住宅販売瑕疵担保保証金じゅうたくはんばいかしたんぽほしょうきん
宅地建物取引業者が、基準日前10年間に自ら売主として買主に引き渡した新築住宅について、瑕疵担保責任の履行を確保するため、主たる事務所の最寄りの供託所に供託しておく金銭又は有価証券です(住宅瑕疵担保履行法11条)。つまり、欠陥が見つかった時に買主が優先して支払を受けられるよう、供託所に預けておくお金です。
新築住宅を年に数十戸売る業者が、保険を使わずに資力確保措置を講じるなら、法務局などの供託所にお金を預けます。これが住宅販売瑕疵担保保証金の供託です。預ける額は、過去10年間に引き渡した新築住宅の戸数をもとに計算します。住宅に瑕疵が見つかり、業者が倒産などで責任を果たせないとき、買主はこの保証金から、他の債権者に先立って弁済を受けることができます。

額は過去10年間の戸数で決まり、小さな住宅は2戸で1戸です
業者は、毎年、基準日(3月31日)から3週間を経過する日までの間、基準日前10年間に引き渡した新築住宅について、保証金を供託していなければなりません。額は、その新築住宅の合計戸数に応じて、政令の定める計算で出します。保険契約を結んで保険証券などを買主に交付した住宅は、戸数に数えません。床面積の合計が55平方メートル以下の住宅は、2戸をもって1戸と数えます(施行令6条)。保証金は、国債証券や地方債証券などの有価証券で充てることもできます。
供託するのは、主たる事務所の最寄りの供託所です
供託先は、業者の主たる事務所の最寄りの供託所です(11条6項)。売った住宅の最寄りの供託所ではありません。住宅は各地に散らばっていても、売主である業者は一つなので、業者を基準に供託先を一か所に決めています。営業保証金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託するのと同じ考え方です。

契約を結ぶ前に、供託所の所在地を書面で説明します
供託をしている業者は、自ら売主となる新築住宅の買主に対し、売買契約を締結するまでに、保証金を供託している供託所の所在地などを、書面を交付して説明しなければなりません(15条1項)。買主が、いざという時にどこへ還付を請求すればよいかを、契約の前に知っておけるようにするためです。買主の承諾を得れば、書面の交付に代えて、電磁的方法で提供することができます(15条2項)。時期は契約の締結までで、引渡しまででは遅いことになります。

還付で不足したら補い、超えた分は承認を受けて取り戻します
買主に還付がされて保証金が基準額に不足することになったときは、業者は、省令で定める日から2週間以内に不足額を供託し、その旨を免許権者に届け出なければなりません(16条が準用する7条)。反対に、引渡しから10年を過ぎた住宅が増えるなどして、基準日において保証金の額が基準額を超えることになったときは、超過額を取り戻すことができます。ただし、取り戻すには、免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事の承認を受けなければなりません(16条が準用する9条)。
特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律 15条1項供託宅地建物取引業者は、自ら売主となる新築住宅の買主に対し、当該新築住宅の売買契約を締結するまでに、その住宅販売瑕疵担保保証金の供託をしている供託所の所在地その他住宅販売瑕疵担保保証金に関し国土交通省令で定める事項について、これらの事項を記載した書面を交付して説明しなければならない。
試験ではこう問われる
- 供託先は主たる事務所の最寄りの供託所。当該住宅の最寄りの供託所ではない
- 供託所の所在地等の説明は、売買契約を締結するまでに、書面を交付して(買主の承諾があれば電磁的方法による提供で)行う。引き渡すまでに、ではない
- 床面積の合計が55平方メートル以下の住宅は2戸をもって1戸と数える。100平方メートル以下ではない
- 保証金の額が基準日において基準額を超えたときは、免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事の承認を受けて、超過額を取り戻すことができる。承認なしには取り戻せない
- 基準日から3週間を経過する日までの間、基準日前10年間に引き渡した新築住宅(保険契約に係るものを除く)について供託していなければならない
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