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法令上の制限の横断整理|許可と届出の分かれ目

法令上の制限 読了 約57分

宅建の法令上の制限を、許可か届出か・誰に出すか・いつ出すか・面積要件・例外・違反の効果など十一の軸で横断整理。都市計画法、農地法、国土利用計画法、盛土規制法を条文根拠つきで比較します。

目次

    この記事は、法令上の制限に登場する各法律を、法律ごとではなく「軸」ごとに並べ直して整理するためのハブです。個別の論点そのものは各記事に譲り、ここでは法律をまたいだときに何がどう食い違うのかだけを扱います。分野全体の地図が必要な場合は都市計画法の全体像を、どの論点から着手するかを決めたい場合は法令上の制限の頻出論点を先に見ておくと、本記事の位置づけがはっきりします。

    結論を先に述べます。法令上の制限で落とす問題の大半は、知らなかったのではなく、隣の法律の答えを持ってきてしまったことによります。開発許可の1,000平方メートルと国土利用計画法の2,000平方メートル、農地法3条の農業委員会と4条の都道府県知事等、地区計画の30日前と事後届出の2週間。どれも単体では覚えているのに、本番では取り違える。原因は、法律ごとに縦に覚えているからです。試験は法律をまたいで横に問うので、覚え方も横に組み替える必要があります。

    そこで本記事は、「許可か届出か」「誰に出すか」「いつ出すか」「どの規模から」「誰が外れるか」「破ったらどうなるか」という六つの基本軸に加えて、「どの区域で作動するか」「規制はいつ始まりいつ終わるか」「許可を受けた地位はどう動くか」「勧告に従わないと何が起きるか」「制度が重なったときにどちらが優先するか」という五つの補助軸を立て、それぞれの軸のなかで各法律を並べます。この十一の軸は、法令上の制限の問題文がほぼ例外なくどこかを触ってくる箇所です。軸ごとに答えられる状態になれば、選択肢のどこがすり替えられているかが読んだ瞬間に見えるようになります。

    軸1 許可か届出か、それとも協議か

    許可制は「原則禁止・個別解除」の構造

    許可制とは、一定の行為をいったん一般的に禁止したうえで、要件を満たす場合にだけ行政庁が個別に禁止を解く仕組みです。したがって許可を受けずに行った行為は、その時点で違法な行為になります。行政庁には、申請が要件を満たしているかを審査する権限があり、要件を満たさなければ拒否できます。

    条文の書きぶりを見ると、この構造がそのまま出ています。都市計画法29条1項は「開発行為をしようとする者は、あらかじめ……都道府県知事の許可を受けなければならない」と定め、ただし書以下に許可不要となる場合を列挙します。原則は禁止で、列挙された場合だけが外れる。盛土規制法12条1項も「工事主は、当該工事に着手する前に……都道府県知事の許可を受けなければならない」と書き、ただし書で災害発生のおそれがないと認められる工事だけを外しています。「あらかじめ」「着手する前に」という語が入っているものは、まず許可制だと考えて差し支えありません。

    法令上の制限で許可制が採られているのは、放置すると取り返しがつかない結果を生む行為です。開発行為(都市計画法29条1項・2項)は、いったん造成して家が建ってしまえば元に戻せません。農地の転用(農地法4条1項、5条1項)も、宅地になった土地を農地に戻すのは事実上不可能です。盛土等の工事(宅地造成及び特定盛土等規制法12条1項、30条1項)は、施工不良のまま完成すると人命に関わります。いずれも事前審査でしか制御できない行為だから許可制なのだ、と趣旨から押さえておくと、どちらか迷ったときの手がかりになります。

    許可制にはもう一つ共通の特徴があります。行政庁が審査基準を条文で与えられているという点です。開発許可には技術基準(都市計画法33条)と立地基準(同法34条)があり、盛土規制法12条2項は工事計画の適合性のほか、工事主の資力・信用、工事施行者の能力、そして工事をしようとする土地の区域内の土地について権利を有する者の全員の同意を要件に掲げています。農地法4条6項・5条2項も、農用地区域内の農地であることや、代替地で目的を達成できることなどを不許可事由として列挙しています。届出制にはこの種の審査基準がありません。基準がないから審査もできず、だから勧告しかできない、という順序で理解しておくと、両者の差が制度として腑に落ちます。

    届出制は「行為は自由・行政は情報を得て誘導する」構造

    届出制は、行為そのものを禁止していません。行政庁に情報を提供させ、必要があれば勧告という形で誘導するにとどめます。届出をしなかったことに対する罰則は用意されていても、届出を怠ったからといって行為自体が無効になるとは限らない、というのが許可制との決定的な違いです。

    国土利用計画法の事後届出(同法23条1項)が典型です。土地の売買契約は締結してよく、締結したあとで届け出ます。知事は土地の利用目的について勧告できますが(24条1項)、勧告に従う法的義務はありません。従わない場合に知事ができるのは、勧告の内容を公表することだけです(26条)。地区計画の区域内における行為の届出(都市計画法58条の2第1項)も同じ構造で、市町村長は届出内容が地区計画に適合しないと認めるときに設計の変更などを勧告できるにとどまります(同条3項)。

    ただし届出制のなかにも強弱があります。盛土規制法27条1項の特定盛土等規制区域内の届出は、届出であるにもかかわらず、勧告に従わない者に対して都道府県知事が措置を命じることができます(同条4項)。届出制だから命令はないと一般化すると、この条文で足をすくわれます。届出制の中身は制度ごとに設計が違う、と押さえておくのが正確です。

    協議とみなし許可という中間形

    三つ目の類型として、国や地方公共団体が当事者になる場合に用意される「協議」があります。開発行為について、国または都道府県等が行うものは、国等と都道府県知事との協議が成立することをもって開発許可があったものとみなされます(都市計画法34条の2第1項)。農地の転用でも、国または都道府県等が行うものは、都道府県知事等との協議の成立をもって許可があったものとみなされます(農地法4条8項、5条4項)。盛土規制法15条1項にも同じ仕組みがあり、国または都道府県、指定都市もしくは中核市が宅地造成等工事規制区域内で行う工事は、都道府県知事との協議の成立をもって12条1項の許可があったものとみなされます。

    ここで注意したいのは、「みなし許可」は許可不要とは違うということです。手続そのものは残っており、協議という形に置き換わっただけです。選択肢で「国が行う開発行為には何らの手続も要しない」と書かれていたら誤りだ、と判断できるようにしておきます。

    もう一つ、協議の相手方に幅がある点も見ておきます。盛土規制法15条1項が協議の主体として挙げるのは国・都道府県・指定都市・中核市であって、市町村一般ではありません。市町村が行う工事は原則どおり許可が必要です。都市計画法34条の2第1項の「都道府県等」も、都道府県・指定都市等・事務処理市町村およびこれらが組織に加わる一部事務組合等に限られます。「地方公共団体なら協議で済む」と大づかみに覚えると、この限定に気づけません。

    どの制度がどちらかを言い切れるようにする

    許可制に属するのは、開発許可(都市計画法29条)、都市計画施設等の区域内における建築の許可(同法53条1項)、都市計画事業の事業地内における行為の許可(同法65条1項)、土地区画整理事業の施行地区内における建築等の許可(土地区画整理法76条1項)、農地法3条・4条・5条の許可、宅地造成等工事規制区域内の工事の許可(盛土規制法12条1項)、特定盛土等規制区域内で政令の規模を超える工事を行う場合の許可(同法30条1項)、そして国土利用計画法の規制区域内における土地売買等の契約の許可(同法14条1項)です。

    届出制に属するのは、国土利用計画法の事後届出(23条)と、注視区域・監視区域における事前届出(27条の4、27条の7)、地区計画の区域内における行為の届出(都市計画法58条の2)、市街化区域内の農地転用の届出(農地法4条1項7号・5条1項6号)、相続等により農地の権利を取得した場合の届出(同法3条の3)、盛土規制法の各種届出(21条、27条)です。開発許可の詳細は開発許可とは何か、盛土規制法の許可と届出の全体像は盛土規制法の基礎で扱っています。

    • 許可は「原則禁止・個別解除」で、条文に審査基準が置かれている
    • 届出は「行為は自由・情報提供と勧告」。ただし盛土規制法27条4項のように命令まで用意されたものもある
    • 国等が当事者の場合は「協議=みなし許可」に置き換わるが、協議できる主体は制度ごとに限定されている

    軸2 誰に出すか

    「都道府県知事等」の中身が法律ごとに違う

    許可権者・届出先を問う選択肢に対しては、まず「原則は都道府県知事」と置いて、そこから外れるものを例外として覚えるのが効率的です。ただし条文に当たると、同じ「都道府県知事等」という語が、法律ごとに違う範囲を指していることがわかります。ここを一括りにすると、細かく問われたときに答えられません。

    開発許可の名宛人は、都市計画法29条1項の括弧書きにより「都道府県知事(地方自治法252条の19第1項の指定都市または同法252条の22第1項の中核市の区域内にあっては、当該指定都市等の長)」です。つまり権限が市長に移るのは指定都市と中核市に限られます。

    これに対し、都市計画法53条1項および65条1項の名宛人は「都道府県知事等」で、この語は同法26条1項が定義しています。そこでは「都道府県知事(市の区域内にあっては、当該市の長)」とされており、指定都市や中核市に限らず、すべての市の区域内では市長が許可権者になります。開発許可と都市計画制限とで、市長に降りる範囲が違うわけです。ここを同じだと思い込んでいると、「都市計画施設の区域内で建築物を建築しようとする者は、その区域が市の区域内であっても都道府県知事の許可を受けなければならない」といった選択肢の正誤が決められません。都市計画制限の三段階については都市計画制限の全体像で詳しく扱っています。

