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連帯債務れんたいさいむ

権利関係 民法(債権・保証) 過去問で9肢

数人の債務者が、同じ内容の債務について、それぞれ全部を履行する義務を負い、一人が弁済すれば全員の債務が消滅する関係です(436条)。つまり、債権者は連帯債務者の誰に対しても全額を請求できます。

A・B・Cの3人が、共同で事業を始めるために、D銀行から900万円を連帯して借りた。連帯債務では、3人それぞれが900万円全額を返す義務を負います。Dは、3人のうちの一人に対して、又は同時に若しくは順次に全員に対して、全部又は一部の履行を請求できます(436条)。誰か一人が900万円を弁済すれば、全員の債務が消えます。3人の内部では、各自が最終的に負担する割合(負担部分)が決まっています。

連帯債務者は、それぞれが全額を返す義務を負う。
連帯債務者は、それぞれが全額を返す義務を負う。

一人に生じた事由は、原則として他の人に及びません

連帯債務者は、それぞれが独立した債務を負っています。そのため、一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対して効力を生じないのが原則で、これを相対的効力の原則といいます(441条本文)。債権者が一人に履行を請求しても、他の人に請求したことにはならず、他の人の消滅時効の完成は猶予されません。一人について時効が完成しても、一人が債務を免除されても、他の人は全額の債務を負ったままです。債権者と他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示していれば、その人に対する効力はその意思に従います(441条ただし書)。

一人に請求しても、ほかの連帯債務者に請求したことにはならない。
一人に請求しても、ほかの連帯債務者に請求したことにはならない。

弁済のほか、更改・相殺・混同は全員に効力が及びます

一人が弁済すれば、債権者は満足を得るので、全員の債務が消えます。民法はこのほかに、更改(438条)、相殺(439条1項)、混同(440条)の三つを、全員に効力が及ぶ事由として定めています。更改は元の債務を消して新しい債務に置き換える契約、混同は連帯債務者の一人が債権者を相続するなどして債権と債務が同じ人に帰属することです。債権者に対して債権を持つ連帯債務者が相殺を援用しない間は、他の連帯債務者は、その人の負担部分の限度で履行を拒むことができます(439条2項)。他人の債権を勝手に使って相殺することまではできません。

弁済した人は、負担部分を超えていなくても求償できます

連帯債務者の一人が弁済などで共同の免責を得たときは、その額が自分の負担部分を超えているかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、各自の負担部分に応じた額を求償できます(442条1項)。負担部分が等しいA・B・Cのうち、Cが90万円だけを弁済した場合でも、CはAとBに30万円ずつ求償できます。一部であっても、全員のために債務を減らしたことに変わりはないからです。

一部だけの弁済でも、ほかの連帯債務者に負担部分に応じて求償できる。
一部だけの弁済でも、ほかの連帯債務者に負担部分に応じて求償できる。

相続人は、相続分に応じて分かれた範囲で連帯します

連帯債務者の一人が死亡し、相続人が数人いる場合について、判例は、相続人らは被相続人の債務を相続分に応じて分割して承継し、各自がその承継した範囲で、他の連帯債務者とともに連帯債務者になるとしています。900万円の連帯債務を負うAが死亡し、子2人が相続すれば、子はそれぞれ450万円の範囲で、B・Cと連帯します。

民法 441条

第四百三十八条、第四百三十九条第一項及び前条に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。ただし、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う。

試験ではこう問われる

  1. 連帯債務者の一人に対する履行の請求は、他の連帯債務者に効力を生じない。一人に裁判上の請求をしても、他の人の消滅時効の完成には影響しない
  2. 一人について時効が完成しても、一人が免除を受けても、他の連帯債務者の債務は消滅せず、債権者は他の人に全額を請求できる
  3. 更改・相殺・混同は、他の連帯債務者にも効力が及ぶ(438条・439条1項・440条)。一人が200万円の債権で相殺すれば、全員の債務が200万円消滅する
  4. 反対債権を持つ連帯債務者が相殺を援用しない間、他の連帯債務者は、その人の負担部分の限度で履行を拒めるだけで、その債権で相殺の意思表示をすることはできない(439条2項)
  5. 弁済した額が自己の負担部分を超えていなくても、他の連帯債務者に負担部分に応じて求償できる(442条1項)
  6. 連帯債務者の一人が死亡したとき、相続人は債務を分割して承継し、各自その承継した範囲で、本来の債務者とともに連帯債務者になる
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