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危険負担|履行拒絶権と危険の移転時期

権利関係 読了 約29分

危険負担は債権法改正で構成が変わりました。534条・535条の削除、536条1項の履行拒絶権への転換、567条による危険の移転時期を、改正前後の条文を対比して整理します。

目次

    この記事は、双務契約の一方の債務が当事者双方に責任のない事由で履行できなくなったとき、もう一方の債務がどうなるのかという問題を、2020年4月1日施行の債権法改正の前後を対比しながら扱うものです。帰責事由がある場合の処理と解除の要件そのものは債務不履行で、引き渡された物が契約に適合しない場合は契約不適合責任で扱っているので、ここでは危険負担の側から書きます。

    結論を先に述べます。危険負担は、改正によって「主義」の対立という枠組みを失いました。改正前は534条が特定物について債権者主義を、536条が原則として債務者主義を定め、どちらの主義が適用されるかを判定する構造でした。改正で534条と535条は削除され、現行民法には「第五百三十四条及び第五百三十五条 削除」という文言だけが残っています。代わりに残った536条1項は、当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は反対給付の履行を拒むことができる、と定めます。効果は反対債務の消滅ではなく履行拒絶権です。

    そして売買については567条が、目的物の引渡しがあった時以後の滅失・損傷について買主に危険を移す規定を置きました。改正後の処理は、引渡し前なら536条1項の履行拒絶権、引渡し後なら567条による危険の移転、という二段構えになっています。「債権者主義か債務者主義か」ではなく、「どの時点で起きたか」で条文が切り替わる、と捉えてください。

    古い教材や改正前の過去問の解説をそのまま覚えていると、結論を間違えます。どこがどう変わったのかを条文の文言レベルで確認していきます。

    危険負担は双務契約のどこに位置する問題か

    双務契約だから生じる問題である

    売買契約は、当事者の一方が財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対して代金を支払うことを約することによって効力を生じます(555条)。売主の引渡債務と買主の代金債務が対価関係に立つ、双務契約です。

    双務契約では、2つの債務が互いに支え合っています。片方の債務が履行できなくなったとき、もう片方の債務だけを存続させてよいのかという問題が、必然的に生じます。これが危険負担です。

    片務契約ではこの問題が起きません。贈与契約で贈与の目的物が滅失しても、対価としての債務がそもそも存在しないので、何が残るのかを論じる余地がないからです。

    533条とは働く場面が違う

    双務契約の2つの債務が支え合っていることは、同時履行の抗弁権にも表れています。533条は、双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは自己の債務の履行を拒むことができる、と定めています。

    533条と536条1項は、どちらも「履行を拒むことができる」という同じ効果を持つため混同されますが、働く場面がまったく違います。533条は、相手方の債務がまだ履行されていないだけで、履行自体は可能な場面の規定です。相手が履行すれば拒絶の根拠は消えます。これに対し536条1項は、相手方の債務がもはや履行不能になった場面の規定です。相手が履行することはもうありません。

    一時的な引き延ばしと、恒久的な拒絶。効果の言葉は似ていますが中身は別物です。533条の要件と効果は同時履行の抗弁権で扱っています。

    「双方に帰責事由がない」ことが入口の要件

    536条1項の要件は「当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったとき」です。双方に帰責事由がないことが入口です。

    債務者に帰責事由があれば、それは債務不履行の問題であり、415条1項による損害賠償請求と541条・542条による解除で処理されます。危険負担の出番はありません。債権者に帰責事由があれば536条2項の場面になります。

    したがって危険負担が正面から働くのは、地震、津波、落雷、第三者の放火といった、売主にも買主にも責任を問えない事由で目的物が失われた場合に限られます。帰責事由の判断枠組みそのものは債務不履行で詳しく扱っています。

    契約成立後に不能になった場合の話である

    もうひとつの前提が、不能になった時点です。危険負担は、契約が有効に成立した後に履行が不能になった場合、すなわち後発的不能の問題です。

    契約の成立時にすでに履行が不能だった場合、いわゆる原始的不能については、412条の2第2項が「契約に基づく債務の履行がその契約の成立の時に不能であったことは、第四百十五条の規定によりその履行の不能によって生じた損害の賠償を請求することを妨げない」と定めています。原始的不能でも契約は有効に成立し、損害賠償の問題として処理される、というのが改正で明確にされた点です。

    なお412条の2第1項は、債務の履行が契約その他の債務の発生原因および取引上の社会通念に照らして不能であるときは、債権者はその債務の履行を請求することができないと定めています。履行不能かどうかは物理的な可否だけでなく、契約の趣旨と取引通念に照らして判断されます。