    農地法の「都道府県知事等」はまた別で、同法4条1項の括弧書きにより「都道府県知事(農林水産大臣が指定する指定市町村の区域内にあっては、指定市町村の長)」を指します。市であるかどうかではなく、農林水産大臣の指定を受けているかどうかで決まります。指定市町村ですから、指定を受ければ町や村の長も許可権者になりえます。

    土地区画整理法76条1項に至っては、許可権者が施行者によって変わります。国土交通大臣が施行する事業では国土交通大臣、それ以外の者が施行する事業では都道府県知事(市の区域内において個人施行者・組合・区画整理会社が施行し、または市が施行する事業にあっては当該市の長)です。施行者の類型そのものが多いので、土地区画整理事業の施行者7類型と併せて確認しておくと、この条文の読み方が固まります。

    農業委員会が出てくる場面を限定する

    法令上の制限で農業委員会が「処分をする主体」として出てくるのは、農地法3条の許可(農地または採草放牧地の権利移動)だけです。3条1項は「当事者が農業委員会の許可を受けなければならない」と書いており、許可権者は農業委員会に一本化されています。

    農業委員会が「届出の受理先」として出てくるのは二つの場面です。第一に、市街化区域内の農地について4条・5条の転用を行う場合の届出(農地法4条1項7号、5条1項6号)。第二に、相続や遺産分割などにより農地の権利を取得した場合の3条の3の届出です。3条の3は「その農地または採草放牧地の存する市町村の農業委員会に」届け出るとしており、届出先が市町村単位の農業委員会であることまで条文に書かれています。

    逆に言えば、農地法4条・5条の「許可」は農業委員会ではありません。都道府県知事、または農林水産大臣が指定する指定市町村の区域内ではその市町村長です。許可の主体と届出の受理先が「農業委員会」という同じ語でつながっているため、片方をもう片方に差し替えても文としては自然に読めてしまいます。「農地法5条の許可権者は農業委員会である」という選択肢は誤りですが、「市街化区域内の農地を宅地に転用する場合、農業委員会への届出で足りる」は正しい。同じ農業委員会という語が、許可の文脈では誤りで届出の文脈では正しくなる、という構造を理解しておきます。農地法の切り分けと許可権者の詳細は農地法の3条・4条・5条で扱っています。

    市町村長が出てくる場面

    市町村長が名宛人になるのは、地区計画の区域内における行為の届出(都市計画法58条の2第1項)です。地区計画はそもそも市町村が定める都市計画であり、地区の実情に即したきめ細かい規制を行う制度ですから、届出先も市町村長になるのが自然です。「地区計画の区域内で土地の区画形質の変更を行う者は、都道府県知事に届け出なければならない」という選択肢は、この一点だけで誤りです。地区計画そのものの内容は地区計画の要点を参照してください。

    なお、都市計画をどの主体が決定するかという論点は、届出先の論点と混ざりやすいところです。区域区分や用途地域は都道府県または市町村が決定し、地区計画は市町村が決定します。この決定権者の割り振りは都市計画の種類と決定権者にまとめてあるので、届出先とは別の軸として整理しておくと混線しません。

    経由という論点

    提出先と経由先を分けて問うのが、この分野の定番です。国土利用計画法の事後届出は、届出先が都道府県知事であることに加えて、「当該土地が所在する市町村の長を経由して」提出することが条文に書かれています(同法23条1項)。したがって「市町村長に届け出る」という選択肢は誤りですが、「市町村長を経由して都道府県知事に届け出る」は正しい。注視区域・監視区域の事前届出(27条の4第1項)も同じく市町村の長を経由します。国土利用計画法の手続全体は国土利用計画法の届出制度に、事前届出だけを深掘りしたものは注視区域・監視区域の事前届出にまとめています。

    同じ「経由」が農地法にもあります。農地法4条2項は、転用許可の申請書を「農業委員会を経由して、都道府県知事等に提出しなければならない」と定めており、5条3項がこれを準用しています。つまり4条・5条の許可でも、書類は農業委員会を通ります。しかも農業委員会は意見を付して送付する義務を負い(4条3項)、同一の事業の目的に供するため30アールを超える農地を転用する申請については、あらかじめ都道府県機構の意見を聴かなければなりません(同条4項)。「4条・5条に農業委員会は一切関わらない」と覚えていると、この経由と意見具申を問われたときに誤ります。農業委員会は4条・5条の許可権者ではないが、手続からは外れていない、というのが正確な理解です。

    建築確認だけ系統が違う

    建築確認は、ここまでの法律とは系統がまったく異なります。確認をするのは建築主事等または指定確認検査機関であり、都道府県知事でも市町村長でもありません(建築基準法6条1項、6条の2第1項)。指定確認検査機関という民間の主体が確認をできる点が、他の許可制度と決定的に違うところです。開発許可と建築確認は対象も主体も別物なので、混同しないよう開発許可と建築確認の違いで切り分けを確認しておくと安全です。確認の対象規模や検査の流れそのものは建築確認の要点で扱っています。

    • 開発許可で市長に降りるのは指定都市と中核市だけ。都市計画法53条・65条は「市の区域内」なら市長
    • 農地法の指定市町村は農林水産大臣の指定によるもので、市であるかどうかとは無関係
    • 土地区画整理法76条の許可権者は施行者によって変わる
    • 経由は国土法(市町村長経由)と農地法4条・5条(農業委員会経由)の二か所

    軸3 いつ出すか

    事後に出すのは国土利用計画法の事後届出だけ

    法令上の制限に登場する手続のうち、行為のあとに行うものは国土利用計画法の事後届出です。土地売買等の契約を締結した日から起算して2週間以内に届け出ます(同法23条1項)。契約を先にしてよいのがこの制度の特徴で、価格の規制ではなく利用目的の適正化を目的としているため、取引そのものを止める必要がないからです。

    期限の起算点にも注意が必要です。「契約を締結した日から起算して2週間以内」であって、引渡しの日でも登記の日でもありません。「から起算して」という語が入っているので初日を算入して数えます。また、届出義務を負うのは条文上「土地に関する権利の移転または設定を受けることとなる者」、すなわち権利取得者=買主側です。売主に届出義務はありません。ここも「当事者双方が届け出なければならない」という形ですり替えられます。

    農地法3条の3の届出だけは、日数ではなく「遅滞なく」と定められています。相続や遺産分割で農地を取得した場合、権利取得の原因が自分の意思によらないため、いつ取得を知るかが人によってばらつきます。そこで一律の日数を切らず、事情を知ってから速やかに、という書き方をしているわけです。数字で覚えようとして「3条の3は何日以内だったか」と探しにいくと出てこないので、日数が定められていない届出がひとつだけあると覚えておきます。

    事前に出す届出と、そこにかかる待機期間

    同じ国土利用計画法でも、注視区域内では27条の4第1項、監視区域内では27条の7第1項による同条の準用により、契約を締結する前に、あらかじめ届け出なければなりません。しかも届出をした者は、その届出をした日から起算して6週間を経過する日までの間、その届出に係る土地売買等の契約を締結してはならないという待機義務を負います(27条の4第3項)。ただし、勧告を受けた場合、または勧告をする必要がないと認められた旨の通知(27条の5第3項)を受けた場合は、その時点で締結できます。事後届出には待機期間がなく、事前届出にはある、というのがこの二つの最大の違いです。

    さらに規制区域内では、届出ではなく許可が必要になります(14条1項)。同じ法律のなかで、規制区域は許可、注視区域と監視区域は事前届出、それ以外は事後届出、という三段構えになっている点を押さえておきます。しかもこの三つは重なりません。23条2項2号が、規制区域・注視区域・監視区域に所在する土地について契約を締結した場合には事後届出の規定を適用しないと定めているためです。区域指定があれば事後届出は自動的に外れる、という排他の関係になっています。

    着手前に出す届出

    地区計画の区域内における行為の届出は、行為に着手する日の30日前までに行います(都市計画法58条の2第1項)。届け出た事項のうち国土交通省令で定める事項を変更しようとするときも、その変更に係る行為に着手する日の30日前までに届け出ます(同条2項)。当初届出だけでなく変更届出も30日前である点は、条文を読まないと出てこない部分です。

    盛土規制法では、特定盛土等規制区域内で行う特定盛土等または土石の堆積に関する工事について、工事に着手する日の30日前までに工事の計画を届け出ることとされています(同法27条1項)。この二つが「30日前」の代表です。

    一方で、宅地造成等工事規制区域内の届出は日数が異なります。区域の指定の際にすでに当該区域内で工事が行われている場合、その工事主は指定があった日から21日以内に届け出ます(盛土規制法21条1項)。高さ2メートルを超える擁壁や崖面崩壊防止施設、地表水等を排除するための排水施設、地滑り抑止ぐい等の全部または一部の除却工事を行う場合は、工事に着手する日の14日前まで(同条3項、施行令26条1項)。公共施設用地を宅地または農地等に転用した場合は、転用した日から14日以内(同条4項)です。宅地造成等工事規制区域の届出をすべて「30日前」と覚えていると崩れます。造成規制の数字は盛土規制法の基礎で個別に確認してください。

