【2026年】宅建試験の統計数値まとめ|確定値・出典つき最新データ
宅建試験の統計問題(問48)対策。新設住宅着工74.0万戸、令和8年地価公示+2.8%、宅建業者数132,291など、出典と公表年月日つきの確定値だけで整理しました。
目次
本記事の役割 — この記事は問48の統計数値を、出典と公表年月日をすべて添えた確定値で整理します。
統計問題の解き方そのものは宅建試験の統計問題対策、免除科目全体の攻略は免除科目5問の攻略法を参照してください。
宅建試験の「税・その他」では、例年 問48 で不動産に関する統計数値が1問出題されます。問われるのは「増えたか・減ったか」「何年連続か」という方向の判断がほとんどで、細かい桁までの暗記は求められません。それでも方向を確実に当てるには、どの統計の、いつ時点の、いつ公表された数値なのかを押さえておく必要があります。統計は毎年入れ替わり、しかも同じ統計に暦年版と年度版があったり、公表が試験に間に合わなかったりするからです。
本記事は、その原則を徹底して書きました。掲載した数値はすべて、発表元の名称・調査名・時点・公表年月日をセットで示しています。逆に、出典と公表時期を確定できなかった数値は書いていません。書かない代わりに、その項目で何が問われるのか、どの方向に注目すべきかを説明しています。2026年(令和8年)の試験に向けて確認すべき統計は、この記事の時点でほぼ出揃っています。
統計問題(問48)の性格を先に押さえる
数値に入る前に、この1問がどういう問題なのかを確認します。ここを理解しておくと、覚える量を大幅に減らせます。
5問免除科目に含まれる1問である
問48は、宅建業に従事している人が登録講習を修了すると免除される問46〜問50の5問に含まれます。制度の根拠は宅地建物取引業法16条3項で、「第十七条の三から第十七条の五までの規定により国土交通大臣の登録を受けた者(登録講習機関)が国土交通省令で定めるところにより行う講習(登録講習)の課程を修了した者については、国土交通省令で定めるところにより、試験の一部を免除する」と定めています。条文が免除するのは「試験の一部」であって、免除の範囲が何であるかは省令にゆだねられている、という構造です。省令が定める免除範囲と3年の期間制限は5問免除制度の基本、5問がなぜこの並びになるのかは免除科目5問の攻略法で条文から扱っているので、そちらを参照してください。登録講習修了者はこの5問を解答せず、45問中の得点で合否が判定されます。
免除を受けない受験者にとって問48がどういう1問なのか、どこまで覚えれば足りるのかという対策の設計は宅建試験の統計問題対策の担当です。本記事はその設計を前提として、その設計に流し込む中身のほうを用意します。科目全体のなかでの配点上の位置づけは宅建の科目別攻略法を参照してください。
この記事の数値の扱い方
統計記事でもっとも危険なのは、出典の書かれていない数値を孫引きすることです。予備校のまとめや解説サイトの数値は便利ですが、更新時期がずれていたり、暦年と年度が取り違えられていたりすることがあります。
そこで本記事では、次のルールで書いています。第一に、すべての数値に発表元・調査名・時点・公表年月日を添える。第二に、公表年月日を確認できなかった数値は掲載しない。第三に、まだ公表されていない統計については、推測値を置かずに公表予定時期だけを示す。第四に、増減率や構成比は、その数値が載っている公表資料そのものの記載に従い、こちらで計算し直した数値には「本記事で除して求めた概算」と明記する。この4つを守ると、記事は少し素っ気なくなりますが、そのまま覚えて事故が起きることはありません。
統計の更新と法改正は別の軸で動く
受験生が混同しやすいのが、統計の基準時点と法令の基準日です。宅建試験の法令は当該年度の4月1日現在施行のものから出題されるため、令和8年度(2026年10月18日実施)であれば2026年4月1日時点の条文が正解の基準になります。これに対して統計には「4月1日現在」というような統一基準がなく、統計ごとに時点も公表日もばらばらです。地価公示は1月1日時点、宅建業者数は3月末時点、住宅・土地統計調査は令和5年10月1日時点というように、時点そのものが統計の一部になっています。
つまり、法令は基準日をひとつ決めて全部を揃えるのに対し、統計は統計ごとに時点を個別に覚えるしかありません。令和8年度試験に影響する法改正の全体像は令和8年度の法改正まとめで扱っているので、法令側の基準日と本記事の統計の時点を、頭のなかで別の引き出しに入れてください。
- 問48は5問免除科目の1問。免除の根拠は宅建業法16条3項で、範囲は省令に委任されている。
- 本記事は確定値そのものを扱う。対策の設計と選択肢の型の分類は統計問題対策の記事の担当。
- 出典と公表年月日のない数値は覚えない。法令の基準日と統計の時点は別の軸。
統計はどう作られているか
問48の数値は、どれも誰かが思いつきで集めたものではありません。統計には作成の根拠となる法律があり、その法律が公表の時期や回答義務まで定めています。ここを一度通しておくと、「なぜ公表時期が予測できるのか」「なぜ発表元を取り違える選択肢が作れるのか」がわかり、暗記の負担が下がります。
基幹統計という区分(統計法2条4項)
公的統計の基本法は統計法(平成19年法律第53号)です。同法2条3項は「公的統計」を「行政機関、地方公共団体又は独立行政法人等が作成する統計」と定義し、続く4項で基幹統計を定義しています。基幹統計に当たるのは、第一に国勢統計(5条1項)、第二に国民経済計算(6条1項)、第三に「行政機関が作成し、又は作成すべき統計」であって、全国的な政策の企画立案・実施の上で特に重要なもの、民間の意思決定や研究活動のために広く利用されると見込まれるもの、国際比較の上で特に重要なもののいずれかに該当するとして総務大臣が指定したものです(2条4項3号)。
指定の手続は7条にあり、総務大臣は指定をしようとするとき、あらかじめ当該行政機関の長に協議し、かつ統計委員会の意見を聴かなければならず(1項)、指定したときは公示しなければなりません(2項)。つまり「どの統計が基幹統計か」は、大臣の一存ではなく協議・諮問・公示を経て確定します。基幹統計の作成を目的とする統計調査が基幹統計調査(2条6項)で、それ以外の行政機関の統計調査が一般統計調査(2条7項)です。この二段構えを押さえておくと、次に述べる公表義務や回答義務が誰に及ぶのかを整理できます。
公表期日があらかじめ決まっている理由(統計法8条)
問48の対策で最も実用的なのが8条です。1項は「行政機関の長は、基幹統計を作成したときは、速やかに、当該基幹統計及び基幹統計に関し政令で定める事項をインターネットの利用その他の適切な方法により公表しなければならない」と定め、公表そのものを義務づけています。さらに2項が「行政機関の長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、当該基幹統計の公表期日及び公表方法を定め、インターネットの利用その他の適切な方法により公表するものとする」として、公表期日を事前に公表することまで求めています。3項は、国民が情報を常に容易に入手できるよう長期的・体系的な保存その他の措置を講ずるものとする、という規定です。
後述する「公表カレンダー」が毎年ほぼ同じ時期になるのは、この8条2項があるからです。建築着工統計の年計が1月末、法人企業統計の年度分が9月上旬というリズムは慣行ではなく、事前公表された公表期日にしたがった結果です。したがって受験生の側も、「この統計は試験までに更新されるのか」を推測ではなく公表予定で確認できます。
回答は義務であり、拒否には罰則がある(13条・61条)
基幹統計調査には報告義務がついています。13条1項は、行政機関の長が9条1項の承認に基づいて基幹統計調査を行う場合に、個人または法人その他の団体に対し報告を求めることができると定め、2項が「報告を求められた個人又は法人その他の団体は、これを拒み、又は虚偽の報告をしてはならない」と続きます。3項では、報告を求められた個人が未成年者(営業に関し成年者と同一の行為能力を有する者を除く)または成年被後見人である場合、法定代理人が本人に代わって報告する義務を負うとされています。
