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アガルート宅建講座の公表情報|特典条件の読み方

試験対策・勉強法 読了 約23分

アガルート宅建講座について公式サイトが公表しているコース構成・価格・質問回数・合格特典の条件を2026年8月時点の情報で整理し、返金制度と公表合格率の読み方を解説します。

目次

    この記事は、アガルートアカデミーの宅建士試験講座について、公式サイトが公表している事実を整理し、あわせて通信講座の合格特典や返金制度の条件をどう読むかを解説するものです。講座全体の比較は「宅建通信講座の比較」、独学との比較は「宅建に独学で合格するための完全ガイド」で扱っています。

    最初に、この記事の立場を明らかにします。ここに書くのは、事業者が公式サイトで公表している内容と、その読み方だけです。受講した感想や、出所を示せない評判は書きません。講座の善し悪しを断定することもしません。判断の材料になる事実と、その事実を読むときの注意点を示すところまでが、この記事の役割です。

    この記事の情報源と時点

    以下に示すコース構成、価格、サポート内容、特典の条件は、2026年8月28日時点でアガルートアカデミーの公式サイトに掲載されていた内容にもとづきます。

    通信講座の価格とコース構成は、年度や時期によって変わります。特に合格目標年度が切り替わる時期には、コース名も内容も改定されます。実際に申し込む際は、必ずその時点の公式サイトで確認してください。この記事の数字は、判断のための目安であって、申込時の条件そのものではありません。

    宅建試験の合格率については、一般財団法人不動産適正取引推進機構が公表している値を用います。令和7年度の合格率は18.7%、令和6年度は18.6%です。

    公表されているコース構成と価格

    五つのコース

    2026年8月28日時点で、宅建士試験講座として次のコースが掲載されています。価格はいずれも税込の通常価格です。

    キックオフ宅建士が10,780円。入門カリキュラムのライトが49,302円、フルが97,020円。中上級カリキュラムのライトが69,102円、フルが116,820円です。

    大きく分けると、初めて学ぶ人向けの入門カリキュラムと、学習経験者向けの中上級カリキュラムがあり、それぞれにライトとフルの二段階がある構成です。キックオフ宅建士は、これらとは別の低価格の入口にあたる講座です。

    なお、公式サイトでは割引が適用された価格が表示されている時期があります。この記事では通常価格を記載しています。割引の扱いについては後述します。

    入門カリキュラムに含まれるもの

    入門カリキュラムのフルには、入門総合講義、過去問解説講座、択一解法テクニック講座、宅建業法逐条ローラーインプット講座、過去問答練、民法判例問題攻略講座、総まとめ講座、直前対策講座、直前答練、模擬試験が含まれると記載されています。

    ライトに含まれるのは、入門総合講義、過去問解説講座、総まとめ講座、模擬試験の四つです。つまり、ライトは基礎のインプットと過去問、直前のまとめと模試という骨格だけで構成され、フルはそこに解法の講座、業法の逐条講座、答練、直前対策が加わる形になっています。

    この差の読み方は後述しますが、価格差は約4万8千円です。この差額に何が含まれるのかを、講座名ではなく中身で確認することが必要になります。

    中上級カリキュラムに含まれるもの

    中上級カリキュラムのフルには、中上級総合講義、択一解法テクニック講座、宅建業法逐条ローラーインプット講座、過去問答練(5回分)、民法判例問題攻略講座、総まとめ講座、直前対策講座、直前答練・模擬試験、過去問集(10年分)が含まれると記載されています。ライトはこれを絞った構成です。

    入門と中上級の違いは、基礎のインプット講義が入門総合講義か中上級総合講義かという点にあります。学習経験の有無で入口を分ける設計です。自分がどちらに当たるかの判断は、過去問を何年分か解いてみて、解説を読めば理解できる状態かどうかで測るのが確実です。過去問の使い方は「過去問の活用法」で扱っています。

