営業保証金と弁済業務保証金の違い|供託額・還付を比較
宅建試験で頻出の営業保証金と弁済業務保証金を比較解説。供託額・供託先・還付手続き・取戻しの違いを表で整理し、保証協会の仕組みも網羅。
営業保証金と弁済業務保証金は宅建試験の頻出テーマ
宅建試験では、宅建業法から全50問中20問が出題されますが、そのうち1〜2問は営業保証金制度または弁済業務保証金制度(保証協会制度)に関する問題です。この2つの制度は似て非なるものであり、供託額・供託先・還付手続き・取戻し手続きなどの細部に違いがあるため、受験生が混同しやすいポイントです。
しかし裏を返せば、2つの制度を正確に比較整理できていれば確実に得点できる分野でもあります。本記事では、営業保証金制度と弁済業務保証金制度の両方を体系的に解説し、最後に大きな比較表で整理します。
宅建業法の全体像をまだ学習していない方は、先に全体像を把握してから本記事に取り組むことをおすすめします。
営業保証金制度の全体像
営業保証金制度の趣旨
営業保証金制度は、宅地建物取引の相手方(消費者)を保護するための制度です。宅建業者と取引を行った一般消費者が、その取引によって損害を被った場合に、供託所に供託された営業保証金から弁済(還付)を受けることができます。
宅地建物取引業者は、営業保証金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならない。
――宅地建物取引業法 第25条第1項
この制度があることで、万が一宅建業者が倒産したり、損害賠償金を支払えない状態になったりしても、消費者は供託所から一定の弁済を受けることができるのです。
供託額
営業保証金の供託額は、事務所の種類に応じて以下のとおり定められています。
| 事務所の種類 | 供託額 |
|---|---|
| 主たる事務所(本店) | 1,000万円 |
| その他の事務所(支店) | 1事務所につき500万円 |
例えば、本店1か所と支店3か所を有する宅建業者の場合、供託額は以下のとおりです。
- 本店:1,000万円
- 支店:500万円 × 3 = 1,500万円
- 合計:2,500万円
この金額は決して小さくありません。中小規模の不動産会社にとっては大きな負担です。この負担を軽減するために設けられたのが、後述する弁済業務保証金制度(保証協会制度)です。
供託先
営業保証金は、主たる事務所(本店)の最寄りの供託所に供託します。
ここでの重要ポイントは以下のとおりです。
- 支店分の営業保証金も含め、すべて本店の最寄りの供託所に供託する
- 支店の最寄りの供託所ではない
- 供託所は法務局・地方法務局またはその支局・出張所である
試験対策のポイント:「供託先はどこか?」という問題が出題された場合、「本店の最寄りの供託所」と即答できるようにしましょう。「各事務所の最寄りの供託所」という引っかけ選択肢に注意してください。
供託物
営業保証金は、以下のいずれかで供託することができます。
| 供託物の種類 | 評価額 |
|---|---|
| 金銭 | 額面どおり |
| 有価証券(国債証券) | 額面金額の100% |
| 有価証券(地方債証券・政府保証債) | 額面金額の90% |
| 有価証券(その他の有価証券) | ― |
金銭と有価証券を組み合わせて供託することも可能です。ただし、株式や社債は供託物として認められていません。
営業保証金は、国土交通省令の定めるところにより、国債証券、地方債証券その他の国土交通省令で定める有価証券をもつて、これに充てることができる。
――宅地建物取引業法 第25条第3項
営業保証金の供託手続き
営業保証金の供託から事業開始までの流れは、以下のとおりです。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① | 宅建業の免許を受ける |
| ② | 主たる事務所の最寄りの供託所に営業保証金を供託する |
| ③ | 供託した旨を免許権者に届け出る |
| ④ | 事業を開始する |
重要なのは、免許を受けただけでは事業を開始できないということです。供託を行い、その旨を免許権者に届け出て初めて事業を開始できます。
また、免許を受けた日から3ヶ月以内に届出をしなければ、免許権者は届出をすべき旨の催告をしなければなりません。催告が届いてから1ヶ月以内に届出をしない場合、免許権者は免許を取り消すことができます(任意的取消事由)。
事務所新設時の追加供託
