通知書またはその写しの提出を受けた場合に限り確認をすることができる、としています。指定確認検査機関についても6条の2第3項に同じ規定があります。

    提出の期限も決まっています。6条の3第8項が、6条4項の期間(延長された場合は延長後の期間)の末日の3日前までに提出しなければならないとしています。

    つまり、構造計算適合性判定は建築確認の前提条件です。判定が終わらなければ確認済証は出ず、確認済証が出なければ着工できません。二本の審査が直列につながっている、という理解になります。

    確認から着工まで

    受理できない場合がある(6条3項)

    6条3項は、建築主事等は、申請書が提出された場合において、その計画が次の各号のいずれかに該当するときは、当該申請書を受理することができないとしています。

    内容は建築士法違反です。建築士法3条1項ほかの規定に違反するとき、構造設計一級建築士以外の一級建築士が構造設計を行った場合で構造設計一級建築士が確認した構造設計によるものでないとき、設備設計について同様のとき、の3つです。

    不適合だから確認しない、というのとは違う段階の話です。そもそも申請書を受け付けない、という処理になります。なお6条の2第1項も、指定確認検査機関が確認できる計画から6条3項各号に該当するものを除いています。

    交付期限は号で分かれる(6条4項)

    6条4項は、建築主事等が申請書を受理した場合の確認済証の交付期限を定めています。第1号および第2号に係るものは受理した日から35日以内、第3号に係るものは7日以内です。

    規模が大きく審査項目が多いものに長い期間、小規模なものに短い期間が割り当てられています。35日と7日という数字そのものより、どちらがどちらに対応するかを取り違えないことが大事です。数字の横断整理は建築基準法の数字を参照してください。

    起算点は「受理した日」です。申請書を提出した日ではありません。6条3項により受理されない場合があるので、提出と受理は概念として分かれています。

    35日はさらに延ばせる(6条6項)

    6条6項は、一定の場合において、35日以内に確認済証を交付することができない合理的な理由があるときは、35日の範囲内で4項の期間を延長することができるとしています。この場合、その旨・延長する期間・理由を記載した通知書を、35日の期間内に申請者に交付しなければなりません。

    延長できるのは1号・2号に係る35日のほうです。最長で70日まで伸びうる計算になります。3号の7日について延長の規定はありません。

    不適合のときは通知書(6条7項)

    6条7項は、建築主事等は、申請に係る計画が建築基準関係規定に適合しないことを認めたとき、または適合するかどうかを決定することができない正当な理由があるときは、その旨および理由を記載した通知書を、4項の期間(延長した場合は延長後の期間)内に申請者に交付しなければならないとしています。

    黙って放置することは許されていません。適合なら確認済証、不適合なら通知書、どちらかを期間内に出す必要があります。

    もっとも、期間が経過したからといって確認があったものとみなされるわけではありません。期間の経過によるみなし確認の規定は置かれていないので、交付されるまで着工できないという結論は変わりません。

    消防長等の同意(93条)

    93条1項は、特定行政庁、建築主事等または指定確認検査機関は、この法律の規定による許可または確認をする場合においては、当該建築物の工事施工地または所在地を管轄する消防長または消防署長の同意を得なければ、当該許可または確認をすることができないとしています。消防本部を置かない市町村では市町村長です。

    同意が不要になる場合もあります。同項ただし書が、確認に係る建築物が防火地域および準防火地域以外の区域内における住宅(長屋、共同住宅その他政令で定める住宅を除く)である場合を除外しています。一戸建て住宅を防火地域・準防火地域の外に建てるなら、消防長等の同意は要りません。

    同意の期限も決まっています。93条2項が、6条1項3号に係る場合は同意を求められた日から3日以内、その他の場合は7日以内に同意を与えて通知しなければならないとしています。ここでも3号が短い側に置かれています。

    確認済証がなければ着工できない(6条8項)

    6条8項は、確認済証の交付を受けた後でなければ、当該建築物の建築、大規模の修繕または大規模の模様替の工事はすることができないとしています。

    これが建築確認の中核的な効果です。確認済証は着工の法的障害を除去する書面であって、それ以上でもそれ以下でもありません。

    指定確認検査機関の確認済証は失効することがある(6条の2第6項)

    指定確認検査機関が確認をしたときは、6条の2第5項により、確認審査報告書を作成して特定行政庁に提出しなければなりません。

    そして6条の2第6項が、特定行政庁は、確認審査報告書の提出を受けた場合において、確認済証の交付を受けた建築物の計画が建築基準関係規定に適合しないと認めるときは、建築主および確認済証を交付した指定確認検査機関にその旨を通知しなければならず、この場合において当該確認済証はその効力を失うとしています。

    つまり、指定確認検査機関の確認は特定行政庁の事後チェックにかかっており、不適合と判断されれば確認済証は失効します。同条7項により、特定行政庁は必要に応じて9条1項・10項の命令その他の措置を講ずるものとされています。「指定確認検査機関が交付した確認済証は特定行政庁も覆せない」という記述は誤りです。

    工事現場の表示と設計図書(89条)

    確認を受けた建築物の工事の施工者は、工事現場の見やすい場所に、国土交通省令で定める様式によって、建築主、設計者、工事施工者および工事の現場管理者の氏名または名称、ならびに確認があった旨の表示をしなければなりません(89条1項)。設計図書を工事現場に備えておく義務もあります(同条2項)。

    義務を負うのは建築主ではなく工事施工者です。宅建業法が宅建業者に課す標識の掲示義務(50条1項)とは、根拠も名宛人も別の制度です。宅建業法側の標識・届出は案内所等の届出と標識で扱っています。

    中間検査

    覆う前に見る

    7条の3第1項は、建築主は、6条1項の規定による工事が特定工程を含む場合において、当該特定工程に係る工事を終えたときは、その都度、建築主事等の検査を申請しなければならないとしています。

    趣旨は、盛土やコンクリートで覆ってしまうと後から確認できなくなる部分を、覆う前に見ることにあります。完了検査だけでは、鉄筋がどう配置されたかを表面から判定できません。