    教材の形式

    テキストは紙媒体と、デジタルブックの形式が用意されていると記載されています。デジタルブックには書き込みやふせんの機能が付属するとされています。

    紙とデジタルの両方があるかどうかは、学習の場所によって効きます。移動中にスマートフォンだけで進めたいのか、机に向かって紙で進めたいのかで、必要な形式が変わります。この点は講座ごとに方針が違うため、比較の軸として確認する価値があります。

    質問制度の回数

    質問制度については、受講期間中にフルカリキュラムで30回、ライトカリキュラムで10回まで利用できると記載されています。

    ここは特に注意が必要な項目です。通信講座の質問対応には、回数無制限のもの、回数制限のあるもの、有料オプションのもの、そもそも質問できないものがあります。アガルートの宅建講座については、上記のとおり回数が定められています。過去に別の条件だった時期の情報が他所に残っていることがあるため、申込前に必ずその時点の記載を確認してください。

    合格特典と返金制度をどう読むか

    合格すれば受講料が返ってくる、という制度は、通信講座を選ぶときに強い印象を与えます。しかし、こうした制度は例外なく条件つきです。ここでは、公表されている条件を確認したうえで、条件をどう読むべきかを整理します。

    対象となる講座が限定されている

    まず確認すべきは、自分が申し込もうとしている講座が特典の対象かどうかです。

    公表されている内容によれば、合格特典の対象となるのは2026年合格目標の入門カリキュラム(フル)と中上級カリキュラム(フル)です。入門カリキュラム(ライト)、中上級カリキュラム(ライト)、キックオフ宅建士は対象になりません。

    つまり、価格の安いコースを選ぶと特典の対象から外れる設計になっています。全額返金があるから安く済む、という発想でコースを選ぶ場合、そもそも対象コースを選ばなければ特典は発生しません。ここを取り違えると、前提が崩れます。

    このほか、法人や士業事務所の名義での申込み、他の試験種の対策講座、単科講座のみの受講は対象外とされています。

    全額返金には三つの提出物と出演が必要

    全額返金を受けるための条件として、合格通知書データの提出、合格体験記の提出、合格者インタビューへの出演の三つが挙げられています。

    このうち検討が必要なのはインタビューへの出演です。自分の氏名や姿が事業者の広報に使われることを受け入れられるかどうかは、人によって判断が分かれます。返金額の大きさだけを見て申し込み、後になって出演を避けたいと考えた場合、全額返金の要件を満たせません。

    条件を読むときは、金額ではなく、自分がその条件を満たせるかどうかから考えてください。満たせない条件がついている特典は、自分にとっては存在しないのと同じです。

    お祝い金の条件と、実際に受け取る額

    全額返金ではなくお祝い金を選ぶ場合、条件は合格通知書データの提出と合格体験記の提出の二つです。インタビューへの出演は必要ありません。

    金額については、1万円のお祝い金として案内されていますが、公表されている内容では、源泉所得税を控除した8,979円分をAmazonギフト券で支給するとされています。額面と実際に受け取る額が異なる点は、条件を読むときに見落としやすい部分です。

    この差自体は小さなものですが、示された金額がそのまま手元に来るとは限らない、という読み方は、他社の特典を見るときにも役立ちます。

    返金されるのは税抜価格

    全額返金といっても、返金の対象は税抜価格とされています。セール価格で購入した場合は、そのセール価格の税抜額です。

    支払った税込金額がそのまま戻るわけではないため、実質無料という表現をそのまま受け取ることはできません。返金の定義が税抜なのか税込なのか、割引後の金額なのか定価なのかは、制度ごとに違います。必ず定義を読んでください。

    申請の期限がある

    申請については、合格発表後に案内される方法に従うこと、期限を過ぎると対応できないことが示されています。公表されている案内では、合格発表後の限られた期間内に手続きを求める運用です。