    改正で何が消え、何が残ったか

    534条は特定物について債権者主義を定めていた

    改正前の534条は「債権者の危険負担」という見出しのもとで、1項に「特定物に関する物権の設定又は移転を双務契約の目的とした場合において、その物が債務者の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、その滅失又は損傷は、債権者の負担に帰する」と定めていました。

    不動産の売買はまさにこの場面です。契約締結後、引渡し前に建物が地震で倒壊した場合、その損失は債権者、つまり買主の負担に帰する。買主は建物を受け取れないのに代金を払わなければならない、という結論になっていました。

    同条2項は「不特定物に関する契約については、第四百一条第二項の規定によりその物が確定した時から、前項の規定を適用する」としていました。401条2項は、債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了し、または債権者の同意を得てその給付すべき物を指定したときは、以後その物を債権の目的物とすると定める種類債権の特定の規定です。種類物も特定されれば534条1項に取り込まれる、という構造でした。

    なぜこのような規定が置かれていたのかというと、所有権が契約と同時に買主へ移るのだから、その物から生じる利益も損失も買主に帰属させるのが筋だ、という発想があったと説明されます。しかし、まだ引渡しも受けておらず支配も及ぼしていない買主に全損失を負わせるのは実態に合わず、長く批判されてきました。実務では「引渡しまでの滅失・損傷は売主の負担とする」という特約を置いて条文の適用を排除するのが通例でした。

    535条は停止条件付双務契約の特則だった

    改正前の535条は「停止条件付双務契約における危険負担」という見出しで、3項構成の規定でした。

    1項は「前条の規定は、停止条件付双務契約の目的物が条件の成否が未定である間に滅失した場合には、適用しない」。条件の成否が決まらないうちに目的物が滅失したときは、534条の債権者主義を適用しないという趣旨です。

    2項は「停止条件付双務契約の目的物が債務者の責めに帰することができない事由によって損傷したときは、その損傷は、債権者の負担に帰する」。滅失なら債権者主義を外すが、損傷にとどまるなら債権者の負担にする、という区別でした。

    3項は、債務者の責めに帰すべき事由によって損傷した場合において条件が成就したときは、債権者はその選択に従い契約の履行の請求または解除権の行使をすることができるとし、損害賠償の請求も妨げないとしていました。

    滅失と損傷で扱いが分かれ、条件成就の前後でも分かれるという複雑な規定でしたが、534条が削除された以上、その特則である535条も存在意義を失い、一緒に削除されました。条件と期限の一般的な仕組みは条件と期限にまとめてあります。

    削除の跡が条文に残っている

    現行民法を開くと、533条の次に「第五百三十四条及び第五百三十五条 削除」という一文があり、その次が536条です。条番号を繰り上げずに削除の事実だけを残すのが法令の作法で、この一文自体が「かつてここに債権者主義の規定があった」という痕跡になっています。

    「特定物の売買では債権者主義がとられる」という記述に出会ったら、削除済みの条文を根拠にしていることになります。改正全体の見取り図は民法改正のポイントで扱っています。

    536条1項は主語が入れ替わった

    536条は削除されず残りましたが、1項の文言は書き換えられました。

    改正前の1項は「前二条に規定する場合を除き、当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を有しない」でした。主語は債務者で、効果は「反対給付を受ける権利を有しない」、つまり反対債務が当然に消滅するという構成です。

    改正後の1項は「当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる」です。主語が債権者に変わり、効果が「履行を拒むことができる」という権利の付与になりました。

    変わった点は2つあります。ひとつは冒頭の「前二条に規定する場合を除き」が消えたこと。534条と535条が削除されたので、除外すべき場面がなくなりました。改正前の536条は534条・535条を原則とする補充規定でしたが、改正後は危険負担についての唯一の一般規定になっています。

    もうひとつが効果の転換です。当然消滅から履行拒絶権へ。この違いが実務でも試験でも最も重要なので、節を改めて詳しく見ます。

    2項も書き換えられている

    改正前の2項は「債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない」でした。

    改正後の2項は「債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。この場合において、債務者は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない」です。

    1項と同じく主語が債務者から債権者に移り、「権利を失わない」が「拒むことができない」に変わっています。1項が権利を与える規定、2項がその権利を与えない規定、という対の形に整えられました。あわせて後段に「債務者は」という主語が補われ、償還義務を負うのが誰かが明示されています。