    行政側の期限も横断で問われる

    届出を受けた行政庁がいつまでに動けるかも出題対象です。国土利用計画法の事後届出については、勧告は届出があった日から起算して3週間以内にしなければならず、実地の調査を行う必要があるなど合理的な理由があるときは、3週間の範囲内で延長できます(同法24条2項・3項)。延長する場合には、当初の3週間以内に、延長する期間と理由を届出者に通知しなければなりません。事前届出については、勧告の期限は届出があった日から起算して6週間以内です(27条の5第2項)。待機期間の6週間と勧告期限の6週間が一致しているので、届出者は勧告の可能性が消えるまで契約できない、という設計になっています。

    盛土規制法27条3項の勧告は、届出を受理した日から30日以内に限られます。届出者は30日前に届け出ているので、着手予定日までにちょうど勧告の可否が決まる形です。届出期限と勧告期限が同じ数字で組まれている点は、国土法の事前届出と同じ発想です。

    建築確認の審査期間も同じ軸に載ります。建築主事等は、6条1項1号・2号の建築物については受理した日から35日以内、3号の建築物については受理した日から7日以内に審査し、適合を確認したときは確認済証を交付しなければなりません(建築基準法6条4項)。合理的な理由があるときは35日の範囲内で延長できます(同条6項)。開発許可には日数の定めがなく、都市計画法35条1項が「遅滞なく、許可または不許可の処分をしなければならない」とし、2項で文書による通知を求めるにとどまります。日数が切られているのは建築確認、切られていないのは開発許可、という対比で覚えます。

    • 事後届出は契約締結日から起算して2週間以内、届出義務者は権利取得者
    • 事前届出は契約前、届出日から起算して6週間は契約締結不可
    • 30日前は地区計画(変更も含む)と特定盛土等規制区域、宅地造成等工事規制区域は14日前・14日以内・21日以内
    • 農地法3条の3だけは「遅滞なく」で日数の定めがない

    軸4 どの規模から手続が要るか

    開発許可の区域別面積

    開発許可が不要となる規模は、都市計画法29条1項1号と施行令19条1項により、区域ごとに定められています。市街化区域内では1,000平方メートル未満、区域区分が定められていない都市計画区域(非線引き区域)と準都市計画区域では3,000平方メートル未満です。都市計画区域および準都市計画区域のいずれにも属さない区域については、29条2項と施行令22条の2により1ヘクタール(10,000平方メートル)未満が許可不要となります。市街化調整区域には、規模による適用除外がありません。市街化を抑制すべき区域である以上、小規模だから自由にしてよいという理由が立たないためです。市街化調整区域の考え方そのものは市街化調整区域の読み方に、非線引き区域と準都市計画区域の位置づけは非線引き区域と準都市計画区域にまとめています。

    条例による引下げも押さえます。施行令19条1項ただし書は、市街化区域については市街化の状況により無秩序な市街化を防止するため特に必要があると認められる場合に、非線引き区域と準都市計画区域については市街化の状況等により特に必要があると認められる場合に、それぞれ条例で区域を限って規模を別に定めることを認めています。引下げの下限はいずれも300平方メートルで、市街化区域では300平方メートル以上1,000平方メートル未満、非線引き・準都市計画区域では300平方メートル以上3,000平方メートル未満の範囲です。この引下げは三大都市圏に限った話ではありません。

    これとは別に、施行令19条2項が、特別区の存する区域および首都圏の既成市街地・近郊整備地帯、近畿圏の既成都市区域・近郊整備区域、中部圏の都市整備区域に係る市町村の区域については、市街化区域の1,000平方メートルを500平方メートルと読み替えると定めています。条例による引下げ(1項ただし書)と、三大都市圏の読替え(2項)は別の規定です。ここを混ぜて「三大都市圏では条例で300平方メートルまで引き下げられる」と覚えると、条例引下げが三大都市圏以外でも使えることを見落とします。面積要件の全体は開発許可が必要な面積要件、面積以外の理由で許可が不要になる場合は開発許可が不要な開発行為にまとめています。

    国土利用計画法の届出面積

    事後届出が必要となるのは、市街化区域内で2,000平方メートル以上、市街化区域以外の都市計画区域(市街化調整区域および非線引き区域)で5,000平方メートル以上、都市計画区域外で10,000平方メートル以上の土地について権利を取得する場合です。この面積は政令ではなく法律本体に書かれています。国土利用計画法23条2項1号がイ・ロ・ハの三段で区域と面積を直接規定しており、施行令に委任していません。同法施行令17条は面積の規定ではなく、23条2項3号を受けて「届出を要しない場合」を列挙した条文です。条文の位置を問う出題は少ないものの、根拠を確かめる段になって政令を探しにいくと見つからないので、法律に直接書かれていることを知っておくと調べ直しが速くなります。

    ここで確実に区別したいのは、開発許可が「未満なら不要」という書き方であるのに対し、国土利用計画法は「未満なら適用しない」=実質「以上なら必要」という書き方だという点です。境界の値がどちらに含まれるかは、どちらの制度でも同じく「ちょうどの値は手続が必要」になります。市街化区域内の1,000平方メートルちょうどの開発行為は許可が必要で、市街化区域内の2,000平方メートルちょうどの土地取引は届出が必要です。結論は同じでも、条文が「未満は除く」と書いているのか「以上なら要る」と読ませているのかで、選択肢の言い回しが変わります。

    監視区域だけは面積が条例ではなく規則で決まる

    事前届出の面積要件には例外があります。注視区域では事後届出と同じ2,000・5,000・10,000平方メートルが使われますが、監視区域では、都道府県知事が都道府県の規則で、その面積に満たない範囲内で別の面積を定めることになっています(国土利用計画法27条の7第1項による27条の4第2項1号の読替え、および同条2項)。監視区域を指定するときは規則を定めなければならず、地価の動向等の調査の結果、必要があると認めるときは面積を変更するものとされています(同条3項)。

    つまり監視区域では、届出が必要になる面積が全国一律ではなく、都道府県ごとに引き下げられます。条例ではなく「都道府県の規則」である点も含めて、開発許可の条例引下げとは別の仕組みです。監視区域は投機的取引が広範囲に及ぶ区域に指定されるものなので、より小さな取引まで捕捉できるようにしてある、と趣旨から押さえておきます。

    数字が違う理由を制度趣旨から押さえる

    開発許可の面積が国土利用計画法より小さいのは、規制の目的が違うからです。開発許可は、宅地としての安全性と最低限の公共施設を確保するための技術基準を課す制度であり、比較的小さな造成でも規制する必要があります。これに対し国土利用計画法は、投機的取引と地価高騰への対応を出発点とする制度で、まとまった規模の土地取引を捕捉できれば足ります。目的が違えば閾値も違う、と理解しておけば、数字が入れ替わった選択肢に違和感を持てます。

    なお、都市計画区域および準都市計画区域外ではどちらも10,000平方メートルで一致します。一致する箇所を一つ覚えておくと、他の箇所が「ずれている」ことの目印になります。数字の覚え方全般は法令上の制限の暗記法で、都市計画法の数字を階層別に整理したものは都市計画法の数字で扱っています。

    一団の土地という論点

    面積要件には、分割して手続を免れることを防ぐ仕組みがあります。国土利用計画法の事後届出では、23条2項1号の括弧書きが「権利取得者が当該土地を含む一団の土地で……面積以上のものについて土地に関する権利の移転または設定を受けることとなる場合を除く」と書いており、権利取得者を基準に一団性を判断します。したがって、市街化区域内で1,500平方メートルの土地と800平方メートルの土地を別々の売主から買い受けても、それが一団の土地として利用される予定であれば、合計2,300平方メートルとして届出が必要になります。逆に、売主が一人の土地を複数の買主に分けて売り、それぞれの取得面積が基準に満たない場合、事後届出は不要です。事後届出は買主基準だからです。

    これに対し事前届出では、27条の4第2項1号の括弧書きが「土地売買等の契約の当事者の一方または双方が当該土地を含む一団の土地で……」と書いています。売主側から見ても一団の土地かどうかを判断するわけです。事後届出は買主基準、事前届出は双方基準、という対比は、この括弧書きの主語の違いに由来します。条文の主語まで見にいくと、記憶ではなく読解で答えられるようになります。

    盛土規制法の規模要件

    盛土規制法の宅地造成等工事規制区域内では、面積だけでなく崖の高さも要件になります。盛土で高さ1メートルを超える崖を生ずるもの、切土で高さ2メートルを超える崖を生ずるもの、盛土と切土を同時に行い高さ2メートルを超える崖を生ずるもの、崖を生じない盛土であっても高さが2メートルを超えるもの、そしてこれらのいずれにも該当しない盛土または切土で土地の面積が500平方メートルを超えるもの、これらのいずれかが「宅地造成」または「特定盛土等」に当たります(施行令3条)。土石の堆積については、高さ2メートル超、またはこれに該当しないもので面積500平方メートル超です(同令4条)。面積だけの制度ではないという点が、開発許可や国土利用計画法との違いです。

    特定盛土等規制区域では、届出と許可で規模の線が違います。届出(法27条1項)は規模を問わず対象になるのに対し、許可(法30条1項)は政令で定める規模のものに限られます。その規模は、盛土で高さ2メートルを超える崖、切土で高さ5メートルを超える崖、盛土切土同時で高さ5メートルを超える崖、崖を生じない盛土で高さ5メートル超、面積3,000平方メートル超です(施行令28条1項、23条)。宅地造成等工事規制区域の数字(1メートル・2メートル・500平方メートル)より一段大きい数字が並んでいる、と関係で覚えます。特定盛土等規制区域と造成宅地防災区域の位置づけは造成宅地防災区域と特定盛土等規制区域で扱っています。

