定期借地権ていきしゃくちけん
存続期間を50年以上として設定する借地権で、契約の更新と建物の築造による存続期間の延長がなく、建物の買取りの請求をしないこととする旨を定めたものです(22条)。つまり、期間が満了すれば更新されずに終わり、土地が必ず返ってくる借地権です。
土地を貸すと、更新が重なってなかなか返ってこない。そう考えて土地を貸すのをためらう地主は少なくありません。そこで借地借家法は、期間が満了したら更新されずに必ず終わる借地権を用意しました。これが定期借地権で、22条の型は、事業用定期借地権などと区別して一般定期借地権とも呼ばれます。期間を50年以上と長く取る代わりに、更新も、建て替えによる期間の延長も、建物の買取請求もない契約にできます。分譲マンションや戸建て住宅の敷地にも使われています。

期間を50年以上とし、三つの特約を定めます
22条1項が認める特約は、契約の更新がないこと、建物の築造による存続期間の延長がないこと、建物の買取りの請求をしないことの三つです。普通の借地権では、どれも借地権者に不利な特約として無効になりますが、存続期間を50年以上とする場合に限って有効に定めることができます。条文に理由は書いていませんが、50年という長い期間があれば、借地権者は建物に投じた費用を回収できると考えられます。期間が50年に満たない契約にこの特約を付けても、事業用定期借地権に当たらない限り特約は無効で、更新のある普通の借地権になります。
特約は書面でしますが、公正証書に限られません
22条1項は、この特約を「公正証書による等書面によってしなければならない」と定めています。公正証書は書面の例として挙げられているだけで、当事者が作った契約書でもかまいません。特約の内容を記録した電磁的記録(電子契約など)でしたときも、書面によってされたものとみなされます(22条2項)。口頭の合意だけでは、定期借地権になりません。

建物の用途に制限はなく、住宅でも店舗でも使えます
22条は、建物の用途を限っていません。自宅でも、賃貸アパートでも、店舗や工場でも、期間を50年以上とすれば定期借地権を設定できます。事業用の建物を所有する目的で期間を50年や60年と定める場合は、期間が50年未満に限られる事業用定期借地権ではなく、この22条の定期借地権になります。その場合の特約は書面ですれば足り、公正証書である必要はありません。
地代の増減請求など、ほかの決まりはそのまま適用されます
定期借地権で外せるのは、更新、建物の築造による期間の延長、建物の買取請求の三つだけです。地代等増減請求権(11条)や借地権の対抗力(10条)は、普通の借地権と同じように適用されます。一定の期間は地代を減額しないという特約を定めても、地代が不相当になれば借地権者は減額を請求できます。契約の前に書面を交付して説明する手続は定期建物賃貸借の決まりで、定期借地権にはありません。
借地借家法 22条1項存続期間を五十年以上として借地権を設定する場合においては、第九条及び第十六条の規定にかかわらず、契約の更新(更新の請求及び土地の使用の継続によるものを含む。次条第一項において同じ。)及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第十三条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。この場合においては、その特約は、公正証書による等書面によってしなければならない。
試験ではこう問われる
- 存続期間を50年以上とし、公正証書による等書面で特約する。公正証書でなくてもよい(22条1項)
- 事業の用に供する建物の所有を目的とする場合でも、期間が50年以上なら書面で特約できる。「公正証書で合意しなければならない」は誤り
- 賃貸アパートは居住の用に供する建物なので事業用定期借地権にはできないが、期間50年以上なら22条の定期借地権を書面で設定できる
- 居住用建物の所有を目的とする期間30年や15年の契約に更新がない旨を定めても、無効。公正証書で定めても同じ
- 期間を60年と定めた普通の借地権は、公正証書によらなくても60年。書面の特約が要るのは、更新などをなくして定期借地権にするとき
- 定期借地権でも、一定期間地代を減額しない旨の特約によって減額請求が封じられることはない
- あらかじめ書面を交付して説明する義務は定期建物賃貸借の決まりで、定期借地権にはない
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