    536条が定める二つの場合

    1項——履行を拒むことができる

    536条1項の効果は、債権者が反対給付の履行を拒むことができるというものです。条文は「拒むことができる」と書いており、「反対給付の債務は消滅する」とも「反対給付を請求できない」とも書いていません。

    したがって、反対債務そのものは存続します。買主の代金債務は消えていません。消えていないけれども、買主は支払わないでいられる、という状態です。売主が代金を請求してきたら、買主は536条1項を持ち出して拒む。この構造なので、買主が何も言わずに支払ってしまえば、それは債務の弁済として有効に成立します。

    条文が「拒むことができる」という書き方をしている以上、当然に効果が発生するのではなく、拒むという態度をとって初めて意味を持つ規定だと読むほかありません。「危険負担により反対給付債務は当然に消滅する」という記述は、条文の文言と合いません。

    反対債務が残ることの実際的な帰結

    反対債務が存続することには、実際上の帰結が2つあります。

    第一に、既に支払ってしまった代金を取り戻す根拠にはなりません。536条1項が与えるのは「これから履行することを拒む」権利であって、既に履行した給付の返還を求める権利ではないからです。手付金や内金を支払った後に建物が地震で倒壊した場合、買主が既払金の返還を求めるには、後述する解除によって545条1項の原状回復義務を発生させる必要があります。

    第二に、契約関係そのものは終わりません。拒み続けている間、契約は宙づりのまま残ります。売主の側から見れば、代金債権は帳簿上残り続け、いつまでも決着がつきません。この不安定さを解消する手段が解除です。

    改正前は、双方無責の履行不能では解除ができなかったため、危険負担が唯一の処理手段でした。だからこそ「当然消滅」という強い効果が必要だったともいえます。改正で解除の道が開いたことと、危険負担の効果が履行拒絶権に弱められたことは、セットの変更として理解してください。

    2項——債権者に帰責事由がある場合

    536条2項前段は、債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は反対給付の履行を拒むことができないと定めます。

    売買でいえば、買主の失火や放火で建物が焼失した場合です。売主は引渡義務を免れますが、買主は代金を全額支払わなければなりません。自分のせいで目的物を失わせておきながら、代金を拒めるのは筋が通らないからです。

    利益償還義務

    2項後段は「この場合において、債務者は、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない」と定めます。

    債務者が自分の債務を履行しなくてよくなったことで浮いた支出があれば、それを債権者に返せという趣旨です。売買であれば、引渡しに要するはずだった費用や、引渡しまでの管理費用で不要になった分が考えられます。全額を払わせたうえで、債務者に不当な得をさせないための調整規定です。

    条文は「利益を得たとき」と条件を付けているので、免れた債務に対応する費用が現に節約された場合に限られます。何も節約していなければ償還すべき利益はありません。

    413条の2第2項が2項へ流し込む

    536条2項の適用場面は、債権者が積極的に目的物を壊した場合だけではありません。413条の2第2項が、受領遅滞の場面をここへ接続します。

    同項は「債権者が債務の履行を受けることを拒み、又は受けることができない場合において、履行の提供があった時以後に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその債務の履行が不能となったときは、その履行の不能は、債権者の責めに帰すべき事由によるものとみなす」と定めています。

    つまり、売主が引渡しの提供をしたのに買主が受け取らず、その後に地震で建物が倒壊した場合、事実としては双方無責でも、法律上は債権者の帰責事由による不能とみなされます。その結果、536条1項ではなく2項が適用され、買主は代金の支払を拒めません。

    なお同条1項は逆方向の規定で、債務者が遅滞の責任を負っている間に双方無責の事由で履行不能になったときは、その不能を債務者の帰責事由によるものとみなします。遅れている側がリスクを引き受ける、という共通の発想が1項と2項に置かれています。

    解除との関係

    542条1項1号による解除ができる

    542条1項は、催告をすることなく直ちに契約の解除ができる場合を5つ挙げており、その1号が「債務の全部の履行が不能であるとき」です。

    履行不能である以上、催告して待つ意味がないので、無催告で解除できます。この条文は債務者の帰責事由を要件としていません。したがって、地震で建物が倒壊した場面でも、買主は542条1項1号により契約を解除できます。

    解除に債務者の帰責事由が要らなくなった

    改正前は、解除が債務者に対する制裁的な制度と理解されており、債務者の帰責事由が要件とされていました。双方無責の履行不能では解除ができず、危険負担で処理するほかなかったのはこのためです。