    政令が工程をピンポイントで指定している

    特定工程には2種類あります。

    7条の3第1項1号が「階数が三以上である共同住宅の床及びはりに鉄筋を配置する工事の工程のうち政令で定める工程」です。ここで政令の絞り込みが入ります。施行令11条が、この政令で定める工程を「二階の床及びこれを支持するはりに鉄筋を配置する工事の工程」としています。階数3以上の共同住宅であればどの階でもよいのではなく、2階の床とそれを支えるはりの配筋工程がピンポイントで指定されている、という構造です。

    7条の3第1項2号が、特定行政庁が、その地方の建築物の建築の動向または工事に関する状況その他の事情を勘案して、区域、期間または建築物の構造、用途もしくは規模を限って指定する工程です。地域の事情に応じて対象を広げられる仕組みで、こちらは全国一律ではありません。

    申請4日・検査4日

    7条の3第2項は、申請は特定工程に係る工事を終えた日から4日以内に建築主事等に到達するようにしなければならないとしています。ただし、申請をしなかったことについて国土交通省令で定めるやむを得ない理由があるときはこの限りでなく、3項により、その理由がやんだ日から4日以内に到達するようにします。

    7条の3第4項は、申請を受理した場合、検査実施者は受理した日から4日以内に検査しなければならないとしています。

    完了検査が「申請4日・検査7日」であるのに対し、中間検査は「申請4日・検査4日」です。検査の側の日数が違う点が、数字の入れ替え問題の材料になります。

    合格証がなければ次の工程に進めない

    7条の3第5項により、検査で適合が認められると中間検査合格証が交付されます。

    そして同条6項が、特定工程後の工程に係る工事は、当該特定工程に係る中間検査合格証の交付を受けた後でなければ施工してはならないとしています。この「特定工程後の工程」も政令が具体化していて、施行令12条が、施行令11条の工程に係るものは「二階の床及びこれを支持するはりに配置された鉄筋をコンクリートその他これに類するもので覆う工事の工程」としています。

    配筋を検査し、合格するまでコンクリートを打たせない。趣旨と条文がきれいに対応しています。

    工事を止める効力があるという点が、完了検査と違うところです。不適切な施工を途中で発見して是正させるための仕組みなので、通過を待たせる必要があります。

    完了検査での再検査は不要になる

    7条の3第7項は、中間検査において建築基準関係規定に適合することを認められた工事中の建築物等について、完了検査等をするときは、その適合を認められた建築物の部分および敷地については検査をすることを要しないとしています。

    中間検査は完了検査の前倒しではなく、完了検査の一部を先に済ませる仕組みだ、と読めます。二重に検査する無駄を避ける規定です。

    なお7条の4により、中間検査も指定確認検査機関が行うことができます。指定確認検査機関が特定工程に係る工事を終えた日から4日が経過する日までに検査を引き受けたときは、7条の3第1項から3項までの申請に関する規定が適用されません。

    完了検査と検査済証

    4日以内に到達するように申請する

    7条1項は、建築主は、6条1項の規定による工事を完了したときは、建築主事等の検査を申請しなければならないと定めています。

    7条2項が、この申請は工事が完了した日から4日以内に建築主事等に到達するようにしなければならないとしています。「工事完了から4日以内に検査を受ける」ではなく、「4日以内に申請が到達するように」です。検査自体はその後になります。

    発信主義ではなく到達主義で書かれている点も条文どおり読んでください。4日目に投函したのでは足りません。

    やむを得ない理由があるとき

    7条2項ただし書は、申請をしなかったことについて国土交通省令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでないとしています。そして3項が、その場合の申請は、理由がやんだ日から4日以内に建築主事等に到達するようにしなければならないとしています。

    4日という期間が一切動かないわけではありません。ただし、やむを得ない理由がやめば、そこからまた4日で走り出します。

    指定確認検査機関が引き受けた場合

    7条の2第1項は、指定確認検査機関が、工事の完了の日から4日が経過する日までに検査を引き受けた場合において、その工事が完了したときについては、7条1項から3項までの規定は適用しないとしています。

    つまり、指定確認検査機関に検査を頼んだのであれば、建築主が建築主事等に完了検査を申請する義務はなくなります。同条4項が、引き受けた指定確認検査機関は、工事が完了した日または引受けを行った日のいずれか遅い日から7日以内に検査をしなければならないとしています。5項により交付された検査済証は、7条5項の検査済証とみなされます。

    受理から7日以内に検査

    7条4項は、建築主事等が申請を受理した場合、検査実施者は受理した日から7日以内に、当該工事に係る建築物およびその敷地が建築基準関係規定に適合しているかどうかを検査しなければならないとしています。

    検査の対象が「建築物及びその敷地」である点に注意してください。建物だけを見るのではありません。敷地の接道や、必要な場合の擁壁も検査の対象になります。

    7条5項により、適合していることを認めたときは、建築主に対して検査済証を交付します。

    4日と7日が近い場所に並ぶので、どちらが申請でどちらが検査かを取り違えないようにします。申請が4日、検査が7日です。

    検査済証の交付前に使えないのはどの範囲か

    7条の6第1項の射程は、多くの教材が単純化しているところなので、条文どおりに押さえてください。使用が制限されるのは次の2つの場合です。

    ひとつは、6条1項1号または2号に掲げる建築物を新築する場合です。1号・2号建築物の新築なら、それだけで使用制限がかかります。

    もうひとつは、これらの建築物(共同住宅以外の住宅および居室を有しない建築物を除く)の増築、改築、移転、大規模の修繕または大規模の模様替の工事で、「避難施設等に関する工事」を含むものをする場合です。避難施設等に関する工事とは、廊下、階段、出入口その他の避難施設、消火栓、スプリンクラーその他の消火設備、排煙設備、非常用の照明装置、非常用の昇降機または防火区画で政令で定めるものに関する工事(政令で定める軽易な工事を除く)をいい、施行令13条が具体的な範囲を定めています。