そして61条1号は、13条に違反して基幹統計調査の報告を拒み、または虚偽の報告をした者を50万円以下の罰金に処すると定めています。同条2号は15条1項の立入検査等を拒んだ場合を同じ罰金の対象としています。統計の数値に「約」がつかない確定値として意味があるのは、この報告義務と罰則に支えられているからです。一般統計調査にはこの報告義務がないため、回収率や精度の性格が違います。
なお、基幹統計調査を行うには、あらかじめ総務大臣の承認が必要です(9条1項)。承認申請書には調査の名称・目的、調査対象の範囲、報告を求める事項とその基準となる期日または期間、報告を求める相手方、方法、期間、集計事項、公表の方法と期日、使用する統計基準を記載しなければならず(9条2項)、総務大臣は原則として統計委員会の意見を聴きます(4項)。10条は承認の基準として、必要かつ十分であること、統計技術的に合理的かつ妥当であること、他の基幹統計調査との重複が合理的な範囲を超えないことの3要件を挙げています。「調査の時点」が申請書の記載事項に含まれている点は、問48で時点が正誤の分かれ目になることと直結しています。
統計法の統計ではないものが混じっている
ここが取り違えの温床です。問48で使う数値のうち、統計法の統計調査として作られているのは調査系の3つです。総務省が公表している基幹統計一覧によると、住宅・土地統計は総務省、建築着工統計は国土交通省、法人企業統計は財務省の基幹統計として掲げられています。つまりこの3つには、先ほど見た公表義務(8条)も報告義務と罰則(13条・61条)も及びます。
一方で、次の3つは統計法とは別の根拠で作られています。
地価公示は地価公示法に基づき、国土交通省土地鑑定委員会が標準地の正常な価格を判定して公示するものです。統計調査ではなく、鑑定評価を経た価格の判定・公示という行政作用です。制度そのものの構造は地価公示法の基本と試験対策で条文から扱っています。
土地白書は土地基本法11条に基づく国会への年次報告です。政府が毎年、土地に関する動向と講じた基本的施策を報告し(1項)、これから講じようとする基本的施策を明らかにした文書を作成して提出します(2項)。
宅地建物取引業法の施行状況調査は、国土交通大臣および都道府県知事が宅建業法に基づいて行った免許・立入調査・監督処分・行政指導の実施件数と、都道府県知事による宅建士登録者数を集計したものです。行政が自ら行った処分の記録を集計したもので、事業者に報告を求める統計調査ではありません。
- 基幹統計は総務大臣が指定する(統計法2条4項3号・7条)。
- 公表期日が事前に公表されるので(8条2項)、更新時期は推測ではなく確認できる。
- 基幹統計調査の報告拒否・虚偽報告は50万円以下の罰金(13条・61条1号)。
- 地価公示・土地白書・施行状況調査は統計法の統計調査ではない。発表元と根拠法が違う。
新設住宅着工戸数
問48でもっとも出題頻度が高い統計です。2026年の試験で基準になるのは、暦年の令和7年計です。
令和7年(2025年)の確定値
国土交通省「建築着工統計調査報告(令和7年計)」(令和8年1月30日公表)によると、令和7年の新設住宅着工戸数は740,667戸、前年比6.5%減で3年連続の減少となりました。新設住宅着工床面積は56,885千平方メートルで、前年比6.6%減、こちらは4年連続の減少です。
同じ公表資料に載っている前年(令和6年計)の値は792,195戸ですから、1年で51,528戸、およそ5万戸減った計算になります。年間74万戸という水準は、近年のなかでも低い部類に入ります。なお前年比を確かめるときは、必ず同じ資料に併記されている前年値を使ってください。着工統計は後から数値が改定されることがあり、前年に公表された報告書の数字と当年の報告書に載る前年値が一致しないことがあります。増減率は当年の資料に載っている前年値との比較で計算されています。
戸数と床面積で連続年数が違う(戸数は3年連続、床面積は4年連続)点は、そのまま選択肢になります。床面積のほうが1年長く減り続けているということは、戸数が横ばいだった年にも1戸あたりの面積が縮んでいたことを意味します。数字を並べて覚えるより、この意味を押さえたほうが取り違えません。
利用関係別の内訳は4区分ある
利用関係別の区分は、多くの解説で「持家・貸家・分譲住宅」の3つとして紹介されますが、公表資料の区分は持家・貸家・給与住宅・分譲住宅の4つです。給与住宅とは、会社や官公庁が社員・職員のために建てる社宅・寮などを指します。
令和7年計の内訳は次のとおりです(前年比は令和6年計との比較)。持家は201,285戸で前年比7.7%減、4年連続の減少。貸家は324,991戸で前年比5.0%減、3年連続の減少。給与住宅は6,222戸で前年比5.9%減。分譲住宅は208,169戸で前年比7.6%減、3年連続の減少で、その内訳はマンションが89,888戸(前年比12.2%減、3年連続の減少)、一戸建住宅が115,935戸(前年比4.3%減、3年連続の減少)です。
ここで押さえるべきは、持家・貸家・分譲住宅のすべてが減少しているという点です。国土交通省の公表文も「令和7年の新設住宅着工は、持家、貸家及び分譲住宅が減少したため、全体で減少となった」と記述しています。公表文が給与住宅に触れていないのは、6,222戸という水準では全体の増減をほとんど左右しないためです。一部だけが増えているという選択肢が出たら、令和7年計に関しては誤りと判断できます。
構成比で持つと桁を間違えない
戸数そのものより覚えやすく、しかも桁の異常を弾けるのが構成比です。令和7年計の構成比は、貸家が43.9%、分譲住宅が28.1%、持家が27.2%、給与住宅が0.8%です。つまり貸家がおよそ4割、分譲住宅と持家がそれぞれ3割弱、給与住宅は1%未満という並びになります。
この並びを持っていれば、「持家が最も多い」「給与住宅が全体の1割を占める」といった選択肢は、数値を覚えていなくても弾けます。戸数の大小関係も同じで、貸家が約32万戸で最も多く、次いで分譲住宅の約21万戸、持家の約20万戸と続きます。分譲住宅と持家は約7,000戸差しかなく、順位が入れ替わってもおかしくない近さである点にも注意してください。逆に言えば、この2つの順位を問う選択肢は作りにくいということでもあります。
資金別・建築主別・構造別という別の切り口
利用関係別以外の切り口も公表されています。同じ令和7年計から拾うと、資金別では民間資金による住宅が673,222戸(前年比7.9%減、構成比90.9%)、公的資金による住宅が67,445戸(前年比9.9%増、構成比9.1%)です。全体が減少しているにもかかわらず、公的資金による住宅だけは増えている点が特徴的です。その内訳では、公営住宅が16,745戸(前年比15.2%減)、都市再生機構建設住宅が582戸(同12.5%減)と減っている一方、補助金等による住宅が42,704戸(同24.6%増)、公庫(住宅金融支援機構)融資住宅が7,414戸(同11.1%増)と増えています。住宅金融支援機構の業務内容そのものは問46の範囲で、住宅金融支援機構の業務にまとめています。
建築主別では民間が731,879戸(前年比6.7%減、構成比98.8%)で、着工のほぼ全部が民間によるものです。構造別では木造が433,974戸(前年比4.0%減、構成比58.6%)、非木造が306,693戸(同9.8%減、構成比41.4%)で、木造がおよそ6割を占めます。非木造のうち鉄筋コンクリート造は204,927戸(同12.4%減)で、マンション着工の落ち込みと連動しています。
工法別では、プレハブが88,877戸で4年連続の減少(前年比4.5%減)、ツーバイフォーが91,512戸で昨年の増加から再びの減少(前年比3.8%減)でした。「4年連続」と「昨年の増加から再びの減少」という異なる型の表現が同じ資料に並んでいるのは、連続年数を問う選択肢の材料になります。
1戸あたりの床面積という見方
公表値そのものではありませんが、戸数と床面積を割り算すると、住宅の性格の違いが見えます。令和7年計の床面積は、持家が22,592千平方メートル、貸家が15,485千平方メートル、分譲住宅が18,417千平方メートルです。これを戸数で割ると、1戸あたりはおおむね持家が112平方メートル、貸家が48平方メートル、分譲住宅が88平方メートルという水準になります(本記事で公表値から除して求めた概算です)。