    改正により、解除は債務者を制裁する制度ではなく、債権者を契約の拘束から解放する制度として整理されました。帰責事由の要否について現行法が残しているのは543条だけで、同条は「債務の不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるものであるときは、債権者は、前二条の規定による契約の解除をすることができない」と定めています。債務者の帰責事由ではなく、債権者の帰責事由が解除を封じる、という向きです。解除の要件全体は債務不履行で条文順に整理しています。

    拒絶と解除は効果が違う

    同じ場面で2つの手段が使えるので、効果の違いを押さえておく必要があります。

    履行拒絶(536条1項)を選んだ場合、契約は存続し、反対債務も存続します。買主は代金を払わずにいられますが、既に払った分を取り戻すことはできず、契約関係は決着しません。売主の側も、目的物がない以上引き渡せず、代金も受け取れない状態が続きます。

    解除(542条1項1号)を選んだ場合、545条1項本文により各当事者は相手方を原状に復させる義務を負います。既払代金は返還され、同条2項により受領の時からの利息も付きます。契約関係は清算され、決着します。ただし同条1項ただし書により第三者の権利を害することはできず、同条4項により損害賠償の請求は妨げられません。もっとも双方無責の場面では、そもそも賠償を請求できる相手がいません。

    既払金があるかどうかで選択が決まる、と考えると分かりやすくなります。まだ何も払っていなければ拒絶で足りますが、手付金や内金を払っていれば解除しなければ回収できません。実務では、支払を拒みつつ解除して清算する、という流れになります。

    543条は両方を同時に遮断する

    債権者に帰責事由がある場合、536条2項により代金の支払を拒めず、543条により解除もできません。買主が放火した場合、買主は代金を払うしかなく、契約から抜けることもできない、ということです。

    536条2項と543条が同じ「債権者の責めに帰すべき事由」という要件を使っている点に注目してください。改正後の民法は、債権者に帰責事由がある場面では、危険負担でも解除でも同じ結論に導く設計になっています。

    履行不能でも解除の意思表示は必要

    542条1項1号による解除も、540条1項により相手方に対する意思表示によって行います。履行が不能になったからといって契約が自動的に消滅するわけではありません。

    改正前の債権者主義や債務者主義が「当然に」効果を生じさせる構成だったのに対し、改正後は拒絶も解除も当事者の行為を必要とします。当事者が動かなければ何も起きない、という点が改正後の全体の特徴です。

    危険の移転時期——567条

    567条の位置には別の規定があった

    現行の567条は「目的物の滅失等についての危険の移転」という見出しの規定ですが、改正前の567条は「抵当権等がある場合における売主の担保責任」という別の規定でした。買主が先取特権や抵当権の行使によって所有権を失ったときの解除や費用償還を定めるもので、危険の移転とは無関係です。

    条番号が同じでも中身が入れ替わっているので、改正前の教材で「567条」を引いていても、いま参照すべき条文とは別物です。番号だけで照合すると取り違えます。

    1項——引渡しがあった時以後

    現行567条1項は、売主が買主に目的物(売買の目的として特定したものに限る)を引き渡した場合において、その引渡しがあった時以後にその目的物が当事者双方の責めに帰することができない事由によって滅失し、または損傷したときは、買主は、その滅失または損傷を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求および契約の解除をすることができないと定め、続けて「この場合において、買主は、代金の支払を拒むことができない」としています。

    効果は5つあります。追完請求ができない、代金減額請求ができない、損害賠償請求ができない、解除ができない、そして代金の支払を拒むことができない。前の4つは契約不適合責任の手段を封じるもので、最後のひとつが危険負担の履行拒絶権を封じるものです。買主の手段を包括的に遮断する書き方になっています。

    引渡しを受けた以上、目的物は買主の支配下にあります。その後に生じた偶発的な事故のリスクは買主が負うのが自然だという判断が、条文になったものです。契約不適合責任の側から見た同じ論点は契約不適合責任でも扱っています。

    「売買の目的として特定したものに限る」

    括弧書きの限定に注意してください。567条が対象とするのは、売買の目的として特定した物です。

    不動産のように初めから特定している物であれば問題になりませんが、種類物の売買では、401条2項による特定が生じるまで567条の対象になりません。特定前に一部が滅失しても、売主は代わりの物を調達して引き渡す義務を負い続けます。

    2項——受領遅滞があった場合

    567条2項は、売主が契約の内容に適合する目的物をもってその引渡しの債務の履行を提供したにもかかわらず、買主がその履行を受けることを拒み、または受けることができない場合において、その履行の提供があった時以後に当事者双方の責めに帰することができない事由によってその目的物が滅失し、または損傷したときも、前項と同様とすると定めます。