    合格した直後は、登録の準備や勤務先への報告など、他にやることが増える時期です。特典の申請期限があることを知らずに過ごすと、条件を満たしていても受け取れません。申し込む段階で、期限の存在を記録しておいてください。合格発表後の動き方は「宅建合格後にやること」で扱っています。

    取り止めるときの負担

    公表されている条件には、特典を利用した後で、撮影されたインタビューや提出した合格体験記等の広報活動への使用の取り止めを希望する場合、理由を問わず返金額または支払額の全額を返還したうえ、事務手数料30,000円(税別)を支払うという定めがあります。

    これは、返金やお祝い金の対価として、氏名や体験記が事業者の広報に使われるという構造を示しています。後から気が変わった場合の負担が定められているので、出演や体験記の提出を軽く考えないでください。

    特典を判断材料にするときの考え方

    以上を踏まえると、合格特典の読み方は次のようになります。

    第一に、対象コースかどうかを確認します。第二に、条件として求められる行為を、自分が実行できるかどうかを確認します。第三に、返ってくる金額の定義(税抜か税込か、割引後か)を確認します。第四に、申請の期限を確認します。

    そのうえで、特典を差し引いた金額ではなく、実際に支払う金額でコースを比較してください。特典は合格した場合にのみ発生する条件つきの利益であり、支払いは申込時に確定します。支払う金額で選び、特典は受け取れたら良いもの、と位置づけるほうが判断を誤りません。

    なお、返金や保証の制度は事業者ごとに設計が異なります。他社の制度と並べて検討する場合は「宅建の予備校の選び方」もあわせて確認してください。

    公表されている合格率をどう読むか

    公表されている数値と注記

    アガルートの公式サイトには、令和7年の一発合格率として77.01%という数値が掲載されており、注記として「アガルート有料講座受講生の実績」と記されています。同社の案内では、全国平均18.67%に対して4.13倍という表現も用いられています。

    確認できたのはここまでです。この数値の母数がどう定義されているか、すなわち有料受講生の全員を分母としているのか、アンケートに回答した人だけを分母としているのか、対象となる講座の範囲はどこまでか、といった算定方法の詳細は、確認した範囲の公式ページには記載されていませんでした。この記事では、確認できていないことを推測で補うことはしません。

    「一発合格率」という限定

    掲載されている表現が合格率ではなく一発合格率である点にも注意が必要です。一発合格という言葉は、通常、初めての受験で合格したことを指します。

    再受験者を含む全体の合格率と、初受験者に限った合格率は、同じ母集団の数字ではありません。どちらが高くなるかは条件によりますが、少なくとも、名称の異なる数値を並べて比較することはできません。

    分母が分からなければ比較できない

    通信講座の合格率が公表されている場合、その数値を他社と比較したくなります。しかし、分母の定義が事業者ごとに違うため、この比較は成立しません。

    分母の取り方には、少なくとも次のような違いがありえます。受講生全員なのか、実際に受験した人だけなのか、アンケートに回答した人だけなのか。対象コースを限定しているのか、全コースを含むのか。同一年度の受験者だけか、複数年度を含むのか。

    このうちどれを採るかで、同じ実態から導かれる数値は大きく変わります。特に、アンケートに回答した人だけを分母にする方式では、合格した人のほうが回答しやすいという偏りが生じ得ます。この点は事業者の誠実さの問題ではなく、集計方法の性質の問題です。

    したがって、合格率を見るときは、数値の大きさではなく、算定方法が明示されているかどうかを見てください。明示されていれば、その定義の範囲で意味のある情報です。明示されていなければ、比較には使えません。この記事で他社の合格率と並べた表を作っていないのは、この理由によります。

    全国の合格率という基準

    比較の基準となる全国の合格率は、不動産適正取引推進機構が毎年公表しています。令和7年度は受験者245,462人に対して合格者45,821人で18.7%、令和6年度は18.6%でした。年度ごとの推移は「宅建試験の合格率推移」で扱っています。