この水準感が効いてくるのが税の分野との接続です。新築住宅の固定資産税の減額措置には床面積の要件があり、地方税法施行令の改正(令和8年政令第83号、2026年4月1日施行)によって、要件が「50平方メートル以上280平方メートル以下」から「40平方メートル以上240平方メートル以下」に改められました。下限が10平方メートル下がったことは、1戸あたり約48平方メートルという貸家の水準に対して実質的な意味を持ちます。減額される面積の上限が120平方メートル相当分であることを含め、要件の詳細は固定資産税の特例と新築減額で扱っています。統計の数値と税の要件は別の科目ですが、着工統計の面積を眺めるときに要件の数字を思い出しておくと、両方の記憶が固まります。
暦年と年度で数字が違う
同じ建築着工統計に、暦年(1月から12月)を集計した「令和7年計」と、年度(4月から翌年3月)を集計した「令和7年度計」があります。この2つは増減の方向が一致するとは限りません。
国土交通省「建築着工統計調査報告(令和7年度計)」(令和8年4月30日公表)は、令和7年度について「持家、貸家、分譲住宅が減少したため、昨年度の増加から再びの減少となった」と記述しています。つまり年度ベースでは、令和6年度が増加、令和7年度が減少という並びです。暦年ベースでは令和5年・令和6年・令和7年と3年連続で減少していますから、「連続年数」を問われたときに暦年と年度を取り違えると答えが変わってしまいます。
宅建試験の統計問題では、通常は暦年(令和7年計)が基準として扱われます。本記事の数値もすべて暦年です。年度の数値を見かけたときは、それが別集計であることを意識してください。
なお、年度ベースで令和6年度が増加し令和7年に大きく落ち込んでいる背景として、2025年4月1日に改正建築基準法(いわゆる4号特例の縮小)と建築物省エネ法に基づく省エネ基準適合義務化が施行された時期が重なっています。制度の切り替わりの前後で着工の動きに段差が生じる形になっており、数字だけを見て「市場が急に冷え込んだ」と単純化しない方がよい局面です。制度変更が業界の数字をどう動かしてきたかという視点は不動産業界の動向で扱っています。
「2006年がピーク」は誤り
新設住宅着工戸数について、参考書や解説記事で「2006年の約129万戸がピーク」と説明されることがありますが、これは近年のなかでの高水準にすぎず、歴史的なピークではありません。国土交通省の住宅着工統計の長期時系列では、戦後の最高水準は1970年代前半で、およそ190万戸に達していました。
令和7年の約74万戸と比べると、ピーク時は2.5倍以上です。試験でこの点が直接問われることは多くありませんが、「近年の水準はピーク時の半分以下」という感覚を持っておくと、桁の異常な選択肢を弾けます。長期の減少傾向の背景には、人口減少と世帯構成の変化、建築資材価格の上昇、建設業の人手不足などが指摘されています。
- 令和7年計は740,667戸、6.5%減、3年連続減少。床面積は56,885千平方メートル、6.6%減、4年連続減少。
- 利用関係は4区分。構成比は貸家43.9%、分譲住宅28.1%、持家27.2%、給与住宅0.8%。
- 資金別では公的資金だけが増加(9.9%増)。構造別では木造が58.6%。
- 暦年と年度は別集計。試験で使うのは暦年。
地価公示
地価は着工戸数と並ぶ定番テーマです。2026年の試験で基準になるのは令和8年地価公示です。地価公示という制度そのものの解説は地価公示法の基本と試験対策にまとめています。
令和8年地価公示の全国平均
国土交通省「令和8年地価公示」(価格時点:令和8年1月1日、公表:令和8年3月18日)によると、全国平均は全用途平均が前年比プラス2.8%、住宅地がプラス2.1%、商業地がプラス4.3%で、いずれも5年連続の上昇となりました。
前年の令和7年地価公示は全用途平均プラス2.7%、住宅地プラス2.1%、商業地プラス3.9%でしたから、全用途平均と商業地は上昇幅が拡大し、住宅地は前年と同じ上昇幅にとどまったことになります。この「住宅地だけ上昇幅が前年と同じ」という点は、上昇幅の拡大・縮小を問う選択肢が作られやすい箇所です。
「上昇幅の拡大」と「上昇」は別のことだ、という区別も重要です。住宅地は前年と同じプラス2.1%なので、上昇はしているが上昇幅は拡大していない。この状態を「住宅地は下落に転じた」と書き換えるのは論外ですが、「住宅地も上昇幅が拡大した」と書き換えるほうが引っかけとしては巧妙で、実際に狙われるのはこちらです。
なお、令和8年地価公示の調査実施地点数は25,565地点です。全国26,000地点の標準地のうち、隔年調査の430地点、福島第一原子力発電所の事故の影響による4地点、令和6年能登半島地震の影響による1地点の計435地点が調査を休止しています。
三大都市圏と地方圏
地域別に見ると、三大都市圏は全用途平均プラス4.6%、住宅地プラス3.5%、商業地プラス7.8%で、いずれも5年連続の上昇かつ上昇幅の拡大です。圏域別では、東京圏が全用途平均プラス5.7%・住宅地プラス4.5%・商業地プラス9.3%、大阪圏が全用途平均プラス3.8%・住宅地プラス2.5%・商業地プラス7.3%で、いずれも上昇幅が拡大しました。これに対して名古屋圏は全用途平均プラス2.3%・住宅地プラス1.9%・商業地プラス3.3%で、いずれも上昇幅が縮小しています(令和7年地価公示はそれぞれプラス2.8%・プラス2.3%・プラス3.8%)。全体が拡大しているなかで名古屋圏だけが逆方向というのは、選択肢に組み込まれやすい非対称です。
地方圏は全用途平均プラス1.2%、住宅地プラス0.9%、商業地プラス1.6%で、こちらもいずれも5年連続の上昇です。ただし全用途平均と住宅地は上昇幅が縮小し、商業地は前年と同じ上昇幅でした。三大都市圏が加速、地方圏が減速という対比になっています。
地方圏のうち札幌市・仙台市・広島市・福岡市のいわゆる地方四市は、全用途平均プラス4.5%、住宅地プラス3.5%、商業地プラス6.4%で、いずれも上昇幅が縮小しました(前年はそれぞれプラス5.8%・プラス4.9%・プラス7.4%)。地方四市を除くその他の地域は全用途平均プラス0.8%、住宅地プラス0.6%、商業地プラス1.1%で、全用途平均と住宅地は前年と同じ上昇幅、商業地は上昇幅が拡大しました。
ここで注意したいのは、「三大都市圏は上昇、地方圏は下落」という古い対比が、現在の数字には当てはまらないことです。令和8年地価公示では地方圏も全区分が上昇しています。過去の記憶で判断せず、直近の公表値で確認してください。
平均の裏にある地点数の分布
平均変動率だけを見ていると読み違えるのが、上昇した地点と下落した地点の割合です。同じ公表資料には、上昇・横ばい・下落の地点数割合が載っています。令和8年地価公示の全国・全用途では、上昇が68.3%、横ばいが12.3%、下落が19.4%でした(令和7年はそれぞれ67.6%、11.8%、20.6%)。住宅地では上昇65.5%・横ばい13.3%・下落21.1%、商業地では上昇72.3%・横ばい10.2%・下落17.5%です。
地方圏に絞ると景色が変わります。地方圏の全用途では上昇50.8%、横ばい17.7%、下落31.5%で、平均が上昇していても、地点でみればおよそ3割はまだ下落していることがわかります。「地方圏の地価は上昇した」という記述は平均としては正しく、「地方圏では下落した地点はない」という記述は誤りです。この2つは両立します。
地方四市も注意が必要です。全用途で上昇した地点の割合は令和7年の95.6%から令和8年は85.5%へ下がり、横ばいが3.3%から12.8%へ増えました。平均変動率がプラス4.5%と高い水準を保っていても、上昇している地点の割合は明確に減っている。平均値と分布は別の情報だ、という感覚を持っておくと、精度の高い選択肢にも対応できます。
最高価格地点という別の問われ方
変動率とは別に、最高価格地点が問われることがあります。令和8年地価公示では、商業地の全国最高価格地点は東京都中央区銀座4丁目2番4(住居表示は銀座4-5-6、山野楽器銀座本店)で、1平方メートルあたり67,100,000円、変動率はプラス10.9%(前年はプラス8.6%)でした。この地点は平成19年以降20年連続で全国最高価格地点です。住宅地の全国最高価格地点は東京都港区赤坂1丁目1424番1(住居表示は赤坂1-14-11)で、1平方メートルあたり1,470,000円、変動率はプラス8.9%(前年はプラス8.0%)、平成30年以降9年連続で全国最高価格地点となっています。