事業開始後に支店を新設した場合も、追加の営業保証金の供託が必要です。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① | 新設する事務所の分の営業保証金(500万円×新設事務所数)を供託する |
| ② | 供託した旨を免許権者に届け出る |
| ③ | 届出後でなければ新設事務所で事業を開始してはならない |
営業保証金の還付
還付を受けられる者
営業保証金から還付(弁済)を受けられるのは、宅建業者と宅建業に関し取引をした者(取引の相手方)です。
ただし、以下の者は還付を受けることができません。
| 還付を受けられない者 | 理由 |
|---|---|
| 宅建業者 | 宅建業者同士の取引は保護の対象外 |
| 取引に関係のない債権者 | 一般の債権では還付請求できない |
例えば、宅建業者Aが宅建業者Bから土地を購入し、Bが契約違反をした場合、Aは営業保証金から還付を受けることはできません。この制度はあくまで一般消費者の保護を目的としているためです。
還付手続きの流れ
営業保証金の還付手続きは、比較的シンプルです。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① | 取引の相手方が、直接供託所に対して還付請求を行う |
| ② | 供託所が審査し、営業保証金から還付を行う |
弁済業務保証金の場合と異なり、営業保証金の還付では保証協会の認証は不要です。取引の相手方が直接供託所に請求できる点が大きな特徴です。
不足額の供託(還付充当)
還付が行われると、営業保証金に不足が生じます。この不足額を補填する手続きは以下のとおりです。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① | 免許権者が宅建業者に対して不足額を供託すべき旨を通知する |
| ② | 宅建業者は通知を受けた日から2週間以内に不足額を供託する |
| ③ | 供託した旨を免許権者に届け出る |
2週間以内という期限は試験で頻出です。正確に覚えましょう。
営業保証金の取戻し
取戻しができる場合
営業保証金を取り戻す(返還を受ける)ことができるのは、以下の場合です。
| 取戻し事由 | 具体例 |
|---|---|
| 免許の失効 | 有効期間の満了、免許取消し、廃業等 |
| 事務所の減少 | 支店を廃止した場合(超過額を取戻し) |
| 保証協会への加入 | 弁済業務保証金制度に切り替えた場合 |
| 主たる事務所の移転により最寄りの供託所が変わった場合 | 新しい供託所に供託し直し、旧供託所から取り戻す(保管替え) |
取戻し手続きと公告
営業保証金を取り戻す際には、原則として6ヶ月以上の期間を定めた公告が必要です。これは、まだ還付請求をしていない取引の相手方がいる可能性があるためです。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① | 6ヶ月以上の期間を定めて公告を行う |
| ② | 公告期間中に還付請求がなければ取戻しを行う |
ただし、公告が不要な場合もあります。
| 公告不要の場合 | 理由 |
|---|---|
| 主たる事務所の移転による保管替え | 取引の相手方に不利益はない |
| 取引の相手方に対する債務がないことが明らかな場合 | 還付請求の可能性がない |
保管替え
主たる事務所を移転した結果、最寄りの供託所が変わった場合は、保管替えの手続きが必要です。
- 金銭のみで供託している場合:供託所に保管替えの請求をする
- 有価証券を含む場合:新しい供託所に供託し直し、旧供託所から取り戻す
試験対策のポイント: 保管替えの手続きは、供託物の種類によって異なる点に注意してください。「金銭のみ→保管替え請求」「有価証券含む→新規供託+取戻し」という区別は試験で問われることがあります。
弁済業務保証金制度(保証協会制度)
弁済業務保証金制度の趣旨
弁済業務保証金制度は、営業保証金制度の負担を軽減するために設けられた制度です。宅建業者が保証協会に加入し、比較的少額の弁済業務保証金分担金を納付することで、営業保証金の供託が免除されます。
現在、日本には以下の2つの保証協会が存在します。
| 保証協会 | 概要 |
|---|---|
| 全国宅地建物取引業保証協会(全宅保証) | 全宅連系の保証協会 |
| 不動産保証協会 | 全日本不動産協会系の保証協会 |
宅建業者は、いずれか一方の保証協会にのみ加入できます。両方に加入することはできません。
宅地建物取引業者は、保証協会の社員となつた後においては、保証協会の社員の地位を保持する限り、営業保証金を供託することを要しない。