    この数値は全受験者を分母とした値です。講座の公表値と並べるときは、分母の性質が違うことを意識してください。

    合格率を決め手にしない

    以上を踏まえると、公表合格率は講座選びの決め手にはなりません。数値の高さは、その講座を選べば同じ結果になることを意味しないからです。

    より確実な判断材料は、次に述べる確認項目のように、自分の条件と照らして検証できるものです。合格率は、講座を絞り込んだ後の参考情報として扱うくらいがちょうどよい位置づけです。

    通信講座を選ぶときに確認する項目

    ここからは、アガルートに限らず、通信講座全般に共通する確認項目を整理します。

    価格に何が含まれるか

    同じ講座名でも、含まれる範囲は事業者ごとに違います。確認すべきなのは、テキスト代が含まれるか、模試が含まれるか、直前期の講座が別売りか、質問対応が有料オプションか、という点です。

    コース名がフルやライトのように段階に分かれている場合は、その差額で何が増えるのかを講座名ではなく中身で確認してください。講座数が増えても、自分に必要でないものであれば意味がありません。

    質問対応の有無と回数

    質問できる環境が必要かどうかは、学習経験によって変わります。法律の学習が初めてで、権利関係の理解に不安がある場合、質問の手段があることには意味があります。一方、独学で一度受験している人であれば、質問より演習量のほうが効きます。

    確認すべきは、質問できるかどうかだけでなく、回数の上限、回答までにかかる期間、質問の方法です。回数制限がある場合、その回数で足りるかどうかは、自分の学習段階によります。

    受講期間と視聴期限

    講義動画には視聴期限が設けられているのが通常です。今年度の受験を見送った場合にどうなるか、翌年度も視聴できるのか、延長に費用がかかるのかを確認してください。

    宅建試験は年に一度しかありません。仕事や家庭の事情で受験を見送る可能性がある人にとって、この条件は実質的な費用に直結します。

    法改正への対応

    宅建試験は法改正が出題に直結する試験です。令和8年度の試験については、出題の根拠となる法令が令和8年4月1日現在施行されているものとされています。

    したがって、教材が改正に対応しているか、改正情報が追加で提供されるか、追加費用がかかるかは重要な確認項目です。前年度版の教材を安く入手する方法を検討している場合は、この点で不利になります。改正論点そのものは「宅建業法の改正点」「民法改正の要点」で扱っています。

    模試の有無と形式

    模試は、時間配分と解く順序を試す機会として機能します。自宅受験のみか、会場受験があるか、回数は何回か、成績の位置づけが分かるかを確認してください。

    模試を含まないコースを選ぶ場合は、市販の模試や過去問を時間を計って解く形で代替できます。模試の使い方は「模試の活用法」で扱っています。

    教材の形式

    紙のテキストが届くのか、デジタルのみか、両方かを確認します。移動時間を学習に充てたい場合はデジタルの比重が高いほうが使いやすく、机で書き込みながら進めたい場合は紙が必要です。

    自分の学習環境を先に決めてから、それに合う形式を選ぶ順序にしてください。形式の好みで講座を選ぶより、生活の中で実際に開ける形かどうかが重要です。

    保証や返金の制度

    合格特典のほかに、不合格時の返金や、次年度の受講料を割り引く制度を設けている事業者もあります。いずれも条件つきなので、対象コース、申請方法、期限、必要な提出物を確認してください。

    制度の有無ではなく、条件を満たせるかどうかで判断する、という読み方はここでも同じです。

    講座に何を代わりにやってもらうのか

    講座を比較する前に決めておくと選びやすくなるのが、自分が何を外に出したいのか、という点です。通信講座が引き受けてくれる仕事は、大きく四つに分かれます。

    学習の順序と配分を決める仕事

    一つ目が、何をどの順でどれくらいやるかを決める仕事です。カリキュラムが組まれている講座を使えば、この判断を自分でしなくて済みます。

    独学でつまずく人の多くは、知識が足りないのではなく、どこから手をつけてどこで切り上げるかを決められずに止まります。この部分に不安がある場合、講座の価値は講義の内容より配分の設計にあります。逆に、すでに学習計画を自分で立てられる人にとっては、ここへの支払いは重複します。