    ここから2つの帰結が出ます。第一に、1号・2号建築物であっても、増築や大規模の修繕であって避難施設等に関する工事を含まないものには、使用制限がかかりません。第二に、共同住宅以外の住宅、つまり一戸建て住宅や長屋の増築等は、そもそも括弧書きで除かれています。居室を有しない建築物も同じです。

    そして3号建築物には、新築であっても使用制限がかかりません。3号建築物は7条の6第1項の対象に入っていないからです。

    三つの例外

    1号・2号建築物の新築等で使用制限がかかる場合でも、7条の6第1項ただし書が3つの例外を置いています。検査済証の交付を受ける前でも、仮に使用し、または使用させることができる場合です。

    第1号が、特定行政庁が安全上、防火上および避難上支障がないと認めたときです。第2号が、建築主事等または指定確認検査機関が、安全上、防火上および避難上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合していることを認めたときです。1号は特定行政庁の裁量的な認定、2号は大臣基準への適合の認定、という違いがあります。

    第3号が、7条1項の申請が受理された日(指定確認検査機関が検査の引受けを行った場合は、引受けに係る工事が完了した日または引受けを行った日のいずれか遅い日)から7日を経過したときです。

    3つ目が実務上よく使われます。申請が受理されて7日が過ぎれば、検査済証がまだ交付されていなくても使い始められます。7条4項の検査期限が7日であることと対応しており、期限を過ぎても検査が来ないときに建築主が待たされ続けないようにする仕組みです。

    なお7条の6第4項は、指定確認検査機関が第2号の仮使用認定をした場合において、特定行政庁が大臣基準に適合しないと認めるときは、建築主および指定確認検査機関に通知しなければならず、この場合において当該認定はその効力を失うとしています。確認済証の失効(6条の2第6項)と同じ構造が、仮使用認定にも用意されています。

    用途変更のとき

    87条1項が確認の規定を準用する

    建物を建てるのではなく、使い方を変える場合にも確認が必要になることがあります。

    87条1項は、建築物の用途を変更して6条1項1号の特殊建築物のいずれかとする場合について、6条(3項、5項および6項を除く)、6条の2(3項を除く)、6条の4(1項1号および2号の建築物に係る部分に限る)、7条1項、18条の一部を準用しています。

    事務所を診療所に変える、倉庫を店舗に変えるといった場面で、変更後が1号に該当すれば確認が必要になります。工事を伴わなくても、用途を変えるだけで対象になりえます。

    判定は1号の基準で行います。すなわち、変更後の用途が別表第一(い)欄に掲げるものであり、かつその用途に供する部分の床面積の合計が200平方メートルを超えることです。180平方メートルの事務所を診療所に変えるだけなら、1号に達しないので確認は要りません。

    そして2号・3号は準用されていません。用途を変更して2号建築物にする、という発想は条文上ありえません。用途変更で確認が要るのは1号の特殊建築物とする場合だけです。

    類似の用途相互間は除かれる

    87条1項は「当該用途の変更が政令で指定する類似の用途相互間におけるものである場合を除く」としています。この政令が施行令137条の18で、11のグループを挙げています。

    (一)劇場、映画館、演芸場。(二)公会堂、集会場。(三)診療所(患者の収容施設があるものに限る)、児童福祉施設等。(四)ホテル、旅館。(五)下宿、寄宿舎。(六)博物館、美術館、図書館。(七)体育館、ボーリング場、スケート場、水泳場、スキー場、ゴルフ練習場、バッティング練習場。(八)百貨店、マーケット、その他の物品販売業を営む店舗。(九)キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー。(十)待合、料理店。(十一)映画スタジオ、テレビスタジオ。

    同じグループの中で用途を移す限り、規制の前提が変わらないので確認が要らない、という整理です。ホテルを旅館に変える、劇場を映画館に変える、といった変更がこれにあたります。

    グループをまたぐ変更は類似の用途になりません。ホテル(四)を共同住宅に変える場合、共同住宅はそもそもこの11グループのどこにも入っていないので、類似の用途相互間ではありません。変更後が1号に該当すれば確認が必要です。

    用途地域によっては類似扱いされない

    施行令137条の18にはただし書があります。ここは条文を引かないと見えない部分です。

    第3号(診療所、児童福祉施設等)または第6号(博物館、美術館、図書館)の用途に供する建築物が第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域または田園住居地域内にある場合、第7号(体育館、ボーリング場等)の用途に供する建築物が第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域または工業専用地域内にある場合、第9号(キャバレー、カフェー等)の用途に供する建築物が準住居地域または近隣商業地域内にある場合は、類似の用途としての扱いを受けません。

    理由は、これらの用途地域では、同じグループ内であっても用途規制上の扱いが分かれるからです。たとえば第一種低層住居専用地域では診療所は建てられますが、児童福祉施設等との間で建てられる範囲が変わりえます。用途地域ごとの建築制限は用途地域13種類と建築制限、覚え方は用途地域13種の覚え方で扱っています。

    完了検査は行われず、届出になる

    用途変更については、完了検査の手続が用意されていません。87条1項は7条1項を準用していますが、同時に読替えを命じていて、7条1項の「建築主事等の検査を申請しなければならない」を「建築主事等に届け出なければならない」と読み替えるとしています。

    準用されているのは7条1項だけで、7条2項以下(4日以内の到達、7日以内の検査、検査済証の交付)は準用されていません。したがって、用途変更の工事が完了しても検査は行われず、検査済証も交付されません。建築主事等への届出で終わります。

    確認は要るが検査済証は出ない。この非対称が出題の材料になります。当然、7条の6の使用制限も準用されていないので、用途変更に使用制限はかかりません。

    準用されない特例がある

    87条1項が準用する6条の4は「1項1号及び2号の建築物に係る部分に限る」とされています。型式適合認定に関する1号・2号は準用されますが、3号(3号建築物で建築士の設計に係るもの)は準用されません。

    もっとも、用途変更の確認は1号の特殊建築物とする場合にしか働かないので、3号建築物の特例が問題になる場面がそもそもありません。条文が整合的に作られている、という確認になります。