宅建試験で地点名まで問われることはまずありませんが、1平方メートルあたり6,710万円という水準は、地価が「坪いくら」の感覚から遠いところにあることを教えてくれます。土地の価格が用途と場所で桁ごと変わるという理解は、土地の価格4種類の整理や鑑定評価の考え方にもつながります。
都道府県地価調査との区別
地価に関する公的な調査には、地価公示のほかに都道府県地価調査(基準地価)があります。この2つは混同されやすいので、区別して覚えます。
地価公示は地価公示法に基づき、国土交通省土地鑑定委員会が毎年1月1日時点の標準地の正常な価格を判定して公示するもので、例年3月に公表されます。一方の都道府県地価調査は国土利用計画法施行令に基づき、都道府県知事が毎年7月1日時点の基準地の価格を判定するもので、例年9月に公表されます。時点も根拠法も判定主体も違います。土地の価格には他に相続税路線価と固定資産税評価額があり、4種類の関係は土地の価格4種類の整理で扱っています。
両者は無関係ではありません。令和8年地価公示の公表資料には、都道府県地価調査との共通地点(1,587地点。うち住宅地1,085地点、商業地502地点)における半年ごとの変動率が載っています。同じ地点を1月1日と7月1日の両方で評価しているため、1年を前半(令和7年1月1日から7月1日)と後半(令和7年7月1日から令和8年1月1日)に分けて動きを見られる仕組みです。制度が2つに分かれているのは重複ではなく、時点を半年ずらして年2回の観測を成立させるためだ、と理解しておくと両者の関係を忘れません。
直近の都道府県地価調査は国土交通省「令和7年都道府県地価調査」(価格時点:令和7年7月1日、公表:令和7年9月16日)です。基準地数は21,441地点で、うち福島第一原子力発電所の事故の影響による10地点が調査を休止しています。全国平均は全用途平均がプラス1.5%、住宅地がプラス1.0%、商業地がプラス2.8%で、いずれも4年連続の上昇かつ上昇幅の拡大でした。三大都市圏は全用途平均プラス4.3%・住宅地プラス3.2%・商業地プラス7.2%で上昇幅が拡大し、圏域別では東京圏と大阪圏で拡大傾向が続く一方、名古屋圏だけ上昇幅がやや縮小しています。地価公示で名古屋圏だけが縮小していたのと同じ形が、半年前の時点でも出ていたことになります。
地方圏は全用途平均プラス0.4%・住宅地プラス0.1%・商業地プラス1.0%で、いずれも3年連続の上昇です。この調査で注目されたのは、地方四市を除くその他の地域について、住宅地が平成8年から29年続いた下落から横ばいに転じたという点でした。地価公示の平均変動率だけを見ていると「地方は弱い」で終わってしまいますが、29年続いた下落が止まったという転換点は、方向を問う選択肢の材料になりやすいところです。令和8年分は2026年9月頃の公表が見込まれます。
- 令和8年地価公示は全用途プラス2.8%、住宅地プラス2.1%、商業地プラス4.3%、いずれも5年連続上昇。
- 住宅地だけ上昇幅が前年と同じ。名古屋圏だけ上昇幅が縮小。
- 全国の上昇地点は68.3%、下落地点は19.4%。地方圏は下落地点が31.5%残る。
- 地方圏も平均では全区分が上昇。「地方は下落」という古い対比は使えない。
宅地建物取引業者数と宅建士登録者数
業者数は問48の定番であると同時に、宅建業法の理解とも結びつく統計です。
令和6年度末の確定値
国土交通省「令和6年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について」(令和7年10月3日公表)によると、令和6年度末(令和7年3月末)現在の宅地建物取引業者数は132,291業者でした。内訳は大臣免許が3,158業者、知事免許が129,133業者です。
対前年度比では、大臣免許が111業者(3.6%)、知事免許が1,597業者(1.3%)増加し、全体では1,708業者(1.3%)の増加となりました。これで11年連続の増加です。10年前の平成27年度末が123,249業者ですから、10年でおよそ9,000業者増えたことになります。
大臣免許と知事免許の比率
内訳で押さえるべきは、知事免許が圧倒的多数を占めるという点です。129,133対3,158ですから、知事免許が全体の約98%、大臣免許は約2%にすぎません。「大臣免許の業者が過半を占める」といった選択肢は、水準からして誤りと判断できます。
これは免許制度の建付けから考えれば当然の結果です。2つ以上の都道府県に事務所を設ける場合にのみ大臣免許が必要で、1つの都道府県内に事務所が収まる業者は知事免許になります。宅建業者の大半は地域密着の中小事業者であるため、知事免許に偏るわけです。免許の区分そのものは宅建業の免許制度で、免許権者を決める「事務所」の意味は宅建業の事務所で解説しています。
伸び率で見ると別の姿が出ます。大臣免許は3.6%増、知事免許は1.3%増ですから、増加のペースは大臣免許のほうが速い。数の上では知事免許が圧倒的でも、複数の都道府県に展開する業者が相対的に速く増えている、という読み方になります。「大臣免許業者が全体に占める割合は年々低下している」という選択肢は、この数字と整合しません。
法人は増え、個人は減っている
同じ公表資料の推移表には、法人と個人の別が載っています。全体(大臣免許と知事免許の合計)で見ると、法人は平成27年度末の105,629業者から令和6年度末の119,902業者へ増えているのに対し、個人は17,620業者から12,389業者へ、一貫して減り続けています。10年で法人が約1万4千増え、個人が約5千減った結果として、全体では約9千の増加になっているという構造です。
「業者数が11年連続で増加している」という結論だけを覚えていると、業界全体が一様に膨らんでいるように見えます。しかし実際に起きているのは、個人業者の減少を法人の増加が上回っているという入れ替わりです。この構造を知っておくと、業者数の増加を「参入が増えているだけ」と単純化する選択肢や説明に引きずられません。
監督処分と行政指導の件数
同じ調査には、監督処分と行政指導の実施状況も掲載されています。令和6年度は、免許取消99件(前年度比2件、2.1%の増加)、業務停止16件(同17件、51.5%の減少)、指示32件(同5件、13.5%の減少)で、監督処分の合計は147件(同20件、12.0%の減少)でした。一方、宅建業法71条に基づく行政指導は592件(同61件、11.5%の増加)です。
つまり令和6年度は監督処分は減少に転じ、行政指導は増加したという組み合わせになっています。監督処分の3種類のうち免許取消が最も多い点も、あわせて確認しておいてください。3種類の順序は「免許取消99、指示32、業務停止16」で、名前の重さの順(指示・業務停止・免許取消)とは一致しません。ここは直感が裏切られるところなので、件数の順序として覚えておく価値があります。
長い目で見ると、監督処分の合計は平成28年度の251件を近年の高い水準として、令和4年度の139件まで下がり、その後は140件から170件の幅で動いています。行政指導は500件台から700件近くまでの幅で推移しており、監督処分より1桁多い件数で実施されています。
監督処分と行政指導は別の制度である
件数の話をする前提として、この2つは条文上まったく別のものです。監督処分は宅建業法65条・66条に基づく処分で、65条1項・3項が「指示」、65条2項・4項が「業務の停止」(1年以内の期間を定めて業務の全部または一部の停止を命ずる)、66条が「免許の取消し」を定めています。行政処分ですから、不利益処分としての手続がとられ、名宛人の権利義務に直接の効果を及ぼします。
これに対して行政指導の根拠は71条(指導等)で、「国土交通大臣はすべての宅地建物取引業者に対して、都道府県知事は当該都道府県の区域内で宅地建物取引業を営む宅地建物取引業者に対して、宅地建物取引業の適正な運営を確保し、又は宅地建物取引業の健全な発達を図るため必要な指導、助言及び勧告をすることができる」と定めています。指導・助言・勧告であって命令ではなく、法的な強制力を伴いません。国土交通省の公表資料も、行政指導を「宅建業法第71条の規定に基づき文書により行った指導・助言・勧告」と注記しています。