    内容を説明してもらう仕事

    二つ目が、条文や制度の説明です。テキストを読んで理解できるなら、この部分の必要度は下がります。読んでも入ってこない、あるいは読む時間より聞く時間のほうが取りやすい、という場合に講義の価値が出ます。

    権利関係のように当事者関係の理解が要る分野と、宅建業法のように条文と数字の暗記が中心の分野では、講義の必要度が違います。全科目に同じだけの講義が必要とは限らない、という視点で、含まれる講座の内訳を見てください。

    演習の素材をそろえる仕事

    三つ目が、問題と解説をそろえる仕事です。過去問と解説は市販の教材でも手に入りますし、無料で使える範囲もあります。したがって、この部分だけを目的に高額なコースを選ぶ必要はありません。

    答練や模試のように、時間を計って本番の形式で解く機会は、自分で用意しにくい部分です。この機会が含まれるかどうかは、演習素材の中でも価値の差が出やすい項目です。

    質問先を用意する仕事

    四つ目が、分からない箇所を聞ける相手を確保することです。これは独学で最も代替しにくい部分です。

    ただし、質問できることと、質問することは違います。実際に質問を出すかどうかは、学習の進め方によります。過去の学習で、分からない箇所を放置して先に進んでしまった経験があるなら、質問先の確保には意味があります。そうでないなら、回数の多さは判断の中心になりません。

    四つのうちどれが必要かで絞る

    この四つのうち、自分に必要なのがどれかを決めてから比較すると、コースの選択が具体的になります。四つとも必要なら上位のコースが合いますし、演習素材だけでよいなら市販の教材と過去問演習で足ります。

    自分に必要なものを決めずに講座を比べると、含まれる講座の数が多いものが良く見えてしまいます。数ではなく、自分が外に出したい仕事が入っているかどうかで判断してください。

    申し込む前に手続きの条件を読む

    通信販売にクーリング・オフはない

    見落とされやすいのが、申込み後に取り消せるかどうかです。訪問販売などにはクーリング・オフの制度がありますが、インターネット等を通じた通信販売には、この制度がありません。

    したがって、申込み後の返品や解約ができるかどうかは、事業者が定める特約によります。返金に応じる期間や条件を定めている場合もあれば、応じないと定めている場合もあります。どちらであっても、申込みの前に確認しておかなければ、後から交渉できるものではありません。

    特定商取引法に基づく表記を読む

    確認先は、各社のサイトに掲載されている特定商取引法に基づく表記です。ここに、販売価格のほか、代金の支払時期と方法、役務の提供時期、返品や解約に関する定めが書かれています。

    読むべきなのは、返品・解約の可否、教材発送後の扱い、支払い方法(一括か分割か、分割の場合の手数料)の三点です。分割払いを選ぶ場合、総支払額が表示価格と異なることがあります。

    教材の発送時期と配信の開始時期

    もう一点、申込みから実際に学習を始められるまでの時間も確認してください。講義の配信スケジュールが年度ごとに定められており、申し込んだ時点ですべての講座が配信済みとは限りません。

    直前期の講座は、その時期になってから配信されるのが通常です。試験までの残り期間が短い場合、含まれているはずの講座が間に合わない可能性があるため、配信スケジュールを確認してから申し込んでください。

    教育訓練給付の対象かどうかを確認する

    制度の種類

    厚生労働省の教育訓練給付制度は、一定の要件を満たす人が指定講座を受講した場合に、費用の一部が支給される仕組みです。専門実践教育訓練、特定一般教育訓練、一般教育訓練の三つの区分があります。

