建築及び維持保全の状況に関する書類けんちくおよびいじほぜんのじょうきょうにかんするしょるい
既存の建物について、設計図書、点検記録その他の建物の建築及び維持保全の状況に関する書類で、省令で定めるもの(確認済証、検査済証、建物状況調査の報告書など)です。重要事項説明では、既存住宅の売買・交換のときに、これらの書類の保存の状況を説明します(35条1項6号の2ロ、施行規則16条の2の3)。
中古の家を買った後で増築しようとしたら、新築のときの検査済証が見つからず、建築確認の手続が難しくなった、という話があります。家を建てたときの書類や、点検・調査の記録が残っているかどうかで、その家の素性の分かりやすさも、将来のリフォームのしやすさも変わります。そこで35条1項6号の2ロは、既存の建物について、建物の建築及び維持保全の状況に関する書類で国土交通省令で定めるものの保存の状況を説明させています。どの書類かは施行規則16条の2の3が定めています。維持保全とは、建物を点検し修理して良い状態に保つことです。

対象の書類は、建築確認・検査・調査・点検の記録です
施行規則16条の2の3が挙げる書類は、建築確認の申請書と確認済証、完了検査の検査済証、建物状況調査の結果の報告書、既存住宅の建設住宅性能評価書、建築基準法の定期調査・定期検査の報告書です。昭和56年5月31日以前に新築の工事に着手した住宅では、新しい耐震基準に適合することを確認できる書類として、建築士が行った耐震診断の結果の報告書なども加わります。これらは建物が適法に建てられ、きちんと点検されてきたことを示す記録です。書類そのものに代えて、電子データで保存されている場合も含みます(国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」)。

説明するのは保存の状況で、書類の中身ではありません
6号の2ロの言葉は「保存の状況」で、説明するのは原則として書類があるかないかです。それぞれの書類に記載されている内容の説明までは、業者に義務づけられていません(国土交通省「解釈・運用の考え方」)。確認済証や検査済証の一部がない場合は、その旨を重要事項説明書に記載します。売主に保存の状況を照会し、必要に応じて管理組合や管理業者にも問い合わせ、それでも分からなければ、その照会をもって調査の義務を果たしたことになります。

既存住宅の売買・交換で説明し、貸借では説明しません
6号の2は「当該建物が既存の建物であるとき」の事項で、新築の建物では説明しません。施行規則16条の2の3は対象を「売買又は交換の契約に係る住宅に関する書類」と定めているので、既存住宅の貸借では書類の保存の状況を説明しません。同じ6号の2のイにある建物状況調査の実施の有無と結果の概要は、貸借でも説明する点で違います。条文に理由は書いていませんが、書類は買った人が将来の増改築や売却で使うもので、借りる人は使わないからと考えられます。
宅地建物取引業法 35条1項6号の2当該建物が既存の建物であるときは、次に掲げる事項 イ 建物状況調査(実施後国土交通省令で定める期間を経過していないものに限る。)を実施しているかどうか、及びこれを実施している場合におけるその結果の概要 ロ 設計図書、点検記録その他の建物の建築及び維持保全の状況に関する書類で国土交通省令で定めるものの保存の状況
試験ではこう問われる
- 既存住宅の売買では、書類の保存の状況を説明する。それぞれの書類に記載されている内容まで説明する義務はない
- 既存住宅の貸借の媒介では、建物の建築及び維持保全の状況に関する書類の保存の状況を説明しなくてよい
- 既存住宅の建設住宅性能評価書の保存の状況も、貸借では説明しなくてよい
- 既存住宅の売買の媒介では、検査済証の保存の状況を説明し、検査済証が存在しない場合はその旨を説明する
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