    • 開発許可は「未満なら不要」、国土利用計画法は「未満なら適用しない」。境界の値はどちらも手続が必要
    • 市街化区域は1,000平方メートル(開発)と2,000平方メートル(国土法)、都市計画区域外だけ10,000平方メートルで一致
    • 事後届出は買主基準の一団、事前届出は双方基準の一団。根拠は括弧書きの主語
    • 盛土規制法は面積だけでなく崖の高さでも規模を切る

    軸5 誰が手続から外れるか

    国・地方公共団体の扱いは制度ごとに違う

    国や地方公共団体が当事者になる場合の扱いは、制度によって三通りに分かれます。ここを一律に「国なら不要」と覚えていると失点します。

    第一に、完全に不要となるもの。国土利用計画法の届出は、当事者の一方または双方が国等である場合には適用されません(同法23条2項3号、27条の4第2項2号)。地区計画の区域内における行為の届出も、国または地方公共団体が行う行為については不要とされています(都市計画法58条の2第1項3号)。地区計画の届出は「地方公共団体」と広く書かれており、市町村が行う行為も外れます。

    第二に、協議によるみなし許可に置き換わるもの。開発行為について国または都道府県等が行うものは、協議の成立をもって許可があったものとみなされます(同法34条の2第1項)。農地法4条・5条についても、国または都道府県等が行うものは協議の成立をもって許可とみなされます(農地法4条8項、5条4項)。盛土規制法15条1項も同じ形です。

    第三に、条文上そもそも許可不要とされるもの。農地法3条1項5号は、権利を取得する者が国または都道府県である場合を許可不要としています。ここは「都道府県等」ではなく「国または都道府県」で、市町村は含まれません。同じ農地法のなかでも3条と4条・5条で扱いが違い、さらに3条のなかでも国・都道府県と市町村で扱いが違う、という二重の切り分けになっています。

    市街化区域内の農地転用は届出で足りる

    農地法4条1項7号・5条1項6号には、市街化区域内の農地について、政令で定めるところによりあらかじめ農業委員会に届け出れば許可を要しないという特例があります。市街化区域は「すでに市街地を形成している区域および10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」ですから、農地を宅地に変えていくことがむしろ都市計画の方向と一致します。それを一件ごとの許可で止める理由がないため、届出に緩和されているわけです。

    この特例が3条に及ばないことが、繰り返し問われます。3条は転用を伴わない権利移動、つまり農地を農地のまま動かす場合の規制です。市街化区域だから転用を促進するという特例の趣旨は、転用しない3条には及びません。市街化区域内の農地を農地のまま売買するなら、農業委員会の許可が必要です。農地法の頻出パターンは農地法の3条・4条・5条にまとめてあります。

    なお、条文上の細部として、この特例が働くのは市街化区域が都市計画法23条1項の協議を要する場合には当該協議が調っているときに限られます(農地法4条1項7号括弧書き)。試験でここまで問われることは多くありませんが、「市街化区域なら常に届出で足りる」と断言する形の選択肢が出たときに、条件付きであることを思い出せると安全です。

    非常災害の応急措置と軽易な行為

    多くの制度には、非常災害のため必要な応急措置として行う行為や、通常の管理行為・軽易な行為を除外する規定があります。開発許可(都市計画法29条1項10号・11号)、都市計画法53条1項1号・2号の建築許可、地区計画の届出(58条の2第1項1号・2号)がその例です。

    ただし、これを全制度に一般化してはいけません。都市計画事業の事業地内における行為の制限(都市計画法65条1項)には、非常災害の応急措置を除外する規定がありません。事業認可の告示後は、事業の施行に支障が生じる行為を一切通さないという強い制限がかかるためです。53条と65条は条文の位置が近く比較されやすいので、53条には軽易な行為や非常災害の例外があるが65条にはない、という対比で覚えます。

    また53条と65条は、対象行為の範囲も違います。53条が規制するのは建築物の建築だけですが、65条は建築物の建築その他工作物の建設に加えて、土地の形質の変更と、政令で定める移動の容易でない物件の設置または堆積までを対象にします。その物件とは重量5トンを超えるもので、容易に分割され分割後の各部分がそれぞれ5トン以下となるものは除かれます(施行令40条)。都市計画の決定段階か事業の認可段階かで、規制の強さが段階的に上がっていく構造だと理解すると、両者を取り違えにくくなります。

    土地区画整理法76条1項も、対象行為が「土地の形質の変更」「建築物その他の工作物の新築・改築・増築」「政令で定める移動の容易でない物件の設置または堆積」の三つで、重量の基準も同じく5トン超です(土地区画整理法施行令70条)。都市計画法65条とほぼ同じ並びなので、セットで覚えると効率的です。区画整理の手続全体は土地区画整理法の要点を参照してください。

    • 国等の扱いは「不要」「協議によるみなし許可」「条文上の許可不要」の三通り
    • 農地法3条1項5号の許可不要は国と都道府県だけ。市町村は含まれない
    • 市街化区域内の届出特例は4条・5条だけ、3条には及ばない
    • 非常災害の応急措置の例外は29条・53条にはあるが65条にはない

    軸6 破ったときに何が起きるか

    契約そのものが無効になるもの

    違反の効果を問う問題では、まず「契約が無効になるのはどれか」を答えられる必要があります。無効になるのは限られています。

    農地法3条1項の許可を受けないでした行為は、その効力を生じません(同法3条6項)。5条についても、5条3項が3条6項を準用しており、許可を受けない権利移動は効力を生じません。3条と5条はいずれも権利移動を含む規制だからです。これに対し4条は自己の農地を自分で転用する場合の規制であって権利移動を伴わないため、契約が無効になるという場面自体が生じません。

    もう一つ、国土利用計画法の規制区域内で許可を受けずに締結した土地売買等の契約は、その効力を生じません(同法14条3項)。規制区域は土地の投機的取引が集中し地価が急激に上昇するおそれがある区域について指定されるもので(12条1項)、許可制という強い規制が採られている以上、私法上の効力まで否定する必要があるからです。

    契約は有効で、罰則や是正命令にとどまるもの

    一方、国土利用計画法の事後届出をしなかった場合、契約は有効なままです。届出義務違反として6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科されますが(同法47条1号)、取引の効力に影響しません。届出制は取引そのものを止める制度ではないからです。

    事前届出も同様で、届出をせずに契約しても契約自体は無効になりません。ただし罰則の建て付けは事後届出と少し違います。届出をしないで土地売買等の契約を締結した者は47条2号により6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、届出はしたが6週間の待機期間中に契約を締結した者は48条により50万円以下の罰金です。届出をしなかった場合と、待機義務に違反した場合とで、条文も刑も分かれているわけです。規制区域内で許可を受けずに契約した者は46条により3年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金で、これが同法で最も重い罰則になります。

    開発許可を受けずに開発行為を行った場合も、土地の売買契約が無効になるわけではありません。国土交通大臣、都道府県知事または市町村長は、許可の取消しや工事の停止、建築物その他の工作物の改築・移転・除却その他違反を是正するため必要な措置を命じることができ(都市計画法81条1項)、無許可の開発行為には50万円以下の罰金が定められています(同法92条3号)。さらに81条1項の命令に違反した者は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です(同法91条)。無許可行為そのものより、命令違反のほうが重いという構造になっている点は、行政上の是正を優先する立法の考え方をよく表しています。

    地区計画の届出をしなかった場合、または虚偽の届出をした場合は、20万円以下の罰金です(都市計画法93条1号)。同じ都市計画法のなかでも、許可制違反の50万円と届出制違反の20万円で差がつけられています。

    罰則の重さを制度ごとに並べる

    農地法の是正処分と罰則は、対象範囲がずれています。行政処分のほうは、51条1項が「違反転用に対する処分」の見出しのもとで、4条1項・5条1項に違反した者やその一般承継人、許可条件に違反している者、これらの者から工事を請け負った者や下請人、不正の手段で4条・5条の許可を受けた者を名宛人とし、都道府県知事等が許可の取消し、条件の変更、工事その他の行為の停止命令、相当の期限を定めた原状回復その他違反を是正するため必要な措置を命じることができると定めています。3条違反はこの51条の対象に入っていません。権利移動そのものが3条6項で無効になるため、土地の物理的な状態を戻させる必要がないからです。

    これに対し罰則は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金で(同法64条1号)、この規定は3条1項・4条1項・5条1項のいずれの違反にも及びます。是正命令は転用(4条・5条)だけ、刑罰は3条を含む三つとも、という食い違いを押さえておきます。

    法人に対する罰金は、違反した条文によって桁が変わります。両罰規定である67条は、64条1号・2号のうち4条1項または5条1項に係る部分および51条1項の命令違反について1億円以下の罰金を定め(1号)、それ以外については各本条の罰金刑としています(2号)。つまり3条違反で法人が処罰される場合の上限は300万円で、4条・5条違反の1億円とは大きな差があります。転用は農地の総量を減らす行為であり、事業者が経済的な計算で違反を選ばないように高額の罰金を用意した、という説明が付きます。

    農地法3条の3の届出を怠った場合は、10万円以下の過料です(同法69条)。過料は行政上の秩序罰であって刑罰ではありません。届出違反のなかでも、国土法の事後届出違反が刑罰(拘禁刑または罰金)であるのに対し、農地法3条の3は過料にとどまる。「届出違反はすべて罰金」と覚えていると、この一点で外します。