誰が誰に対してできるか、という射程も違います。65条1項・2項の指示と業務停止は免許権者が「その免許を受けた宅地建物取引業者」に対して行うものですが、同条3項・4項は、都道府県知事が国土交通大臣または他の都道府県知事の免許を受けた業者についても、当該都道府県の区域内における業務に関しては指示および業務停止をできるとしています。他方、66条の免許取消しは「その免許を受けた宅地建物取引業者」に限られ、他の免許権者の業者を取り消すことはできません。71条の指導等は、国土交通大臣がすべての宅建業者に対して、知事が当該都道府県の区域内で営む業者に対して行えます。処分の3種類と、誰がどの業者に対して何をできるかという枠組みは監督処分の3類型で条文から整理しています。
宅建士の登録者数
同調査によれば、令和6年度に新たに30,336人が都道府県知事へ宅地建物取引士の登録を行い、総登録者数は1,211,760人となりました。おおむね121万人という水準です。新規登録者数は近年増加傾向にあり、平成27年度の24,485人から令和6年度の30,336人まで伸びています。総登録者数も平成27年度末の982,411人から令和6年度末の1,211,760人へ、10年で約23万人増えました。
ここで区別しておきたいのが、合格者数・登録者数・宅建士証の交付を受けた者の数は別だということです。試験に合格しただけでは宅建士ではなく、登録実務講習の修了などの要件を満たして都道府県知事の登録を受け、さらに宅建士証の交付を受けて初めて宅建士として業務ができます。ここで数えられている1,211,760人は登録者数であって、宅建士証の交付を受けている人の数ではありません。手続の順序は宅建士の登録と宅建士証で扱っています。
業者数が増え、宅建士の登録者も増えているという事実は、宅建業法31条の3が事務所その他国土交通省令で定める場所ごとに、規模・業務内容等を考慮して省令で定める数の成年者である専任の宅建士を置くことを義務づけていることと無関係ではありません。同条3項は、既存の事務所等が抵触するに至ったときは2週間以内に必要な措置を執らなければならないとしています。設置義務の内容は専任の宅建士の設置義務で確認できます。
次の更新時期に注意
この調査は例年10月頃に前年度分が公表されます。令和7年度分(令和8年3月末時点の業者数)は2026年10月頃の公表が見込まれ、2026年10月の試験には間に合わない可能性が高いと考えられます。したがって2026年の試験に向けては、令和6年度末の132,291業者を基準に押さえておくのが妥当です。
- 令和6年度末の業者数は132,291(大臣3,158・知事129,133)、11年連続増加。
- 知事免許が約98%。ただし伸び率は大臣免許(3.6%増)のほうが速い。
- 法人は増加、個人は10年間一貫して減少。
- 監督処分は147件で減少、行政指導は592件で増加。両者は65条・66条と71条で根拠が違う。
- 宅建士の総登録者数は1,211,760人。登録者数と宅建士証交付者数は別。
土地取引と不動産業の動向
土地白書と法人企業統計は、着工・地価に次いで出題される可能性のある統計です。
令和8年版土地白書の位置づけ
土地白書は土地基本法11条(年次報告等)に基づいて国会に提出される報告です。条文を分解すると、1項が「政府は、毎年、国会に、不動産市場、土地の利用及び管理その他の土地に関する動向及び政府が土地に関して講じた基本的な施策に関する報告を提出しなければならない」、2項が「政府は、毎年、前項の報告に係る土地に関する動向を考慮して講じようとする基本的な施策を明らかにした文書を作成し、これを国会に提出しなければならない」、3項が「政府は、前項の講じようとする基本的な施策を明らかにした文書を作成するには、国土審議会の意見を聴かなければならない」となっています。
1項の報告と2項の文書は、条文上は別の文書です。1項が「動向」と「講じた施策」、2項が「講じようとする施策」を扱い、この2つを合わせて刊行したものが通称の土地白書です。白書が第1部で土地に関する動向、第2部で前年度に講じた基本的施策、第3部でその年度の基本的施策という三部構成をとるのは、この条文の建て付けをそのまま反映しています。3項が2項の文書についてだけ国土審議会の意見聴取を求めているのも、事実の報告と施策の予告では性質が違うためです。
令和8年版は令和8年7月10日に公表され、テーマ節では「増加する低未利用土地・不動産の利活用」が取り上げられました。
売買による所有権移転登記件数
土地取引の動向を示す代表的な指標が、土地の売買による所有権移転登記件数です。国土交通省「令和8年版土地白書」(令和8年7月10日公表。原資料は法務省「登記統計月報」)によると、令和7年の件数は全国で約130万件でした。圏域別では地方圏が約67万件、東京圏が約38万件、大阪圏が約16万件、名古屋圏が約9万件です。
白書は土地取引件数について「ここ10年ほどほぼ横ばいで推移」と整理しています。大きく増えても減ってもいないというのが、この指標の現在の姿です。試験で「近年、土地取引件数は大幅に増加している」あるいは「大幅に減少している」という選択肢が出たら、いずれも横ばい基調と整合しません。
この指標が登記件数で測られていることにも意味があります。売買契約の件数ではなく、所有権移転の登記が実際に申請された件数なので、契約から登記までの時間差を含み、また登記をしない取引は数えられません。登記記録がどういう構造で、何が公示されているのかは不動産登記簿の読み方で扱っています。指標の性格を知っておくと、「土地の売買契約の件数」と言い換えられた選択肢に反応できます。
同じ白書では、海外投資家による不動産投資額が国内投資額全体の約34%を占めること、東京都心5区のオフィスビルについて賃料が上昇傾向にあり空室率が低下していること、物流施設の賃料も上昇傾向にあることが示されています。不動産市場の動きを広く見たい場合は不動産業界の動向も参考になります。
なお、土地白書には地目別の土地利用面積など他の統計も掲載されていますが、本記事では確認できた公表資料に明示されていた数値のみを掲載しています。宅地面積などの数値は記載していません。
不動産業の売上高と経常利益
不動産業の経営指標は、財務省の法人企業統計調査から把握できます。財務省「年次別法人企業統計調査(令和6年度)」(令和7年9月1日公表)によると、令和6年度の不動産業の売上高は約58兆8,245億円で前年度比4.2%の増加、営業利益は約7兆1,742億円で前年度比12.9%の増加、経常利益は約7兆9,796億円で前年度比8.7%の増加でした。売上高営業利益率は12.2%、売上高経常利益率は13.6%で、いずれも前年度から上昇しています。
押さえるべき方向は単純で、売上高も利益も増加です。着工戸数が減っているのに不動産業の売上高と利益は増えているという、一見ちぐはぐな組み合わせになっている点が要注意で、「着工が減っているから不動産業の売上高も減った」という筋書きの選択肢は誤りになります。地価が上昇し取引単価が上がれば、件数が伸びなくても売上高は増え得るという構造です。
利益率にも注目してください。売上高経常利益率13.6%は、全産業の平均と比べて高い水準です。仕入れた不動産を在庫として持ち、値上がり局面で売る事業の性格上、地価が上がっている期間は利益率が押し上げられます。逆に言えば、地価が横ばいや下落に転じたときには利益率が先に落ちます。売上高・利益・利益率の3つが同じ方向に動くとは限らないことを知っておくと、「売上高は増加したが経常利益は減少した」というような複合的な選択肢にも対応できます。
令和7年度分は2026年9月頃の公表が見込まれます。試験直前の公表になるため、2026年の試験に向けては令和6年度分を基準としてください。
- 令和7年の売買による所有権移転登記件数は全国約130万件。ここ10年ほど横ばい。
- 令和6年度の不動産業は売上高・営業利益・経常利益とも増加。経常利益率13.6%。
- 着工減と不動産業の増収増益は両立する。
- 土地白書の根拠は土地基本法11条。1項の報告と2項の文書は別の文書。
空き家の状況
空き家は法改正や政策の話題と結びつきやすく、時事的に問われる可能性があります。
令和5年の確定値
総務省「令和5年住宅・土地統計調査」(調査時点:令和5年10月1日)によると、全国の総住宅数は6,504万7千戸、そのうち空き家は900万2千戸、空き家率は13.8%で、戸数・率ともに過去最高となりました。前回の平成30年調査では空き家が849万戸でしたから、5年間でおよそ51万戸増えた計算です。