    資格講座については一般教育訓練の対象となっているものがあり、対象講座であれば実質的な負担が変わります。制度の概要は「教育訓練給付制度の使い方」で扱っています。

    検索システムで調べる

    ある講座が対象かどうかは、厚生労働省の教育訓練講座検索システムで調べられます。事業者のサイトに記載がない場合でも、この検索システムで確認すれば、指定を受けているかどうかが分かります。

    なお、この記事の執筆時点で確認した範囲では、アガルートの宅建士試験講座のページに教育訓練給付に関する記載は見当たりませんでした。対象かどうかを確定させるには、検索システムで調べるか、事業者に直接確認してください。ここで推測を書くことはしません。

    受給の要件は自分の側にもある

    講座が指定を受けていても、受給できるかどうかは受講者の側の要件によります。雇用保険の被保険者期間などの条件があり、これは講座ではなく本人の状況で決まります。

    自分が要件を満たすかどうかは、住所地を管轄するハローワークで確認できます。申込みの前に確認しておかないと、対象講座を選んだのに給付を受けられない、という事態が起こります。

    割引とセールの扱い

    通信講座では、時期によって割引が実施されることがあります。アガルートの公式サイトでも、通常価格とは別に割引後の価格が表示されている時期があります。

    割引を待つかどうかの判断で注意すべきなのは、学習に使える期間が減ることです。宅建試験は10月の第3日曜日に実施されます。試験日から逆算して必要な学習期間を確保できるかどうかが、割引額より重要です。試験日程は「宅建試験の日程」で確認できます。

    必要な学習時間の目安は「宅建の勉強時間の目安」で扱っています。この期間を確保できなくなるほど申込みを遅らせるのは、割引の額に見合いません。

    なお、時期による割引のほかに、受験経験者を対象とした割引など、条件つきの割引が案内されている場合があります。適用の条件と必要な手続きは割引ごとに異なり、申込み後に遡って適用できないものもあります。該当しそうなものがあれば、申込みの前に条件を確認してください。

    他社のレビュー記事をどう読むか

    講座名で検索すると、多数のレビュー記事が見つかります。これらを読むときは、書かれている内容の出所を確認してください。

    確認すべきなのは三点です。第一に、価格やコース構成がいつ時点のものか。時点の記載がない記事は、古い条件のまま残っていることがあります。実際、この記事の改訂前の版にも、現在とは異なる価格が残っていました。第二に、評判や口コミがどこから来たものか。誰が、いつ、どの立場で述べたものかを示していない記述は、確かめようがありません。第三に、順位や評価の根拠です。何を基準に順位づけたのかが書かれていなければ、その順位は判断に使えません。

    そのうえで、公式サイトに戻って条件を確認するという順序を守ってください。レビュー記事は、どこを確認すべきかを知る手がかりとしては役に立ちますが、条件の根拠にはなりません。

    試験での出題ポイント

    講座選びは学習の入口ですが、実際に問われるのは試験の内容です。講座の条件を確認するときに関係してくる、出題側の事情を三つ挙げます。

    法改正の基準日

    出題の根拠となる法令には基準日があります。令和8年度の試験では、令和8年4月1日現在施行されている法令が根拠とされています。

    つまり、その時点で施行されていない改正は出題の前提になりません。逆に、施行済みの改正は問われます。教材が古いまま学習すると、改正部分をそのまま覚えてしまうため、この基準日に対応した情報が手に入るかどうかが問題になります。

    統計は毎年更新される

    免除科目に含まれる統計の問題は、最新の公表値が問われます。前年度の教材で覚えた数字は、そのままでは使えません。

    講座を選ぶときに、直前期の統計情報が提供されるかどうかを確認する意味はここにあります。市販の教材や公表資料で自分で補うこともできますが、その手間を見込んでおく必要があります。統計の対策は「統計問題の対策」で扱っています。

