耐震診断たいしんしんだん
建物が地震に対してどの程度安全かを、耐震改修促進法の基本方針の指針に基づいて調べることです。重要事項説明では、昭和56年5月31日以前に新築の工事に着手した建物が、指定確認検査機関・建築士・登録住宅性能評価機関・地方公共団体の耐震診断を受けたものであるときに、その内容を説明します(施行規則16条の4の3第5号)。
建物の耐震の基準は、昭和56年6月1日施行の建築基準法施行令の改正で大きく改められ、それより前の基準で建てられた建物は「旧耐震」と呼ばれます。旧耐震の建物には、大きな地震で倒れるおそれがあるものも含まれるので、専門家に耐震診断をしてもらい、補強が要るかを確かめることがあります。そこで施行規則16条の4の3第5号は、昭和56年6月1日以降に新築の工事に着手したものを除く建物が、一定の者の行う耐震診断を受けたものであるときは、その内容を説明させています。新しい基準で建てられた建物は、この項目の対象になりません。説明は、建物の売買・交換でも貸借でも行います。

対象は、昭和56年5月31日以前に着工した建物です
5号は「昭和五十六年六月一日以降に新築の工事に着手したものを除く」と書いており、それより前に工事に着手した旧耐震の建物だけが対象です。基準日は工事に着手した日で、完成した日ではありません。着工日は確認済証や検査済証の交付年月日で判断し、それがなければ表題登記の日で判断するとされています(国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」)。条文に理由は書いていませんが、新しい基準で建てられた建物は一定の耐震性を備えているので、診断の結果を知らせる必要が小さいと考えられます。

診断を受けていれば、その内容を説明します
説明するのは、指定確認検査機関、建築士、登録住宅性能評価機関、地方公共団体のいずれかが行う耐震診断を受けたものであるときの「その内容」です。診断を受けたという事実、つまり「その旨」だけでは足りず、診断の結果を説明します。耐震診断の結果報告書の写しや、耐震基準適合証明書の写しなどを添付して説明に代えることもできます。売主や所有者に記録の有無を照会し、無いことが確認されれば、その照会をもって調査の義務を果たしたことになります。

耐震診断を受ける義務も、実施する義務もありません
この説明義務は、耐震診断の実施を業者に義務づけるものではありません(国土交通省「解釈・運用の考え方」)。売主に対して、売る前に耐震診断を受けるよう義務づける規定もありません。重要事項説明で扱うのは、すでに受けた診断の内容だけです。
宅地建物取引業法施行規則 16条の4の3第5号当該建物(昭和五十六年六月一日以降に新築の工事に着手したものを除く。)が建築物の耐震改修の促進に関する法律第四条第一項に規定する基本方針のうち同条第二項第三号の技術上の指針となるべき事項に基づいて次に掲げる者が行う耐震診断を受けたものであるときは、その内容 イ 建築基準法第七十七条の二十一第一項に規定する指定確認検査機関 ロ 建築士 ハ 住宅の品質確保の促進等に関する法律第五条第一項に規定する登録住宅性能評価機関 ニ 地方公共団体
試験ではこう問われる
- 昭和55年に着工した建物が地方公共団体の耐震診断を受けていれば、その内容を説明する
- 説明するのは耐震診断を受けた「旨」ではなく、診断の「内容」
- 売主に耐震診断を受ける義務はない。業者にも耐震診断を実施する義務はない
- 対象は昭和56年5月31日以前に新築の工事に着手した建物で、昭和56年6月1日以降に着手した建物は除く
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