方向としては「増加」「過去最高」の2点を押さえれば足ります。空き家率が13%台であることも、桁の水準として持っておくとよいでしょう。総住宅数6,504万7千戸という分母も、「住宅の数はおよそ6,500万戸」という水準で覚えておくと、空き家率を自分で概算できます。900万を6,500万で割れば13.8%が出てくるので、率と戸数のどちらかを忘れてももう一方から復元できます。
5年ごとの調査であることの意味
住宅・土地統計調査は5年ごとに実施されます。したがって、他の統計のように毎年更新されるわけではありません。直近が令和5年調査ですから、次回は令和10年調査となり、2026年の試験でも2027年の試験でも、基準となるのは同じ令和5年の数値です。
この性質は覚える側にとっては好都合です。着工や地価のように毎年差し替える必要がなく、一度覚えれば数年使えます。逆に言えば、古い平成30年調査の849万戸を覚えたままだと、しばらく間違え続けることになります。
もうひとつ、5年周期には注意点があります。調査時点と公表時点の差が大きいということです。令和5年10月1日時点の調査であるにもかかわらず、試験で使う数値としては令和8年度でもこれが最新です。「最新の調査によれば」という表現が出てきたときに、それが3年前の時点の数値を指していることに違和感を持たなくてよい、というのがこの統計の特殊なところです。
宅建試験そのものの統計
問48で問われるわけではありませんが、学習計画を立てるうえで把握しておく価値のある数字です。
令和7年度の実施結果
一般財団法人不動産適正取引推進機構「令和7年度宅地建物取引士資格試験結果の概要」(令和7年11月26日公表)によると、令和7年度試験は令和7年10月19日に実施され、申込者数306,099人、受験者数245,462人、受験率80.2%、合格者数45,821人、合格率18.7%という結果でした。合格判定基準は50問中33問以上の正解です。
合格率18.7%は、2010年代の15%台と比べると明確に高い水準です。一方で合格点は前年の37点から33点へ4点下がりました。合格率がほぼ横ばいのまま合格点だけが下がったということは、問題が相対的に難しく受験者全体の得点が伸びなかったことを示唆します。この読み方は宅建試験の合格率推移で詳しく扱っています。合格点そのものの動き方と令和8年度の見通しは合格点の推移と見通し、難易度の位置づけは宅建試験の難易度と合格率、受験者層のデータは宅建試験の受験者データを参照してください。
申込者数と受験者数の差、すなわち約6万人が申し込みながら受験していないという事実も、この公表資料から読める数字です。受験率80.2%という水準は例年おおむね同じで、母集団の性質を考えるうえでの前提になります。
登録講習修了者の合格率
同じ公表資料によると、登録講習修了者の合格率は24.2%、合格判定基準は45問中28問以上でした。全体の18.7%と比べて5ポイント以上高い水準です。
満点が50問と45問の2種類あるため、必要な正答率も2種類あります。33÷50は66.0%、28÷45は62.2%で、免除を受けた側のほうが必要正答率は低い。5問がまるごと得点扱いになるのではなく、分母も分子も減ったうえで基準が引き下げられている、という構造です。
この差は、5問が免除されるという制度上の有利さに加えて、登録講習を受けられるのが宅建業に従事している人に限られるという受験者層の違いも反映していると考えられます。免除制度の利用条件は5問免除制度の基本で確認できます。
令和8年度試験の日程については2026年度宅建試験の日程にまとめています。
試験での出題ポイント
数値を覚えたら、次はどう崩されるかを見ておきます。ただし、方向の反転・連続年数のずらし・発表元の取り違え・桁の操作といった選択肢の型そのものの分類は宅建試験の統計問題対策の担当です。ここでは型を教え直すのではなく、本記事に掲載した令和8年度の確定値を型に当てはめて、今年に限ればどこを崩せるのかを具体的に潰していきます。
今年の値で先に潰しておく5点
第一に方向です。令和8年度試験に向けた向きは、着工が減少、地価が上昇、業者数が増加、不動産業の売上高・利益が増加、空き家が増加、土地取引件数が横ばい。第二に連続年数で、着工3年連続減少、地価公示5年連続上昇、業者数11年連続増加の3つが数字として問われる候補です。第三に発表元と根拠法で、地価公示は国土交通省土地鑑定委員会・地価公示法、都道府県地価調査は都道府県知事・国土利用計画法施行令、住宅・土地統計調査は総務省、法人企業統計は財務省、宅地建物取引業法の施行状況調査は国土交通省、売買による所有権移転登記件数の原資料は法務省「登記統計月報」です。第四に時点で、地価公示は1月1日、都道府県地価調査は7月1日、業者数は年度末(3月末)、住宅・土地統計調査は令和5年10月1日。第五に桁で、着工は数十万戸、業者数は十数万業者、宅建士登録者は百万人台、土地取引件数は百万件台、不動産業の売上高は数十兆円です。
この5点はどれも一行で確認できます。ここから先の4つが、令和8年度の資料に固有の、単純な暗記では処理しきれない箇所です。
「上昇」と「上昇幅の拡大」は別の事実である
令和8年地価公示は、この区別だけで複数の選択肢が作れる構造になっています。全国平均は全用途と商業地が上昇幅を拡大した一方、住宅地はプラス2.1%で前年と同じ上昇幅にとどまりました。三大都市圏は3区分とも拡大していますが、圏域を割ると名古屋圏だけが3区分とも縮小しています。地方圏は全用途と住宅地が縮小し、商業地だけが前年と同じ上昇幅。地方四市は3区分とも縮小し、その他の地域は全用途と住宅地が前年と同じ上昇幅で、商業地だけ拡大しました。
つまり同じ「5年連続の上昇」のなかに、拡大・縮小・前年と同じという三通りが混在しています。「上昇したか」を問う選択肢はほとんど正しくなり、「上昇幅が拡大したか」を問う選択肢は区分ごとに答えが変わる。読むときは、述語が「上昇した」なのか「上昇幅が拡大した」なのかを最初に確認してください。
連続年数は統計名ではなく指標につく
建築着工統計調査報告(令和7年計)の一枚の資料のなかに、異なる連続年数が並んでいます。総戸数は3年連続の減少、床面積は4年連続の減少、持家は4年連続の減少、貸家と分譲住宅は3年連続の減少、分譲マンションと分譲一戸建住宅もそれぞれ3年連続の減少、プレハブは4年連続の減少、ツーバイフォーは「昨年の増加から再びの減少」です。
したがって「新設住宅着工戸数は3年連続で減少した」は正しく、「持家は3年連続で減少した」は誤り、「ツーバイフォーは4年連続で減少した」も誤りになります。統計名でひとくくりに「3年連続」と覚えると、指標を差し替えられた瞬間に崩れます。連続年数は統計につくのではなく指標につく、と持ち替えてください。「昨年の増加から再びの減少」という表現が同じ資料に共存していることも、連続年数だけを暗記する覚え方の危うさを示しています。
平均と分布を混ぜる
平均変動率の話と地点数の分布の話を混ぜてくる型は、令和8年地価公示の資料構成から実際に作れます。「令和8年地価公示において、地方圏では下落した地点はなかった」という選択肢は、地方圏の平均が上昇していることだけを覚えていると正しく見えてしまいますが、実際には地方圏の全用途で31.5%の地点が下落しています。平均がプラスであることと、すべての地点が上昇していることは別です。
逆向きの操作も成立します。地方四市は全用途平均がプラス4.5%と全国平均を大きく上回っていますが、上昇した地点の割合は前年の95.6%から85.5%へ下がり、横ばいが3.3%から12.8%へ増えました。「地方四市では上昇幅が拡大した」は誤り、「地方四市では上昇した地点の割合が低下した」は正しい。平均の水準・平均の変化・地点の分布は三つとも別の情報で、どれか一つを覚えて他を推測することはできません。
部分と全体を入れ替える
内訳の一部について成り立つことを全体に広げる型、またはその逆です。今年の資料でとくに材料になるのが資金別の内訳で、令和7年計は全体が6.5%減っているのに公的資金による住宅だけが9.9%増えています。「公的資金による住宅が増加したため全体でも増加した」という選択肢は、前半だけが正しい典型です。しかも公的資金の内訳をさらに割ると、補助金等による住宅が24.6%増・機構融資住宅が11.1%増で増加している一方、公営住宅は15.2%減・都市再生機構建設住宅は12.5%減で減っています。「公的資金による住宅はいずれも増加した」も誤りになります。