    引渡しが完了していなくても、適合する物の提供があって買主が受け取らなければ、その提供の時点で危険が移ります。2項の要件で見落としやすいのが「契約の内容に適合する目的物をもって」という部分です。不適合な物を提供しても、買主が受け取らないことを理由に危険を移すことはできません。

    413条の2第2項が受領遅滞後の不能を債権者の帰責事由とみなし、536条2項に接続するのに対し、567条2項は売買について直接の効果を定めています。同じ受領遅滞の場面に2つの経路がありますが、どちらを通っても買主が代金を拒めないという結論は変わりません。

    引渡しの前後で条文が入れ替わる

    整理すると、売買の目的物が双方無責の事由で滅失した場合、引渡し前なら536条1項が働いて買主は代金の支払を拒むことができ、引渡し後なら567条1項が働いて買主は拒むことができません。境目は引渡し、または適合する物の提供です。

    危険を負うのが売主から買主に切り替わるので、これを「危険の移転」と呼びます。ただし、改正前の債権者主義のように契約の時点で買主に危険が乗るのではなく、引渡しという事実によって移る、という点が改正後の考え方です。取引の流れの中で引渡しがいつ来るかは不動産売買の流れで確認できます。

    移転の基準は登記ではない

    危険が移るのは引渡しの時であって、所有権移転登記の時ではありません。567条1項の文言は「引き渡した場合において、その引渡しがあった時以後に」であり、登記には触れていません。

    所有権の移転時期とも一致しません。176条により物権の設定および移転は当事者の意思表示のみによって効力を生じるので、特約がなければ所有権は契約の時に買主へ移りますが、危険はまだ移っていません。所有権と危険がずれることを条文が正面から認めた、というのが改正の意味です。改正前の534条が所有権に引きつけて危険を配分していたのと対照的です。物権変動の一般論は物権変動と対抗要件で扱っています。

    賃貸借には別の条文が置かれている

    611条1項は当然に減額される

    賃貸借にも、双方無責で使用収益ができなくなる場面があります。この場合の処理は536条ではなく、賃貸借の節に置かれた専用の規定によります。

    611条1項は「賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される」と定めています。

    構成が536条1項と違うことに注目してください。536条1項が「拒むことができる」という権利を与えるにとどまるのに対し、611条1項は「減額される」と書いており、当然に効果が生じます。賃借人が減額を請求する必要はありません。

    これは改正で変わった点でもあります。改正前の611条1項は「賃借人は、その滅失した部分の割合に応じて、賃料の減額を請求することができる」という請求権構成でした。危険負担が当然消滅から権利構成へ移ったのとは逆に、賃料減額は請求権構成から当然発生へ移っています。方向が逆なので、混ぜて覚えると取り違えます。

    同条2項は、残存する部分のみでは賃借人が賃借をした目的を達することができないときは、賃借人は契約の解除をすることができると定めます。こちらは解除の意思表示が必要です。

    616条の2は当然に終了する

    616条の2は「賃借物の全部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合には、賃貸借は、これによって終了する」と定めています。

    全部が使えなくなれば、賃貸借は当然に終了します。解除の意思表示も、履行拒絶の主張も要りません。売買であれば、目的物が全部滅失しても契約は残り、解除しなければ清算されないのと対照的です。

    賃貸借は継続的に使用収益をさせる契約なので、対象が消えれば契約を続ける意味がありません。一回的な給付を目的とする売買とは、契約の性質そのものが違うことに由来する差です。賃貸借の全体像は民法の賃貸借に、契約書の条項としての現れ方は賃貸借契約の注意点にまとめてあります。

    3つの条文を並べて持つ

    売買で引渡し前に滅失したら536条1項で履行拒絶。賃貸借で一部が使えなくなったら611条1項で当然減額。賃貸借で全部が使えなくなったら616条の2で当然終了。

    同じ「双方無責で給付ができなくなった」という状況に対して、契約類型ごとに違う条文と違う構成が用意されています。危険負担という言葉に引きずられて536条だけで処理しようとすると、賃貸借の問題で誤ります。

    特約と宅建業法

    536条は任意規定である

    536条は強行規定ではありません。当事者が特約で違う配分を定めることは可能です。改正前に実務が「引渡しまでの滅失・損傷は売主の負担とする」という特約で534条の適用を排除していたのは、任意規定だからです。

    改正後は条文の原則が実務の感覚に合うようになったため、この種の特約は条文の内容を確認的に書くものになりました。逆方向、すなわち引渡し前の滅失を買主の負担とする特約も、当事者が合意すれば可能です。ただし買主が消費者であれば消費者契約法による制限を受けますし、宅建業者が自ら売主となる場合には、後述する枠組みの中で検討することになります。