    盛土規制法では罰則がさらに重く、宅地造成等工事規制区域内の無許可工事および特定盛土等規制区域内の無許可工事について、3年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金(同法55条1項1号・2号)、法人には3億円以下の罰金(同法60条1号)が定められています。特定盛土等規制区域内の届出をしないで工事を行った場合でも、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です(同法57条)。盛土の崩落が人命に直結することを踏まえた設計で、届出違反にすら拘禁刑が用意されている点が他法と異なります。

    なぜ効果が分かれるのか

    契約の効力まで否定するかどうかは、取引の安全とのバランスで決まります。私法上の効力を否定すると、事情を知らない第三者を巻き込んで法律関係が不安定になります。それでも無効にするのは、その規制が取引そのものを許すべきでないと判断している場合に限られます。農地法3条・5条は、農地を農地として維持し耕作者の地位を守るという目的から、権利移動そのものを許可にかからしめています。国土利用計画法の規制区域も同様に、取引自体を止めるための制度です。

    逆に、届出制や、行為の態様を規制する開発許可・4条の転用許可は、取引を止める必要がありません。行政上の命令と罰則で目的が達成できるからです。この整理ができていれば、初見の制度についても効果を推測できます。

    • 無効になるのは農地法3条・5条の無許可行為と、国土法の規制区域内の無許可契約
    • 農地法51条の是正命令は4条・5条の違反転用だけが対象。刑罰(64条1号)は3条も含む
    • 事後届出・事前届出の違反は罰則のみで契約は有効。ただし条文と刑は違反の型ごとに分かれる
    • 農地法3条の3の届出違反は過料。刑罰ではない
    • 盛土規制法は届出違反にも拘禁刑があり、無許可工事は法人3億円以下

    軸7 その規制はどの区域で作動するか

    区域を指定するのは誰か

    法令上の制限の多くは、まず区域が指定され、その区域内でだけ制限が働きます。したがって「区域を誰がどう指定するか」も横断の軸になります。ところが個別の法律を縦に勉強していると、この部分は各法律の冒頭にあって印象に残りにくく、選択肢で触られたときに反応できません。

    国土利用計画法の三つの区域は、いずれも都道府県知事が指定します。規制区域は12条1項、注視区域は27条の3第1項、監視区域は27条の6第1項です。三つとも「期間を定めて」指定するものとされ、その期間は公告があった日から起算して5年以内です。規制区域は12条2項が直接そう定め、注視区域と監視区域は27条の3第3項・27条の6第3項が12条2項から5項までを準用することで同じ扱いになります。期間付きの指定であること自体は三区域に共通で、ここを規制区域だけの特徴だと覚えると、準用の一行を見落とします。

    三区域で本当に違うのは二つです。第一に、条文の語尾が違います。12条1項は「規制区域として指定するものとする」で、要件に当たれば指定する建て付けです。これに対し27条の3第1項と27条の6第1項は「指定することができる」で、知事の裁量に委ねられています。第二に、土地利用審査会の関与の時点が違います。規制区域では、指定は公告によって効力を生じたうえで(12条4項)、知事が公告の日から起算して2週間以内に関係市町村長の意見を付して土地利用審査会の確認を求め(同条6項)、審査会は2週間以内に決定します(同条7項)。確認を受けられなかったときは、その旨を公告し、指定は指定の時にさかのぼって効力を失います(同条8項・9項)。つまり規制区域だけが「先に効力を発生させて、あとから確認する」形です。注視区域と監視区域では、指定しようとする場合にあらかじめ土地利用審査会および関係市町村長の意見を聴かなければならず(27条の3第2項、27条の6第2項)、審査会の関与は事前に置かれています。規制区域は事後確認、注視区域と監視区域は事前の意見聴取、と対にして覚えます。

    盛土規制法の宅地造成等工事規制区域(10条1項)と特定盛土等規制区域(26条1項)も、指定するのは都道府県知事です。どちらも指定しようとするときは関係市町村長の意見を聴かなければならず(10条2項、26条2項)、指定は公示によって効力を生じます(10条6項、26条6項)。市町村長の側から指定の必要を申し出る仕組みもあります(10条5項、26条5項)。造成宅地防災区域も都道府県知事が指定し、10条2項から6項までの規定が準用されます(45条1項・3項)。盛土規制法の三つの区域はすべて都道府県知事が指定し、公示で効力を生じる、とまとめられます。

    これに対し、地区計画は都市計画の一種であり、市町村が都市計画として定めます。区域指定の主体が市町村だからこそ、その区域内の届出先も市町村長になる。軸2で見た届出先の話と、この区域指定の話は連動しています。

    区域が重なるとどうなるか

    区域は重なることがあり、重なったときの処理が条文に書かれている場合があります。国土利用計画法では、規制区域・注視区域・監視区域に所在する土地について契約を締結した場合には事後届出の規定を適用しないと定められており(23条2項2号)、三つの層と事後届出は排他になっています。二重に手続をさせない、という整理です。

    三つの区域どうしも重なりません。注視区域として指定できるのは、規制区域または監視区域として指定された区域を除いた区域であり(27条の3第1項括弧書き)、監視区域として指定できるのは規制区域として指定された区域を除いた区域です(27条の6第1項括弧書き)。しかも、すでに注視区域である区域が規制区域または監視区域に指定された場合には、その注視区域の指定は解除されたものとされ、規制区域等の指定の公告をもって注視区域の指定解除の公告があったものとみなされます(27条の3第6項)。監視区域についても、規制区域に指定された場合に同じ処理がされます(27条の6第6項)。規制区域が最も強く、監視区域、注視区域の順に弱い。強いものが後から指定されると弱いものは自動的に外れる、という一方向の関係になっています。

    盛土規制法の特定盛土等規制区域は、条文上「宅地造成等工事規制区域以外の土地の区域」について指定されるので(26条1項)、二つの規制区域が重なることはありません。造成宅地防災区域も「宅地造成等工事規制区域内の土地を除く」一団の造成宅地について指定されます(45条1項)。盛土規制法の区域は互いに排他的だ、と条文の括弧書きから読み取れます。

    一方、都市計画法の区域は重なります。市街化区域のなかに都市計画施設の区域があり、そのなかに地区計画の区域がある、という重なり方は普通に生じます。この場合、開発許可も必要、53条の許可も必要、地区計画の届出も必要、という具合に手続が積み上がるのが原則です。ただし例外的に調整規定が置かれているものがあり、それは軸11で扱います。

    • 国土法の三区域も盛土規制法の三区域も、指定するのは都道府県知事
    • 5年以内の期間付き指定は国土法の三区域に共通(12条2項と、27条の3第3項・27条の6第3項の準用)
    • 規制区域だけが「指定するものとする」で土地利用審査会の事後確認。注視・監視は「できる」で事前の意見聴取
    • 盛土規制法の区域は互いに排他、国土法の三区域も排他。都市計画法の区域は重なる

    軸8 規制はいつ始まり、いつ終わるか

    始点は公告・告示・公示

    区域や事業に基づく制限には、必ず始まる時点があります。この始点は「公告」「告示」「公示」のいずれかで示されるのが通例で、どの語が使われているかは法律ごとに違います。

    都市計画施設の区域内における建築の許可(都市計画法53条1項)が働き始めるのは、その都市計画が決定され告示された時点です。都市計画は20条1項の規定による告示があった日からその効力を生ずるとされているので(同条3項)、53条の制限もそこから走り出します。

    都市計画事業の事業地内における制限(同法65条1項)は、62条1項の告示、すなわち国土交通大臣または都道府県知事が59条の認可または承認をしたときに施行者の名称・事業の種類・事業施行期間・事業地を告示することによって始まります。ここで注意したいのは、65条の始点が、そのまま53条の終点になっていることです。53条3項が「第65条第1項に規定する告示があつた後は、当該告示に係る土地の区域内においては、適用しない」と定めているためで、一つの告示が弱い制限を終わらせ、強い制限を始めさせます。

    土地区画整理事業の施行地区内における制限(土地区画整理法76条1項)は、施行者の類型ごとに定められた公告(個人施行者・区画整理会社では認可の公告、組合では21条3項の公告、公的施行では事業計画の決定の公告など)があった日後に始まります。国土利用計画法の規制区域の指定は公告によって効力を生じ(12条4項)、盛土規制法の規制区域の指定は公示によって効力を生じます(10条6項)。都市計画法は告示、土地区画整理法と国土利用計画法は公告、盛土規制法は公示、と法律ごとに語が固定されています。

    この「始点がある」という性質は、出題では時系列の引っかけに使われます。契約や工事が公告の前だったか後だったかで結論が変わるので、問題文に日付や前後関係が書かれていたら、それは飾りではなく判断材料だと考えます。

    終点があるものと、ないもの

    始点があっても終点があるとは限りません。終点まで条文に書かれているのは、事業に伴う制限です。

    土地区画整理法76条1項は「次に掲げる公告があつた日後、第103条第4項の公告がある日までは」と、始点と終点の両方を明示しています。103条4項の公告とは換地処分の公告のことで、換地処分が終わればこの制限は解けます。事業のための制限なのだから、事業が終われば要らなくなる、という当然の設計です。

    開発許可を受けた土地についても、時間で区切られた制限が二段階でかかります。その境目になる工事完了公告は、いきなり出るものではありません。開発許可を受けた者が工事を完了して都道府県知事に届け出(都市計画法36条1項)、知事が遅滞なく開発許可の内容に適合しているかを検査して検査済証を交付し(同条2項)、交付したときに遅滞なく工事が完了した旨を公告する(同条3項)、という三段の手続を経ます。届出・検査済証・公告の三つが別物である点は、盛土規制法17条の完了検査と並べて確認しておくところです。