――宅地建物取引業法 第64条の15
保証協会の業務
保証協会は、以下の業務を行います。
| 業務の種類 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 苦情の解決(必須業務) | 社員である宅建業者の取引に関する苦情を解決する | 必ず行わなければならない |
| 弁済業務(必須業務) | 取引の相手方に対する弁済を行う | 必ず行わなければならない |
| 研修業務(必須業務) | 社員である宅建業者の従業者等に対する研修 | 必ず行わなければならない |
| 一般保証業務(任意業務) | 手付金等の保全措置に関する保証 | 国土交通大臣の承認が必要 |
| その他の業務(任意業務) | 手付金等保管事業、教育研修 | 国土交通大臣の承認が必要 |
試験対策のポイント: 保証協会の必須業務は3つ(苦情の解決・弁済業務・研修業務)です。語呂合わせとして「苦(く)弁(べん)研(けん)」と覚えましょう。
弁済業務保証金分担金
保証協会に加入する宅建業者は、弁済業務保証金分担金を保証協会に納付します。
| 事務所の種類 | 分担金の額 |
|---|---|
| 主たる事務所(本店) | 60万円 |
| その他の事務所(支店) | 1事務所につき30万円 |
営業保証金と比較すると、金額は大幅に少ないことがわかります。
| 事務所の種類 | 営業保証金 | 弁済業務保証金分担金 |
|---|---|---|
| 本店 | 1,000万円 | 60万円 |
| 支店(1か所あたり) | 500万円 | 30万円 |
例えば、本店1か所と支店3か所を有する宅建業者の場合を比較すると次のとおりです。
- 営業保証金:1,000万円 + 500万円 × 3 = 2,500万円
- 弁済業務保証金分担金:60万円 + 30万円 × 3 = 150万円
分担金は営業保証金の約6%で済むため、ほとんどの宅建業者が保証協会に加入しています。
弁済業務保証金分担金の納付
分担金の納付は金銭のみで行います。有価証券は認められません。
| 項目 | 営業保証金 | 弁済業務保証金分担金 |
|---|---|---|
| 供託・納付方法 | 金銭または有価証券 | 金銭のみ |
加入手続きの流れ
保証協会への加入から事業開始までの流れは以下のとおりです。
| 手順 | 内容 | 期限 |
|---|---|---|
| ① | 宅建業の免許を受ける | ― |
| ② | 保証協会に加入する | 免許取得後すみやかに |
| ③ | 弁済業務保証金分担金を保証協会に納付する | 加入しようとする日まで |
| ④ | 保証協会が弁済業務保証金を供託する | 分担金納付から1週間以内 |
| ⑤ | 事業を開始する | ― |
ここで注意すべきポイントは、保証協会が弁済業務保証金を供託する先は、法務大臣及び国土交通大臣の定める供託所であるという点です。営業保証金のように「主たる事務所の最寄りの供託所」ではありません。
新たに事務所を設置した場合
保証協会の社員が新たに支店を設置した場合、2週間以内に分担金を保証協会に納付しなければなりません。
| 手順 | 内容 | 期限 |
|---|---|---|
| ① | 新たに事務所を設置する | ― |
| ② | 弁済業務保証金分担金を保証協会に納付 | 事務所設置から2週間以内 |
| ③ | 保証協会が弁済業務保証金を供託 | 分担金納付から1週間以内 |
2週間以内に納付しないと、保証協会の社員の地位を失います。社員の地位を失うと、営業保証金を供託しなければ事業を継続できなくなるため、注意が必要です。
弁済業務保証金の還付
還付を受けられる者
弁済業務保証金から還付を受けられるのは、営業保証金の場合と同じく、宅建業者と宅建業に関し取引をした者です。ただし、宅建業者は還付を受けられません。
また、還付額の上限は、その宅建業者が保証協会に加入していなかったとしたら供託しなければならなかった営業保証金の額の範囲内です。つまり、本店のみの業者なら1,000万円が上限、支店1か所ありなら1,500万円が上限ということです。
還付手続きの流れ(認証制度)
弁済業務保証金の還付手続きは、営業保証金の場合と大きく異なります。保証協会の認証を経る必要がある点が最大の違いです。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① | 取引の相手方が保証協会に認証を申し出る |
| ② | 保証協会が審査し、認証を行う |
