借地権の存続期間と更新しゃくちけんのそんぞくきかんとこうしん
借地権の存続期間は30年で、契約でこれより長い期間を定めたときはその期間になります(3条)。期間が満了しても建物があれば契約は更新されやすく、更新後の期間は最初の更新が20年、その次からは10年です(4条)。
家を建てるために土地を借りる契約で、地主が「期間は15年で」と言い、借りる人がうなずいたとします。それでも、この借地権は30年続きます。建物は30年、40年と使えるものなので、借地借家法は最初の存続期間(借地権が続く期間)を30年以上と決め、短い約束は30年に引き上げます。30年たっても建物が残っていれば、借地権者は契約の更新を求めることができ、地主は正当の事由がなければ拒めません。

最初の存続期間は30年で、長く定めることだけができます
3条は、借地権の存続期間を30年とし、契約でこれより長い期間を定めたときはその期間とする、と定めています。40年、60年と定めればそのとおりになり、そのために公正証書などの書面を作る必要もありません。20年と定めた場合や期間を定めなかった場合は、30年になります。30年より短い期間の定めは、借地権者に不利な特約として無効になるからです(9条)。
更新後の期間は、最初が20年、その次からは10年です
契約を更新するときの期間は、借地権の設定後の最初の更新では更新の日から20年、その次からは10年です(4条)。当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間になります。最初の更新で15年と定めても20年に引き上げられ、期間を定めなかったときも20年です。

建物があれば、更新の請求か使用の継続で更新されます
期間が満了するときに借地権者が更新を請求すると、建物がある場合に限り、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされます(5条1項)。請求をしなくても、満了後に借地権者が土地の使用を継続していれば、建物がある場合に限り同じ扱いです(5条2項)。これを止めるには、借地権設定者が遅滞なく異議を述べなければならず、その異議には正当の事由が要ります(6条)。当事者が話し合って更新する合意更新もでき、どの方法でも更新後の期間は4条によります。
承諾を得て建て直すと、借地権はそこから20年続きます
存続期間が満了する前に建物が滅失し(借地権者が取り壊した場合を含みます)、借地権者が残りの期間を超えて存続する建物を建てたときは、借地権設定者の承諾がある場合に限り、借地権は承諾の日か建物が築造された日のいずれか早い日から20年間存続します(7条1項)。残りの期間に20年が足されるのではなく、その日から数えて20年で、残りの期間の方が長いときはその期間のままです。承諾がなければ期間は延びません。借地権者が建て直す旨を通知し、借地権設定者が通知を受けた後2月以内に異議を述べなかったときは、契約が更新される前であれば、承諾があったものとみなされます(7条2項)。転借地権者が建て直した場合も、借地権者が建てたものとして同じ決まりが適用されます(7条3項)。残りの期間を超えて存続する建物は建てない、という特約は借地権者に不利なので無効です(9条)。

借地借家法 3条、4条借地権の存続期間は、三十年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。…当事者が借地契約を更新する場合においては、その期間は、更新の日から十年(借地権の設定後の最初の更新にあっては、二十年)とする。ただし、当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。
試験ではこう問われる
- 存続期間を定めなかったときは30年。20年と定めても30年になる(3条、9条)
- 60年と定めればそのまま60年。公正証書によらなくてよい
- 最初の更新は20年、その次からは10年。最初の更新で15年と定めても20年になり、「最初の更新は10年」は誤り
- 更新を請求したとき、建物があれば同一の条件で更新したものとみなされる。借地権設定者が遅滞なく異議を述べ、正当の事由があると認められれば更新されない
- 満了前に建物が滅失して建て直しても、借地権設定者の承諾がなければ期間は延長されない(7条1項)
- 転借地権者の建物が滅失しても転借地権は消滅せず、建て直すことができる(7条3項)
- 残存期間を超えて存続する建物を築造しない旨の特約は、借地権者に不利な特約として無効(9条)
用語で読んだ論点を、解説つきの肢別演習で確かめられます。無料プランは月300肢まで。