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代理の報酬だいりのほうしゅう

宅建業法 報酬・監督処分・罰則 過去問で4肢

宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買・交換の代理に関して依頼者から受けることのできる報酬の額は、媒介の計算方法で出した額の2倍以内とし、相手方からも報酬を受けるときは、その額と代理の依頼者から受ける額の合計が2倍を超えてはならないとする定めです(報酬告示第三)。つまり、代理は依頼者に代わって契約まで結ぶので媒介の2倍まで受け取れますが、一つの取引から業者の側に入る総額は、媒介一方分の2倍が上限です。

地方に住む売主が都内の土地を売るとき、買主との交渉から契約書への署名まで、業者に任せてしまうことがあります。これが売買の代理で、業者は売主の代理人として買主と話をまとめ、売主に代わって契約を結びます。媒介が売主と買主を引き合わせて契約の成立を手伝う仕事であるのに対し、代理は依頼者に代わって契約そのものを結ぶ仕事です。報酬告示第三は、代理の依頼者から受け取れる報酬を、媒介の計算方法で出した額の2倍以内と定めています。代金1,000万円(税抜き)の宅地なら、媒介の上限39万6,000円の2倍の79万2,000円まで、売主から受け取れます。

代理は依頼者に代わって契約を結ぶから、媒介の2倍まで受け取れる。
代理は依頼者に代わって契約を結ぶから、媒介の2倍まで受け取れる。

相手方からも受け取るなら、合計で2倍までです

代理の業者が、契約をまとめる過程で、買主からも媒介の依頼を受けることがあります。告示第三のただし書は、代理の業者が売買の相手方からも報酬を受けるときは、相手方から受ける額と代理の依頼者から受ける額の合計が、媒介の計算方法で出した額の2倍を超えてはならないと定めています。代金1,000万円(税抜き)の宅地で、売主から代理、買主から媒介の依頼を受けた業者が、買主から30万3,000円を受け取るなら、売主から受け取れるのは79万2,000円との差額の48万9,000円までです。告示に理由は書いていませんが、媒介で双方から一方分ずつ受けても合計は2倍なので、代理を使っても一つの取引から業者に入る総額が膨らまないようにしていると考えられます。

業者が二つ関わっても、総額は媒介一方分の2倍までです

売主は甲社に代理を、買主は乙社に媒介を頼むというように、別々の業者が一つの売買に関わることもあります。国土交通省の解釈は、複数の業者が一つの売買の代理、又は代理と媒介をしたときは、それらの業者が受け取る報酬の総額が、媒介の計算方法で出した額の2倍以内でなければならないとしています。告示の額は取引物件一件についての報酬の額だからです。代金5,000万円の宅地なら、媒介一方分は(5,000万円×3%+6万円)×1.1で171万6,000円になり、その2倍の343万2,000円が甲社と乙社の合計の上限です。

業者が二つ関わっても、総額は媒介一方分の2倍まで。
業者が二つ関わっても、総額は媒介一方分の2倍まで。

低廉な空家等の代理は、66万円まで受け取れます

代金800万円以下の宅地建物(低廉な空家等)の売買・交換の代理には、告示第八の特例があります。代理の依頼者から受け取れる報酬は、媒介の特例の上限33万円の2倍の66万円以内になり、相手方からも受け取るときは合計で66万円までです。代金200万円の宅地の売買の代理なら、通常の計算では媒介一方分11万円の2倍の22万円までですが、特例を使えば66万円まで受け取れます。特例を使うには、代理契約の締結に際しあらかじめ、上限の範囲内で報酬額を依頼者に説明し、合意しておく必要があります(国土交通省の解釈)。令和6年7月の告示改正で特例の依頼者は売主に限られなくなり、買主から代理を頼まれた場合にも使えます。

低廉な空家等の代理は、説明と合意があれば66万円まで。
低廉な空家等の代理は、説明と合意があれば66万円まで。
昭和45年建設省告示第1552号 第三

宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買又は交換の代理に関して依頼者から受けることのできる報酬の額(…)は、第二の計算方法により算出した金額の二倍以内とする。ただし、宅地建物取引業者が当該売買又は交換の相手方から報酬を受ける場合においては、その報酬の額と代理の依頼者から受ける報酬の額の合計額が第二の計算方法により算出した金額の二倍を超えてはならない。

試験ではこう問われる

  1. 代理の上限は媒介の計算で出した額の2倍。代金1,000万円(税抜き)の宅地で、売主から代理、買主から媒介の依頼を受けた業者が買主から303,000円を受け取るなら、売主からは792,000円との差額の489,000円まで
  2. 代金5,000万円の宅地で、売主の代理業者と買主の媒介業者が別々でも、二者の合計は343万2,000円まで。代理業者が343万2,000円、媒介業者が171万6,000円、合計514万8,000円は受け取れない
  3. 低廉な空家等(代金800万円以下)の代理は、代理に要する費用を勘案した報酬額をあらかじめ説明し合意していれば66万円まで。代金200万円の宅地の売買の代理で、売主から660,000円を上限に受け取れる
  4. 低廉な空家等の特例は買主から代理を頼まれた場合にも使える。代金300万円の宅地の売買の代理で、あらかじめ買主に説明し合意していれば、買主からの上限は330,000円ではなく660,000円
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