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地区整備計画ちくせいびけいかく

法令上の制限 都市計画法 過去問で5肢

地区計画のうち、地区施設及び建築物等の整備並びに土地の利用に関する計画として都市計画に定めるものとされる、本体の部分です。つまり、道路・公園の配置と規模、建物の用途・容積率・高さ・壁面の位置といった具体的な決まりを書き込む部分です。

地区計画は「この地区を落ち着いた住宅街にする」という目標や方針だけでは、実際の家づくりを縛れません。壁を道路から1メートル下げる、敷地を150平方メートルより小さく分けない、屋根は落ち着いた色にする、といった具体的な決まりに落として初めて、一軒一軒の建築に効きます。この具体的な決まりを書き込む部分が地区整備計画で、地区施設(街区の中に住む人が使う道路・公園や、避難路・雨水をためる施設など)の配置と規模も、ここで定めます。地区計画には原則としてこれを定め、ここに書かれた決まりを守らせるのが、着手30日前の届出と、建築基準法68条の2に基づく市町村の条例です。

目標だけでは家を縛れない。具体的な決まりが地区整備計画。
目標だけでは家を縛れない。具体的な決まりが地区整備計画。

地区施設や高さの限度などは、定めることができる事項です

地区整備計画に書けるのは、地区施設の配置と規模、建物の用途の制限、容積率の最高限度または最低限度、建蔽率の最高限度、敷地面積または建築面積の最低限度、壁面の位置の制限、高さの最高限度または最低限度、形態・色彩などの意匠の制限、緑化率の最低限度、垣やさくの構造(施行令7条の6)、樹林地・草地の保全、農地での行為の制限などです。どれも「定めることができる」事項で、その地区に必要なものだけを選んで書きます。駅前の商業地区なら容積率の最低限度で土地を使い切らせ、低層の住宅地区なら高さの最高限度と壁面の位置で静けさを守るというように、地区ごとに中身が違うからです。

特別の事情があれば、区域の全部または一部について省けます

地区計画には原則として地区整備計画を定めますが、区域の全部または一部について定めることができない特別の事情があるときは、その部分については定めなくてよいとされています。地権者の合意がまだ整わない、事業の計画が固まっていないといった区域を、地区計画そのものから外さずに済ませるための仕組みです。一部についてだけ定めるときは、どこに効くのかを明らかにするために、地区整備計画の区域も都市計画に定めなければなりません。

一部だけ定めるなら、地区整備計画の区域も都市計画に定める。
一部だけ定めるなら、地区整備計画の区域も都市計画に定める。

市街化調整区域では、三つの最低限度は定められません

市街化調整区域の地区整備計画では、建築物の容積率の最低限度、建築面積の最低限度、建築物等の高さの最低限度の三つは定められません。最低限度は「これ以上大きく、高く建てなさい」と求める決まりで、市街化を抑えるべき区域に土地の高度利用を促すことになるからです。建蔽率の最高限度、壁面の位置の制限、敷地面積の最低限度のように建物を抑える側の決まりは、調整区域でも定められます。

区域内の行為は、着手の30日前までに市町村長へ届け出ます

地区整備計画が定められた区域(と、施設の配置・規模が定められた再開発等促進区・開発整備促進区)の中で、土地の区画形質の変更、建築物の建築、工作物の建設、用途の変更、形態・意匠の変更、木竹の伐採など(施行令38条の4)を行う人は、着手する日の30日前までに、行為の種類・場所・設計または施行方法・着手予定日などを市町村長に届け出ます。相手が市町村長なのは地区計画を定めたのが市町村だからで、許可ではなく届出なのは、計画に合わない行為を事前に知って直してもらう仕組みだからです。届出の内容が地区計画に合わないときは、市町村長は設計の変更その他の措置をとるよう勧告できます。通常の管理行為や軽易な行為、非常災害の応急措置、国や地方公共団体が行う行為、都市計画事業の施行として行う行為、開発許可を要する行為は、届出が要りません。

建てる30日前に市町村長へ届出。合わなければ勧告。
建てる30日前に市町村長へ届出。合わなければ勧告。
都市計画法 12条の5第2項

地区計画については、前条第二項に定めるもののほか、都市計画に、第一号に掲げる事項を定めるものとするとともに、第二号及び第三号に掲げる事項を定めるよう努めるものとする。一 次に掲げる施設(以下「地区施設」という。)及び建築物等の整備並びに土地の利用に関する計画(以下「地区整備計画」という。)… 二 当該地区計画の目標 三 当該区域の整備、開発及び保全に関する方針

試験ではこう問われる

  1. 地区整備計画は地区計画に「定めるものとする」事項(12条の5第2項1号)。「定めるよう努める」は誤りで、努力義務なのは目標と整備・開発・保全の方針
  2. 特別の事情があれば、区域の全部または一部について定めなくてよい(12条の5第8項)。「地区計画には必ず地区整備計画を定めなければならない」は誤り
  3. 建蔽率の最高限度、容積率の最高限度または最低限度、用途の制限、高さ、壁面の位置などは「定めることができる」事項(12条の5第7項)。区域区分の有無のように都市計画区域の全体について決める事柄は、地区整備計画では定められない
  4. 市街化調整区域の地区整備計画では、容積率・建築面積・高さの三つの「最低限度」は定められない
  5. 届出は着手の30日前までに市町村長へ(58条の2第1項)。「都道府県知事」「完了後30日以内」「市町村長の許可」は誤り。国や地方公共団体の行為、都市計画事業の施行、開発許可を要する行為などは届出不要
  6. 地区計画に適合しない届出には、市町村長が設計の変更などを勧告できる(58条の2第3項)。命令ではなく勧告
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