    37条書面には天災の条項が入る

    宅建業法37条1項10号は、37条書面の記載事項として「天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容」を挙げています。これがまさに危険負担の特約に対応する記載事項です。

    同条2項1号は、貸借の場合について1項10号を含む複数の号を準用しているので、売買だけでなく賃貸借の媒介・代理でも、天災その他不可抗力による損害の負担についての定めがあれば書面に記載しなければなりません。

    条文の書き方が「定めがあるときは、その内容」となっている点に注意してください。定めがなければ記載は不要です。定めがある場合に限って記載が求められる任意的記載事項であり、必ず記載しなければならない絶対的記載事項ではありません。37条書面の記載事項の全体は37条書面の記載事項に、35条書面との対比は35条と37条の横断整理にまとめてあります。

    なお、危険負担そのものは35条1項の重要事項説明の法定事項には挙がっていません。売買契約書に置かれる危険負担条項の内容は、37条書面の側で処理される事項です。

    8種制限に危険負担の規定はない

    宅建業者が自ら売主となり、買主が宅建業者でない場合には、宅建業法33条の2から43条までのいわゆる8種制限がかかります。この中に、危険負担の特約を直接制限する規定はありません。

    制限されているのは、担保責任についての特約(40条)、損害賠償額の予定等(38条)、手付の額と性質(39条)といった項目です。40条が制限しているのは562条以下の契約不適合責任に関する特約であり、536条の危険負担とは別の条文群です。特約制限の範囲は契約不適合責任の特約制限で、8種制限の全体像は8種制限の横断整理で扱っています。

    もっとも、危険負担の特約が制限されていないことは、どんな特約でも通るという意味ではありません。宅建業法47条1号は、重要な事項について故意に事実を告げず、または不実のことを告げる行為を禁じており、買主に不利な特約を伏せて契約させることは業法違反の問題になります。

    試験での出題ポイント

    効果を「消滅」と書く肢

    最も定番なのが、536条1項の効果を反対債務の当然消滅とする選択肢です。「危険負担により買主の代金支払債務は当然に消滅する」は誤りで、条文は「反対給付の履行を拒むことができる」としています。

    改正前の536条1項が「債務者は、反対給付を受ける権利を有しない」と書いていたことを踏まえると、この選択肢は改正前の条文を持ち出しているものだと分かります。

    債権者主義を持ち出す肢

    「特定物の売買では、引渡し前に目的物が滅失しても買主は代金を支払わなければならない」は誤りです。この結論を導いていた534条は削除されています。

    「不特定物についても、特定した時から債権者主義が適用される」という書き方も、削除された534条2項をなぞったものなので誤りです。

    解除に債務者の帰責事由を要求する肢

    「双方に帰責事由がない履行不能の場合、買主は契約を解除することができない」は誤りです。542条1項1号は債務者の帰責事由を要件としていません。

    逆に「債権者に帰責事由がある場合でも解除できる」も誤りです。543条が正面から封じています。帰責事由が解除を妨げるのは債権者側にある場合だけ、という向きを固定してください。

    危険の移転時期をずらす肢

    「危険は所有権移転登記の時に買主に移転する」「危険は契約成立の時に買主に移転する」「危険は代金完済の時に移転する」はいずれも誤りです。567条1項は引渡しがあった時以後としています。

    一方で「引渡し後に双方無責の事由で建物が損傷した場合、買主は代金減額を請求できる」も誤りです。567条1項は代金減額請求を含む4つの手段を封じたうえで、代金の支払も拒めないとしています。効果の列挙を1つでも落とした肢は誤りになります。

    受領遅滞の条件を落とす肢

    「買主が受領を拒んだ後に目的物が滅失した場合、常に買主が危険を負担する」は不正確です。567条2項は「契約の内容に適合する目的物をもって」履行の提供がされたことを要件にしています。不適合な物の提供では危険は移りません。

    賃貸借に536条を持ち込む肢

    「賃借物の一部が滅失した場合、賃借人は賃料の支払を拒むことができる」は、危険負担の一般則を賃貸借に当てはめた誤りです。611条1項により賃料は当然に減額されます。

    「賃借物の全部が滅失した場合、賃借人は契約を解除することができる」も誤りです。616条の2により賃貸借は当然に終了するので、解除するまでもありません。611条2項の解除は一部が使えなくなった場合の規定であり、全部滅失の場面ではありません。