    5問免除は誰でも使えるわけではない

    問46から問50までの5問が免除される制度は、宅地建物取引業に従事し従業者証明書の交付を受けている人が、登録講習を修了した場合に利用できるものです。一般の受験者は対象外です。

    講座の案内で免除に触れている場合、自分が対象かどうかを先に確認してください。対象でなければ、50問すべてを解く前提で計画を立てることになります。

    覚え方・整理の仕方

    比較のメモは軸を先に決める

    複数の講座を比べるとき、事業者ごとにサイトを見て回ると、印象だけが残って条件が頭に入りません。先に軸を決めて、同じ順で書き取ってください。

    軸は、支払う金額、含まれるもの、質問の回数、視聴期限、法改正への対応、模試の有無、特典の対象と条件、給付の対象かどうかの八つで足ります。この順で一社ずつ書き出せば、比較の作業自体は短時間で終わります。

    特典は「条件」の欄に書く

    合格特典を金額の欄に書き込むと、実際に支払う額が見えなくなります。特典は必ず条件の欄に、満たすべき行為とセットで書いてください。

    インタビュー出演が必要、申請期限がある、対象は上位コースのみ、といった条件まで書いて初めて、その特典が自分にとって現実的かどうかが判断できます。

    確認した日付を残す

    価格も条件も改定されます。メモには必ず確認した日付を書いてください。数か月前に調べた条件をそのまま使って申し込むと、前提が変わっていることがあります。

    この記事に2026年8月28日時点と明記しているのも同じ理由です。時点を書かない情報は、後から使えません。

    決められないときは支払額で切る

    条件を並べても決められない場合は、支払う金額で切ってください。特典や合格率のような不確実な要素で迷うより、確定している金額で選ぶほうが、後から後悔しにくくなります。

    そのうえで、講座を使うかどうか自体を迷っている場合は「独学と予備校の併用」や「宅建の無料教材まとめ」も見て、支出せずに進められる範囲を確認してから決めるとよいでしょう。

    理解度チェッククイズ

    Q1. アガルートの宅建講座の合格特典は、すべてのコースが対象である(○か×か)


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    ×:公表されている内容では、対象は2026年合格目標の入門カリキュラム(フル)と中上級カリキュラム(フル)とされ、入門カリキュラム(ライト)、中上級カリキュラム(ライト)、キックオフ宅建士は対象外とされています。特典を前提にコースを選ぶ場合、まず対象コースかどうかを確認する必要があります。

    Q2. 全額返金の特典は、合格通知書データと合格体験記を提出すれば受けられる(○か×か)


    答えを見る
    ×:公表されている条件では、全額返金には合格通知書データの提出、合格体験記の提出に加えて、合格者インタビューへの出演が必要とされています。合格通知書データと合格体験記の提出だけの場合はお祝い金の対象で、源泉所得税控除後の8,979円分をAmazonギフト券で支給するとされています。

    Q3. 通信講座が公表する合格率は、分母の定義が事業者ごとに異なるため、数値を並べて比較することはできない(○か×か)


    答えを見る
    ○:受講生全員を分母とするのか、受験した人だけか、アンケート回答者だけかで数値は大きく変わります。アガルートの令和7年一発合格率77.01%には「アガルート有料講座受講生の実績」という注記がありますが、確認した範囲の公式ページに母数の詳細な定義は記載されていませんでした。算定方法が明示されていない数値は比較に使えません。

    Q4. 全国の宅建試験の合格率は、令和7年度が18.7%であった(○か×か)


    答えを見る
    ○:不動産適正取引推進機構の公表によれば、令和7年度は受験者245,462人に対し合格者45,821人で合格率18.7%、令和6年度は18.6%でした。これは全受験者を分母とした値であり、講座が公表する合格率とは母集団の性質が異なります。

    Q5. ある講座が教育訓練給付の対象かどうかは、厚生労働省の教育訓練講座検索システムで確認できる(○か×か)