同じ操作は業者数でも成立します。宅建業者数は11年連続で増加していますが、これは法人が10年で約1万4千増え、個人が約5千減った差し引きの結果です。「宅建業者数は増加しており、法人・個人ともに増加している」という選択肢は、前半だけが正しい形になります。監督処分と行政指導の組み合わせも同じで、令和6年度は監督処分が12.0%減、行政指導が11.5%増と逆方向に動きました。全体の結論と内訳の事実を別々に持っておくのが、この型への唯一の備えです。
なお、利用関係別について「すべての区分が減少した」と断定する選択肢には注意が要ります。国土交通省の公表文が触れているのは持家・貸家・分譲住宅の3つだけで、給与住宅は言及されていません。令和7年計では給与住宅も5.9%減なので結果としては正しくなりますが、公表文の記述をそのまま根拠にはできない、という点は意識しておいてください。
選択肢の一部だけが正しいという構成は統計問題に限らず宅建試験全体で多用されます。文の途中で主語がすり替わる形などの典型パターンは引っかけ表現のパターンにまとめています。出題傾向全般の分析は宅建試験の出題傾向、税・その他の全体戦略は税・その他の攻略戦略を参照してください。同じ免除科目でも、問47の広告表示は統計ではなく規約の解釈が問われるため、対策の性格が違います(不動産広告の表示基準)。問49・問50の土地と建物は暗記より導出が効く分野です(土地・建物の知識)。
覚え方・整理の仕方
問48は覚え方を工夫すれば短時間で仕上がります。
今年の向きは一列で「減・上・増・増・増、取引だけ横ばい」
方向をどう記憶するかという方法論は宅建試験の統計問題対策にありますので、ここでは令和8年度の中身だけを置いておきます。着工は減、地価は上、業者数は増、不動産業の売上・利益は増、空き家は増。土地取引件数は横ばいなので、これだけ別枠です。
数値は各統計につき代表値をひとつ
覚える数値を増やすと必ず崩れます。統計ごとに代表値をひとつだけ決めます。着工は74万戸、地価公示は全用途プラス2.8%、業者数は13万2千業者、空き家は900万戸と13.8%、土地取引は130万件。この5つ(空き家だけ2つ)で十分です。
内訳は代表値を覚えたあとの上乗せと考えてください。余力があれば、着工の内訳(貸家が最多で約4割)と業者数の内訳(知事免許が約98%)の2つだけ足します。
連続年数は3つだけ
連続年数を覚えるのは、着工の3年連続減少、地価公示の5年連続上昇、業者数の11年連続増加の3つに絞ります。この3つは出題実績のある指標で、かつ数字が特徴的で覚えやすいためです。
この3つは、年数そのものではなく起点で持つと崩れません。地価公示は令和3年がマイナス0.5%で、令和4年のプラス0.6%から上昇に転じています。だから令和8年で5年連続です。着工は令和5年から減り始めて令和7年で3年目。業者数は国土交通省の施行状況調査の推移表で平成25年度末の122,127業者が底で、平成26年度から増加に転じているので令和6年度末で11年目になります。起点を持っていれば、翌年に4年連続・6年連続・12年連続へ更新されたときも、記憶を上書きせずに数え直すだけで済みます。1年古い教材の連続年数を持ち込む事故も、起点から数え直せば防げます。
発表元は「誰の仕事か」で引く
発表元の暗記は、丸暗記ではなく所管の理屈で引くと安定します。土地の価格を判定するのは土地の政策を所管する国土交通省(土地鑑定委員会)、住宅と世帯を数えるのは国勢調査と同じ総務省、企業の財務を集計するのは財務省、登記の件数は登記所を所管する法務省、宅建業者の免許と処分は国土交通省。「その役所が普段やっている仕事の延長にあるか」を考えれば、覚えていなくても当てられます。
公表カレンダーで覚える
統計は公表時期が決まっています。1月末に建築着工統計の前年計、3月中旬に地価公示、4月末に建築着工統計の前年度計、6月から7月に土地白書、9月上旬に法人企業統計の前年度分、9月中旬に都道府県地価調査、10月上旬に宅地建物取引業法の施行状況調査、というのが例年の流れです。
この時期が毎年ほぼ同じなのは、統計法8条2項が基幹統計の公表期日をあらかじめ公表することを求めているためです(地価公示や施行状況調査は統計法の統計ではありませんが、実務上は同様に定例化しています)。このカレンダーを頭に入れておくと、「いま自分が覚えている数値は最新か」を推測ではなく確認で判定できます。令和8年度でいえば、10月18日の試験日までに更新されるのは9月上旬の法人企業統計と9月中旬の都道府県地価調査の2つだけで、10月上旬公表の施行状況調査は試験直前です。つまり本記事の確定値のうち、試験前に差し替わる可能性があるのは不動産業の売上高・利益と基準地価の2項目に限られます。直前期の学習配分は直前期の過ごし方を参考にしてください。
割り算で戻せる数字は覚えない
問48で出てくる数値のかなりの部分は、別の数値から復元できます。復元できるものを覚えるのは二重投資なので、覚える側を絞ります。
空き家率13.8%は、空き家900万2千戸を総住宅数6,504万7千戸で割れば出ます。逆に率と分母を覚えていれば戸数が戻せるので、どちらか一方で足ります。着工の構成比も同じで、貸家324,991戸を総戸数740,667戸で割れば43.9%になり、分譲住宅28.1%・持家27.2%・給与住宅0.8%もすべて総戸数からの割り算です。業者数の「知事免許が約98%」も129,133を132,291で割った値にすぎません。1戸あたりの床面積(持家約112平方メートル、貸家約48平方メートル、分譲住宅約88平方メートル)も、公表されている利用関係別の床面積を同じ区分の戸数で割った概算です。合格判定基準の必要正答率も同様で、50問中33問なら66.0%、45問中28問なら62.2%と、その場で割れば出ます。
覚えるのは、割り算の材料になる分母と分子の実数のほうです。実数を持っていれば率は復元できますが、率だけを持っていても実数は戻せません。そして選択肢が実数で書かれていても率で書かれていても、同じ記憶から対応できます。過去問での確認方法は過去問の活用法を参照してください。
理解度チェッククイズ
Q1. 令和7年の新設住宅着工戸数は前年に比べて増加した。(○か×か)
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×:令和7年の新設住宅着工戸数は740,667戸で、前年比6.5%の減少、3年連続の減少です。持家(201,285戸、7.7%減)、貸家(324,991戸、5.0%減)、給与住宅(6,222戸、5.9%減)、分譲住宅(208,169戸、7.6%減)のいずれも減少しました。新設住宅着工床面積は56,885千平方メートルで6.6%減、こちらは4年連続の減少です(出典:国土交通省「建築着工統計調査報告(令和7年計)」令和8年1月30日公表)。Q2. 令和8年地価公示によれば、全国平均の住宅地は前年よりも上昇幅が拡大した。(○か×か)
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×:令和8年地価公示の全国平均は、住宅地がプラス2.1%で5年連続の上昇ですが、上昇幅は前年(令和7年地価公示のプラス2.1%)と同じでした。上昇幅が拡大したのは全用途平均(プラス2.7%からプラス2.8%)と商業地(プラス3.9%からプラス4.3%)です。「上昇した」ことと「上昇幅が拡大した」ことは別なので、区別して読んでください(出典:国土交通省「令和8年地価公示」価格時点 令和8年1月1日、令和8年3月18日公表)。Q3. 令和8年地価公示によれば、地方圏では全用途平均が上昇したので、下落した地点はなかった。(○か×か)
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×:地方圏の全用途平均はプラス1.2%で5年連続の上昇ですが、地点数の割合で見ると上昇50.8%、横ばい17.7%、下落31.5%で、およそ3割の地点は下落しています。平均変動率がプラスであることと、すべての地点が上昇していることは別です。全国・全用途では上昇68.3%、横ばい12.3%、下落19.4%でした(出典:国土交通省「令和8年地価公示」令和8年3月18日公表)。Q4. 令和6年度末現在の宅地建物取引業者数は、大臣免許業者が全体の過半を占めている。(○か×か)