    6条3項(受理拒否)、5項・6項(構造計算適合性判定と期間延長)も準用対象から外れています。

    工作物と建築設備への準用

    88条1項 煙突・広告塔・擁壁など

    建築確認は建築物についての制度ですが、88条が一定の工作物にこれを準用しています。

    88条1項が対象とするのは、煙突、広告塔、高架水槽、擁壁その他これらに類する工作物で政令で指定するもの、および昇降機、ウォーターシュート、飛行塔その他これらに類する工作物で政令で指定するものです。

    前者の中身は施行令138条1項が定めています。高さが6メートルを超える煙突(ストーブの煙突を除く)、高さが15メートルを超える鉄筋コンクリート造の柱・鉄柱・木柱等(旗ざおを除く)、高さが4メートルを超える広告塔・広告板・装飾塔・記念塔等、高さが8メートルを超える高架水槽・サイロ・物見塔等、そして高さが2メートルを超える擁壁です。

    これらについては、6条1項および4項の準用が「同項第3号の建築物に係る部分に限る」とされています。つまり3号建築物と同じ扱いで、都市計画区域等の内にあるものが対象になり、確認済証の交付期限も7日です。

    昇降機等は1号・2号扱い

    施行令138条2項が挙げるのは、観光のための乗用エレベーターまたはエスカレーター(一般交通の用に供するものを除く)、ウォーターシュート・コースターその他これらに類する高架の遊戯施設、メリーゴーラウンド・観覧車・オクトパス・飛行塔その他これらに類する回転運動をする遊戯施設で原動機を使用するものです。

    これらは条文上「昇降機等」と呼ばれ、6条1項・4項の準用が「第1項第1号又は第2号の建築物に係る部分」に限られます。交付期限は35日になり、7条の6の使用制限も準用されます。危険性が高いので重い側の扱いに寄せられている、と読めます。

    88条2項 製造施設・貯蔵施設・遊戯施設

    88条2項は、製造施設、貯蔵施設、遊戯施設等の工作物で政令で指定するものについて、6条・6条の2・7条・7条の2・7条の6以下などを準用しています。施行令138条4項が対象を定めており、用途地域内の一定の危険物関係施設、規模の大きい自動車車庫、住居系用途地域内の高さ8メートル超のサイロ、汚物処理場・ごみ焼却場などが挙がっています。

    この場合、6条1項・4項の準用は1号・2号の建築物に係る部分に限られます。また、88条2項後段が、6条2項および別表第二中「床面積の合計」とあるのは「築造面積」と読み替えるとしています。工作物には床がないので、面積の数え方を差し替えているわけです。

    擁壁が他の許可にかかるとき

    88条4項は、1項のうち6条から7条の5まで等に係る部分は、盛土規制法12条1項・16条1項・30条1項・35条1項、都市計画法29条1項・2項・35条の2第1項本文、特定都市河川浸水被害対策法57条1項・62条1項、津波防災地域づくり法73条1項・78条1項の許可を受けなければならない場合の擁壁については適用しない、としています。

    同じ擁壁について、盛土規制法や開発許可の側で審査されるなら、建築基準法の側で二重に確認をする必要がない、という調整です。盛土規制法の規制区域と許可の枠組みは盛土規制法、区域の種類ごとの違いは造成宅地防災区域と特定盛土等規制区域で扱っています。

    87条の4 建築設備

    87条の4は、政令で指定する昇降機その他の建築設備を6条1項1号または2号に掲げる建築物に設ける場合について、6条以下を準用しています。政令は施行令146条で、エレベーターおよびエスカレーター、小荷物専用昇降機、12条3項の規定により特定行政庁が指定する建築設備(し尿浄化槽および合併処理浄化槽を除く)が挙がっています。

    読替えがひとつ入ります。6条4項の「35日以内」「7日以内」の書き分けが、「その受理した日から7日以内に」に一本化されます。建築設備の確認はすべて7日、ということです。

    建築設備を後から設置する場合の話なので、建築物の確認や通知を要する場合、つまり建物と一緒に確認を受ける場合は対象から除かれています。

    違反したときと、争うとき

    罰則は誰に向かうか

    99条1項が、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処せられる場合を列挙しています。建築確認に関係するものを拾うと、名宛人が場面によって違うことがわかります。

    同項1号が、6条1項(87条1項、87条の4、88条1項・2項において準用する場合を含む)の規定に違反した者、および7条の6第1項の規定に違反した者です。確認を受けずに建築した者と、検査済証の交付を受ける前に使用した者です。名宛人はいずれも義務を負う者、すなわち建築主です。

    同項2号が、6条8項または7条の3第6項の規定に違反した場合における当該建築物の工事施工者です。確認済証の交付前に工事をした場合と、中間検査合格証の交付前に特定工程後の工程を施工した場合で、罰せられるのは施工者です。条文が「工事は、することができない」「施工してはならない」と行為者に着目して書かれていることに対応しています。

    同項3号が、7条2項・3項または7条の3第2項・3項の期限内に完了検査・中間検査の申請をせず、または虚偽の申請をした者です。検査の申請を怠ることにも罰則があります。

    「誰が義務を負うか」は法令上の制限全体で問われる軸です。届出義務者・許可申請者の横断整理は法令上の制限の横断整理を参照してください。

    審査請求は建築審査会へ

    94条1項は、建築基準法令の規定による特定行政庁、建築主事等もしくは建築監視員、都道府県知事、指定確認検査機関または指定構造計算適合性判定機関の処分またはその不作為についての審査請求は、建築審査会に対してするものとしています。

    指定確認検査機関の処分についても、当該建築物について確認その他の処分をする権限を有する建築主事等が置かれた市町村または都道府県の建築審査会が審査庁になります。民間機関の処分だから行政不服審査の対象外、ということにはなりません。

    94条2項が、建築審査会は審査請求がされた日から1月以内に裁決をしなければならないとしています。3項が、却下する場合を除き、あらかじめ審査請求人・特定行政庁・建築主事等その他の関係人またはこれらの代理人の出頭を求めて、公開による口頭審査を行わなければならないとしています。