    償還義務の主語を入れ替える肢

    536条2項後段の償還義務を負うのは債務者です。「債権者は、債務者が免れた債務の分を償還しなければならない」は主語が逆で誤りです。改正で「債務者は」という主語が明記されたので、条文を読めば判別できます。

    業法との交錯

    「天災その他不可抗力による損害の負担については、定めの有無にかかわらず37条書面に記載しなければならない」は誤りです。37条1項10号は「定めがあるときは、その内容」としています。定めがなければ記載事項になりません。宅建業法側の頻出パターンは宅建業法の頻出論点にまとめてあります。

    覚え方・整理の仕方

    「主義」で覚えるのをやめる

    債権者主義・債務者主義という用語は、534条と536条のどちらが適用されるかを判定するための道具でした。534条が消えた以上、判定すべき対立がありません。

    改正後に覚えるべきは、誰に帰責事由があるかという軸と、引渡しの前か後かという軸の2つです。この2軸で条文が決まります。双方無責で引渡し前なら536条1項、双方無責で引渡し後なら567条1項、債権者に帰責事由があれば536条2項、債務者に帰責事由があれば債務不履行の415条・541条・542条。

    「拒める」と「消える」を対で持つ

    536条1項は拒める、545条1項は原状に復させる。前者は契約が残り、後者は清算される。この対比を持っておけば、履行拒絶と解除のどちらが問われているかを取り違えません。

    既払金を取り戻したいなら解除、まだ払っていないだけなら拒絶で足りる、という判断基準も同時に覚えられます。

    「遅れている側がリスクを負う」で413条の2を思い出す

    413条の2は1項と2項が対称に置かれています。債務者が履行遅滞に陥っている間の不能は債務者の帰責事由とみなされ、債権者が受領遅滞に陥っている間の不能は債権者の帰責事由とみなされる。

    遅れている側にリスクを寄せる、という一言で両方向を思い出せます。そして2項が536条2項と567条2項の入口になっていることまで紐づけておくと、受領遅滞の問題で迷いません。

    引渡しを境界線として意識する

    危険の移転(567条)、契約不適合の通知期間の起算(566条は知った時からですが、宅建業法40条の特約は引渡しの日から2年以上)、そして所有権移転登記の実務上のタイミング。不動産取引では引渡しがいくつもの規律の分岐点になっています。

    危険については引渡しが基準であって登記ではない、と条文の文言で覚えてください。

    賃貸借は「一部は減額、全部は終了」

    611条1項の一部と616条の2の全部を、効果とセットで覚えます。一部なら当然減額、全部なら当然終了。どちらも当事者の行為を要しません。解除の意思表示が要るのは、611条2項の「一部が使えず、残りだけでは目的を達せない」場合だけです。

    改正論点は「前はどうだったか」まで覚える

    危険負担は、改正前の枠組みを知らないと出題の意図が読めない論点です。534条が特定物について債権者主義を定めていたこと、536条1項の効果が当然消滅だったこと、解除に債務者の帰責事由が必要だったこと。この3つを「昔の姿」として覚えておけば、古い枠組みを持ち出した選択肢を即座に見抜けます。改正論点の全体は民法改正のポイントで確認できます。

    理解度チェッククイズ

    Q1. 建物の売買契約が締結された後、引渡し前に当事者双方の責めに帰することができない事由により建物が滅失した場合、買主の代金支払債務は当然に消滅する。(○か×か)

    答えを見る×:536条1項は「当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができる」と定めています。効果は履行拒絶権であって、反対債務の当然消滅ではありません。代金債務は存続しており、買主は支払を拒めるにとどまります。改正前の536条1項は「債務者は、反対給付を受ける権利を有しない」と定めており当然消滅の構成でしたが、2020年4月1日施行の債権法改正で書き換えられました。契約関係を終わらせて既払金を取り戻すには、542条1項1号による解除が必要です。

    Q2. 特定物である建物の売買では、引渡し前に双方の責めに帰することができない事由で建物が滅失しても、買主は代金全額を支払わなければならない。(○か×か)

    答えを見る×:この結論を導いていたのは改正前の534条1項で、特定物に関する物権の設定または移転を双務契約の目的とした場合において、債務者の責めに帰することができない事由による滅失・損傷は債権者の負担に帰するとしていました。買主に酷であるとの批判が強く、改正で534条と535条は削除され、現行民法には「第五百三十四条及び第五百三十五条 削除」という文言だけが残っています。現在は536条1項により、買主は代金の支払を拒むことができます。

    Q3. 売主が買主に建物を引き渡した後、当事者双方の責めに帰することができない事由により建物が損傷した場合、買主は代金の減額を請求することができる。(○か×か)

