規約きやく
建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項を定めた、そのマンションの決まりです(区分所有法30条1項)。つまり、ペットの飼育や管理費の負担などを区分所有者が自分たちで決めたルールで、後から住戸を買った人にも効力が及びます。
マンションごとに「ペットは小型犬1匹まで」「住戸を事務所に使ってはいけない」「駐車場の使用料は月1万円」といった決まりがあります。これらをまとめた文書が規約です。法律は全国共通の骨組みだけを定め、建物ごとの事情に合わせた細かいことは、区分所有者が自分たちで決められるようにしています。規約は、書面又は電磁的記録により作成しなければなりません(30条5項)。規約で決められるのは区分所有者相互間の事項で、区分所有者以外の者の権利を害することはできません(30条4項)。

規約の設定や変更は、出席者の4分の3以上で決めます
規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有するものが出席した集会で、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数による決議によってします(31条1項)。令和8年4月1日施行の改正の前は、欠席者も含めた区分所有者及び議決権の各4分の3以上が必要でしたが、今は過半数の出席を条件に、出席者の中の多数で決めます。4分の3という数字は賛成の割合で、出席しなければならない人の割合ではありません。共用部分の変更と違い、この4分の3を規約で下げることを認める定めはありません。規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければなりません(31条1項後段)。

規約は、後から住戸を買った人にも効力が及びます
規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しても、その効力を生じます(46条1項)。特定承継人とは、売買や贈与で住戸を譲り受けた人のことです。中古マンションを買った人は、自分が賛成したわけではない規約にも、買った時から従うことになります。持ち主が替わるたびにルールが白紙に戻るのでは、建物の管理が成り立たないからです。住戸を借りて住む占有者も、建物などの使用方法については、区分所有者が規約に基づいて負う義務と同一の義務を負います(46条2項)。

規約は管理者が保管し、利害関係人に閲覧させます
規約は、管理者が保管しなければなりません(33条1項)。管理者がないときは、建物を使用している区分所有者又はその代理人で、規約又は集会の決議で定めるものが保管します。規約を保管する者は、利害関係人の請求があったときは、正当な理由がある場合を除いて、規約の閲覧を拒んではなりません(33条2項)。正当な理由がないのに閲覧を拒むと、20万円以下の過料に処されます(91条2号)。どこに行けば見られるのかが分かるよう、規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければなりません(33条4項)。
一部の人の共用部分は、4分の1を超える反対で決められません
一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員の規約に定めがある場合を除いて、これを共用すべき区分所有者の規約で定めることができます(30条2項)。店舗専用の出入口の使い方を、店舗の区分所有者だけで決めるという形です。この事項を区分所有者全員の規約で定めることもできますが、その一部共用部分を共用すべき区分所有者の4分の1を超える者又はその議決権の4分の1を超える議決権を有する者が反対したときは、することができません(31条2項)。共用すべき区分所有者が8人なら4分の1は2人なので、3人が反対すれば全員の規約では決められません。
建物の区分所有等に関する法律 31条1項規約の設定、変更又は廃止は、集会において、区分所有者(議決権を有しないものを除く。以下この項前段において同じ。)の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)の者であつて議決権の過半数(これを上回る割合を規約で定めた場合にあつては、その割合以上)を有するものが出席し、出席した区分所有者及びその議決権の各四分の三以上の多数による決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。
試験ではこう問われる
- 規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有するものが出席した集会で、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数による決議によってする(31条1項)。4分の3は賛成の割合で、「4分の3以上が出席した集会」ではない
- 規約及び集会の決議は、区分所有者の特定承継人に対しても、その効力を生ずる(46条1項)
- 規約を保管する者は、利害関係人の請求があったときは、正当な理由がある場合を除いて、閲覧を拒んではならない。拒むと20万円以下の過料(33条2項・91条2号)
- 規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない(33条4項)
- 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての全員の規約は、共用すべき区分所有者の4分の1を超える者又はその議決権の4分の1を超える議決権を有する者が反対したときは、設定・変更・廃止ができない。8人なら3人の反対でできない(31条2項)
- 専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めは、案を含めて重要事項として説明する
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