共有きょうゆう
一つの物を数人が共同で所有することをいい、各共有者は持分という割合で所有権を持ちます。各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができます(民法249条1項)。
夫婦でお金を出し合って家を買う、兄弟3人で親の土地を相続する。このように、一つの物を数人が共同で所有することを共有といいます。家の東半分は夫、西半分は妻というように場所で分けるのではなく、それぞれが物の全体について、2分の1、3分の1といった割合で所有権を持ちます。この割合を持分といい、はっきりしないときは相等しいものと推定されます(民法250条)。持分は各共有者の所有権なので、自分の持分は、他の共有者の同意がなくても売ることができると解されています。

各共有者は、共有物の全部を持分に応じて使えます
各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができます(249条1項)。持分が3分の1だからといって、土地の3分の1の場所しか使えないわけではありません。ただし、自分の持分を超えて使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対して、持分を超える使用の対価を償還する義務を負います(同条2項)。使うときは、善良な管理者の注意をもって使わなければなりません(同条3項)。この2項と3項は、令和5年4月施行の改正で加わった決まりです。
一人で使っている共有者にも、当然には明渡しを求められません
共有者の一人が、他の共有者と協議しないまま共有物を一人で占有していることがあります。この共有者も自分の持分に基づいて共有物の全部を使う権原を持っているので、他の共有者は、持分の価格が過半数を超えていても、当然には明渡しを請求できないというのが判例です。共有者の一人から協議なしに使用を認められた第三者に対しても、他の共有者は当然には明渡しを請求できません。もっとも、協議なしに共有物を排他的に占有する権原まであるわけではなく、誰がどう使うかは、共有物の管理に関する事項として持分の価格の過半数で決めることができます(252条1項)。現に共有物を使っている共有者がいるときも同じであることが、令和5年4月施行の改正で条文に書かれました(同項後段)。

持分を放棄すると、その持分は他の共有者のものになります
共有者の一人がその持分を放棄したとき、又は死亡して相続人がないときは、その持分は他の共有者に帰属します(255条)。所有者のない不動産は国庫に帰属するのが原則ですが(239条2項)、共有の場合は国ではなく、残った共有者の持分が増えます。GとHが共有する建物でGが持分を放棄すれば、建物はHの単独所有になります。

民法 249条1項・2項各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。 共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。
試験ではこう問われる
- 各共有者は共有物の全部を持分に応じて使用できるが、協議なしに当然に共有物を排他的に占有する権原はない
- 協議なしに一人で占有する共有者に対して、他の共有者は、持分の価格が過半数を超えていても、当然には明渡しを請求できない
- 共有者の一人が協議なしに第三者に使用させた場合、他の共有者は当然には明渡しを請求できないが、第三者も承認しなかった共有者に排他的に占有する権原を主張できない
- 共有者の一人が持分を放棄したときは、その持分は他の共有者に帰属する。国庫には帰属しない
- 相続人が数人あるときは、相続財産はその共有に属する(898条1項)
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