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建物状況調査たてものじょうきょうちょうさ

宅建業法 媒介・重要事項説明・37条書面・広告 過去問で16肢

建物の構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分の状況の調査であって、国土交通省令で定める者(国土交通大臣が定める講習を修了した建築士)が実施するものです(34条の2第1項4号)。つまり、中古の建物の傷み具合を専門家が調べる検査で、インスペクションとも呼ばれます。

中古の家は、柱や基礎が傷んでいないか、雨漏りしていないかが、見ただけでは分かりません。買ってから欠陥が見つかるのが怖くて、中古の家を避ける人もいます。そこで宅地建物取引業法は、専門家が建物の状態を調べる建物状況調査を、媒介契約、重要事項説明、契約後の書面の三つの場面に組み込みました。調べるのは、建物の構造耐力上主要な部分と、雨水の浸入を防止する部分です。調査をするかどうかは売主や買主が決めることで、業者に調査を実施する義務はありません。

中古の建物の傷み具合を、講習を修了した建築士が調べる。
中古の建物の傷み具合を、講習を修了した建築士が調べる。

実施するのは、講習を修了した建築士です

調査を実施する者は、建築士であって、国土交通大臣が定める講習を修了した者に限られます(施行規則15条の8)。建築士の資格だけでは足りず、二つの要件の両方を満たす必要があります。業者があっせんする相手も、この要件を満たす者です。あっせんは媒介の業務の一環なので、業者は媒介の報酬とは別にあっせんに係る料金を受け取ることはできません。

媒介契約の書面に、あっせんに関する事項を記載します

既存の建物の売買や交換の媒介契約を結んだ業者は、書面に「建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項」を記載します(34条の2第1項4号)。あっせんをするかしないかを書く事項なので、依頼者があっせんを希望しない場合も、記載そのものは省けません。国土交通大臣が定める標準媒介契約約款では、あっせんを「無」とするときに、その理由も記入することになっています。記載する以上、依頼者の意向は書面を交付する前に確かめておくことになります。条文に理由は書いていませんが、調査という手段があることを、取引に入る前の依頼者に知ってもらうためと考えられます。業者が負うのは自分の依頼者との媒介契約の書面に記載する義務で、取引の相手方にあっせんの有無を確認する義務までは定められていません。

あっせんを希望しなくても、書面の記載は省けない。
あっせんを希望しなくても、書面の記載は省けない。

重要事項説明では、実施の有無と結果の概要を説明します

既存の建物の取引では、建物状況調査を実施しているかどうかと、実施している場合の結果の概要を、重要事項として説明します(35条1項6号の2イ)。対象になるのは実施後1年を経過していない調査で、鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の共同住宅等では2年です(施行規則16条の2の2)。条文に理由は書いていませんが、古い調査は今の建物の状態を表さないので、期間で区切っていると考えられます。この説明は、売買と交換だけでなく、建物の貸借でも必要です。あわせて、設計図書、点検記録など建物の建築及び維持保全の状況に関する書類の保存の状況も説明しますが(同号ロ)、こちらは売買と交換のときだけで、貸借では要りません(施行規則16条の2の3)。説明するのは書類が保存されているかどうかで、書類に記載されている内容の説明までは求められていません。

実施から1年を過ぎていない調査は、結果の概要まで説明する。
実施から1年を過ぎていない調査は、結果の概要まで説明する。

37条書面には、双方が確認した事項を記載します

契約が成立した後に交付する37条書面には、既存の建物について「建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項」を記載します(37条1項2号の2)。建物状況調査の結果の概要を重要事項として説明したうえで契約に至った場合の、その結果の概要が代表で、確認した事項がなければ「無」と記載します。条文に理由は書いていませんが、建物の状態を売主と買主の双方が分かったうえで契約したことを書面に残し、後の争いを防ぐためと考えられます。この記載は売買と交換の書面の事項で、貸借の37条書面にはありません。相手方が宅地建物取引業者であっても、記載は省けません。

宅地建物取引業法 34条の2第1項4号(媒介契約の書面の記載事項)

当該建物が既存の建物であるときは、依頼者に対する建物状況調査(建物の構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分として国土交通省令で定めるもの(第三十七条第一項第二号の二において「建物の構造耐力上主要な部分等」という。)の状況の調査であつて、経年変化その他の建物に生じる事象に関する知識及び能力を有する者として国土交通省令で定める者が実施するものをいう。第三十五条第一項第六号の二イにおいて同じ。)を実施する者のあつせんに関する事項

試験ではこう問われる

  1. 定義は、建物の構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分の状況の調査で、国土交通省令で定める者が実施するもの。実施する者は、建築士であって国土交通大臣が定める講習を修了した者
  2. 業者があっせんをしても、報酬とは別にあっせんに係る料金は受領できない
  3. 媒介契約の書面には、あっせんに関する事項を記載する。依頼者があっせんを希望しなくても記載は省けない
  4. 重要事項説明では、実施後1年(鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造の共同住宅等は2年)を経過していない調査について、実施の有無と、実施している場合の結果の概要を説明する。「実施の有無だけ説明すれば足りる」は誤りで、貸借の媒介でも説明する
  5. 設計図書、点検記録などの書類の保存の状況の説明は、売買と交換のときだけで、貸借では不要。書類に記載されている内容の説明までは要らない
  6. 37条書面には、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者の双方が確認した事項を記載する。売買と交換の書面の事項で、貸借の書面には不要。相手方が業者でも省けない
  7. 広告に実施の有無を明示する義務はない
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