    答えを見る
    ○:指定講座は厚生労働省の検索システムで調べられます。ただし、講座が指定されていても受給できるとは限らず、雇用保険の被保険者期間など受講者側の要件を満たす必要があります。自分が要件を満たすかは、住所地を管轄するハローワークで確認してください。

    よくある質問

    Q. この記事の価格や条件は今も同じですか。
    A. 2026年8月28日時点で公式サイトに掲載されていた内容です。通信講座の価格とコース構成は、合格目標年度の切り替わりなどで改定されます。申し込む前に、必ずその時点の公式サイトで確認してください。

    Q. 合格率が高い講座を選べば合格しやすいですか。
    A. その判断はできません。公表されている合格率は、分母の定義が事業者ごとに異なり、算定方法が明示されていない場合は比較の材料になりません。また、数値が高いことは、自分が同じ結果になることを意味しません。確認できる条件で選ぶほうが確実です。

    Q. フルとライトのどちらを選べばよいですか。
    A. 差額に含まれる講座が自分に必要かどうかで決まります。含まれるものは公表されているので、講座名ではなく中身を見て、いま自分に足りないのがインプットなのか演習なのかを考えてください。なお、合格特典の対象がフルに限られている点も判断に関わります。

    Q. 割引の時期を待ったほうがよいですか。
    A. 学習期間を確保できる範囲であれば選択肢になります。ただし試験日は10月の第3日曜日で動きません。申込みを遅らせて学習期間が足りなくなるなら、割引額に見合いません。

    Q. 質問制度は無制限ですか。
    A. 2026年8月28日時点の公表内容では、受講期間中にフルカリキュラムで30回、ライトカリキュラムで10回までとされています。無制限と記載している情報を見かけた場合は、時点の異なる情報である可能性があります。回数のほか、回答までの日数や質問の方法も確認しておくと、実際に使えるかどうかが判断できます。

    Q. 講座を使わずに合格できますか。
    A. 独学で合格している人は毎年います。判断の分かれ目は、教材を自分で選べるか、進度を自分で管理できるか、分からない箇所を自力で調べられるかです。独学の進め方は独学のガイドを、市販教材の選び方は「おすすめテキスト」を参照してください。

    まとめ

    この記事の要点を三つに整理します。

    第一に、公表されている事実だけを見ると、アガルートの宅建士試験講座は2026年8月28日時点で五つのコース構成で、税込価格はキックオフ宅建士が10,780円、入門カリキュラムがライト49,302円・フル97,020円、中上級カリキュラムがライト69,102円・フル116,820円です。質問制度はフル30回、ライト10回とされ、教材は紙とデジタルの両形式が用意されています。

    第二に、合格特典は条件つきです。対象は入門・中上級それぞれのフルに限られ、全額返金には合格通知書データと合格体験記の提出に加えてインタビューへの出演が必要です。返金は税抜価格が対象で、申請には期限があり、後から広報使用の取り止めを求める場合には全額の返還と事務手数料30,000円(税別)の定めがあります。特典は金額ではなく、条件を満たせるかどうかで評価してください。

    第三に、公表合格率は比較に使えません。アガルートは令和7年の一発合格率77.01%を「有料講座受講生の実績」として公表していますが、母数の定義は確認した範囲の公式ページには記載がありませんでした。全国の合格率は令和7年度18.7%、令和6年度18.6%(不動産適正取引推進機構の公表値)で、これは全受験者を分母とした値です。分母が違う数値は並べられません。

    宅建試験AIブートラボでは肢別トレーニングと年度別過去問演習を用意しています。講座を使う場合も独学の場合も、演習量は自分で積む必要があるので、その場として使ってください。

    勉強法を読んだら、手を動かすところまで

    肢別演習と年度別演習で、立てた学習計画をそのまま実行に移せます。間違えた肢だけを繰り返す復習にも対応しています。

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