    書類の閲覧

    93条の2は、特定行政庁は、確認その他の建築基準法令の規定による処分および12条1項・3項の報告に関する書類のうち、権利利益を不当に侵害するおそれがないものとして国土交通省令で定めるものについては、閲覧の請求があった場合には閲覧させなければならないとしています。

    取引の相手方が、その建物について確認や検査済証があるかを確かめる手段になります。

    開発許可その他の手続との関係

    何を審査するかが違う

    建築確認と紛らわしいのが、都市計画法の開発許可です。名前が似ていないのに混同されるのは、同じ土地について両方が必要になる場面があるからです。

    開発許可は、都市計画法29条が定めるもので、審査の対象は開発行為、すなわち建築物の建築等の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更です。土地をどう造成するかを見ます。許可権者は都道府県知事等です。

    建築確認は、建築基準法6条が定めるもので、審査の対象は建築物の計画です。建物をどう建てるかを見ます。確認をするのは建築主事等または指定確認検査機関です。

    土地を造成して家を建てるなら、造成について開発許可、建物について建築確認と、両方が必要になりえます。一方が不要でも他方は必要になる関係です。開発許可は開発許可、不要になる場合は開発許可が不要な場合、面積要件は開発許可が必要な面積要件で扱っています。両者の対比を独立性の観点から整理したものが開発許可と建築確認の違いなので、対比だけを確認したい場合はそちらを参照してください。

    両方が必要になる場面の順序

    市街化区域内の1,500平方メートルの農地を宅地に造成して、住宅を建てて分譲するという場面で考えます。

    まず農地法5条の許可、市街化区域内なので農業委員会への届出です。次に、開発区域の面積が市街化区域の規模要件に達していれば都市計画法29条の開発許可を受けます。造成の内容によっては盛土規制法の許可もかかります。造成工事が終わって工事完了の公告があり、そこで初めて建築物の工事に着手できる状態になります。そして個々の住宅について建築確認を受けます。

    土地に関する手続が先で、建物に関する手続が後になるのが基本の順序です。ただし、施行令9条が開発許可や盛土規制法の許可を建築基準関係規定に取り込んでいるため、両者は完全に無関係ではありません。土地側の手続が済んでいないと建物側の確認が下りない、という接続があります。

    工事完了公告の前と後

    開発許可を受けた区域内では、建築のタイミングにも制限がかかります。

    都市計画法37条は、開発許可を受けた開発区域内の土地においては、工事完了の公告があるまでは建築物を建築し、または特定工作物を建設してはならないと定めています。造成が終わっていない土地に建物を建てさせないための規定です。ただし、工事のための仮設建築物を建築する場合、都道府県知事が支障がないと認めた場合、開発行為に同意していない者が権利の行使として建築する場合は除かれます。

    同法42条1項は、何人も、開発許可を受けた開発区域内においては、工事完了の公告があった後は、当該開発許可に係る予定建築物等以外の建築物または特定工作物を新築し、または新設してはならず、また、建築物を改築し、またはその用途を変更して予定の建築物以外の建築物としてはならないと定めています。許可の前提になった土地利用を後から変えさせないための規定です。ただし、都道府県知事が利便の増進上または環境の保全上支障がないと認めて許可したとき、および建築物等について当該開発区域内の土地に用途地域等が定められているときは除かれます。

    ここで用途変更が明示的に禁止されている点に注意してください。建築基準法87条の用途変更の確認は「1号の特殊建築物とする場合」にしか働きませんが、開発許可を受けた土地では、規模にかかわらず予定建築物以外への用途変更が禁じられます。建築基準法の側で確認が要らないから自由に用途を変えてよい、とはなりません。

    公告の前は「建てられない」、公告の後は「予定したもの以外は建てられない」。制限の内容が切り替わります。区域ごとの制限の層は都市計画制限、その他の法令が置く許可権者の整理はその他の法令上の制限を参照してください。

    宅建業法の側から見た建築確認

    建築確認は宅建業法にも顔を出します。

    宅建業法33条は、宅建業者は、宅地の造成または建物の建築に関する工事の完了前においては、当該工事に関し必要とされる都市計画法29条1項または2項の許可、建築基準法6条1項の確認その他法令に基づく許可等の処分で政令で定めるものがあった後でなければ、当該工事に係る宅地または建物の売買その他の業務に関する広告をしてはならないとしています。広告開始時期の制限です。

    同法36条は、同じ処分があった後でなければ、当該工事に係る宅地または建物につき、自ら当事者として、もしくは当事者を代理してその売買もしくは交換の契約を締結し、またはその売買もしくは交換の媒介をしてはならないとしています。契約締結等の時期の制限です。33条が「売買その他の業務に関する広告」と書いて貸借の広告まで対象にしているのに対し、36条は売買・交換の契約と媒介だけを対象としており、貸借の代理・媒介が外れています。この非対称が両条の違いです。

    つまり、建築確認は建築の入口であると同時に、未完成物件を売り出せるようになる時点でもあります。広告の規制は広告に関する規制、表示上の細かい基準は不動産広告の表示基準、禁止される広告手法はおとり広告・二重価格表示で扱っています。工事完了前の物件を売る場合の保全措置は8種制限の論点です。

    35条書面の側でも、法令上の制限に関する事項として建築基準法の制限が説明対象になります。記載事項の全体像は35条書面の記載事項一覧を参照してください。

    試験での出題ポイント

    改正前の号と数値で作られる

    もっとも警戒すべきなのが、改正前の区分を使った選択肢です。

    「木造の建築物で3階以上のものを新築する場合には確認が必要」「木造以外で2階以上のものは確認が必要」といった、木造と木造以外を区別する記述は、現行法の枠組みと合いません。現行の2号は木造かどうかを問わず、階数2以上または延べ面積200平方メートル超です。

