開発許可かいはつきょか
都市計画区域又は準都市計画区域内において開発行為をしようとする者が、あらかじめ都道府県知事(指定都市等ではその長)から受ける許可です。つまり、土地を建てられる状態にする工事を始める前に、その区域にふさわしい開発かどうかを知事に確かめてもらう手続で、規模や目的による例外があります。
市街化区域と市街化調整区域に線を引いても、線の外側で誰でも自由に宅地を造れるなら、線を引いた意味がなくなります。そこで、土地を建てられる状態にする工事(開発行為)を始める前に都道府県知事の許可を受けさせ、区域にふさわしい開発だけを通すのが開発許可です。市街化調整区域以外では道路や排水などの技術基準(33条)に合えば許可され、市街化調整区域ではそれに加えて立地の基準(34条)のどれかに当たらないと許可されません。小さな工事、農林漁業のための建物、公益上必要な建物のように、許可を要しない開発行為も決められています。

小さな開発行為は、区域ごとの規模未満なら許可が要りません
市街化区域では1,000平方メートル未満、区域区分が定められていない都市計画区域と準都市計画区域では3,000平方メートル未満の開発行為は許可が要りません(施行令19条1項)。市街化を進める区域ほど小さな開発は日常的に起きるので、一つひとつ審査する意味が薄いからです。都道府県などは条例で300平方メートル以上の範囲に引き下げることができ、首都圏の既成市街地・近郊整備地帯、近畿圏の既成都市区域・近郊整備区域、中部圏の都市整備区域にある市街化区域では500平方メートルになります(施行令19条2項)。都市計画区域と準都市計画区域の外では、1ヘクタール以上の開発行為だけが許可の対象です(29条2項、施行令22条の2)。市街化調整区域には規模による例外がなく、どんなに小さくても許可が要ります。開発区域が二つ以上の区域にまたがるときは、各区域にある部分がそれぞれの規模未満で、かつ面積の合計がそのうち最も大きい規模未満(区域外を含むときは1ヘクタール未満)のときだけ不要です(施行令22条の3)。

農林漁業の建物は、市街化区域以外なら規模を問わず要りません
市街化調整区域、区域区分が定められていない都市計画区域、準都市計画区域、そして都市計画区域と準都市計画区域の外では、畜舎・温室・サイロなど農林漁業の用に供する建築物(施行令20条)と、農林漁業を営む人の住宅のための開発行為は、面積に関係なく許可が要りません。農地や山林のそばに農家や作業場があるのは市街化ではなく、その土地の本来の使い方だからです。市街化区域だけはこの例外がなく、畜舎でも規模による判断になります。農作物の販売店舗は、生産や集荷のための建物ではないので、この例外には入りません。
公益上必要な建物と事業の施行は、どこでも要りません
駅舎などの鉄道施設、図書館、公民館、変電所、公園施設、火葬場、ごみ処理施設、博物館のように公益上必要な建築物のうち施行令21条に挙げるもののための開発行為は、区域を問わず許可が要りません。学校、病院、社会福祉施設は、平成18年の改正(平成18年法律第46号、平成19年11月30日施行)でこの例外から外れ、普通の開発行為として許可の対象になります。都市計画事業、土地区画整理事業、市街地再開発事業、住宅街区整備事業、防災街区整備事業の施行として行う開発行為は、その事業自体が都市計画の手続を経ているので許可は要りません。非常災害の応急措置と、仮設建築物、車庫・物置、10平方メートル以内の増築のような通常の管理行為・軽易な行為(施行令22条)も同じです。
国や都道府県等の開発行為は、知事との協議で許可とみなします
国や都道府県等が行う開発行為(許可の要らないものを除く)は、国の機関や都道府県等と都道府県知事との協議が成立することをもって、開発許可があったものとみなされます。国が知事に申請して許可をもらう形ではなく、対等な協議で代えるためです。協議は許可の代わりなので、規模が小さいものや公益上必要な建築物のためのもののように、もともと許可が要らない開発行為には協議も要りません。

都市計画法 29条1項都市計画区域又は準都市計画区域内において開発行為をしようとする者は、あらかじめ、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事(…(以下「指定都市等」という。)の区域内にあつては、当該指定都市等の長。…)の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる開発行為については、この限りでない。
試験ではこう問われる
- 許可が要らない規模は、市街化区域1,000平方メートル未満(三大都市圏の一定の区域は500平方メートル未満)、非線引き区域と準都市計画区域3,000平方メートル未満、両区域外1ha未満。ちょうどの面積は許可が要る。非線引き区域の4,000平方メートルは必要、準都市計画区域の2,000平方メートルは不要、両区域外の8,000平方メートルは不要。市街化調整区域に規模の例外は無い
- 農林漁業用の建築物や農林漁業者の住宅のための開発行為は、市街化区域以外なら規模を問わず不要(29条1項2号・2項1号)。市街化区域では例外にならず、1,000平方メートル以上なら許可が要る
- 駅舎などの鉄道施設・図書館・公民館・変電所・博物館・公園施設など公益上必要な建築物のための開発行為は、区域と規模を問わず不要(29条1項3号、施行令21条)。学校・病院・社会福祉施設はこの例外に入らず、病院のための開発行為は市街化区域で1,000平方メートル以上、市街化調整区域では規模を問わず許可が要る
- 都市計画事業・土地区画整理事業・市街地再開発事業などの施行として行う開発行為と、非常災害のため必要な応急措置として行う開発行為は、市街化調整区域でも規模を問わず不要(29条1項4〜10号)
- 申請の前に、開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議して同意を得る(32条1項)。開発行為により設置される公共施設を管理することとなる者とは協議をする(32条2項)
- 許可後に申請書の記載事項を変更するときは知事の許可(35条の2)。届出ではない。省令で定める軽微な変更は許可が要らないが、変更後に遅滞なく届け出る。工事を廃止したときも遅滞なく届出で足り、許可は要らない(38条)。地位の承継は、相続人などの一般承継人は当然に承継する(44条)。開発区域内の土地の所有権などを取得した者は、知事の承認を受けて承継することができる(45条)。「承認を受けることなく承継できる」は誤り
- 許可をするのは都道府県知事(指定都市等ではその長)で、二以上の都府県にまたがる開発行為でも国土交通大臣の許可にはならない。開発登録簿に登録するのも知事で、許可を受けた者ではない(47条)。用途地域の定められていない区域で許可をするとき、知事は建蔽率・建築物の高さ・壁面の位置など建築物の敷地、構造及び設備に関する制限を定めることができる(41条)
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