    この公告があるまでの間は、原則として建築物を建築し、または特定工作物を建設してはなりません(都市計画法37条)。工事完了公告があった後は、当該開発許可に係る予定建築物等以外の建築物等を新築・新設できず、用途変更もできません(同法42条1項)。前者は工事中の安全と工事の適正な実施のため、後者は許可の前提となった土地利用計画を維持するためのもので、目的が違います。37条は公告前、42条は公告後という時系列で切り分けます。

    盛土規制法にも同じ発想があります。許可を受けた工事が完了したら、主務省令で定める期間内に都道府県知事の検査を申請しなければならず、適合が認められれば検査済証が交付されます(同法17条1項・2項)。土石の堆積については、堆積した土石をすべて除却する工事が完了したときに確認を申請し、確認済証の交付を受けます(同条4項・5項)。工事の終わりを行政が確認して初めて手続が完結する点は、開発許可の工事完了公告と同じ構造です。

    一方、国土利用計画法の事後届出には終点という概念がありません。契約という一回きりの行為に紐づく手続だからです。区域の指定が続く限り、新たな契約のたびに届出義務が生じます。期間で終わるのは区域の指定のほうで、規制区域の指定は5年以内の期間を定めて行われ、指定の事由がなくなったと認めるときは公告して解除されます(12条2項・12項)。

    • 始点は公告・告示・公示のいずれか。法律ごとに語が違う
    • 62条1項の告示は65条の始点であり、同時に53条の終点でもある(53条3項)
    • 土地区画整理法76条の制限は換地処分の公告で終わる(103条4項)
    • 開発許可の土地は工事完了公告の前が37条、後が42条。公告は届出・検査済証の後に出る(36条)
    • 事後届出に終点はない。終わるのは区域指定のほう

    軸9 許可を受けた地位はどう動くか

    一般承継と特定承継で扱いが違う

    許可を受けた後で、その人が死亡したり土地を売ったりしたらどうなるか。この論点は個別の法律の勉強では飛ばされがちですが、横断で見ると綺麗な対比になります。

    都市計画法は、44条と45条で二つの承継を書き分けています。44条は「開発許可または前条第1項の許可を受けた者の相続人その他の一般承継人は、被承継人が有していた当該許可に基づく地位を承継する」と定めます。相続や合併といった一般承継では、何の手続もなく当然に地位が移ります

    これに対し45条は「開発許可を受けた者から当該開発区域内の土地の所有権その他当該開発行為に関する工事を施行する権原を取得した者は、都道府県知事の承認を受けて、当該開発許可を受けた者が有していた当該開発許可に基づく地位を承継することができる」と定めます。売買などの特定承継では、知事の承認が要ります。しかも「承継することができる」という書き方で、承認を受けなければ承継されません。

    一般承継は当然承継、特定承継は承認が必要。この対比は、「開発許可を受けた土地を購入した者は、当然に開発許可に基づく地位を承継する」という誤りの選択肢を作りやすいので、条文の語尾まで含めて覚えておきます。

    さらに一段細かい差もあります。44条が承継の対象とするのは「開発許可または前条第1項の許可を受けた者」の地位で、前条第1項とは43条1項、すなわち市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内における建築等の許可です。これに対し45条は「開発許可を受けた者から」と書くだけで、43条1項の許可には触れていません。一般承継の規定は二つの許可をカバーし、特定承継の規定は開発許可だけを対象にしている、という非対称です。

    なお45条は「承認」であって「許可」ではありません。都市計画法81条1項は、この法律の規定によってした「許可、認可若しくは承認」を取り消すことができると書いており、承認も監督処分の対象に含まれています。許可・認可・承認という三つの語が制度上使い分けられていることが、この条文からも確認できます。

    計画を変更するときの手続

    許可を受けた後で計画を変更する場合の扱いも、横断で並びます。開発許可を受けた者が申請書の記載事項を変更しようとするときは、都道府県知事の変更の許可を受けなければなりません(都市計画法35条の2第1項)。ただし、変更後の開発行為が29条1項各号に掲げる開発行為に該当することとなるときや、国土交通省令で定める軽微な変更をしようとするときは、変更許可が不要です。軽微な変更をしたときは、遅滞なくその旨を届け出ます(同条3項)。重い変更は許可、軽微な変更は事後の届出という二段構えです。

    盛土規制法16条もまったく同じ形をとっています。12条1項の許可を受けた者が工事の計画の変更をしようとするときは都道府県知事の許可を受けなければならず(16条1項)、主務省令で定める軽微な変更をしたときは遅滞なく届け出ます(同条2項)。二つの法律で条文の構造が揃っているので、片方を覚えればもう片方も再現できます。

    しかもこの二つは条文でつながっています。開発許可を受けたことにより盛土規制法12条1項の許可を受けたものとみなされた工事(15条2項)については、その工事に係る都市計画法35条の2第1項の変更許可または同条3項の届出が、盛土規制法16条1項の許可または2項の届出とみなされます(盛土規制法16条5項)。入口をみなしで通した以上、変更の手続もみなしで通る、という設計です。なお都市計画法35条の2第5項は、変更許可または軽微変更の届出に係る変更後の内容を開発許可の内容とみなすと定めており、変更後は42条から45条までの規定も変更後の内容を前提に適用されます。変更と承継はこの条文で連結しています。

    一方、盛土規制法には、都市計画法44条・45条に相当する「許可に基づく地位の承継」の規定が置かれていません。本記事が扱う法律のうち、許可を受けた地位の承継を正面から定めているのは都市計画法だけです。承継という語自体は土地区画整理法76条4項にも出てきますが、そちらは違反者「から当該土地、建築物その他の工作物又は物件についての権利を承継した者」にも原状回復や移転除却を命じられるという、是正命令の名宛人を広げる規定であって、許可に基づく地位が移るという話ではありません。同じ語でも働く方向が逆なので、混ぜないようにします。

    罰則の対象にも注意します。都市計画法92条3号は「29条1項若しくは2項または35条の2第1項の規定に違反して、開発行為をした者」を50万円以下の罰金の対象とし、盛土規制法55条1項1号も「12条1項または16条1項の規定に違反して」工事をしたときを対象にしています。無断で変更した場合も、無許可で始めた場合と同じ罰則がかかるわけです。

    • 一般承継は当然承継(都市計画法44条)、特定承継は知事の承認が必要(同法45条)
    • 44条は開発許可と43条1項の許可の両方、45条は開発許可だけを対象にしている
    • 変更は「重ければ許可、軽微なら事後の届出」。都市計画法35条の2と盛土規制法16条が同じ形
    • みなし許可で入った工事は変更手続もみなしで通る(盛土規制法16条5項)
    • 無断変更は無許可着手と同じ罰則の対象になる

    軸10 勧告に従わないと何が起きるか

    公表で終わるもの

    届出制の実効性は、勧告とその後の扱いで決まります。ここも制度ごとに強弱があります。

    国土利用計画法の事後届出について、知事は土地利用審査会の意見を聴いて利用目的の変更を勧告できます(24条1項)。勧告を受けた者がこれに従わないときに知事ができるのは、その旨と勧告の内容を公表することだけです(26条)。命令はできず、契約の効力にも影響しません。

    勧告の周辺には、公表以外に二つの規定があります。ひとつは25条で、知事は勧告をした場合に必要があると認めるときは、勧告に基づいて講じた措置について報告をさせることができます。もうひとつは27条で、勧告に基づいて土地の利用目的が変更された場合に、必要があると認めるときは土地に関する権利の処分についてのあっせんその他の措置を講ずるよう努めなければならないとされています。従わなければ公表(26条)、利用目的が変更されればあっせんの努力義務(27条)という二方向の作りで、そのどちらの場合にも報告を求められる(25条)という重ね方です。この25条から27条までは事前届出の勧告にも準用されており(27条の5第4項)、その際は27条の「当該土地の利用目的が変更された」を「当該土地売買等の契約の締結が中止された」と読み替えます。事前届出の勧告は契約の中止を求めるものなので、あっせんの前提も中止に置き換わるわけです。

    農地法51条3項も公表を用意しています。原状回復等の措置を命じられた違反転用者等が、期限までに正当な理由なく命令に従わなかったときは、その旨と土地の地番等を公表できるという規定です。ただしこちらは勧告ではなく命令に従わなかった場合の話で、国土法の公表とは前提が違います。

    命令まで進めるもの

    盛土規制法27条は、特定盛土等規制区域内の届出について、災害の防止のため必要があると認めるときは工事の計画の変更その他必要な措置をとるべきことを勧告でき(同条3項)、正当な理由がなくて勧告に係る措置をとらなかった者に対しては、相当の期限を定めて当該措置をとるべきことを命ずることができると定めています(同条4項)。この命令に違反すると1年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です(同法56条3号)。届出制でありながら、勧告から命令、命令違反の刑罰まで一本の線でつながっています。

    地区計画の届出は中間的です。市町村長は設計の変更その他の必要な措置をとることを勧告でき(都市計画法58条の2第3項)、勧告をした場合に必要があると認めるときは、土地に関する権利の処分についてのあっせんその他の必要な措置を講ずるよう努めなければならないとされています(同条4項)。命令はできず、公表の規定もなく、あるのは市町村長側の努力義務だけです。地区計画の届出制が「弱い」と評されるのは、この条文構造によります。