    「4号建築物」という語を使った選択肢も、現行法には存在しない区分を前提にしています。高さ13メートル、軒の高さ9メートル、延べ面積500平方メートルという数値も同様です。

    特殊建築物の範囲をずらす

    1号が参照しているのは2条2号の特殊建築物一般ではなく、別表第一(い)欄に掲げる用途です。工場、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場は2条2号の特殊建築物ですが、別表第一(い)欄には載っていません。

    「延べ面積300平方メートルの工場を新築する場合、1号建築物として確認が必要」という記述は、結論としては確認が必要でも、理由づけが誤っています。2号(延べ面積200平方メートル超)に当たるから必要なのであって、1号ではありません。理由が問われる形の設問で差がつきます。

    また、1号は「その用途に供する部分の床面積の合計」、2号は「延べ面積」です。複合用途の建物で、この数え方を入れ替える選択肢が作られます。

    号によって行為の範囲が違うところを突く

    大規模の修繕と大規模の模様替が確認の対象になるのは、1号建築物と2号建築物だけです。3号建築物については建築のみが対象になります。

    「都市計画区域内の平屋建て住宅について大規模の修繕をする場合には確認が必要」という記述は誤りです。逆に、この建築物を増築して延べ面積が200平方メートルを超えるなら、増築後の規模で2号に該当するので確認が必要になります。行為と規模の両方を読む必要があります。

    主要構造部の範囲も狙われます。最下階の床、間仕切壁、ひさし、屋外階段は主要構造部から除かれているので、これらを全面的に改修しても大規模の修繕にはあたりません。

    10平方メートルの適用除外を広げる、または狭める

    防火地域および準防火地域外での10平方メートル以内の増築、改築、移転には確認が要りません。この要件を落として「10平方メートル以内なら常に不要」とする記述は誤りです。防火地域内では面積を問わず必要になります。準防火地域を落として「防火地域外なら不要」とする記述も誤りです。

    逆に、新築にまでこの適用除外を及ぼす記述も誤りです。6条2項が対象としているのは増築、改築、移転だけです。

    15条の届出と混ぜてくる形もあります。15条には地域要件がなく、行為に除却が含まれ、届出先が都道府県知事です。この3点のどれかを入れ替えれば選択肢が作れます。

    使用制限の対象を入れ替える

    検査済証の交付を受ける前に使用できないのは、1号・2号建築物の新築と、これらの建築物(共同住宅以外の住宅および居室を有しない建築物を除く)の増築等で避難施設等に関する工事を含むものです。3号建築物にこの制限を及ぼす記述は誤りになります。

    「1号・2号建築物の工事はすべて検査済証の交付まで使用できない」という断定も、増築等については避難施設等に関する工事を含むことが要件なので、そのままでは誤りです。

    例外の3つ目、完了検査の申請が受理された日から7日を経過したときに使用できる点も狙われます。「検査済証の交付を受けるまで一切使用できない」という断定は誤りです。

    中間検査の効力を弱める

    中間検査は、合格証の交付を受けた後でなければ特定工程後の工程に係る工事を施工できないという、工事を止める効力を持ちます。「中間検査を申請すれば、合格証の交付を待たずに次の工程に進める」という記述は誤りです。

    完了検査のほうは工事を止める効力を持たず、検査済証は使用の制限にかかるだけです。工事を止めるのは確認済証と中間検査合格証の2か所、という切り分けで押さえます。

    特定工程の中身も材料になります。法が「階数3以上の共同住宅」に限り、政令が「2階の床及びこれを支持するはりに鉄筋を配置する工事の工程」に絞っています。「階数2以上の共同住宅」「すべての階の配筋工程」とする記述は誤りです。

    期間の数字を入れ替える

    確認済証の交付期限が1号・2号は35日以内、3号は7日以内。1号・2号の35日は35日の範囲内で延長できる。完了検査の申請は工事完了から4日以内に到達するように。完了検査は受理から7日以内。中間検査の申請も特定工程に係る工事を終えた日から4日以内で、中間検査は受理から4日以内。構造計算適合性判定は受理から14日以内で、35日の範囲内で延長できる。消防長等の同意は3号に係る場合3日以内、その他は7日以内。審査請求の裁決は1月以内。

    3日、4日、7日、14日、35日、1月が近い場所に並ぶので、どの場面の数字かとセットで覚える必要があります。数字だけを縦に並べた整理は建築基準法の数字、暗記の手順は法令上の制限の暗記法にあります。

    確認の要否と実体規定の適用を混ぜる

    「建築確認を受ける必要がない建築物については、建蔽率の制限は適用されない」といった形の記述が作られることがあります。誤りです。

    確認は手続の話で、建蔽率や用途制限は実体の話です。確認が不要でも実体規定は適用されますし、逆に確認を受けたからといって実体規定を免れるわけでもありません。

    同じ発想で、6条の4の特例についても「特例の対象だから確認が不要」とする記述が誤りになります。特例が省略するのは審査の一部であって、確認の手続そのものは必要です。

    用途変更で完了検査を求める

    用途変更については、確認は準用されますが完了検査は行われません。「用途変更の工事が完了したときは完了検査を受けて検査済証の交付を受けなければならない」という記述は誤りです。工事完了時の建築主事等への届出はあります。

    類似の用途相互間の範囲も材料になります。ホテルと旅館、劇場と映画館は同じグループですが、ホテルと共同住宅は違います。加えて、用途地域によっては類似の用途として扱われない場合があるという施行令137条の18のただし書も、細かい肢の根拠になりえます。

    主体をすり替える

    確認をするのは建築主事等または指定確認検査機関。指定するのは国土交通大臣または都道府県知事。構造計算適合性判定をするのは都道府県知事。仮設建築物の許可をするのは特定行政庁。審査請求を受けるのは建築審査会。15条の届出先は都道府県知事。

