管理の委託先かんりのいたくさき
建物や敷地の管理が委託されているときに、重要事項説明で説明する委託先の氏名(法人は商号又は名称)と住所(法人は主たる事務所の所在地)です。区分所有建物は売買でも貸借でも施行規則16条の2第8号で、それ以外の宅地・建物は貸借のときに16条の4の3第12号で説明します。
マンションに住んでいて、共用廊下の電球が切れたり、上の階から水漏れがしたりしたとき、まず連絡するのは管理会社です。建物の管理を管理組合や大家さんが会社に任せていることは多く、その会社がどこの誰なのかは、住む人にとって大事な情報です。そこで宅地建物取引業法は、管理が委託されているときは、委託を受けている者の氏名と住所を重要事項として説明させています。根拠の条文は二つに分かれ、区分所有建物は施行規則16条の2第8号、それ以外の宅地と建物は16条の4の3第12号です。どちらの条文で説明するかによって、説明が要る取引の種類が違います。

説明するのは、委託先の氏名と住所です
説明する事項は、委託を受けている者の氏名と住所で、法人なら商号又は名称と、主たる事務所の所在地です。委託先がマンション管理適正化法の登録を受けたマンション管理業者なら、登録番号も記載します。賃貸住宅管理業法の対象となる賃貸住宅で、委託先がその登録を受けた業者なら、同じく登録番号も記載します(国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」)。委託の契約の中身まで説明する義務はありませんが、マンションでは管理受託契約の主な内容もあわせて説明することが望ましいとされています。
マンションは売買でも貸借でも、それ以外は貸借で説明します
区分所有建物の8号は、16条の2の柱書で売買・交換でも貸借でも説明する事項とされています。区分所有建物でない宅地・建物の12号は、16条の4の3の柱書で宅地の貸借と建物の貸借の事項とされ、売買・交換の事項には入っていません。結果として、建物の貸借では区分所有建物かどうかにかかわらず委託先を説明し、一戸建てや一棟のアパートの売買では説明しません。条文に理由は書いていませんが、マンションの区分所有者は買った後も管理会社と付き合い続け、一戸建ての買主は自分で管理するからと考えられます。

清掃だけを頼まれた業者は、委託先に入りません
12号の「委託を受けている者」には、単純な清掃など建物の物理的な維持行為だけを頼まれた者までは含まないとされています(国土交通省「解釈・運用の考え方」)。説明の対象は、建物の管理業務そのものを任されている者です。説明の義務が生じるのは「管理が委託されているとき」なので、大家さんが自分で管理しているなら、委託先として説明する者はいません。

宅地建物取引業法施行規則 16条の2第8号当該一棟の建物及びその敷地の管理が委託されているときは、その委託を受けている者の氏名(法人にあつては、その商号又は名称)及び住所(法人にあつては、その主たる事務所の所在地)
試験ではこう問われる
- 区分所有建物の売買の媒介で、管理が委託されているときは、委託先の氏名(法人は商号又は名称)と住所(法人は主たる事務所の所在地)を説明する
- 建物の貸借の媒介では、区分所有建物かどうかにかかわらず、管理の委託先の商号と主たる事務所の所在地を説明する
- 区分所有建物の貸借で説明する区分所有建物の事項は、専有部分の利用制限と管理の委託先の二つ
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