| ③ | 認証を受けた者が供託所に還付請求する |
| ④ | 供託所から還付を受ける |
営業保証金の場合は「取引の相手方が直接供託所に還付請求」でしたが、弁済業務保証金の場合は「まず保証協会の認証を受けてから供託所に還付請求」という2段階の手続きになります。
試験対策のポイント: 還付手続きの違いは、試験で非常によく問われるポイントです。「営業保証金→直接供託所へ」「弁済業務保証金→認証を経て供託所へ」という違いを確実に覚えましょう。
還付充当金の納付
還付が行われると弁済業務保証金に不足が生じます。この不足を補填するために、宅建業者は還付充当金を保証協会に納付しなければなりません。
| 手順 | 内容 | 期限 |
|---|---|---|
| ① | 保証協会が社員(宅建業者)に対し還付充当金の納付を通知 | ― |
| ② | 社員が保証協会に還付充当金を納付 | 通知を受けた日から2週間以内 |
| ③ | 保証協会が弁済業務保証金を供託 | 還付充当金の納付から2週間以内 |
2週間以内に還付充当金を納付しないと、保証協会の社員の地位を失います。
ここで営業保証金の場合と比較してみましょう。
| 項目 | 営業保証金 | 弁済業務保証金 |
|---|---|---|
| 不足額の通知者 | 免許権者 | 保証協会 |
| 納付期限 | 2週間以内 | 2週間以内 |
| 納付先 | 供託所 | 保証協会 |
どちらも「2週間以内」ですが、通知者と納付先が異なる点に注意しましょう。
弁済業務保証金の取戻し
社員の地位を失った場合
保証協会の社員が社員の地位を失った場合(脱退・除名等)、保証協会は弁済業務保証金を取り戻すことができます。この場合も、営業保証金の取戻しと同様に6ヶ月以上の期間を定めた公告が必要です。
社員が一部の事務所を廃止した場合
社員が支店を廃止した場合、保証協会は超過分の弁済業務保証金を取り戻し、分担金の超過額を社員に返還します。この場合は公告は不要です。
保証協会の社員の地位を失う場合
以下の場合、宅建業者は保証協会の社員の地位を失います。
| 社員の地位を失う事由 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 還付充当金の不納付 | 通知から2週間以内に還付充当金を納付しない場合 |
| 分担金の不納付 | 新事務所設置から2週間以内に分担金を納付しない場合 |
| 自主的な脱退 | 保証協会を脱退する場合 |
| 除名 | 保証協会から除名された場合 |
社員の地位を失った場合、その宅建業者は1週間以内に営業保証金を供託しなければなりません。供託しなければ事業を継続できません。
営業保証金と弁済業務保証金の大比較表
以下に、両制度の違いを一覧表で整理します。この表は試験対策において最も重要な資料の一つですので、繰り返し確認してください。
| 比較項目 | 営業保証金 | 弁済業務保証金 |
|---|---|---|
| 制度の目的 | 取引の相手方の保護 | 取引の相手方の保護(営業保証金の負担軽減) |
| 供託額(本店) | 1,000万円 | 60万円(分担金) |
| 供託額(支店1か所) | 500万円 | 30万円(分担金) |
| 供託・納付の主体 | 宅建業者自身 | 分担金→宅建業者が保証協会に納付 / 供託→保証協会が供託 |
| 供託先 | 主たる事務所の最寄りの供託所 | 法務大臣及び国土交通大臣が定める供託所 |
| 供託物 | 金銭または有価証券 | 分担金は金銭のみ / 弁済業務保証金は金銭または有価証券 |
| 還付を受けられる者 | 宅建業に関し取引をした者(宅建業者を除く) | 同左 |
| 還付の手続き | 取引の相手方が直接供託所に請求 | 保証協会の認証→供託所に請求 |
| 還付限度額 | 供託された営業保証金の額 | その業者が営業保証金を供託するとした場合の額 |
| 不足額の通知者 | 免許権者 | 保証協会 |
| 不足額の納付先 | 供託所 | 保証協会 |
| 不足額の納付期限 | 通知から2週間以内 | 通知から2週間以内 |
| 取戻しの公告 | 6ヶ月以上の公告が原則必要 | 6ヶ月以上の公告が原則必要 |
| 事務所新設時の期限 | 供託後に届出してから事業開始 | 2週間以内に分担金を納付 |
試験で狙われやすい論点と攻略法
論点1:供託額の計算問題
試験では、事務所の数が示されて「供託すべき営業保証金の額」や「納付すべき弁済業務保証金分担金の額」を問う問題が出題されます。
計算の手順:
