開発整備促進区かいはつせいびそくしんく
劇場、店舗、飲食店その他これらに類する用途の大規模な建築物(特定大規模建築物)の整備による商業その他の業務の利便の増進を図るため、一体的かつ総合的な市街地の開発整備を実施すべき区域として、地区計画の中に定める区域です。つまり、用途地域の制限だけでは建てられない大型の集客施設を、道路や広場を整えながら受け入れる区域です。
郊外の幹線道路沿いに、大きなショッピングセンターやシネマコンプレックスを建てたいという話が持ち上がったとします。こうした床面積の大きな集客施設は、建築基準法の用途地域の制限で、近隣商業・商業・準工業の三つの地域以外では原則として建てられません。そこで、事業者が道路や広場を整えることと引き換えに、地区計画で計画的に受け入れる道を残したのが開発整備促進区です。法律は劇場・店舗・飲食店などの大規模な建築物を「特定大規模建築物」と呼び、その整備による商業などの利便の増進を目的に掲げています。工場跡地などを高く使うための再開発等促進区と対になる仕組みで、市町村が地区計画の中に定めます。

定められる用途地域は三つと、市街化調整区域を除く白地です
12条の5第4項4号は、置ける場所を第二種住居地域、準住居地域、工業地域の三つと、用途地域が定められていない区域(市街化調整区域を除く)に限っています。商業地域や近隣商業地域、準工業地域は、もともと大規模な店舗を建てられるので、この区域で緩める必要がありません。低層や中高層の住居専用地域と第一種住居地域は、住居の環境を守る度合いが強いので、大型の集客施設を受け入れる対象から外されています。市街化調整区域は市街化を抑える区域なので、用途地域が無くても対象になりません。つまり、大型施設を受け入れてもよい程度に住居の保護が緩く、かつ制限を緩める余地がある地域だけが選ばれています。

工場跡地を高く使う再開発等促進区とは、目的が違います
同じ12条の5に並ぶ再開発等促進区は、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進が目的で、用途地域が定められている区域なら置けます。開発整備促進区は特定大規模建築物による商業などの利便の増進が目的で、置ける用途地域が絞られる代わりに、市街化調整区域を除けば用途地域のない区域にも置けます。どちらも、現に土地の利用状況が著しく変化しつつあるか変化が確実に見込まれること、目的のために適正な配置と規模の公共施設を整備する必要があること、それが都市の機能の増進に貢献することという三つの入口は同じ形です。その三つの「目的」の中身を高度利用と読むか、特定大規模建築物と読むかで、二つの区域が分かれます。条件がそろっても定めるかどうかは市町村の判断で、条文は「定めることができる」です。

都市計画法 12条の5第4項次に掲げる条件に該当する土地の区域における地区計画については、劇場、店舗、飲食店その他これらに類する用途に供する大規模な建築物(以下「特定大規模建築物」という。)の整備による商業その他の業務の利便の増進を図るため、一体的かつ総合的な市街地の開発整備を実施すべき区域(以下「開発整備促進区」という。)を都市計画に定めることができる。…四 第二種住居地域、準住居地域若しくは工業地域が定められている土地の区域又は用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く。)であること。
試験ではこう問われる
- 定められるのは第二種住居・準住居・工業の三地域と、用途地域のない区域(市街化調整区域を除く)(12条の5第4項4号)
- 商業地域・準工業地域・第一種住居地域などには定められない。「商業地域に定めることができる」は誤り
- 目的は、特定大規模建築物の整備による商業その他の業務の利便の増進。土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の増進を目的とするのは再開発等促進区で、入れ替えた文は誤り
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