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専有部分せんゆうぶぶん

権利関係 区分所有法 過去問で6肢

区分所有権の目的たる建物の部分で、一棟の建物のうち構造上区分され、独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができる部分です(区分所有法1条・2条3項)。つまり、分譲マンションの各住戸のように、一人ひとりが単独で所有できる部分をいいます。

分譲マンションの305号室を買うと、玄関の内側の住戸は自分だけのものになります。この住戸が専有部分で、専有部分を目的とする所有権を区分所有権、その持ち主を区分所有者といいます(2条1項・2項)。一方、廊下や階段、エレベーターは305号室の買主だけのものではなく、区分所有者みんなの共用部分です。一棟の建物は、専有部分と共用部分のどちらかに必ず分かれます。

玄関の内側の住戸が専有部分で、区分所有権の目的になる。
玄関の内側の住戸が専有部分で、区分所有権の目的になる。

専有部分になるのは、区切られて独立して使える部分です

1条は、一棟の建物に構造上区分された数個の部分で、独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときに、その各部分を所有権の目的とすることができると定めています。壁や床、天井で他の部分と区切られていることと、その部分だけで住居や店舗として使えることの二つがそろって、初めて専有部分になれます。数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室のように、構造上みんなで使うほかない部分は、区分所有権の目的になりません(4条1項)。反対に、専有部分になれる部屋でも、規約で共用部分にすることはできます(4条2項)。

専有部分の床面積は、壁の内側線で測ります

専有部分の床面積は、共用部分の持分や集会の議決権の割合を決める基準になります(14条1項・38条)。その床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積によります(14条3項)。壁の厚みの中心で測るのではなく、部屋の内側の実際に使える広さで測るということです。条文に理由は書いていませんが、壁そのものは隣の住戸との境であり建物を支える部分でもあるので、内側だけを数えるのが実態に合うためと考えられます。この基準は、規約で別段の定めをすることもできます(14条4項)。

専有部分の床面積は、壁の内側線で囲まれた部分で測る。
専有部分の床面積は、壁の内側線で囲まれた部分で測る。

専有部分を共有するときは、議決権を行使する人を一人決めます

夫婦で一つの住戸を買うと、その専有部分は二人の共有になります。この場合、共有者は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数をもって、議決権を行使すべき者一人を定めなければなりません(40条)。一つの専有部分の議決権を共有者が分けて行使することは認められていないので、夫と妻が別々に賛成と反対を投じることはできません。集会の招集の通知も、この議決権を行使すべき者に、その者がないときは共有者の一人にすれば足ります(35条2項)。

持ち主が分からない専有部分には、裁判所が管理人を付けられます

区分所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない専有部分について、裁判所は、必要があると認めるときは、利害関係人の請求により、所有者不明専有部分管理人による管理を命ずることができます(46条の2)。区分所有者はいても、管理が不適当で他人の権利が侵害され、又は侵害されるおそれがある専有部分については、同じく利害関係人の請求により、管理不全専有部分管理人による管理を命ずることができます(46条の8)。どちらも令和8年4月1日施行の改正で設けられた制度です。空き住戸が放置されて水漏れや悪臭が起きても、所有者と連絡が取れなければ手を出せない、という事態に備えたものです。管理不全専有部分管理人は、集会で議決権を行使することができません(46条の9第2項)。

建物の区分所有等に関する法律 1条

一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができる。

試験ではこう問われる

  1. 専有部分の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による(14条3項)。「中心線で囲まれた部分」は誤り
  2. 専有部分が数人の共有に属するときは、議決権を行使すべき者一人を定める(40条)。共有者がそれぞれ議決権を行使することはできない
  3. 専有部分とその専有部分に係る敷地利用権は、規約に別段の定めがあるときを除いて、分離して処分することができない(22条1項)
  4. 専有部分の用途その他の利用の制限に関する規約の定めは、売買でも貸借でも重要事項として説明する。規約が案の段階でも説明する
  5. 専有部分の利用の制限に関する規約の定めは、37条書面の記載事項ではない
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