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相続人と法定相続分そうぞくにんとほうていそうぞくぶん

権利関係 民法(相続) 過去問で7肢

相続人とは、亡くなった人(被相続人)の財産に属した一切の権利義務を承継する者で、配偶者は常に相続人となり、子、直系尊属、兄弟姉妹がこの順で相続人となります(民法887条・889条・890条)。法定相続分とは、遺言による指定がないときに民法が定める各相続人の取り分の割合です(900条)。

父が亡くなり、自宅の土地と建物、それに預金が残りました。残された家族は母と子ども二人です。このとき財産を引き継ぐ人を相続人、亡くなった父を被相続人といい、相続は父の死亡によって開始します(民法882条)。誰が相続人になるか、遺言がないときにそれぞれがどれだけの割合を引き継ぐかは、民法が決めています。この割合が法定相続分で、母が2分の1、子ども二人が残りの2分の1を等分して4分の1ずつです。

配偶者は常に相続人になり、子がいれば子と分け合う。
配偶者は常に相続人になり、子がいれば子と分け合う。

配偶者は常に相続人で、血族は子、直系尊属、兄弟姉妹の順です

被相続人の配偶者は、常に相続人となります(890条)。配偶者と並んで相続人になる血族には順位があり、第1順位が子、第2順位が直系尊属(父母や祖父母)、第3順位が兄弟姉妹です。889条は、直系尊属と兄弟姉妹が相続人になるのを、子など887条の規定により相続人となるべき者がない場合に限っています。子が一人でもいれば父母や兄弟姉妹は相続人にならず、父母が一人でも健在なら兄弟姉妹は相続人になりません。直系尊属の中では親等の近い者が先で、父母がいれば祖父母は相続人になりません。

前の順位の人が一人でもいれば、後の順位の人は相続人にならない。
前の順位の人が一人でもいれば、後の順位の人は相続人にならない。

法定相続分は、誰と誰が相続人になるかで決まります

900条は組合せごとに割合を定めています。子と配偶者なら各2分の1、配偶者と直系尊属なら配偶者が3分の2で直系尊属が3分の1、配偶者と兄弟姉妹なら配偶者が4分の3で兄弟姉妹が4分の1です。子、直系尊属、兄弟姉妹が数人いるときは、その中で等しく分けます。配偶者がいなければ、その順位の血族だけで全部を等分します。父母の一方だけが同じ兄弟姉妹の相続分は、父母の双方が同じ兄弟姉妹の2分の1です。

子かどうかは親子関係で決まり、親権や同居では決まりません

887条1項が相続人とするのは「被相続人の子」です。離婚した前の配偶者との間の子は、親権を相手方が持っていても、別に暮らしていても、被相続人の子なので相続人になります。反対に、再婚相手の連れ子は、一緒に暮らしていても被相続人の子ではないので、養子縁組をしない限り相続人になりません。離婚した前の配偶者は、もう配偶者ではないので相続人になりません。

相続人になるのは被相続人の子。親権がなくても子は子、連れ子は子ではない。
相続人になるのは被相続人の子。親権がなくても子は子、連れ子は子ではない。

相続人は、被相続人の権利も義務もまとめて引き継ぎます

相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継します(896条)。土地や預金だけでなく、借金や、売主として土地を引き渡す義務、契約を解除する権利も引き継ぎます。引き継がないのは、被相続人の一身に専属したもの(その人だけに認められた権利義務)です。相続人が数人あるときは、相続財産はその共有に属し、各共同相続人が相続分に応じて権利義務を承継します(898条・899条)。

民法 890条・900条1号

(890条)被相続人の配偶者は、常に相続人となる。この場合において、第八百八十七条又は前条の規定により相続人となるべき者があるときは、その者と同順位とする。 (900条1号)子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。

試験ではこう問われる

  1. 配偶者と子が相続人なら各2分の1。子が二人なら、配偶者2分の1、子は4分の1ずつ(900条1号・4号)
  2. 前の配偶者との間の子は、親権がどちらにあっても相続人になる。配偶者の連れ子は、養子縁組をしていなければ相続人にならない
  3. 子と配偶者が相続人の場合の配偶者の相続分も、子二人だけが相続人の場合の子一人の相続分も、同じ2分の1
  4. 子もその代襲相続人もおらず直系尊属が相続人になるときは、兄弟姉妹は相続人にならない(889条1項)
  5. 相続人は売主の地位や解除権も承継する。売主が死亡しても売買契約は無効にならず、解除権は一身に専属する権利ではない(896条)
  6. 相続人が数人あるときは、相続財産はその共有に属し、各共同相続人は相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する(898条・899条)
  7. 相続回復の請求権は、相続権を侵害された事実を知った時から5年、相続開始の時から20年で消滅する(884条)
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