指定流通機構していりゅうつうきこう
専任媒介契約の目的物である宅地建物について、契約の相手方を探索するための登録を受ける者として、国土交通大臣が指定する者です(34条の2第5項)。つまり、一社に任された売り物件の情報をほかの業者も見られるようにする仕組みで、レインズと呼ばれます。
家の売却を一つの会社に任せると、その会社の客の中からしか買い手が見つからないおそれがあります。そこで、任された会社が物件の情報を共通のデータベースに登録し、ほかの不動産会社も自分の客に紹介できるようにした仕組みが指定流通機構です。国土交通大臣が指定した法人が運営し、実務ではレインズと呼ばれています。専任媒介契約を結んだ業者は、契約の相手方を探索するために、定められた期間内に物件を登録しなければなりません(34条の2第5項)。

登録するのは、専任媒介契約を結んだ業者です
登録の義務は専任媒介契約(専属専任媒介契約を含む)を結んだ業者に掛かります。期間は締結の日から7日以内、専属専任媒介契約では5日以内で、休業日数は算入しません(施行規則15条の10)。売買や交換の代理を一社に任せる契約にも、同じ決まりが準用されます(34条の3)。依頼者が「登録しないでほしい」と望んでも、登録をしない特約は無効です(34条の2第10項)。一般媒介契約には登録の義務がなく、登録するかどうかは任意です。
登録するのは、所在・規模・形質・価額と省令の事項です
登録する事項は、物件の所在、規模、形質、売買すべき価額と、施行規則が定める事項です(34条の2第5項)。施行規則15条の11は、都市計画法その他の法令に基づく制限で主要なもの、取引の申込みの受付に関する状況、専属専任媒介契約であるときはその旨などを挙げています。取引の申込みの受付に関する状況は、物件が公開中か、申込みが入っているかを示す事項で、依頼者が自分の物件の扱われ方を確かめる手がかりになります。
登録を証する書面を渡し、成約したら遅滞なく通知します
登録をすると、指定流通機構が登録を証する書面を業者に発行します(50条の6)。業者はこの書面を遅滞なく依頼者に引き渡さなければならず、見せるだけでは足りません(34条の2第6項)。依頼者の承諾があれば、書面の引渡しに代えて電磁的方法で提供できます(同12項)。登録した物件の売買や交換の契約が成立したときは、遅滞なく、登録番号、取引価格、契約の成立した年月日を指定流通機構に通知します(同7項、施行規則15条の13)。通知のきっかけは契約の成立で、物件の引渡しを待つものではありません。条文に理由は書いていませんが、成約の情報が次の価額の査定の資料として業者に提供されるためと考えられます。

宅地建物取引業法 34条の2第5項宅地建物取引業者は、専任媒介契約を締結したときは、契約の相手方を探索するため、国土交通省令で定める期間内に、当該専任媒介契約の目的物である宅地又は建物につき、所在、規模、形質、売買すべき価額その他国土交通省令で定める事項を、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣が指定する者(以下「指定流通機構」という。)に登録しなければならない。
試験ではこう問われる
- 登録の義務があるのは専任媒介契約(専属専任媒介契約を含む)。一般媒介契約に登録の義務はない
- 登録は締結の日から7日以内、専属専任媒介契約は5日以内で、休業日数は算入しない
- 依頼者から登録しないでほしいと申出があっても、登録しない特約は無効。専任の代理契約でも同じ(34条の3)
- 登録する事項には、法令に基づく制限で主要なものと、取引の申込みの受付に関する状況が含まれる
- 登録を証する書面は遅滞なく依頼者に引き渡す。提示するだけでは足りず、依頼者から求められなくても引き渡す
- 契約が成立したら遅滞なく通知する。「引渡しが完了していなければ通知する必要はない」は誤り
- 通知する事項は、登録番号、取引価格、契約の成立した年月日
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