    答えを見る×:567条1項は、引渡しがあった時以後に当事者双方の責めに帰することができない事由によって目的物が滅失または損傷したときは、買主はその滅失または損傷を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求および契約の解除をすることができないとし、さらに「この場合において、買主は、代金の支払を拒むことができない」と定めています。引渡しによって危険が買主に移るため、買主の手段は包括的に封じられます。なお危険が移る基準は引渡しであって、所有権移転登記の時ではありません。

    Q4. 売主が契約の内容に適合する建物の引渡しの提供をしたにもかかわらず買主が受領を拒んでいる間に、当事者双方の責めに帰することができない事由で建物が滅失した場合、買主は代金の支払を拒むことができる。(○か×か)

    答えを見る×:567条2項は、売主が契約の内容に適合する目的物をもって引渡しの債務の履行を提供したにもかかわらず、買主がその履行を受けることを拒み、または受けることができない場合において、その提供があった時以後に双方無責の事由で滅失・損傷したときも1項と同様とすると定めています。したがって買主は代金の支払を拒めません。同じ結論は413条の2第2項からも導けます。同項は受領遅滞中の双方無責の不能を債権者の責めに帰すべき事由によるものとみなしており、その結果536条2項が適用されて履行拒絶ができなくなるからです。ただし2項の要件は「契約の内容に適合する目的物」の提供であり、不適合な物の提供では危険は移りません。

    Q5. 賃借建物の全部が当事者双方の責めに帰することができない事由により滅失した場合、賃借人は賃貸借契約を解除することによって契約関係を終了させることができる。(○か×か)

    答えを見る×:616条の2は「賃借物の全部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合には、賃貸借は、これによって終了する」と定めており、賃貸借は当然に終了します。解除の意思表示は不要です。解除が必要なのは611条2項の場面、すなわち一部が使用収益できなくなり、残存する部分のみでは賃借した目的を達することができないときです。なお一部が使用収益できなくなった場合、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであれば、611条1項により賃料はその割合に応じて当然に減額されます。売買の536条1項が履行拒絶権にとどまるのに対し、賃貸借の611条1項と616条の2はいずれも当然に効果が生じる点が対照的です。

    まとめ

    危険負担は、双務契約の一方の債務が当事者双方の責めに帰することができない事由で履行不能になったとき、反対給付をどう扱うかという問題です。2020年4月1日施行の債権法改正で、処理の枠組みそのものが入れ替わりました。

    削除されたのは534条と535条です。534条は特定物について債権者主義を定め、契約後・引渡し前の滅失の損失を買主に負わせていました。535条はその停止条件付双務契約についての特則でした。現行民法には「第五百三十四条及び第五百三十五条 削除」という一文だけが残っています。

    残った536条は、1項の主語が債務者から債権者に移り、効果が「反対給付を受ける権利を有しない」から「反対給付の履行を拒むことができる」に変わりました。当然消滅ではなく履行拒絶権です。反対債務は存続するので、既払金を取り戻すには542条1項1号による解除が必要になります。同条2項は、債権者の責めに帰すべき事由による不能の場合に履行拒絶を認めず、債務者が自己の債務を免れたことによって得た利益の償還を義務づけています。543条が同じ要件で解除も封じるので、債権者に帰責事由があれば拒めず抜けられません。

    売買については567条が危険の移転時期を定めました。引渡しがあった時以後の双方無責の滅失・損傷については、買主は追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、解除のいずれもできず、代金の支払も拒めません。適合する目的物の提供があって買主が受領しない場合も同様です(同条2項)。基準は引渡しまたは提供であって、登記でも所有権移転でもありません。

    賃貸借には別の条文が置かれています。一部が使用収益できなくなれば611条1項により賃料が当然に減額され、全部が使用収益できなくなれば616条の2により賃貸借が当然に終了します。売買の履行拒絶権構成とは効果の生じ方が違います。

    宅建業法の側では、37条1項10号が「天災その他不可抗力による損害の負担に関する定めがあるときは、その内容」を37条書面の記載事項としており、危険負担の特約はここで書面化されます。定めがある場合に限られる任意的記載事項です。

    宅建試験AIブートラボのアプリでは、危険負担と解除・契約不適合責任の切り分けを問う過去問を条文根拠つきの解説で演習でき、改正前の枠組みを持ち出した選択肢を見抜く練習ができます。

    読んだ内容を、権利関係の肢で確かめる

    民法・借地借家法・区分所有法など、条文だけでは判断しづらい論点は、過去問の肢で覚えるのが最短です。

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