占有者の義務と意見陳述権せんゆうしゃのぎむといけんちんじゅつけん
区分所有者以外の専有部分の占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負います(区分所有法46条2項)。つまり、住戸を借りて住む人も使い方のルールには従い、利害関係のある議題については集会に出席して意見を述べることができます(44条1項)。
分譲マンションの一室を借りて住んでいる人は、住戸の持ち主ではありません。それでも、ごみの出し方、ペットの飼育、楽器を弾いてよい時間といったマンションの規約は守らなければなりません。区分所有法は、このような区分所有者以外の専有部分の占有者にも、使用方法についての義務を負わせています。そのかわり、自分に関わる議題が集会にかけられるときは、出席して意見を述べる機会を与えています。

占有者は、使用方法について区分所有者と同じ義務を負います
占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負います(46条2項)。規約や集会の決議は区分所有者どうしの取決めですが、実際に建物を使うのは住んでいる人なので、使い方のルールは借主にも及ぼさなければ意味がないからです。対象は使用方法に限られています。管理費や修繕積立金を管理組合に支払う義務は使用方法の話ではないので、この条文によって借主が負うことにはなりません。建物の保存に有害な行為その他区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならないという義務も、占有者に準用されます(6条3項)。
利害関係があれば、集会に出席して意見を述べられます
区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができます(44条1項)。ペットの飼育を禁止する規約の変更が議題になれば、犬を飼っている借主の暮らしに直接響くので、言い分を述べる機会を与えるという考え方です。できるのは意見を述べることまでで、議決権を行使することはできません。議決権は区分所有者のものだからです。占有者に集会があることを知らせるため、集会を招集する者は、招集の通知を発した後遅滞なく、集会の日時、場所、会議の目的たる事項及び議案の要領を、建物内の見やすい場所に掲示しなければなりません(44条2項)。

義務に違反する占有者には、引渡しまで請求できます
占有者が共同の利益に反する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、区分所有者の全員又は管理組合法人は、その行為の停止などを請求することができます(57条4項)。共同生活上の障害が著しく、他の方法によってはその障害を除去して共同生活の維持を図ることが困難であるときは、集会の決議に基づき、訴えをもって、その占有者が占有する専有部分の賃貸借などの契約の解除と、専有部分の引渡しを請求することができます(60条1項)。この決議は、区分所有者の過半数であって議決権の過半数を有するものが出席した集会で、出席した区分所有者及びその議決権の各4分の3以上の多数でします。決議の前に、その占有者に弁明する機会を与えなければなりません(60条2項・58条2項・3項)。
建物の区分所有等に関する法律 46条2項占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う。
試験ではこう問われる
- 占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負う(46条2項)
- 区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。議決権を行使することはできない(44条1項)
- 専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めは、区分所有建物の貸借の媒介でも重要事項として説明する
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