建築物けんちくぶつ
土地に定着する工作物のうち、屋根と柱または壁を持つもので、これに附属する門や塀、観覧のための工作物、地下や高架の工作物の中に設ける店舗や事務所を含み、建築設備も一体として建築物に含まれます。つまり、建築基準法の規制がかかる「建物」の範囲を決める入口の言葉です。
家を建てるとき、建築確認や接道義務といった建築基準法の決まりは、その建てる物が「建築物」に当たるかどうかで、かかるかかからないかが決まります。家やビル、倉庫のように屋根があって柱か壁で支えられている物が中心で、その家に付いた門や塀、野球場のスタンドのような観覧のための工作物も仲間に入ります。地下街や高架下の中に作った店や事務所は、それ自体に屋根や柱がなくても建築物として扱います。反対に、駅のホームの屋根のように、鉄道の運行に密着した施設は除かれます。どの規制を調べるにも、まずここから始まります。

屋根と、柱か壁があれば建築物で、附属する門や塀も含みます
2条1号の中心は、土地に定着する工作物のうち屋根及び柱若しくは壁を有するもの、つまり地面に据えられて屋根を柱か壁で支えている物です。屋根だけのカーポートでも、柱があれば建築物になります。門や塀は単独では建築物ではなく、建物に附属して初めて建築物になり、野球場のスタンドのような観覧のための工作物も含みます。建築物に当たれば、建築確認や接道義務、用途制限といった規制が丸ごとかかります。
地下や高架の工作物の中の店舗や事務所も、建築物として扱います
地下街の店や高架下の店は、店そのものに屋根や柱がなく、地下や高架という大きな工作物の中に入っているだけです。それでも人が集まって働き、買い物をする空間なので、2条1号は事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設を建築物に含めています。火災や避難の安全を守る必要が、地上の店と変わらないからです。
鉄道の線路敷地内の保安施設やホームの上家は除きます
2条1号のかっこ書は、鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設、跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を建築物から除いています。駅のホームの屋根は屋根と柱を持ちますが、列車の運行に密着した施設で、鉄道の側の法律で安全が守られているからです。除かれるのはこの列挙に当たるものだけで、同じ駅でも駅ビルや高架下の店は普通に建築物です。

電気やガス、昇降機などの建築設備も、建築物に含めます
2条1号の末尾は、建築設備を含むものとすると定めています。建築設備とは、建築物に設ける電気、ガス、給水、排水、換気、暖房、冷房、消火、排煙、汚物処理の設備と、煙突、昇降機、避雷針のことです(2条3号)。エレベーターや煙突は建物とは別の機械や部品に見えますが、建物と一体で安全を守る物なので、建築物の一部として規制を受けます。特殊建築物は、この建築物のうち用途で区切った一群で、別の用語で整理します。

建築基準法 2条1号建築物 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。
試験ではこう問われる
- 土地に定着する工作物のうち、屋根と柱または壁があるものが建築物。これに附属する門・塀、観覧のための工作物も含む(2条1号)
- 建築設備(電気・ガス・給水・排水・換気・消火の設備、昇降機、避雷針など)も建築物に含む(2条1号・3号)
- 地下や高架の工作物の中に設ける事務所・店舗・興行場・倉庫なども建築物
- 鉄道の線路敷地内の運転保安に関する施設、跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽などは除く
- 学校・病院・劇場・百貨店・共同住宅・工場・倉庫・自動車車庫などは特殊建築物(2条2号)。事務所と一戸建ての住宅は含まれない
用語で読んだ論点を、解説つきの肢別演習で確かめられます。無料プランは月300肢まで。