    主体を1つ入れ替えるだけで誤りの肢ができるので、制度ごとに主体を紐づけて覚えます。言い回しの引っかけ方そのものの類型は引っかけ表現のパターンにまとめています。

    覚え方・整理の仕方

    号は「用途・規模・場所」で判定する

    3つの号は、判定基準が違います。1号は用途で決まり、2号は規模で決まり、3号は場所で決まります。

    まず用途を見る。別表第一(い)欄の特殊建築物で用途部分200平方メートル超なら1号。次に規模を見る。階数2以上または延べ面積200平方メートル超なら2号。最後に場所を見る。都市計画区域等の内なら3号。

    上から順に、用途、規模、場所。この順序で当てはめれば、排他的に書かれた条文の構造どおりに判定できます。

    「200」が数え方の違う2か所に出てくる

    現行の6条1項では200平方メートルという数字が2か所に出てきます。1号の用途部分の床面積の合計が200平方メートル超、2号の延べ面積が200平方メートル超です。そして87条の用途変更も、1号を参照しているので200平方メートル超です。

    同じ200でも、1号は「その用途に供する部分の床面積の合計」、2号は「延べ面積」と、数えるものが違います。ここを取り違えると、複合用途の建物で誤ります。

    増築は「後の姿」で判定する

    増築の問題は、増築前の建物の姿に引きずられると誤ります。6条1項の柱書のかっこ書きが「増築後において」と書いているとおり、判定するのは増築が終わった状態です。

    そのうえで、10平方メートル以内かつ防火地域および準防火地域外という2つの要件を満たせば、6条2項により確認が不要になります。

    順序としては、まず10平方メートルと地域の2要件で除外されるかを見て、除外されないなら増築後の規模で号を判定する。この2段で処理すると迷いません。

    3号は「軽い扱い」で統一されている

    3号建築物は、いくつもの場面で軽い扱いを受けます。

    大規模の修繕・模様替に確認が要らない。確認済証の交付期限が7日と短い。消防長等の同意の期限も3日と短い。検査済証の交付前でも使用できる。建築士の設計に係るものなら審査の一部が省略される。工作物のうち煙突・広告塔・擁壁なども3号と同じ扱いになる。

    いずれも「小規模だから」という同じ理由から出ています。3号を見たら軽い側だと反応できるようにしておけば、個別に覚える必要が減ります。

    逆に1号・2号は重い側です。大規模の修繕・模様替も対象、交付期限35日、使用制限あり、昇降機等の工作物や建築設備もこちら側に寄せられます。

    手続は「確認、着工、中間、完了、使用」の5点で持つ

    流れは5つの点で持ちます。確認済証の交付を受けて着工する。特定工程があれば中間検査を受け、合格証がなければ次に進めない。工事が完了したら4日以内に到達するよう完了検査を申請する。検査を経て検査済証が交付される。1号・2号の新築なら原則としてそれから使用する。

    止まる箇所が2つあります。確認済証がなければ着工できないところ(6条8項)と、中間検査合格証がなければ次の工程に進めないところ(7条の3第6項)です。検査済証は使用の制限にかかるだけで、工事を止めるものではありません。

    そして罰則の名宛人も、この2か所だけ工事施工者になります。止まる場所と、罰せられる人が対応している、と覚えると両方が同時に片づきます。

    「申請4日」は2か所、「検査7日」は完了だけ

    期間の数字は、申請側と検査側に分けて持つと混ざりません。

    申請側は完了検査も中間検査も4日以内の到達で共通です。検査側は完了検査が7日以内、中間検査が4日以内で分かれます。中間検査は工事を止めているので早く済ませる必要がある、と理由づけできます。

    確認済証の35日と7日、消防同意の7日と3日は、どちらも「1号・2号が長く、3号が短い」という同じ向きです。向きさえ覚えれば、数字を取り違えても方向で復元できます。

    準用の広がりは「建物の周り」で思い出す

    87条が用途変更、87条の4が建築設備、88条が工作物。建築確認は建物本体から、使い方、設備、周辺の構造物へと同心円状に広がっています。

    しかも広がるほど扱いが軽くなります。用途変更は確認だけで検査済証が出ない。建築設備は交付期限が7日に一本化される。工作物のうち煙突・広告塔・擁壁は3号扱いで7日。逆に危険な昇降機等と製造・貯蔵・遊戯施設だけは1号・2号扱いに戻る。

    「建物本体が基準で、外側に行くほど軽く、危険なものだけ重い側に戻る」という形で持てば、個別の準用条文を丸暗記せずに済みます。

    理解度チェッククイズ

    Q1. 建築確認は建築主事が行うものであり、民間の機関が行うことはできない。

    答えを見る 誤り。建築基準法6条の2第1項は、国土交通大臣または都道府県知事が指定した者、すなわち指定確認検査機関の確認を受けて確認済証の交付を受けたときは、当該確認は6条1項の確認と、当該確認済証は同項の確認済証とみなすとしています。完了検査(7条の2)や中間検査(7条の4)についても同様です。なお指定をするのは、2以上の都道府県で業務を行う者については国土交通大臣、1つの都道府県で行う者については都道府県知事であり、市町村長ではありません。また6条の2第6項により、特定行政庁が確認審査報告書を見て不適合と認めたときは、当該確認済証は効力を失います。

    Q2. 都市計画区域内において、木造2階建て、延べ面積150平方メートルの住宅を新築する場合、建築確認を受ける必要はない。

    答えを見る 誤り。6条1項2号は「二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超える建築物」としており、階数が2以上であればそれだけで該当します。延べ面積が200平方メートル以下であっても、2階建てである以上2号建築物です。なお改正前は木造について3階以上や延べ面積500平方メートル超が基準とされ、この建物は旧4号にとどまりましたが、2025年4月1日施行の改正で木造と木造以外の区別が廃止されています。2号に該当する結果、大規模の修繕・模様替にも確認が必要になり、確認済証の交付期限は35日、新築なので検査済証の交付前は使用できません。