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×:令和6年度末(令和7年3月末)現在の宅地建物取引業者数は132,291業者で、内訳は大臣免許が3,158業者、知事免許が129,133業者です。知事免許が全体の約98%を占めており、大臣免許は約2%にすぎません。2つ以上の都道府県に事務所を設ける場合にのみ大臣免許が必要という制度上、当然の分布です。なお業者数全体は11年連続で増加しています(出典:国土交通省「令和6年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について」令和7年10月3日公表)。Q5. 令和5年住宅・土地統計調査によれば、全国の空き家数および空き家率はいずれも過去最高となった。(○か×か)
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○:令和5年10月1日現在の総住宅数6,504万7千戸に対し、空き家は900万2千戸、空き家率は13.8%で、戸数・率ともに過去最高です。前回の平成30年調査の849万戸から約51万戸増加しました。この調査は5年ごとに実施されるため、次回の令和10年調査までは同じ数値が基準になります(出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査」)。最新値の確認方法
本記事の数値は執筆時点の確定値です。試験年が変わったら、次の一次情報で差し替えてください。差し替えの手順は3つで、発表元の公表資料そのものを開き、価格時点または調査時点と公表年月日を確認し、そのうえで方向と連続年数を書き換えます。まとめサイトの数値を写すと、暦年と年度の取り違えや、更新漏れをそのまま引き継ぐことになります。
新設住宅着工戸数は、国土交通省「建築着工統計調査報告」の年計(前年の暦年分が例年1月末に公表されます)で確認します。地価公示は、国土交通省「地価公示」(例年3月中旬公表、価格時点はその年の1月1日)です。都道府県地価調査は、国土交通省「都道府県地価調査」(例年9月中旬公表、価格時点はその年の7月1日)で確認します。
宅地建物取引業者数と宅建士登録者数は、国土交通省「宅地建物取引業法の施行状況調査結果」(例年10月頃に前年度分を公表)です。土地取引と不動産市場の動向は、国土交通省「土地白書」(例年6月から7月に公表)にまとまっています。不動産業の売上高・利益は、財務省「年次別法人企業統計調査」(例年9月上旬に前年度分を公表)です。空き家は、総務省「住宅・土地統計調査」(5年ごと、直近は令和5年調査)で確認します。
差し替えるときに見落としやすいのが、前年比の分母も同時に動くという点です。着工統計のように数値が後から改定される統計では、当年の報告書に載る前年値が、前年の報告書に載っていた確定値と一致しないことがあります。増減率は当年の資料に載っている前年値との比較で算出されているので、前年値だけ古い記事から引いてくると、増減率と数値が整合しなくなります。差し替えは統計ごとに、当年の資料一本で完結させてください。
もうひとつ、連続年数は書き換えるのではなく起点から数え直すのが安全です。前の年に書いた「5年連続」を「6年連続」に機械的に足すと、その年に方向が変わっていた場合に誤りが残ります。起点の年と当年の方向の2つを見て、そのつど数え直してください。差し替えをいつやるかという時期の設計は宅建試験の統計問題対策で扱っています。
よくある質問
Q. 令和8年度の試験では、どの版の統計が基準になりますか。
本記事の執筆時点で最新の確定版は次のとおりです。建築着工統計は令和7年計(令和8年1月30日公表)、地価公示は令和8年地価公示(令和8年3月18日公表)、都道府県地価調査は令和7年(令和7年9月16日公表)、土地白書は令和8年版(令和8年7月10日公表)、法人企業統計は令和6年度(令和7年9月1日公表)、宅地建物取引業法の施行状況調査は令和6年度(令和7年10月3日公表)、住宅・土地統計調査は令和5年(5年ごと)です。統計名だけでなく「何年版か」まで一組で覚えてください。
Q. 地価公示と都道府県地価調査は、どちらを覚えればよいですか。
まず地価公示です。令和8年地価公示は全用途平均プラス2.8%・住宅地プラス2.1%・商業地プラス4.3%で、いずれも5年連続の上昇でした。都道府県地価調査のほうは、令和8年分がまだ公表されていないため、覚えるとすれば半年前の令和7年(全用途平均プラス1.5%・住宅地プラス1.0%・商業地プラス2.8%、4年連続上昇)になります。両者は1,587地点の共通地点で接続されていて、同じ地点を1月1日と7月1日で見ています。数値そのものより、時点・根拠法・判定主体が違うという区別のほうが問われやすいところです。
Q. 平均変動率と地点数の割合は、どちらを覚えればよいですか。
まず平均変動率です。問48の選択肢の大半は平均変動率の方向と連続年数で作られています。そのうえで、余力があれば「地方圏は平均では上昇しているが、下落した地点も3割ある」という一点だけ足してください。平均と分布を混ぜた選択肢は作れる型ですが、頻度としては平均のほうが圧倒的に多く出ます。
Q. 同じ統計に暦年版と年度版があると聞きました。どちらを覚えればよいですか。
建築着工統計には暦年(令和7年計)と年度(令和7年度計)の両方があります。宅建試験では通常、暦年が基準として扱われます。両者は増減の方向や連続年数が一致しないことがあるため、年度の数字を見かけたら別集計だと意識してください。
Q. 令和8年度の統計はまだ公表されていない項目があるようですが、どうすればよいですか。
本記事の執筆時点で、令和7年度の宅地建物取引業法の施行状況調査(2026年10月頃公表見込み)、令和7年度の法人企業統計(2026年9月頃公表見込み)、令和8年都道府県地価調査(2026年9月頃公表見込み)は未公表です。これらは2026年10月の試験には間に合わないか、ぎりぎりの公表になります。したがって現時点で公表されている確定値を基準に学習し、公表され次第、方向に変化がないかだけ確認すれば十分です。
Q. 5問免除を受ければ統計問題の対策は不要ですか。
登録講習を修了していれば問46から問50までが免除されるため、問48の対策も不要になります。ただし登録講習を受けられるのは宅建業に従事している人に限られます。制度の詳細は5問免除制度の基本を確認してください。
まとめ
- 数値は出典・時点・公表年月日とセットで覚える。 本記事に掲載した確定値は、令和7年計の新設住宅着工740,667戸(国土交通省、令和8年1月30日公表)、令和8年地価公示の全用途平均プラス2.8%(国土交通省、令和8年3月18日公表)、令和6年度末の宅建業者数132,291業者(国土交通省、令和7年10月3日公表)、令和7年の売買による所有権移転登記件数約130万件(令和8年版土地白書、令和8年7月10日公表)、令和6年度の不動産業の売上高約58兆8,245億円(財務省、令和7年9月1日公表)、令和5年の空き家900万2千戸・空き家率13.8%(総務省)です。
- 向きと連続年数を先に、桁は後から。 着工は減少(3年連続)、地価は上昇(5年連続)、業者数は増加(11年連続)、不動産業は増収増益、空き家は増加、土地取引件数は横ばい。この6つを一列で持てば、選択肢の大半は判断できます。
- 平均と分布、全体と内訳を混ぜない。 地方圏の地価は平均では上昇していますが、下落した地点も3割あります。業者数は増えていますが、増えているのは法人で個人は減っています。全体の結論と内訳の事実を別々に持っておくと、精度の高い選択肢にも耐えられます。
- 未公表の統計に推測値を置かない。 令和7年度の施行状況調査と法人企業統計、令和8年都道府県地価調査は本記事の執筆時点で未公表です。公表時期の目安だけを押さえ、確定値が出てから差し替えてください。
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税と価格の評定は毎年ほぼ同じ形で出ます。出題パターンを肢別で押さえれば取りこぼしません。