高度利用地区こうどりようちく
用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため、建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建蔽率の最高限度、建築面積の最低限度並びに壁面の位置の制限を定める地区です。つまり、小さな古い建物を建て替えて、土地を大きくまとめて使わせるための地区です。
駅前に、間口の狭い古い二階建ての店が細かく並んでいる街並みがあります。一軒ずつ建て替えても小さな建物にしかならず、道は狭いまま、防災や交通の面でも街が古びていきます。そこで、敷地に対する床面積の割合(容積率)に「これ以上は使いなさい」という最低限度を付け、敷地いっぱいに建てないよう建蔽率に上限を付けて、大きな建物と足元の空地をセットで生ませるのが高度利用地区です。条文が「土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新」と呼ぶのは、この建て替えのことです。市街地再開発事業は、この地区などが定められた区域で行われます。

四つの事項が、大きな建物と足元の空地をセットで生みます
容積率に最高限度だけでなく最低限度があるのは、小さく低く建てて土地を余らせることを許さないためです。建蔽率の最高限度と建築面積の最低限度は、敷地を細かく分けて小さな建物を建てることを防ぎ、足元に空地を残します。壁面の位置の制限は、道路に接して有効な空間を確保するために必要な場合に、道路に面する壁面に限って定めます。四つがそろうと、建物は上に伸び、足元は広場や歩道になります。

高度地区は高さを、高度利用地区は容積率と空地を定めます
名前は似ていますが、条文の中身は別です。高度地区は市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るために、建築物の高さの最高限度又は最低限度だけを定めます。高度利用地区の四つの事項に高さは入っていません。高い建物が建つのは容積率の最低限度の結果であって、高さそのものを決めているわけではありません。建築基準法でも、高度地区は58条で高さを、高度利用地区は59条で容積率・建蔽率・建築面積・壁面の位置を、それぞれ都市計画の内容に合わせるよう求めています。
用途地域の中の市街地にだけ定め、準都市計画区域には置けません
条文は「用途地域内の市街地における」と書いています。建て替えを進めて土地を高度に使わせる道具なので、開発を抑えるための準都市計画区域には合いません。8条2項は準都市計画区域に置ける地域地区を限定していて、3号のうち高度地区に係る部分だけを認め、高度利用地区は認めていません。高度利用地区を定めるのは市町村です。
都市計画法 9条19項高度利用地区は、用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため、建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建築物の建蔽率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度並びに壁面の位置の制限を定める地区とする。
試験ではこう問われる
- 「容積率の最高限度及び最低限度、建蔽率の最高限度、建築面積の最低限度並びに壁面の位置の制限を定める地区」と条文どおりの文は正しい(9条19項)
- 「高さの最低限度を定める地区」「高さの最高限度又は最低限度を定める地区」とした文は誤り。高さを定めるのは高度地区
- 目的は「土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新」。「市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図る」は高度地区の目的
- 準都市計画区域には定められない。準都市計画区域に定められるのは高度地区(最高限度のみ)のほう
- 定めるのは市町村
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