    代執行まで用意されているもの

    さらに踏み込んだ制度もあります。農地法51条4項は、命令に従わないとき、命令を受けるべき者を探索してもなお確知できないとき、緊急に措置を講ずる必要があって命令のいとまがないときに、都道府県知事等が自ら原状回復等の措置の全部または一部を講じることができると定め、5項で費用を違反転用者等に負担させ、6項で行政代執行法5条・6条を準用しています。

    盛土規制法20条は、これとほとんど同じ形の規定を持っています。知事は、無許可で施行されている工事などについて工事主・請負人・現場管理者に工事の施行の停止や災害防止措置を命じることができ(20条2項)、無許可で工事が施行された土地などについては土地の所有者・管理者・占有者または工事主に対し土地の使用の禁止・制限や災害防止措置を命じることができます(同条3項)。工事が進行中なら2項、工事が済んで土地が残っているなら3項という切り分けです。そのうえで、命令に従わないとき、過失がなくて命ずべき者を確知できないとき、緊急に措置を講ずる必要があって命ずるいとまがないときは、知事が自ら災害防止措置の全部または一部を講じることができます(同条5項)。要した費用は工事主等または土地所有者等に負担させることができ(同条6項)、その徴収には行政代執行法5条・6条が準用されます(同条7項)。三つの発動事由と、費用負担、行政代執行法の準用という組立ては、農地法51条4項から6項までとまったく同じです。代執行型の条文は、要件の三つ目に「緊急でいとまがない」が入っているかどうかで見分けられます。

    都市計画法81条2項にも、過失がなくて措置を命ずべき者を確知できないときに、その者の負担において自ら措置を行える旨の規定があります。ただし発動事由はこの一つだけで、命令に従わない場合や緊急の場合は挙げられていません。同じ「自ら行える」でも、農地法・盛土規制法より入口が狭い作りです。なお81条1項の命令をしたときは、標識の設置その他国土交通省令で定める方法により公示しなければならず(同条3項)、その標識は命令に係る土地や工作物の敷地内に設置でき、所有者等は設置を拒み、または妨げてはならないとされています(同条4項)。

    勧告どまり、命令まで、代執行まで、という三段階で並べると、制度がどれだけ本気で結果を求めているかが見えます。国土法の事後届出は利用目的の誘導が目的なので勧告と公表で足り、盛土や違反転用は放置すれば災害や農地の喪失に直結するので命令と代執行まで用意されている。効果の強さは目的の切迫度に対応している、と理解しておくと、初見の制度でもおおよその見当がつきます。

    • 国土法の勧告は公表止まり(26条)。従えば報告徴収(25条)とあっせん努力義務(27条)
    • 地区計画の勧告は公表もなく、市町村長のあっせん努力義務だけ
    • 盛土規制法27条の勧告は命令まで進み、命令違反には拘禁刑がある
    • 代執行型は農地法51条4項〜6項と盛土規制法20条5項〜7項が同型。都市計画法81条2項は入口が狭い

    軸11 制度が重なったときにどちらが優先するか

    一方の手続をとれば他方が不要になる型

    複数の制度が同じ土地に重なってかかる場面では、二重の手続を避けるための調整規定が置かれていることがあります。この調整規定は横断でしか見えない論点なので、個別の法律を縦に読んでいると気づきにくく、しかも出題されます。

    代表格は開発許可と盛土規制法の関係です。盛土規制法15条2項は、宅地造成等工事規制区域内で行われる宅地造成または特定盛土等について、当該区域の指定後に都市計画法29条1項または2項の許可を受けたときは、その工事については盛土規制法12条1項の許可を受けたものとみなすと定めています。開発許可の審査で技術基準を満たすことが確認されている以上、同じ工事を二重に審査する必要がないからです。さらに17条3項により、開発行為の工事完了届出や検査済証は、盛土規制法の完了検査の申請や検査済証とみなされます。開発許可を受けた工事については、盛土規制法側の手続が入口から出口まで丸ごと吸収される形です。

    特定盛土等規制区域でも同じ発想が二つ働きます。27条5項は、その区域内で行われる特定盛土等について都市計画法29条1項または2項の許可の申請をしたときは、27条1項の届出をしたものとみなすと定めます。30条5項は、30条1項の許可を受けた者は27条1項の届出をすることを要しないと定めます。届出と許可が並存する制度で、重い手続をとった者は軽い手続を免除される、という整理です。

    地区計画の届出にも同じ型があります。都市計画法58条の2第1項5号は、29条1項の許可を要する行為その他政令で定める行為を届出の対象から除いています。開発許可の審査を受ける行為であれば、地区計画への適合はそちらで見られるという考え方です。

    農地法のなかにも、4条1項1号が「次条第1項の許可に係る農地をその許可に係る目的に供する場合」を4条の許可不要としています。5条の許可を受けた土地を、その許可に係る目的どおりに転用するのであれば、改めて4条の許可を求める意味がないからです。5条の許可は転用と権利移動の両方をカバーしている、と言い換えられます。

    一方に進むと他方が外れる型

    もう一つ、段階が進むと前の段階が適用されなくなる型があります。都市計画法53条3項は、65条1項に規定する告示があった後は、当該告示に係る土地の区域内においては53条1項を適用しないと定めています。都市計画施設の区域として弱い制限がかかっていた土地が、事業地として強い制限の対象になった以上、弱いほうは働かせる必要がない、という趣旨です。制限は積み上がるのではなく、次の段階に進むと入れ替わります。この段階構造の全体は都市計画制限で扱っています。

    国土利用計画法23条2項2号も同じ発想で、規制区域・注視区域・監視区域が指定された土地では事後届出が適用されません。強い制度が働く場所では弱い制度が退く、という共通のパターンです。

    重なったまま両方が必要な型

    一方で、調整規定がなければ両方の手続が必要です。市街化区域内の農地を宅地に転用し、あわせて1,000平方メートル以上の造成をするなら、農地法4条または5条の届出と、都市計画法29条の開発許可が両方要ります。目的が違う制度は互いを免除しないからです。国土利用計画法の届出も、開発許可や農地法の許可とは無関係に、面積要件を満たせば必要になります。

    「この行為にはどの手続が要るか」を問う総合問題では、まず該当しうる制度を全部挙げ、そのうえで調整規定があるものだけを落とす、という順序で処理します。最初から一つに絞ろうとすると、調整規定のない組合せを見落とします。

    • 開発許可を受ければ盛土規制法12条の許可を受けたものとみなされる(同法15条2項)
    • 特定盛土等規制区域では、開発許可の申請または30条の許可があれば27条の届出は不要
    • 地区計画の届出は、開発許可を要する行為が対象から除かれている
    • 53条は65条の告示後は適用されず、事後届出は三区域内では適用されない
    • 調整規定がない組合せでは、両方の手続が必要

    法令の基準日について

    宅建試験は、当該年度の4月1日現在施行されている法令から出題されます。令和8年度試験(2026年10月18日実施)であれば、2026年4月1日時点の条文が基準です。本記事の条番号・数値・期間は、この基準日時点で施行されている条文により記述しています。

    本記事が扱う範囲では、都市計画法・建築基準法・土地区画整理法について、2026年5月27日施行の改正(令和8年法律第23号)が公布されていますが、条単位で比較した結果、本則に変更はありません。都市計画法施行令についても、開発許可の面積要件(19条・22条の2)は従前どおりです。したがって、これらの法律に関する本記事の記述は基準日時点の内容と一致します。令和8年度に影響する改正の全体像は令和8年度試験に影響する法改正で整理しています。

    試験での出題ポイント

    主体のすり替え

    許可権者・届出先の入れ替えは、条文を読めば一語で決着するのに、読んでいないと決着しない型です。作りやすい形は三つあります。農地法4条・5条の許可権者を農業委員会と書くもの、地区計画の届出先を都道府県知事と書くもの、国土利用計画法の事後届出の届出先を市町村長と書くものです。いずれも、正解の主体が同じ問題文のなかに別の文脈で登場するため、見慣れた語だと安心してしまう構造になっています。主体が出てきたら、必ず「どの法律の、どの条文の話か」を確認してから正誤を決めます。

    一段深い型として、「都道府県知事等」の中身をずらすものがあります。開発許可では指定都市と中核市の長、都市計画法53条・65条では市の長、農地法4条・5条では指定市町村の長。この三つを取り違えさせる選択肢は、単純な入れ替えより気づきにくいので、区域の名前が書かれていたら条文の括弧書きを思い出す習慣をつけます。

    数字の付け替え

    開発許可の1,000平方メートルと国土利用計画法の2,000平方メートル、事後届出の2週間と勧告の3週間、地区計画の30日前と宅地造成等工事規制区域の14日前。この三組が代表格です。数字を単体で覚えていると、隣の制度の数字を入れられても違和感が出ません。数字は必ず「どの法律の、どの区域の、何を判断する数字か」まで含めて一組で覚えます。

    境界の向きの反転

    「1,000平方メートル以上は許可が必要」と「1,000平方メートル未満は許可が不要」は同じ内容ですが、「1,000平方メートル以下は許可が不要」に変えられると誤りになります。以上・超・未満・以下の四語は、問題文で出てきたら必ず立ち止まって確認する対象です。盛土規制法の規模要件が「高さが1メートルを超える崖」「面積が500平方メートルを超えるもの」と、一貫して「超える」で書かれていることも押さえておきます。500平方メートルちょうどでは該当しません。こうした語尾のすり替えの型は引っかけ表現のパターンにまとめてあります。