    Q3. 都市計画区域内にある平屋建て、延べ面積150平方メートルの事務所について、大規模の修繕をしようとする場合には建築確認が必要である。

    答えを見る 誤り。6条1項の柱書は、大規模の修繕および大規模の模様替について「第一号若しくは第二号に掲げる建築物」に限って確認の対象としています。設問の建物は事務所なので別表第一(い)欄の特殊建築物ではなく、階数1で延べ面積も200平方メートル以下なので2号にも当たらず、3号建築物です。3号については「建築しようとする場合」だけが確認の対象なので、大規模の修繕に確認は要りません。ただし増築して延べ面積が200平方メートルを超えるなら、増築後の規模で2号に該当するため確認が必要になります。

    Q4. 防火地域内において、床面積の合計8平方メートルの増築をしようとする場合、建築確認を受ける必要はない。

    答えを見る 誤り。6条2項が6条1項の適用を除外しているのは、防火地域および準防火地域「外」において増築、改築または移転をする場合で、その部分の床面積の合計が10平方メートル以内であるときです。防火地域または準防火地域の内では、面積の大小を問わず確認が必要になります。なおこの適用除外は増築・改築・移転についてのもので、新築には及びません。また、15条1項の建築工事届は10平方メートル以内であれば地域を問わず不要で、こちらは届出であり、届出先は建築主事等を経由した都道府県知事です。

    Q5. 建築基準法6条1項3号に掲げる建築物を新築した場合、検査済証の交付を受けた後でなければ使用することができない。

    答えを見る 誤り。7条の6第1項が使用の制限を課しているのは、6条1項1号または2号に掲げる建築物を新築する場合、およびこれらの建築物(共同住宅以外の住宅ならびに居室を有しない建築物を除く)の増築等の工事で避難施設等に関する工事を含むものをする場合であり、3号建築物は対象外です。3号建築物は検査済証の交付前でも使用できます。なお1号・2号建築物についても、特定行政庁が支障がないと認めたとき、建築主事等または指定確認検査機関が大臣の定める基準に適合していることを認めたとき、および完了検査の申請が受理された日から7日を経過したときは、検査済証の交付前に使用できます。

    Q6. 用途を変更して床面積の合計300平方メートルのホテルを旅館とする場合、建築確認を受けなければならない。

    答えを見る 誤り。87条1項は、建築物の用途を変更して6条1項1号の特殊建築物とする場合に確認の規定を準用していますが、「当該用途の変更が政令で指定する類似の用途相互間におけるものである場合」を除いています。施行令137条の18第4号がホテルと旅館を同一のグループに掲げているので、両者の間の変更は類似の用途相互間にあたり、確認は不要です。なお、仮に確認が必要な用途変更であったとしても、87条1項は7条1項を「届け出なければならない」と読み替えて準用しているだけなので、完了検査は行われず検査済証も交付されません。

    Q7. 工事を施工するために現場に設ける事務所については、建築確認を受ける必要がないが、用途地域による用途の制限は適用される。

    答えを見る 誤り。85条2項は、工事を施工するために現場に設ける事務所、下小屋、材料置場その他これらに類する仮設建築物について、6条から7条の6までの規定に加えて「第3章の規定」を適用しないとしています。第3章は都市計画区域等内の建築物の敷地・構造・建築設備に関する規定、すなわち集団規定であり、用途地域による用途制限(48条)もここに含まれます。したがって用途の制限も適用されません。ただし、防火地域または準防火地域内にある延べ面積50平方メートルを超えるものについては、同項ただし書により屋根に関する62条の適用があります。

    まとめ

    建築確認について、条文の構造で押さえるべき点を整理します。

    建築確認は、着工前に建築物の計画が建築基準関係規定に適合するかを審査する手続です(6条1項)。建築基準関係規定には、建築基準法令の規定に加えて、施行令9条が挙げる16本の他法令の規定が含まれます。確認をするのは建築主事等のほか、指定確認検査機関です(6条の2)。確認が不要な建築物にも実体規定は適用されます。

    対象は3つの号に分かれます。1号が別表第一(い)欄の特殊建築物で用途に供する部分の床面積の合計が200平方メートル超のもの、2号が階数2以上または延べ面積200平方メートル超のもの、3号がこれら以外で都市計画区域等の内にあるものです。2025年4月1日施行の改正で木造と木造以外の区別が廃止され、旧4号という区分はなくなりました。

    行為は号で分かれます。1号・2号は建築に加えて大規模の修繕・大規模の模様替も対象、3号は建築のみです。増築は増築後の規模で号を判定します。防火地域および準防火地域外での10平方メートル以内の増築・改築・移転は確認を要しません(6条2項)。国等が建築主のときは確認ではなく通知になりますが、確認済証は交付されます(18条)。仮設建築物は85条により広く適用が除外されます。

    手続は、確認済証の交付が1号・2号は35日以内、3号は7日以内で、35日は35日の範囲内で延長できます(6条4項・6項)。構造計算適合性判定を要する場合は都道府県知事の判定が先に必要で、期限は14日以内、35日の範囲内で延長できます(6条の3)。中間検査は特定工程に係る工事を終えた日から4日以内に申請し、受理から4日以内に検査が行われ、合格証がなければ次の工程に進めません(7条の3)。完了検査は工事完了から4日以内に到達するよう申請し、受理から7日以内に検査が行われます(7条)。検査済証の交付前に使用できないのは1号・2号建築物の新築等に限られ、3つの例外があります(7条の6)。

    確認の効果は建物本体の外にも伸びます。用途変更は1号の特殊建築物とする場合に確認が準用されますが、完了検査は行われず届出になります(87条1項)。建築設備は交付期限が7日に一本化され(87条の4)、工作物のうち高さ2メートル超の擁壁や4メートル超の広告塔などは3号扱い、昇降機等や製造・貯蔵・遊戯施設は1号・2号扱いで準用されます(88条)。

    そして建築確認は建築物の計画を見る制度であって、土地の区画形質の変更を見る開発許可とは別の手続です。同じ土地について両方が必要になる場面があり、宅建業法の側では33条の広告開始時期と36条の契約締結時期の基準点としても使われます。法令上の制限が試験全体で何点分かは法令上の制限は何問出る、合格点の水準は合格点の推移と令和8年度の見通しを参照してください。

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