- 本店は必ず1か所(1,000万円 or 60万円)
- 支店の数を確認し、1か所あたりの金額を掛ける(500万円 or 30万円)
- 合計する
注意点: 案内所や展示場は「事務所」に含まれません。「契約行為を行う事務所」に限定されます。ただし、継続的に業務を行う場所であっても、専任の宅建士の設置義務がない場所は事務所に該当しません。
論点2:還付手続きの違い
| 制度 | 還付請求の相手方 |
|---|---|
| 営業保証金 | 供託所に直接請求 |
| 弁済業務保証金 | 保証協会に認証を申し出る→供託所に請求 |
この違いは試験で非常に出題頻度が高いです。「弁済業務保証金の還付を受けるためには、保証協会の認証が必要か」という形で出題されます。
論点3:宅建業者は還付を受けられない
両制度とも、宅建業者は還付を受けられません。これは制度の趣旨が「一般消費者の保護」にあるためです。この点は引っかけ問題として出題されることがあります。
論点4:期限の整理
| 場面 | 期限 |
|---|---|
| 営業保証金の不足額の供託 | 通知から2週間以内 |
| 還付充当金の納付 | 通知から2週間以内 |
| 新事務所設置時の分担金納付 | 設置から2週間以内 |
| 保証協会による弁済業務保証金の供託 | 分担金納付から1週間以内 |
| 社員の地位を失った後の営業保証金供託 | 1週間以内 |
| 取戻しの公告期間 | 6ヶ月以上 |
| 免許取得後の届出期限 | 3ヶ月以内(届出がないと催告→さらに1ヶ月以内に届出なければ取消可能) |
暗記のコツ: 「2週間」が多いことに気づきましたか?不足額の供託・還付充当金・分担金の納付はすべて「2週間以内」です。例外は「1週間以内」(保証協会の供託、社員の地位を失った後の営業保証金供託)と「6ヶ月以上」(公告期間)です。
論点5:供託物の違い
| 項目 | 金銭 | 有価証券 |
|---|---|---|
| 営業保証金の供託 | ○ | ○ |
| 弁済業務保証金分担金の納付 | ○ | × |
| 弁済業務保証金の供託(保証協会が行う) | ○ | ○ |
分担金は金銭のみですが、保証協会が行う弁済業務保証金の供託には有価証券も使えるという点に注意してください。
関連制度との横断整理
免許制度との関係
営業保証金の供託は免許制度と密接に関連しています。免許を受けた後、営業保証金を供託し、届出をして初めて事業を開始できるという流れを理解しましょう。
また、免許の取消処分を受けた場合は営業保証金を取り戻す事由に該当します。
8種制限との関係
宅建業者が自ら売主となる場合の8種制限のうち、手付金等の保全措置では、保証協会が行う保証(一般保証業務)が保全方法の一つとして認められています。
過去問で確認する出題パターン
宅建試験における営業保証金・弁済業務保証金の出題パターンを整理します。
| 出題パターン | 問われるポイント |
|---|---|
| 供託額の計算 | 事務所数に応じた金額計算 |
| 手続きの順序 | 免許→供託→届出→事業開始の流れ |
| 還付手続きの違い | 直接請求 vs. 認証を経る |
| 還付を受けられる者 | 宅建業者は不可 |
| 期限の正誤 | 2週間以内、1週間以内、6ヶ月以上 |
| 供託物の種類 | 分担金は金銭のみ |
| 社員の地位の喪失 | 不納付による失権 |
まとめ
営業保証金と弁済業務保証金は、どちらも宅建業に関する取引の相手方を保護するための制度ですが、その仕組みには多くの違いがあります。
最低限覚えるべきポイント:
- 供託額の違い:営業保証金は本店1,000万円/支店500万円、弁済業務保証金分担金は本店60万円/支店30万円
- 供託先の違い:営業保証金は本店の最寄りの供託所、弁済業務保証金は法務大臣及び国土交通大臣の定める供託所
- 還付手続きの違い:営業保証金は直接供託所に請求、弁済業務保証金は保証協会の認証が必要
- 供託物の違い:分担金は金銭のみ
- 不足額の通知者と納付先の違い:営業保証金は免許権者→供託所、弁済業務保証金は保証協会→保証協会
- 宅建業者は還付を受けられない
この分野は比較表で整理することが最も効果的な学習方法です。上記の大比較表を何度も見返し、正確な知識を身につけましょう。
宅建業法の全体像に戻って他の論点も確認し、体系的な理解を深めてください。また、免許制度の欠格事由との関連も押さえておくと、より高得点が狙えます。
宅建業法対策
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