    原則と例外の反転

    市街化区域内の農地について、4条・5条は届出でよいが3条は許可が必要、という関係を逆にしたものが繰り返し出ます。また、非常災害の応急措置の例外を65条にも認める形の選択肢も定番です。例外は「どの条文に置かれているか」まで含めて覚えないと、隣の条文に持ち込まれたときに気づけません。

    効果のすり替え

    「国土利用計画法の事後届出をしなかった場合、契約は無効となる」は誤りです。逆に「農地法3条の許可を受けずにした農地の売買契約も、当事者間では有効である」も誤りです。無効になるものとならないものの線引きは、軸6で挙げた三つ(農地法3条、農地法5条、国土法14条)だけ覚えておけば足ります。

    もう一段細かい型として、罰金と過料の入れ替えがあります。農地法3条の3の届出違反は10万円以下の過料で刑罰ではありません。「届出を怠った者は10万円以下の罰金に処せられる」と書かれていたら誤りです。

    制度の重なりを問う総合問題

    一つの事案について複数の制度の要否を同時に問う形も、この分野では作りやすい設問です。市街化区域内の農地2,500平方メートルを買い受けて宅地に造成する、といった設定で、農地法・国土利用計画法・都市計画法のどれが働くかを順に判断させます。この型では、制度を一つずつ独立に検討し、最後に調整規定の有無を確認する、という手順を守るのが確実です。法令上の制限の出題数と配分は法令上の制限は何問出るか、その他の法令の許可権者を復元する手順はその他の法令上の制限も参考になります。

    覚え方・整理の仕方

    白紙に軸を書き出す訓練

    この分野の整理は、法律ごとのノートを作るより、軸ごとの一枚を白紙から再現する訓練のほうが効きます。手順は単純です。紙の左端に「開発許可」「都市計画法53条」「同65条」「農地法3条」「同4条」「同5条」「国土法事後届出」「国土法事前届出」「地区計画届出」「盛土規制法12条」「同27条」「土地区画整理法76条」と縦に書き、右に「許可か届出か」「誰に」「いつ」「規模」「例外」「違反の効果」を順に埋めていきます。表を作るのが目的ではなく、埋まらない欄を見つけるのが目的です。埋まらない欄が、そのまま次に読むべき個別記事になります。

    週に一度これをやると、同じ欄で毎回止まることに気づきます。多くの場合それは、覚えていないのではなく、二つの制度が頭のなかで一つにまとまってしまっている箇所です。

    主体は「なぜその主体か」とセットにする

    農業委員会が3条の許可権者であるのは、権利移動が地域の耕作者の顔ぶれを変える話であり、地域の農業事情を知る委員会が判断するのが適切だからです。4条・5条が知事等であるのは、転用が農地面積そのものを減らし、都道府県単位の農地の総量に関わるからです。地区計画の届出先が市町村長であるのは、地区計画が市町村の定める都市計画だからです。土地区画整理法76条の許可権者が施行者によって変わるのは、事業の主体と規制の主体を対応させる必要があるからです。

    理由をつけておくと、丸暗記より崩れにくくなります。試験直前に語呂だけ残っている状態と、理由が残っている状態とでは、初見の言い回しに対する強さが違います。

    数字は「一組」で声に出す

    「市街化区域・開発許可・1,000平方メートル未満・不要」「市街化区域・国土法事後届出・2,000平方メートル以上・必要」というように、区域名から結論までを一続きで言えるようにします。途中で切って「市街化区域は1,000平方メートル」とだけ覚えると、必ず隣と混ざります。得点に直結する形での整理は法令上の制限で得点する方法でも扱っています。

    例外は「どの条文にあるか」で覚える

    例外規定は、内容だけでなく置かれている条文とセットで覚えます。非常災害の応急措置は29条と53条にはあるが65条にはない。市街化区域の届出特例は4条・5条にはあるが3条にはない。国等の届出免除は国土法23条2項3号と都市計画法58条の2第1項3号にはあるが、開発許可では協議のみなし許可に置き換わっている。この形で覚えれば、条文の位置が違う制度に例外を持ち込まれたときに気づけます。

    「みなし」が出てきたら方向を確認する

    みなし規定は、どちらの手続がどちらに置き換わるのかを取り違えやすい部分です。「協議の成立をもって許可があったものとみなす」は、協議が許可の代わりになるという方向。「開発許可を受けたときは12条1項の許可を受けたものとみなす」は、都市計画法の手続が盛土規制法の手続を吸収する方向。「29条の許可の申請をしたときは27条1項の届出をしたものとみなす」は、許可の申請が届出を吸収する方向です。矢印の向きを紙に書いて確認すると、逆向きに書かれた選択肢に反応できるようになります。

    制度の重なりは「消去法ではなく積み上げ」で処理する

    総合問題では、思いついた一つの制度で答えを決めてしまうのが最大の失点原因です。事案を読んだら、まず農地かどうか、次に都市計画区域内かどうか、区域区分はどうか、面積はいくつか、造成を伴うか、と機械的に条件を拾い、該当する制度を全部並べます。そのうえで、調整規定で落ちるものを外す。この順序を固定しておけば、制度の数が増えても処理時間はさほど変わりません。

    理解度チェッククイズ

    Q1. 農地法3条の許可権者と4条の許可権者は、いずれも農業委員会である。○か×か。

    答えを見る ×。3条1項は「当事者が農業委員会の許可を受けなければならない」と定めていますが、4条1項の許可権者は都道府県知事、または農林水産大臣が指定する指定市町村の区域内ではその市町村長です。権利移動は地域の耕作者の顔ぶれに関わるため地域の委員会が、転用は農地の総量に関わるため広域の行政庁が判断する、という役割分担になっています。ただし4条・5条でも申請書は農業委員会を経由して都道府県知事等に提出することとされており(4条2項、5条3項)、農業委員会が手続からまったく外れているわけではありません。

    Q2. 国土利用計画法の事後届出は、契約を締結した日から起算して30日以内に、市町村長に対して行わなければならない。○か×か。

    答えを見る ×。二か所が誤りです。期限は契約を締結した日から起算して2週間以内であり(同法23条1項)、届出先は市町村長ではなく都道府県知事です。ただし提出は当該土地が所在する市町村の長を経由して行うため、「市町村長を経由して都道府県知事に届け出る」であれば正しくなります。30日前という数字は地区計画の区域内における行為の届出(都市計画法58条の2第1項)と、特定盛土等規制区域内の工事の届出(盛土規制法27条1項)のものです。

    Q3. 市街化区域内の農地を、農地のまま売買により取得する場合は、あらかじめ農業委員会に届け出れば農地法3条の許可を受ける必要はない。○か×か。

    答えを見る ×。市街化区域内の届出による特例は、4条1項7号(自己転用)と5条1項6号(転用目的の権利移動)にのみ認められており、3条にはありません。特例の趣旨は、市街化を図るべき区域における農地の転用を円滑にすることにあるため、転用を伴わない3条には及びません。農地を農地のまま売買する場合は、市街化区域内であっても農業委員会の許可が必要で、許可を受けずにした行為は効力を生じません(同法3条6項)。

    Q4. 国土利用計画法の事後届出を怠って締結された土地売買等の契約は、その効力を生じない。○か×か。

    答えを見る ×。事後届出は届出制であり、届出義務違反には6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が定められていますが(同法47条1号)、契約の私法上の効力には影響しません。契約の効力が否定されるのは、規制区域内で許可を受けずに締結された土地売買等の契約(同法14条3項)と、農地法3条・5条の許可を受けずにした権利移動(同法3条6項、5条3項)です。取引を止めるべき制度かどうかで、効果が分かれています。

    Q5. 開発許可を受けた者から開発区域内の土地を購入して工事を施行する権原を取得した者は、都道府県知事の承認を受けることなく、当然に開発許可に基づく地位を承継する。○か×か。

    答えを見る ×。売買のような特定承継の場合は、都道府県知事の承認を受けて地位を承継することができるにとどまります(都市計画法45条)。承認がなければ承継されません。当然に承継されるのは、相続その他の一般承継の場合です(同法44条)。一般承継は当然承継、特定承継は知事の承認、という対比で覚えます。なお、承認も監督処分の対象に含まれており、都市計画法81条1項は「許可、認可若しくは承認」を取り消すことができるとしています。

    まとめ

    法令上の制限は、法律の数が多いから難しいのではありません。似た形の手続が法律ごとに少しずつ違う値を持っていて、そこを狙って入れ替えられるから難しいのです。したがって対策も、法律ごとに縦に覚え直すことではなく、軸ごとに横に並べ直すことになります。

    本記事で立てた軸のうち、まず固めるべきは軸2(誰に)と軸4(どの規模から)です。この二つは出題頻度が高く、しかも正誤の判断が一瞬で終わります。次に軸6(違反の効果)を押さえます。無効になるのは農地法3条・5条と国土法の規制区域だけ、と言い切れる状態にしておけば、効果を問う選択肢は落としません。軸1・軸3・軸5は、個別記事を読みながら埋めていけば十分間に合います。

    軸7以降の補助軸は、基本の六つが固まってから取り組めば足ります。ただし軸9(地位の承継)と軸11(制度の重なり)は、条文を一度読めば覚えられるわりに、知らないと手も足も出ない種類の論点です。直前期に条文を確認しておくと、取りこぼしを一つ減らせます。

    埋まらない欄が見つかったら、その論点の個別記事に戻ってください。この記事は横断の地図であり、地形の詳細はそれぞれの記事にあります。

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