依頼者の依頼による広告の料金いらいしゃのいらいによるこうこくのりょうきん
宅地建物取引業者が報酬告示の定める報酬とは別に受け取ることのできる、依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額です(報酬告示第十一)。つまり、依頼者から頼まれて出した広告の料金だけは手数料の上限の外で受け取れ、業者が自分の判断で出した広告の料金は受け取れません。
売主が「早く売りたいので、新聞に大きく広告を出してほしい」と業者に頼んだとします。新聞広告には数十万円かかることもあり、これを手数料の中から業者が負担するのでは割に合いません。報酬告示第十一は、業者は告示の定める報酬のほかには受け取れないとしたうえで、ただし書で、依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額だけは別に受け取れると定めています。告示に理由は書いていませんが、依頼者が自分から求めた特別な支出まで業者に負わせるのは公平でないためと考えられます。

依頼のない広告の料金は、報酬に上乗せできません
業者が自分の判断で出したチラシやインターネットの広告は、ふだんの販売活動で、その費用は業者が負担します。国土交通省の解釈は、指定流通機構への情報登録、通常の広告、物件の調査などのための費用は業者の負担になるとしています。広告が契約の成立に役立った場合でも、依頼者の依頼に基づかない広告の料金は、報酬とは別に請求できません。告示に理由は書いていませんが、広告料という名目で上限を超える金銭を受け取る抜け道を防ぐためと考えられます。
報酬を上限まで受け取っても、広告の料金は別です
依頼による広告の料金は報酬の外に置かれているので、報酬を上限額まで受け取った業者も、それとは別に広告の料金を受け取れます。貸借の媒介で貸主と借主からそれぞれ借賃の半月分を受け取り、合計が上限に達していても、貸主の依頼で出した広告の料金は貸主から受け取れます。受け取れるのは広告の料金に相当する額、つまり実際にかかった広告料の分までで、それを超える額を広告料の名目で受け取ることはできません。

案内料や契約書の作成費は、名目を変えても受け取れません
国土交通省の解釈は、報酬と依頼による広告の料金のほかに、いわゆる案内料や申込料を受け取ることはできないとしています。重要事項の説明の対価や賃貸借契約書の作成費も、報酬でも依頼による広告の料金でもないので、告示第十一により報酬と別に受け取ることはできません。既存住宅の媒介で建物状況調査を実施する者をあっせんしても、あっせんは媒介業務の一環とされ、あっせんの料金は報酬と別に受け取れません。例外として、依頼者の特別の依頼による遠隔地の現地調査などの実費で、事前に承諾を得たものは別に受け取れます。

昭和45年建設省告示第1552号 第十一①宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の代理又は媒介に関し、第二から第十までの規定によるほか、報酬を受けることができない。ただし、依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額については、この限りでない。
試験ではこう問われる
- 報酬とは別に受け取れるのは、依頼者の依頼によって行った広告の料金に相当する額。報酬を限度額まで受け取っていても、依頼による広告の料金は別に受け取れる
- 依頼に基づかない広告は、賃貸借契約の成立に寄与したときでも、その料金を報酬と別に請求できない。依頼によらない通常の広告料金を報酬に合算して受け取ることもできない
- 依頼者から事前に特別な広告(大手新聞への掲載)の依頼を受けて行ったときは、その料金を報酬と別に受け取れる
- 重要事項の説明の対価、賃貸借契約書の作成費は、報酬と別に受け取れない
- 指定流通機構への登録費用など通常の媒介業務の費用は、報酬の限度額を超えて依頼者に請求できない
- 既存住宅の媒介で建物状況調査を実施する者をあっせんしても、あっせんに係る料金は報酬と別に受け取れない
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